フランス映画が見たいと取り立てて言わなくとも、九州の田舎の場末の映画館にも普通にフランス語や英語、ドイツ語、イタリヤ語、スペイン語の映画が必ず掛かっていた。現代の映画の流通が、どのようになっているかは分からないが、半世紀近く前とは言え、九州南部の片田舎と言えども世界の情報は手に入れることができたのである。不思議なもので幼い目にも、それらの映画の言わんとすることは苦労もせずに共有できた。与太で言えば、現代の方が、ボーダレスとやらで糞面白くも何ともないと言えるだろう。
「過去から来た女。」監督 : ソフィー・マルソー
Mardi ćinema vol.1 La Disparue de Deauville
マルディ・シネマとは、フランス語で「映画の火曜日」という意味である。隠し味でもあるのか。九州日仏学館は LOVE FM との共催で、毎月一度、西鉄ホールのスクリーンで、福岡未公開のフランス映画の上映会を開催する。マルディ・シネマのオープニングとして、フランス人女優ソフィー・マルソーが出演する2作品を上映。そのうちの一本が、彼女自らが監督した作品「過去から来た女」である。そう言えば、廃人のような劇中の刑事が、今日は何曜日だ、火曜日か、などと忙しなく煙草を吸いながら言う台詞があったような気がする。フランス映画はしゃれている。お国柄の劇中の遊びが、何なのかを理解できていない、われわれにはフランス映画は難解かも知れない。
30年前に謎の死を遂げたかつての有名女優 ヴィクトリア。ホテル・ノルマンディーで起こった失踪事件を調べる警察官であるジャックの前に現れた謎の女は、ヴィクトリアの幻想なのだろうか。かつてこの女性に何が起こったのか。なぜ、彼女はジャックを選んだのか。この豪華なホテルの裏側にはどんな秘密が隠されているのか。女優であるソフィー・ マルソーの監督作品である。政府は、2003年に彼女に文化勲章を授けた。棺桶の際で勲章を授けるどこかの国とはちがう、色気のある国なのだろう。(2007年、100分)※
エンディングに“父親へ捧ぐ”だったか、“両親へ”といったふうな献辞があったと記憶するが、見終わった後、事実、ソフィー・マルソー監督の両親への捧げる言葉ではあろうが、一方で、ルネ・クレマンやアラン・レネなど、わが国ではフランス映画界の“巨匠”とか“名匠”と被される映画監督や、ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、ジャック・ドゥミ、アニエス・ヴァルダ、そしてロジェ・ヴァディム、ルイ・マル、ジャン=ピエール・メルヴィルやクロード・ルルーシュなどによる“ヌーベルバーグ”と称せられる監督たちへの親愛の情とも受け取れた。
Review
ソフィー・マルソー(Sophie Marceau、1966年11月17日 - )はフランス・パリ出身の女優。13歳の時にオーディションで数百人の中から選ばれた『ラ・ブーム』の主役でデビューし、一躍トップ・アイドルとなる。ややアジア人に似た外見が特徴で、これは本人も認めるところである。現在もフランスでの人気は高く、最も売れている女優であるとも伝えられる。
1980年2月、母と共に10代を探しているモデル事務所を偶然見つけ、写真を撮ったが声がかかることは期待していなかった。これが、デビューのきっかけとなる。 そのころ、クロード・ピノトー監督の『ラ・ブーム』のキャスティングディレクターがモデル事務所に新人を推薦するよう声をかけて回っていたのである。『ラ・ブーム』はフランスで入場券450万枚の売り上げを記録するに留まらず、他のヨーロッパ諸国や日本を含めたアジアでもヒットとなった。続編『ラ・ブーム2』でセザール賞最優秀新人女優賞を受賞する。以下、女優としての活躍は多く知られるところである。
2003年、フランス政府より芸術文化勲章を受賞。監督業としては、L'Aube à l'envers(1995、短編映画)、聞かせてよ、愛の言葉を Parlez-moi d'amour (2001)、ソフィー・マルソーの過去から来た女 La Disparue de Deauville(2007、出演・脚本も)。
2008年、フランス映画祭(横浜)に団長として来日。
「レディ・エージェント 第三帝国を滅ぼした女たち」
マルディ・シネマ第二弾。歴史的な実話を元にした物語である。
フランスを代表する女優、ジュリー・ドパルデューとソフィー・マルソーが二人の女性を演じる。
日時:3月 17 日(火)19:00 / 会場:西鉄ホール
料金(一般):前売 1,000 円 / 当日 1,200 円
お問い合わせ:九州日仏学館(Tel : 092-712-0904)
2008 年 / フランス / 117 分 / 監督:ジャン=ポール・サロメ
フランスのレジスタンス運動に参加し、夫を殺害後ロンドンに逃亡したルイーズは、ウィンストン・チャーチルが設立した諜報機関、英国特殊作戦執行部SEOに雇われる。急な指令で、フランスでノルマンディー上陸作戦を準備する極秘任務についていたイギリス兵の救出を任命されるのだった。ルイーズは、キャバレーのダンサー・スージーと科学者で爆発物の専門家ガエル、娼婦で冷血な殺人犯ジャンヌをスカウトし、現地にラジオのオペレーターをしているイタリア系ユダヤ人マリアと合流し任務を実行していくのだった。
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