私は慌ててその辺の木陰にしゃがみこんで身を隠す。
何か少し遠くの方で爆音が聞こえる。
…あーあ、また派手に魔法使ってるな。
…あ、また何か吹っ飛ばされた音がする。
うっぷ…
べちゃ…とかぐちゃ…とか聞いていると気持ち悪くなってきた。
今日はお肉を控えよう…
えっと、私の名前はハイネ・クラインって言って
1週間前に冒険者になったばかりの魔術師。
ちょっと癖のある銀髪がチャームポイントの女の子。…と自己紹介はこの辺にして。
今は近くの村で農作物を食い荒らすホブゴブリンの退治をしているところ。
…正確に言うと、退治をしているのは私ではなくて、
私が従えている【使い魔】が私の代わりに戦ってくれている。
で、従わせている当人は岩の陰に隠れて見つからないようにしてるのだ。
敵さんに捕まらないように、ひっそりと身を潜めて。
だって役に立たないんだもん。
……
音がなくなったな…。
そろそろいいかな?
ガサ…
わっ…
こちらに向かってくる足跡がする。
うわっ…まだ、残っていたんだ。
ガサガサ…
気が付かれませんように…
もし、気づかれたらどうしよう…
えっと…えっと…
ぽんっ…
肩をその誰かに叩かれる。
「うわぁ!」
見つかった。まずい!
私は適当に頭に浮かんだ攻撃呪文を詠唱する。
炎が手の平から螺旋状に現れた。
「待て!オレだ」
「わっ?あっ?ランディ?」
私は慌てて詠唱を止めると、中途半端に行き先のなくなった炎は私の手から離れ、
辺りをグルグルと回り始める。
魔法の暴走だ…。
「うわぁぁぁぁぁ!」
私はパニックに陥って頭を抑えしゃがみこんだ。
そんな事しても無駄なのはわかってる。
これだけの炎だ。覆われたらはっきり言って大火傷をする。
私は思いっきり心の中で十字を切って目をつぶった。
「………?」
熱い炎が自分に攻撃をしてくるかと思ってびくびくしていたが
しばらくしても何事もないのでそっと目を開けて周りを見た。
私と炎との間に【使い魔】がいて、彼が手を
間一髪のところで彼が止めてくれたらしい。
私はほっと安堵のため息を漏らした。
「
彼は、とぉっても機嫌の悪い声で私に言った。
「すいません…」
近隣の村を襲っていたホブゴブリンを一掃できたのを確認すると
彼は「魔力補充がしたい」と言い出した。
「え〜」
私は思いっきり不平を言う。
「…こんなとこでしないと駄目?宿に帰ってからじゃ間に合わないの?」
ここは街道近い森の中なのだ、ちょっと道を外れた旅人とか、
ひょっとしたら山賊に見られる可能性がある。
「何もなければ宿についてからでもかまわんよ。そのぐらいは余裕がある」
「なら…」
宿でもいいじゃない。そう言いかけた私の言葉をヤツが止める。
「オレがそう言うのは、今回の戦闘で予想外に魔力を使ったから、
用心のためにすぐに補充をしたいと思ったからで…」
彼は予想外の所に思いっきり力を入れて言う。
「確かに今しなくてもいいが、帰る途中で盗賊などと戦闘になって
数人ならともかく大人数になったらオレは役に立てないぞ。
「…うっ…それは困る」
「だろう?だから…」
今度は私が言葉を遮る。
「…ランディ…さっきすごく派手に魔法使っていたよね?」
そんな事しなければ補充しなくてもすんだのに…。
私は彼に非難の視線を浴びせた。
「あのな。オレ一人でホブゴブリン20体を相手にしたんだぞ。
援護も期待できないのにちまちまやってられるか」
うっ…痛い所をついてくる。
「確かに
むううう…本当の事だ、言い返すまい。
「…普段は詠唱をとちって、まともな補助も出来ないクセに、
自分がピンチになるとどうしてああすらすらデカイ呪文を言えるんだ?
それを仕事の時に出せれば逃げ回らなくても済むんだぞ」
はいはい…自分勝手な
「大体、
魔力は残っていたんだ」
「ぐっ…」
とどめの一発。
…ちょっと立ち直れないかも…
「今日、これで何回目?」
「…ひい…ふう…3回目か?今日はずいぶん魔力の消費が多いからな」
ランディは飄々と言う。
「それにしても…私はこんなにくたくたなのに、
どうしてもっと動いてるランディがそんなに元気なのよ?」
「そりゃ、お前。魔力を与えている方が貰う方より疲れるというのは
普通に考えたってわかりそうなもんだろう?
それに元々、魔族ってのは人間より体力があるんだ。
しかも、魔力補充ってのはオレ達魔族がここに滞在する為には
必要不可欠の行為だからな。その能力に強くなるのは当たり前だろう?」
「…不公平だ」
「不公平って…お前な…
だいたい、お前が悪い。オレだって本当は日に3回も魔力補充なんぞしたかないんだぞ。
自分じゃ出来もしない仕事ばかり受けてきやがって。オレばかりに仕事をさせるから
こんなに魔力補充をしなけりゃいけなくなるんじゃないか」
カチン…
「あーまた『お前』って言った!
「さっきまで我慢して言ってやっていたがな、もう限界だ。
オレより能力のはるかに劣る魔術師なんぞ『お前』で十分だ」
カチン…
カンに障る態度。えらそうな口調。人を見下したような目。
…ああもう腹が立つ。
…けど今回のは私が悪い。
気を落ち着かせるために大きく深呼吸する。
「確かに言われてもしょうがないよね、さっき、私の魔法の暴走を防いでくれたんだから…」
頭の中じゃ血管がぶちぶち切れかかっているんだけど、実際彼に助けられたのも事実。
本当ならお礼を言わなきゃいけないぐらいなんだ。
「その通りだ。よくわかってるじゃないか。
お前も早くこんな事しなくて済むようにせめてまともに魔法が使えるようにしろ」
カチン…
「あーもう。何でそんな言い方しか出来ない訳?それが
こっちだってこれでも一生懸命やっているんだからね」
「だったら、早くオレを従えるに相応しい位の
今のままじゃオレは側にいるのも恥ずかしいぞ」
カチン…
だぁぁぁぁ…!
もう!いちいちうるさいの!
言っている事が全部的を得ているからなおさら腹が立つ。
いつか足下に跪かせてやるんだから。
この世界では魔術師のステイタスとして【使い魔】を従えるというのが
割とセオリーになっている。
【使い魔】とは身の回りの事をやってもらったり、ボディガードみたいな事を
やってもらったりそう言う事をしてもらう存在。
【使い魔】にはそこら辺にいる、猫とかカラスとか妖精とか捕まえてきてもいいんだけど、
魔族…。魔法陣でしか呼び出せない異世界の住人の魔族を呼び出し、
【使い魔】の契約が上手くできればかなりの実力者という証になる。
特に人型の魔族は魔法と剣の扱いに長けていて
冒険をする魔術師には必需品とさえ言われているほど。
ただし、人型というのは実力のある程度ある魔術師しか呼び出せない言うのが定説で
私みたいなひよっこには本来召喚なんて出来ない。
実力からすればせいぜい猫あたりを【使い魔】にするのが関の山なのだが、
私は立派なご先祖様のおかげで彼を召喚する事が出来たのだ。
私の家は今は落ちぶれてしまったが、昔は宮廷魔術師を代々出していた
由緒正しいクライン家という家柄。
お金になりそうな蔵書はかなり売ってしまっていたが、
書庫に残っていた本の間に無造作に魔法陣が挟まってた。
その魔法陣というのが私のご先祖様が使用した、数代前までのクライン家代々の直系の者に
従っていたクラインの守護神と言われる魔族ランディを召喚できるものだったのだ。
もっとすごいのがこの魔法陣は魔術師ならどんなレベルの者でも彼を呼び出す事が
出来るという事だった。
低級〜中級魔族を召喚する為の魔法陣ならそこら辺のちょっと大きな魔導shopにでも
売っているんだけど人型…高位の魔族を召喚するそれはプレミアが付くほど
手に入れにくく、貴重だ。ましてや魔族個人を呼び出すなんていう超プレミア物なんて
古代の遺跡で偶然にも見つけない限り本来なら手に入らない。
家計の足しにと少しずつ売り払われていた蔵書のある書庫でこれが残されていたのは
挟まれていたのがとてもお金にはならないような本だったからだ。
かなり古そうな魔法陣なのに虫食いも大してなかった。発見した時にはあまりの感動で
私に見つけて貰うためにここに挟まれていたのではないかと思ってしまったくらい。
その魔法陣を見つけて私は、彼を従える事を夢見て3年間、真面目とは言わないまでも
魔術学校に通って魔術師になったのだ。
私がランディを召喚したのは1週間前。
最初の出会いからしてあんまり良くなかった。
彼が召喚されてきたとき、私はすごく感動した。
私でも人型の魔族が召喚できた…って。
彼は、緑の髪、金色の瞳…人型の魔族特有の浅黒い肌にとがった耳。
20代前半くらいの外見で黒いマントに黒いランニングと生成のズボン、
背中には大振りの剣と言った出で立ちで均整のとれた体格の男性に見えた。
先祖代々って魔法陣には書かれてあったから、
お爺さんが出てくるのを想像していたから正直驚いた。
魔族と人間とは歳の取り方がかなり違うんだろう。
彼は、私が契約の交渉をしようとしたら、本来なら絶対に出られるはずのない
魔法陣からすたすたと歩いて出て私の前に立った。
何故?
驚いた表情の私に彼は言った。
「オレが魔法陣から出てきたのが不思議か?」
私が頷くと彼は魔法陣を指さした。
「あそこを見て見ろ。外円が繋がってないだろう?だから出る事が出来るんだ。
線と線はきちんと結ぶものだ。これは常識だぞ」
ああ…ホントだ1cmほど繋がっていない所がある…
「相手が悪いと契約する前に殺されてしまうんだぞ。
大体、魔法陣って言うのは呼び出す為のモノだが、
魔術師の安全の為にそこから魔族を出さないように描かなきゃ意味がないんだぞ」
そういって子供に諭すように彼は説明をしていく。
「それから…きちんと契約がしたいのだったら、魔法陣を楕円で描くのはやめてくれ。
こんな魔法陣で呼び出されてオレは非常に恥ずかしいぞ。
どうしてこんなひどい魔法陣でオレが召喚できたのか…
普通なら発動すらもしない筈なんだ…」
一通りの事を言うと、彼はため息をつきながら情けないと言った表情で
顔に手を当て大きくため息をした。
私も改めて見て思った。
よくこれで召喚が出来たものだ…
それほどひどい出来の魔法陣だったのだ。
そんな魔法陣で呼び出されたもんだから彼は私との契約をめいっぱい嫌がった。
「元々、オレは自分よりも魔法の力のある魔術師としか契約をしない事にしているんだ。
クラインの家系の者は若くても実力者ばかりだったからオレは喜んで契約したが…。
お前…本当にクラインの直系か?今まで呼び出された中で最低ランクだぞ」
ほっといてよ。昔は小さい頃からそういう教育を受けていただろうけど、
私は3年間で最低限しか習ってないんだから。
「それにオレはあんな魔法陣を描くような魔術師の【使い魔】なんぞになりたかない。
それよりもっとお前さんにあったものと契約した方がいいんじゃないか?猫とか犬とか…」
すでに全然契約する気のない彼に私は食い下がった。
「それじゃダメなの。私はあなたと契約したいの」
「…実力の無い者がオレみたいな高位の魔族を従えるのは辛いぞ。後悔する事になるぞ」
自分の事を高位と言い切ってしまうあたり自分に自信を持っているんだろうけど…。
最初から高い能力を持った【使い魔】を従えていた方が冒険には役に立つじゃない。
…それに高位の魔族を召喚する魔法陣ってこれしかないし、
店で売っている魔法陣だって今の私では多分呼び出せないだろう。
そういう理由もあって私はどうしても彼と契約したかった。
必死にお願いする私に彼は私がクライン家の直系と言う事と、まだ開発され尽くしていない
無駄に多い魔力に免じてお情けで【使い魔】になる事を了承してくれた。
ただし、私に魔力補充が出来たらという条件を出して…。
魔族をこの世界にとどまらせておく為には他の【使い魔】とは違って
本来なら召喚の出来た魔族は側にいるだけで十分魔力補給が出来るのだが、
私のように自分の実力の範囲を超えた魔族と契約した場合、
魔力の補給が追いつかず、長期に彼らをこの世界にとどまらせておくことが出来ない。
だから足りない魔力を補充する為に魔力補充という行為が必要になるのだが
なぜだかそれは魔族と関係を持つ事なんだそうだ。
学校では習わなかったがそれは通常必要ないからだろう。
交わって絶頂時の快感の度合いが魔力という水を汲むバケツの役目をするんだそうで
男性は射精をする寸前、女性はイク寸前で、互いが快感に感じていればたくさん、
どちらかだけだとそれなりに…まるで冗談のようだがホントの事らしい。
ランディの魔力消費量と私の現在の彼への魔力補給量との差はかなりあり、
彼が魔法を使わずに過ごせたとして2日に1回はその魔力補給とやらを
しなければ彼は元の世界に強制的に戻らされてしまう。
しかも、大きな魔法を使うとその分補充が必要になる。
魔族と肉体関係を結ぶ事自体、はっきり言って忌むべき行為であるから
これはかなりの決心が必要だった。
何が何でも契約をしたかった私は魔力補充を受け入れ、彼はそれを実行した。
…要は彼に処女をあげちゃったって事なんだけど。
…ああ、もうあの時の事は思い出したくもない。
もう二度とあんな経験は…ってする必要ないんだったっけ。
で、晴れて彼は私の【使い魔】になった。
…はずだった。
本来【使い魔】と言うのは
私の方が能力が低いのを良い事にして言いたい放題。
…言われるぐらいの事はしてるからあまり文句も本当は言えないんだけど。
初めての【使い魔】だし、仲良くしていこうって本当は思ってるんだけどああ言われると
私も腹が立つから言い返す。結局毎日ケンカばかり。仲良くなんて当分無理。
彼が私のご先祖様を代々護ってきた【使い魔】で守護神とまで言われるのは伊達じゃない
と言う事は一緒にいて1日ですぐに理解した。
剣の腕もすごいが魔法の腕もすごい。素人目から見てもかなりのもんだと思う。
私が引き受けてくる仕事を彼一人でやらせている事が大半なんだけどそれをこなしながらも
人前でなら
そういう仕事を離れてなおかつ大抵は二人きりの時。とにかくやる事にそつがない。
逆に、従えている私の方に問題がある。
学校を卒業したばかりの新米魔術師が高位の魔族を従えているのだ。
しかも、冒険者なんてやった事もないから完全な初心者。どうやっても無理が出る。
それに彼がいる事で私自身甘えている所もある。
クライン家再建の資金集めとして冒険者になったのだが、
彼がいるからと自分では絶対出来ない仕事でもほいほい受けてしまう。
だから私は彼にヤバイ戦闘とかは全部お任せで、私はお荷物にならない程度に
逃げ回って終わりというパターンを繰り返す羽目になってしまう。だからランディが
魔法を使う機会が必然的に増える訳で、今日は3回もしなければいけなくなったと言う訳だ。
もう少し仕事の内容を考えて受けなきゃいけないんだけど…
報酬に目がくらむと後先考えずに受けちゃうんだよね…
これは絶対自分が悪い。彼が文句を言うのも当たり前。
今の私は彼の魔力供給者なだけ。
しっかりやっている上で不詳な私に文句を言っているのだから
彼は悪くないのかもしれないけれど…もう少し言い方ってモノもあるでしょうに。
いつになったら上手くやっていけるのかな…。
「はぁ〜あ…」
しぶしぶ私は下着を脱いで荷物の中に入れる。
「嫌なら早く魔力をコントロール出来るようになればいい」
「簡単に言わないでよ」
私はふくれっ面になってぶーたれる。
「ほら、さっさとしないと人が来るかもしれないぞ」
「むぅ…恥ずかしいのにぃ…」
そう言いながらそろそろとローブを汚れないようにたくし上げ、下半身を露わにする。
ランディは私を木にもたれかけるようにして立たせると、腰を落として私の秘処を指で開く。
「とか何とか言って。今日3回目だというのに…ここは思い切り期待しているみたいだぞ。
こんなにも…しっかり濡れている。ほら…」
「あ…」
ランディは割れ目に指を入れると花弁から流れ出る蜜をすくうように
指を動かし、かき混ぜる。
チャク、チャクとやらしい音がする。
やだ…さっき、しっかり拭いたはずなのに。もう?
「どんどん溢れてくる。一週間前には生娘だったとは思えないほどだ」
顔がかぁっと熱くなる。
何でそんな事言うのよ。恥ずかしくなるじゃない!
「違うもん。…ランディがこんな身体にしたんだもん。
大体、2日にいっぺん位でいいって言ってたのに…
すぐ魔力補充だって毎日Hな事いっぱいしてさ!」
「なに?」
彼は私が言った事がカンに障ったのか手を止めて立ち上がった。
「それはお前、こうして仕事をする時に魔法を使うからだろうが。不可抗力というものだ」
私も負けじと言い返す。
「とにかく、いっつもここが濡れるようになったのはランディのせいなんだからね」
ふんっ
「オレだけのせいじゃないぞ。大体お前だって
「ランディが魔法で感度を上げたせいでしょ?」
「…あれはお前が感じてなきゃ全然意味を成さないもので…」
「ああ…そうだった。そのせいで確か膜を破く時に激痛が倍増したんでしたっけ」
「すぐに解除しただろう」
「それじゃ遅かったの!」
あの時はホント死ぬかと思ったんだから。
「それにランディだってお互いに楽しんだ方が良いって自分もしっかり堪能してたクセに…」
「楽しんでやらなきゃつまらんだろうが。
楽しめない魔力補充なんぞ、むなしい事この上ない。
魔力補充が必要だって事は自分を扱えない
彼は力説する。
「大体、お前と契約なんぞする気は全然なかったんだ。
そこをお情けで契約してやったんだぞ。感謝されても文句を言われる筋合いはない!」
ううう…ああ言えばこういう。
何よあの仕方なく契約してやったって態度…その通りだけど。
腹立つなあ。
でも絶対に私の身体を変にしたのはランディだよ。
会う前はそんな事絶対になかったんだもん。
「…だが、まあ、お前の身体は堪能するだけの価値はある。
かなり良い部類に入るのではないか?今のお前が唯一誇れる処だぞ」
妖しい目つきで身体に触れる。優しく触れられるたび
電気に触れるみたいに身体が反応する。
「そんな事…褒められても…全然…うれしくない」
魔術師としての腕を褒めて欲しい…今は全然なのはわかっているけど…
「まあ、そうだろうけどな…」
本当に不可抗力なんだろうか。
ひょっとして魔法を派手に使うのってこれが目当てないじゃないかって思うぐらい
毎回毎回嬉しそうに抱くのはなんなんでしょうね。
「ともかく、魔力の残りが少ないのは不安だからな。補充をするぞ」
ランディの顔が近づいてきた。
「あ…」
ぬめった唇が私の唇に吸い付き、離れそれを繰り返しながら感触を味わうように動く。
「ん…んあ…んんっ…んふぅ…あふう…」
うわっ…もう…またランディのペースだよ。
何で唇が触れるだけでこんなに身体がじんじんくるの?
ふあっ…彼の舌が入ってくる。
「んーっ! んんっ! ……ん…んふぅ…」
口腔を犯されているようなぞくぞくする感覚に頭がクラクラしてくる。
胸が痛くなるくらいずきずきしてそれがやけに気持ちいい。
ああん、もう。抱きしめたくなっちゃうじゃない。
自然に彼の背中に手が回り、朦朧としながら無意識に舌を絡ませそれに応じる。
「んんっ…んあ…ん…んくぅ…」
ちゃぷ…ちゃぷと水音がする。
する事しか考えられなくなってくる。
…あーもう。何でそんな風になっちゃうんだろう。
魔族としたいなんて思うなんて…
「ふぁ…」
唇を離すと、私と彼との唇の間に粘膜の糸が出来、切れた。
うっとりとした顔でそれを見つめる。
すごく…なんて言うかいやらしい感じがしてどきどきする。
ランディは私の下腹部に手を伸ばす。
私の少しだけ盛り上がった丘に生えた毛を優しく撫でるようにしていく。
妙に心地よくて妙にくすぐったい感触だ。
それから割れ目に指が触れる。
ぴくっと身体が強張る。
「あ…」
彼はそこを優しくなぞるように何度も往復し、その度に私の感じやすい所を、
時にはじらすように、時には少し乱暴にして触っていく。
…気持ちいい…
びくびくと体が震える。
「ん…ん…ん…あっ…ぁ…」
もう一方の手で、ローブの上から私の胸をもみしだき、胸の先の敏感な部分を
触るか触らないかのところではじくように刺激をする。
「ん…あぁぁ…… ふぁ…んく…あん…あぁん…」
たまらず甘い声が漏れてしまう。
ああ、もう。こんな事なんて今まで何も知らなかったのに、
感度を上げる魔法だってあれから使ってないのに、
たった一週間でこんな風になってしまった。
彼に迫られると身体中どこを触られても敏感に感じて、濡れてきてしまう。
そしてその行為に、淫らな声を出して身体をくゆらす。
少し前までなら考えられなかった事だ。
今だって、こんな人に見られるかもしれない所でこんな恥ずかしい事してるのに…
それよりも彼としたくてどうしようもなくなってしまう。
本当に私の身体はどうしちゃったんだろう。
「あっ…」
つつっ…っと蜜壷から溢れてきた蜜が太股を伝う。
身体の芯が熱くなり、じんじんして切なくなってくる。
「…気持ちいいみたいだな。次はどうして欲しい?」
さっきまで黙って身体を触っていたランディが耳元で囁く。
息が耳に当たり、ぴくんと体が反応する。
「ふぁ? えぁ…?」
「次は…どうして欲しいんだ?」
ランディは本当に意地悪だ。いつも私をその気にさせておいてから
こちらが恥ずかしくて言葉に出すのをためらうのを解っていてこういう事を聞くのだ。
「あぁ…い…やぁ…焦らしちゃいやぁ…ランディの意地悪…」
「意地悪なんてしてないぞ。お前が言わないからオレが分からないだけだ…」
…絶対楽しんでやってるよ…。あの嬉しそうに私を焦らしている時の顔ったら。
それを言うまでの間、彼は私に感じるけれど優しすぎて満足の出来ない愛撫を続ける。
これはほとんど拷問に近い。
私の割れ目の部分を彼の指が優しくなぞっていく…。
「ふあぁぁぁぁ…あん…やぁ…」
「腰を振っているが、それじゃ何が言いたいのか分からないぞ…」
そんな触り方じゃ嫌…もっと…もっと…奥までいじって欲しいのに…
そこに指を入れて…かき混ぜて…ああ…そんなんじゃ、もう我慢できない…
焦らされるたびに私のあそこは疼きを増して、ランディの股間のそれを要求する。
「…ラ…」
やっとの事で声を絞り出す。
「ランディのそれ…を私のここ…に入れて…欲しいです…
ふぇ…あっ…あっ…お願い…もう…焦らさないで…入れて…」
恥ずかしい…のに、こんなにも恥ずかしいのに。
何でこんな事毎回言わされてしまうんだろう。
それに言った後、あそこが熱くなってきてしまうのはどうしてだろう…
ランディは軽く笑い、ズボンから自らの肉棒を出す。
「ほら、それじゃ入れにくいだろ。こっちに尻をつき出しな」
私は持たれていた木に抱きつくように手を回し、彼の言う通りの格好になった。
下半身を彼に無防備に突き出す。かなり恥ずかしいがそれが逆に私を燃えさせる。
「…ランディ…お願い…」
彼は私の秘処の蜜で濡らしてそれを当てる。
「…よし、入れてやる。しっかり味わえよ」
ずぶずぶとそれが私の中に入ってくる。
「んん…あぁぁぁ…はぁ…」
私はたまらず声をあげる。
欲しかったモノが私の身体を満たしていく。
「これが欲しかったのか?」
ゆっくりとじっくりと突き出しされる。
「ふああぁぁぁ…あん…そう…なの…すごく欲しかった…の…」
それは私の膣壁を擦って今までとはまた違う快感を生み出す。
私はあまりの気持ちよさにはしたない声を上げてよがってしまう。
「ふうん…ではこういう風にするのはどうだ?」
中をかき混ぜるようにそれを動かす。膣の中がよじる感触がまたいい。
「あ…やん…はぁっ…ああん…ああん…ん…あ…ん…」
たまらない刺激。
自分の神経がまるでそこだけに集中してしまったように感じてしまう。
私は、快感を貪るように腰を動かす。
そして、その行為に没頭をし始めるとだんだんと刺激が物足りなくなってきてしまい、
結局、おねだりをする。私のいつものパターンだ。
「はぁ…も、もっと…激しく…して…」
「激しくがいいんだな…」
私の腰を持つ手に力が入り、動きが早くなる奥の奥にまで激しく突かれる。
「あっ…ああっ…ああん…すごい…奥にあたる…」
通常なら痛い位の刺激なのだがそれが快感にしか感じられない。
「どうだ?いいか?」
「ふあっ! ああん…いい…いいよぉ…気持ちいい…」
「どんな風に良いか言って見ろ」
「ああ…ふあっ…ランディ…の…が…あうっ
…お腹…の中で…暴れて…あん…はうっ…たまらないの…もっと…もっとして…」
「もっと…か。そんな事を【使い魔】にねだるとはスケベで淫乱な
…魔力補充の為だってしっかり忘れてるだろう?」
「うああん…ああん…いいよぉ…いいの…」
彼は呆れた声で何か言っていた様だが私はもうその事しか考えられない…
快感をもっと味わおうとひたすら腰を振る。
「しかし…お前の身体はすごくいいぞ…何度抱いても反応はいいし、
ここはオレのを巧みに締め付ける。こんな女はなかなかいな…ん?」
不意にランディの動きが止まり、今まで抜き差しされていたそれが抜かれる。
「…やぁん!」
急に行為を止められてしまい、私はその場にぺたんとしゃがみ込んだ。
「ひどいよぁ! 途中でやめるなんて…」
ランディに私は抗議する。
彼は出していたモノを急いで中にしまうと、背中の剣の柄に手をかける。
「…邪魔がはいった…」
「え?」
周りを見ると遠巻きにではあるが盗賊らしき者がにやにやとこちらを見ていた。
ざっと10人ほどだろうか…。
う…そぉ…ひょっとして見られてた訳? やだ…
慌てて私もたくし上げたローブを戻す。
「すまないな…油断した。するのに集中してて全然気付けなかった…」
「ちょっとぉ…するのに集中って…」
私は怒って彼の方を見る。
「お前が可愛い顔で感じているのを見ていたら注意を怠ってしまった…っという事だ」
「!」
顔が赤くなる。そんな恥ずかしい台詞さらりと言われるとは思わなかった。
そんな私たちを見ながら、盗賊達は
「兄ちゃん達、それでお終いかい? もっと見せてくれよ」
「何ならオレ達が手伝ってやってもいいぜ」
下卑た笑いで、口々にそんな事を言いながら周りを囲むようにこちらに近づいてくる。
「…まあまあ人数がいるな。
普段なら適当に魔法で散らすんだが、オレはさっきの戦闘で魔力を
あらかた使ってしまったんで温存をしておきたい。だからお前がやるんだ。
足止めになりそうなものか人数を削れる魔法がいい。
そうすりゃ後はオレがなんとかしてやる。
…と炎系の呪文はここでは止めておけよ。
前みたいに暴走したらオレはもう止められないからな…」
「え…でも…また失敗したら…」
「何を言っている? 実践を積まなきゃ出来るモンも出来なくなるぞ。
失敗したら、した時で何とかしてやるからやって見ろ!」
「う…うん」
頭が混乱して働かない。どんどん盗賊達が迫ってくる。
まずいよ…こんなんじゃ何の魔法使ったらいいか浮かばないよ…。
ふみぃ。こんな事ならこんな所で始めないでさっさと宿に行ってからすればよかった
…でも帰る途中で会ってたかもしれない…そう考えるとどっちにしても一緒かぁ。
自分が未熟だからしないといけないんだし…
「おい!何をしているんだ?何もしなければあいつ等の慰み者になるだけなんだぞ!」
不意にランディの声。
あ…!
ふと我に返る。
…いけない。何回こういう場を体験しているのよ。
パニックになった頭を軽くこづく。
いい加減、こんな状況を打破しなきゃ。
いつまでたっても魔力の調整が上手くできなくてランディにいいようにされてしまう。
えっと…人数を減らすか足止めなんだから…
…あれならいいか。
盗賊らのいる所が十分効果の範囲である事を確認すると
私は盗賊の方に歩いていくランディに声をかける。
「ランディ。相手の動きを止めるから巻き込まれないように足元に注意して!」
「解った…」
私はローブの裾を膝が出るぐらいまで片手で持つ。そして地面に手を付くと
ついきっき思い出した私のオリジナル呪文を詠唱を始めた。
この近辺の地中の水分を手を付いた所から円形に20m位先まで集中させる魔法だ。
簡単に言うと沼地を作る魔法。範囲を狭く限定すれば底なし沼にもなる。
ランディがいる所も十分範囲に入っているけど一言言ってあるし何とかしてくれるだろう。
「ん?」
聞き覚えのない呪文を聞いて、彼は怪訝な顔をして立ち止まりこちらを見た。
詠唱が終わる。呪文が発動する。
手を付いた所からさぁぁぁぁぁって感じで沼地が出来上がっていく。
「なっ!」
ランディは足元が泥沼になる前にとっさに飛び上がり、太めの木の枝に捕まる。
そして器用に身体を振って近くのもっと太い枝の上に飛び乗った。
「…おい。気を付けろよ」
頭の上からランディが文句を言っているけど無視をする。
「だから足元に注意してって言ったでしょ?
ランディが木の上にいるんなら丁度いいわ。まだ降りないでよ」
「ん?」
「なっなんだこりゃ…」
盗賊達は急にぬかるんだ地面に足を取られた。
勢い余って泥の中にけつまずいたヤツもいる。
「ふざけやがって!」
口々にそう言って、泥を跳ね上げながら怒りの形相で向かってきた。
「
落ち着き払っている私にランディは声をかける。
怖じ気づいてすくみ上がっているのかと勘違いしたらしい。
「大丈夫」
私もしっかり泥沼にはまっているので素早く動けないし、動く気はない。
訳の解らない魔法でおちょくられたと思った盗賊達はかなり殺気立っているようだ。
ここでもう一度地面に指をつけて別の呪文を詠唱する。
今度は水分を戻す呪文。
沼地がすぅっと普通の土に戻っていく。
沼地だと思って歩いていたのが急に固まったから盗賊達が面白いようにこける。
しかも土に足が埋まってそこから動く事が出来ない。
「わはは…こうも決まると楽しいわ」
私はちょっと高笑い。
冒険始めてからやっと役に立てたわ。
ひも状態からはとりあえず脱出だ。
このどっかから湧いて出たデバガメ…もとい盗賊達はランディが手際よく縛り上げた。
頭みたいなヤツだけ街の警備所にでも連れて行けばいいや。
多少の報奨金と引替えになるだろう。
「…まあまあの出来ってとこだな」
後ろからポンと頭を叩かれる。
「ほ、本当?」
ランディに褒められちゃった。何かすごくうれしいな。
この調子でやっていけばそのうちに魔力の調整も出来るようになるのよね。頑張ろう。
「しかし…奇妙な
ランディに感心をされて私はかなり気が大きくなった。
「ふ・ふ・ふ…私が本気を出せばこんなもんよ」
私は胸を張る。鼻たっかだかだ。
「その本気を最初っから出せばオレに馬鹿にされずに済んだんだぞ」
「何とでも言ってちょうだい。この調子で次からは補助だってなんだってやっちゃうから」
「ほほう…大きく出たな。では次からはそのつもりでオレも動くからな」
「え?え…っとぉ…」
…ランディに言われてすこおしだけ冷静になった。
「…あ…やっぱり、今のなし」
「…さてと…」
「ん?」
ランディの顔が間近に迫る。
「それでは、さっきの続きをするか…」
「ええ?」
私はさっきの騒ぎで盛り上がった気持ちはすでにどこかに消え去っている。
「ええ?ではないだろ? 途中で中断したからほとんど魔力の補充が出来てない。
これでは心もとなさすぎる」
「だって…また、こんなのが来たらやだよぉ。やっぱ急いで街に戻ろうよ」
私はランディにすがりつき、必死で説得する。
「…けどな」
ランディは楽しげに私の足元を見る。
「嫌だと言ってもその足じゃ身動きは取れんからな…」
さぁぁぁ…
血の気が引く。
そうだった。
盗賊をほとんど一人で倒せたからって気を良くしてたからしっかり忘れてた。
私も同じように足が埋まっていて動けないんだった。
ランディは私のローブをめくり上げて割れ目に手を這わす。
「こういう状態で補充というのも面白いかもしれんな…」
彼の楽しげな様子を見て、私は回りを見渡した。
足が土に埋まっていて、なおかつロープでくくられているという
奇妙なオブジェともとれそうな奴らがそこらかしこに点在している。
「ランディ…ちょっ…ちょっと…あいつらに見られるような所でする訳?勘弁してよ」
「分かっている。恥ずかしいのだろう?これでどうだ?」
彼は眠りの呪文を唱えた。
盗賊達がパタパタと眠っていく。
「この程度の魔力は残っているからな…」
最後の盗賊が崩れ落ちたのを確認する。
「…さあ、これで覗くようなヤツはいなくなったぞ。これでお前の杞憂はなくなったな」
「いや…あの…そうだけどさ…」
「安心しろ。とりあえずの分としてさっさと済ませてやる。
後は宿でしっかり補充させてもらうけどな。これでいいだろう?」
有無を言わさぬ口調で彼は私を見てにんまりと笑った。