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ブラウニー物語
BPの言葉
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むかし、イギリスの北の方の小さい村にトミ−とベティという2人の子どもが両親とおばあさんと一緒に住んでいました。お父さんは貧しい洋服屋でした。お父さんとお母さんは毎日一生懸命、働いていましたが、この2人の子どもは怠け者でちっとも、うちのお手伝いをしませんでした。それどころか、洋服の裁ちくずや、木のきれはしなので遊んで家中をちらかしても片付けないし、外で遊べば洋服をどろどろにしてきたり、きたない手や靴でせっかくおそうじしたテーブルや床をよごしたりろくなことはしません。
ある日、お父さんも、お母さんもこのどもたちがあまり怠け者でいたずらで、世話ばかりやかせるので、ついひどくこごとをいっておばあさんにぐちをこぼしました。するとおばあさんは2人の子どもをよび、次のようにおっしゃいました。
「さあ、2人ともこっちへ来ておとなしくしなさい。お父さんお母さんのお仕事の邪魔をしては行けませんよ。おばあさんと遊びましょう。」
「いやだ、おばあさんとなんか遊んだっておもしろくないや、それよりお話してよ。」
「お話かい、何のお話がいいかね。そうね、フェアリー(妖精)のお話がいいわ。」
「フェアリーだって、フェアリーなんて、とっくの昔ブラウニ−と一緒にどこかへ行っちゃったよ。」
「おばあちゃん、ブラウニーってやっぱりフェアリーのこと?」
「ああ、ブラウニーは茶色い服を着た小さい人たちのことさ。ブラウニーのいた頃は本当に家の中はいつもきちんと片付いて気持ちよかったよ。」
「ブラウニーはいついたの?」
「おばあさんの子どもの頃までずうっと昔から何代もつづいていたんだよ。」
「ブラウニーは何をしたの?」
「ブラウニーはお部屋をそうじしたり、お庭をはいたり、おふとんをあげたり、お使いに行ったり、家のことなら何でもしたよ。でも、家の人たちの起きる前に仕事をすませて姿をかくしてしまうので、誰も見つけることができなかったのさ。でも、ときどき家の外でゆかいそうに笑ってたり、元気に遊んでいる声を聞くことはできたよ。」
「まあ、ブラウニーがいたらいいわね、そうしたらトミ−もなにもしないで家の仕事をみんなブラウニーにやってもらえればいいんだもの。一体ブラウニーはどこにいるのかしら、おばあさん知っているの。」
「いいや私は知らないけど、森のふくろうのおばさんがきっと知っているだろう。」
「ふくろうですって!あの、ホーホ−っていつも夜になると鳴く、あのふくろうでしょう?」
「そうさ、ふくろうはなかなか賢い鳥だから行って聞いてごらん。」
その夜、トミーとベティはふくろうを探しに森の中へ入っていきました。お月様は青い光でやわらかに木々のこずえを照らし、2人の影は長く後ろに引いていました。時にそよ風がふいて草の葉がサラサラと音を立てます。しんとした森の中は2人の足音と風の音ばかりです。2人がしっかり手を握りあっておっかなびっくり歩いて行きますと、やがて遠くの方でホーホーというふくろうの鳴き声が聞こえてきました。2人はこわいのも忘れて思わず足を早めて、あの声のする方へと歩き、やっと1本の木の下にきました。
ホーホーとふくろうは鳴いています。

「もしもしふくろうおばさん、ちょっとおたずねしたいことがあるのでやってきました。」
「ホーホ−それは一体なんだね?まあここへ上がってきて話してごらん。」
と、ふくろうは答えました。
2人は木に登ってふくろうのとまっている枝に腰をおろすと、今日おばあさんから聞いたブラウニーのお話をして、どこにいるか教えてくれと言いました。ふくろうはホホホーホホ−と笑いました。
「それ、あそこに池が見えるだろう。あの池の北側へ行って、3回まわってこう言いなさい。
体をひねってぐるりとまわるから
わたしに小人を見せてね。
水の中をのぞいてみたら○○○が見えました。」
「○○○のところはお前が水の中に見えたものの名前を入れるとちょうどこの歌ができるんだよ。そこに見えるのがブラウニーだよ。さあ、行ってやってごらん。」
と、言いました。
「もしもしふくろうおばさん、もう一度やり方を教えてください。水の中には何も見えませんでした。」
「まあまあ、ちょっとここまで上がってきてごらん。」
と、ふくろうおばさんは言いましたので、2人はまた木に登ってふくろうのとなりに腰をかけました。
「何も見えなかったって?本当に何も見えなかったのかい?」と、ふくろうは聞きました。
「ええ、何も見えやしなかったわ、見えたのは私の影ばかりよ。」
「そらそら、その『私』を歌の中に入れちゃどうだろう。うまく歌にならないかね。」
そこでベティは歌を考えてみました。
「体をひねってぐるりとまわるから わたしに小人を見せてね。水の中をのぞいてみたら『わたし』が見えました」

「あら、ほんとうのことだわ、じゃわたしが小人なの?おかしいわね。私はブラウニーなんかじゃないわ。」
「ええ、だけどなろうと思えばなれますよ。あなたは元気の良い子でしょ。やろうと思えば朝、誰にも知られないうちに起きて、お庭をはいたり、お部屋を片付けたり、食卓の準備をしたり、ちゃんとできるでしょ。それができたらどんなにお父さんやお母さんが喜ばれるでしょう。そしてどんなに気持ちよく一緒に暮らせるでしょう。」
ふくろうの話を聞いているうちにベティとトミーはやってみたいなあと思いました。それでふくろうにお礼をいうと急いで家へかえってねました。
翌朝2人はいつもよりずうっと早く目をさまして、こっそりねどこからはなれると、まず自分たちの部屋をキチンと片付け、台所へ行って、かまどに火を起こしてお湯をかけ、床をはいて、テーブルの上をふき、ちゃんと朝ご飯の食卓の準備をしてからお父さんの仕事場を片付け、お庭をはいて、まだ他の人が誰も起きないうちにまたコッソリおふとんに入って知らん顔をしていました。やがてお母さんが起きて、うちの様子がすっかり変わり朝食の支度までしてあるのを見てびっくりしていました。
「お父さん、おばあちゃん、ちょっと来て見てください。また昔のようにブラウニーが来ましたよ。すばらしいでしょう。うちにブラウニーがきたんですよ。まあ何もかもキチンと片付いて、お湯はチンチンわいているし、ご飯の支度までしてありますよ。」

うちの人たちは大喜びでした。これを見たベティーとトミーもうれしくて、うれしくて、また明日もやろうと思いました。それから2人は毎日早く起きて、うちの仕事をするばかりではなく、前のようにおもちゃをちらかし放しにしたり、ドロ靴で床をよごしたりするようなことはしなくなりました。そしてうちの人たちがいつもニコニコと暮らして幸せになりました。
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