Leraning
福音書や新約聖書のテキストを学ぶためには、やはりギリシア語の知識が必要になってきます。
ギリシア語を(独学で)学ぶための参考書や辞書など、最低限のツールについて、松崎広一さん(「FBIBLE=NIFTY-Serve内の聖書(研究)フォーラム」のスタッフでもあります)からご寄稿いただきました。
コイネー(新約ギリシア語)自習法1 文・松崎広一
さて、ギリシャ語を読むツールが必要ですよね。一番目は辞書。
コイネー用の辞典ですが、いわゆる「バウアーの辞書」をプロは揃えるようです。約10,000円。下のは英語版。原文はドイツ語版です。
ぼくはトーシローですが「辞書はやっぱバウアーだよね」ということで、大枚はたきました。
Walter Bauer;A Greek-English Lexicon of the New Testament and other Early
Christian Literature 2nd Ed.,The University of Chicago Press.
そして、コイネーではなく、古典ギリシャ語用辞書も70人訳とか、ヨセフス全集やギリシャ哲学の本なんかをチラッと読む際に必要でしょうから、それは
Liddell & Scott: Intermediate Greek-English Lexicon, 7th Ed.,Oxford Press
でしょう。
リデル&スコットの辞書は松竹梅の3種類があって、松はヤタラ高いのですが、ぼくは約5,000円の「竹」にしました。「梅」はお店の人に「学生さん、やめといた方がいいですよ」といわれたんですが、それが、ついこの間のようです...。
松は25,000円ぐらいしましたっけねぇ。いつか買います。
日本語では岩隈さんの新約聖書ギリシア語辞典(山本書店)。これには姉妹版として逆引辞書があります。変化形から原形を求めるための辞書です。どんな風にして使うかですが、チラッと紹介します(あくまで自己流ですが)。
例えば、マタイ1:20の後半つうか終わりのあたりですが、こんな感じに分解して味わうことができます。
逆引辞書で、例えば、γεννηθενを引くと、「γενναωの受動態・1過去・分詞・中性・単数・主格」であることが略語で書かれていますして、本体の岩隈辞書のp.95に意味・用法などが載っているということが示されています。
| 原 文 | 原 形 | 分 解 |
| γεννηθεν | γενναω | 動詞・受動態・1過去・分詞・中性・単数・主格 |
| εκ | εκ | 前置詞 |
| πνευματοs | πνευματοs | 名詞・中性・単数・属格 |
| εστιν | ειμι | 動詞・現在・直接法・3人称・単数 |
| αγιον | αγιον | 形容詞・中性・単数・属格 |
ということで、簡単に翻訳することができます。
もし、横にINTERLINEAR(逐語訳)があればなお、簡単。英文を読みながらサクサク訳せます。
| γεννηθεν | εκ | πνευματοs | εστιν | αγιον |
| having been conceived | from | spirit | is | [the] holy |
| 孕んだものは | 〜から | 霊の | 〜だ | 聖なるもの |
でも、これだけじゃ読めないので、節ごとに「このκαιは逆接だ」とか解説してくれる、MAX ZERWICKのA GRAMMATICLA ANALYSIS OF THE GREEK NEW TESTAMENTがあれば便利でしょう(約7000円)。
同じZERWICK(ツェルヴィック)大先生の文法書があれば、それと対比していながら読めるので便利です。その名もBIBLICAL GREEKです。版元はどちらもEDITRICE PONTIFICIO ISTITUTO BIBLICOです(約2500円)。なんでも、原文はラテン語らしいのですが、もちろん、浅学菲才なぼくが読めるのは英語版です。
あと、写本間の異読を扱った本としては、A TEXUAL COMMENTARY ON THE GREEK NEW TESTAMENT(BLUDE M.METZGER, UNITED BIBLE SOCIETIES)も持っておいた方が楽しいです。
教文館7Fの洋書部で「メッツィガーのテクステュアルコメンタリーとツェルヴィックのアナリシスください」といえば、ハイハイといってすぐに持ってきてくれます。固有名詞化寸前ぐらい一部では有名です。
その2