第7章 真実かトリックか?
同時刻の相対性 その矛盾
第6章 光速度不変の謎に戻る
逆説の相対性理論にに戻る
目次
プロロ−グ
1)見ると観るの違い
1-1)電車の中で
1-2)見るということは光速度で情報を受け取ること...とする。
1-3)観るということは.....
2)ロ-レンツ変換した電車
3)検証
3−1)電車は縮んで観えるのか?
4)光の色 ここが問題!
ちょっと一服 「真実かトリックか? 同時刻の相対性 その矛盾の巻」
問題の回答 光のドップラ−効果について解説します。
プロロ−グ
同時刻の相対性とは「ある系での同時刻は他の系では同時刻ではない」ことである。通常電車の頭と尻尾から同時に光を発射して電車の中央で同時に光を受けとめる。それを電車の外から観れば、電車の頭と尻尾から同時に光が発射されてないことで説明される。「同時に光を受けとめる」方は電車の中でも外でも同時である。
ところで上記の説明をもう少し詳しくアレコレ説明しているものは、同時刻の相対性のみに固執している傾向にある。これこれこう言うわけで電車の頭と尻尾から同時に光が発射されてないことは証明された。オワリ!本当にオワリなのか?
相対論は高速で動く物体の固有時間は遅れ、物体の長さは進行方向に縮むと予言する。ならば電車の外から観た電車は縮み、電車の中にある時計は遅れなければなるまい。.....そう言う観点から同時刻の相対性を描いてみるのも良いだろう。電車の外の観測者には電車がどう観えるのだろうか?
そしてもしも外からは電車の頭と尻尾から同時に光が発射されてないことが理路整然として導かれていたとしても、その理論では電車の外にいる観測者が縮んだ電車を観れないなら間違いだろう。また電車の中にある時計が観測者の時計と同じならやはり間違いだろう!
要するに
電車の頭と尻尾から同時に光が発射されてないことを導く理論そのものが、他の予言「電車は縮み、時計が遅れる」ことも同時に導いていなければならない。ある意味では「お互いの時計が遅れる」とか「双子のパラドックス」よりもシステムとして複雑なのである。
そこで我々は『同時刻の相対性』を証明する理論を組み立てて同時に電車の外にいる観測者が
1)電車は縮んで観えるのか?
2)電車の頭と尻尾の時計はどう観えるのか?
3)同時に光を受け取ったとして電車の頭からの光は赤方偏移するのか?
4)同時に光を受け取ったとして電車の尻尾からの光は青方偏移するのか?
を検証することにする。.....そして ....
1)見ると観るの違い
1-1)電車の中で
電車の中での座標系はx’,t’を使うこととする。その関係を書いた物が左図である。ここで細長いチュ−ブみたいなのを電車とする。
光は緑の線であらわす。すなわち時刻0で頭と尻尾から緑の光線が同時に発射され電車の中央に同時に届く。
ここでどうしたら「緑の光線が同時に発射される」と保証できるのか考えておこう。
電車は頭と尻尾に時計を設置するものとして光線は時計仕掛けで発射されるとする。ならばあらかじめ頭と尻尾の時計を合わせておけば「緑の光線が同時に発射される」ことになる。
ならばどうやって時計を合わせるのか? 幸いにも(?)ここで光速度は不変とすれば相手の時計を見て、その時刻に光が電車の長さを走る時間を加えたものを自分の時刻にすれば良い。
尻尾の時刻=頭の時刻+電車長/C に尻尾の時刻を合わせる。
頭の時刻=尻尾の時刻+電車長/C であることを確認する。
もし電車長が30万kmであるのならお互いの時計を見る限り1秒ずれているわけである。その場合光が衝突する所要時間は0.5秒(右図)だろう。
電車の長さを30mにすると実際にあるかもしれない長さになる。30万kmと30mでは10^7倍(1000万倍)異なるからお互いの時計を見る限りズレは10^(-7)秒=0.1μ(マイクロ)秒=100n(ナノ)秒である。長さ30mの電車で実験するのならn(ナノ)秒の精度まで時計を合わせなければならない。当然光は0.05μ秒後に電車中央でぶつかることになる。
これからの検討に時間と長さの単位を決めておかなければ不便なので電車の長さを 30m として時間の単位をμ(マイクロ)秒とする。ただし気に食わなければ計算結果を全部1000万倍にすれば電車長30万kmの場合に治せる。特殊相対論はサイズフリ-と言うか、宇宙規模から原子規模までサイズに無関係に成り立つ。
1-2)見るということは光速度で情報を受け取ること...とする。
上記の考え方を発展させよう。まず「見る」ということ。これは肉眼で普通に見ることとする。もちろんめがねをかけていてもかまわない。めがねだけでなく双眼鏡や望遠鏡で見ることも「見る」とする。そしてなんらかの装置で相手が発信した電波を受け取ることまで「見る」とする。すなわち結果として光速度で情報を受け取る行為全部を「見る」と定義しておく。 相対論では「ひかり」以上の速度を持つものは存在しないことになっている。
いや 「のぞみ」がある。(JR関係者)
1-3)観るということは.....
「見る」行為に対して「観る」を定義する。1-1)の例では「相手の時計を見た」後で時刻を補正して時計を合わせた。この行為はほとんど無意識に日常的に行われている。例えば観察とか観測という行為である。!
観察とは「見る」行為を通して何が起こっているのか察することであり、観測とはやはり「見る」行為を通して直接測かれない物理量を算出することである。「見た」物理量がそのまんまヒガシ物理量に適応される方がむしろ少ない。
そこで観察や観測の意味も含めて補正や計算で「所要時間0でしか得られない情報を算出する」行為を「観る」と定義しておく。
モチロン「所要時間0で情報を得ること」は物理的技術的に不可能であるからそんなメ-ルは出さないように!
そしてこの「観る」とは時空図を眺めて結論を出すこと自体でもあるのだ。今後「見る」とは言わずに「観る」とする。...と言うより最初から「観る」「観る」としているのだ。ともかくこの「観る」に気付けば相対論はミルミル分かり易くなる。
2)ロ-レンツ変換した電車
ロ-レンツ変換
(1) X’=(X−Vt)/√(1−V2/C2) 正変換
(2) t’=(t-XV/C2)/√(1−V2/C2) 正変換
(3) X=(X’+Vt’)/√(1−V2/C2) 逆変換
(4) t=(t’+X’V/C2)/√(1−V2/C2) 逆変換
は原点 x'=0,t'=0 と x=0 t=0 が重なるようにして数式化されている。図は作図の容易さから座標(x,t)と座標(x’,t')の相対速度を(1/2)Cとして描いている。ここに 1)電車の中で で描いた図を変形して載せれば図としては完成する。
すなわち
図の左側は上記に電車と緑の光線を描きこんだもの。そして右側は座標(x,t)の網のみを描きこんだ物である。
電車の外の観測者はあくまで座標(x,t)の網を通してしか情報を得られない。(=観る)
なお 赤方偏移、青方偏移はまだ未検討なので光線は緑のまま書いている。
図を観るともう分かるのだが電車の外にいる観測者にとっては電車の頭と尻尾から同時に光が発射されてない まず電車の尻尾から光が出て次に電車の頭から光が出る。そして電車の中央で光が交わる。
通常の『同時刻の相対性』の説明ならばここで終れば良い。だが我々はこの理屈が他の要請
1)電車は縮んで観えるのか?
2)電車の頭と尻尾の時計はどう観えるのか?
3)同時に光を受け取ったとして電車の頭からの光は赤方偏移するのか?
4)同時に光を受け取ったとして電車の尻尾からの光は青方偏移するのか?
をはたして満足しているのか調べなければならない。
3)検証
3−1)電車は縮んで観えるのか?
電車の長さが「電車の中の時空図」では30m、「電車の外の時空図」では34mくらい...これって電車が縮んでいるのではなく伸びているのでは?
そうではない。 だがその前に電車の頭が光った時の座標を求めておく。
「電車の外の時空図」でt'=0の時の電車の頭の座標は
(3) X=(X’+Vt’)/√(1−V2/C2) 逆変換
(4) t=(t’+X’V/C2)/√(1−V2/C2) 逆変換
を使う。t’=0 x’=30 を代入すれば求められる。
x=30/√(1−V2/C2)
t=(30/C)(V/C)/√(1−V2/C2)
1/√(1−V2/C2)は V/C=0.5とすれば 1.1547なので 再度計算すると
x=30/√(1−V2/C2)=30*1.1547=34.641C=34.641 m
t=(30/C)(V/C)/√(1−V2/C2)=0.5*1.1547*10^(-7)=0.057735 μ秒
図に値を描きこんで置いた。
では実際の観かけの長さ(?)はどうなるのか?
時刻0.057735 μ秒の時、電車の頭は34.641 mにあるのだが尻尾は?
相対速度がC/2なら尻尾は当然0.057735*(1/2)C*10^(-6) m の位置にあるから観かけの長さ(?)は
34.641−0.57735*(1/2)*3*10^8*10^(-7)
=34.641−0.57735*15
=34.641−8.660=25.981である。
よって「電車の中の時空図」では30 m、「電車の外の時空図」では25.981 mであるから『電車は縮んで観える』ことになる。
この比率 30:25.981=1:0.866 の0.866は√(1−V2/C2)
つまり √(1−0.52)なのである。(証明は省略)
この説明は気に食わない。電車が一端伸びて「観る」段階で縮むように観えるわけだ。いったい座標変換に物体を伸ばす能力を認めるのか?......ともかく結果から言えば「伸びて縮んでロ-レンツ収縮」するわけになる。(^^)
ともかく観測者が実際に観られるのは図の赤電車であり、頭と尻尾の時計はずれている姿である。観測者の時計は先程計算した 0.057735 μ秒 であり、頭の時計は 0 μ秒であり、尻尾の時計は......これから検証する。
まず電車の尻尾の時計と観測者の時計の関係を考える。図より電車の中の時空図では尻尾の時計の式は
x’=0 である。x’=0 もりっぱな式である。 それを
(1) X’=(X−Vt)/√(1−V2/C2) 正変換
(2) t’=(t-XV/C2)/√(1−V2/C2) 正変換
の内 (1)に 代入する。 すると x=Vt がでるからそれを(2)に代入する。(2)は結局
t=t’√(1−V2/C2)
に 落ち着く。√(1−V2/C2)は V/C=0.5とすれば 0.8660 再度計算するとx’=0 を入れると
t’=0.8660t
これが尻尾の時計と観測者の時計の関係である。
一方 頭の時計は電車の中の時空図では 式x’=30 となる。これも立派な式である。これを式(1)に代入すると
30=(X−Vt)/√(1−V2/C2)
30(V/C2)=(X(V/C2)−Vt(V/C2))/√(1−V2/C2) 両辺に(V/C2)をかける
(2)式をそのまま加算する。
30(V/C2)=(X(V/C2)−Vt(V/C2))/√(1−V2/C2)
t’=(t-XV/C2)/√(1−V2/C2)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
青い部分が消えてくれて
t'+30(V/C^2)=t(1-V^2/C^2)/√(1−V^2/C^2)=t√(1−V2/C2)
√(1−V2/C2)は V/C=0.5とすれば 0.8660 であるから
t'+30(V/C^2)=0.8660t
30(V/C^2)は(30/C)(V/C) であり、 V/C=0.5 C=3*10^8 m(光速度)であるから
30(V/C^2)
=30/3*10^(-8)/2
=5*10^(-8)
=0.05 μ秒
すなわち
t'= 0.8660t−0.05 μ秒
これが頭の時計と観測者の時計の関係である。
t=0.0576を代入すると t’=0になるはずである。(計算誤差は多少あろうが...)
ともかく
尻尾の時計と観測者の時計 t’=0.8660t μ秒
頭の時計と観測者の時計の関係 t'= 0.8660t−0.05 μ秒
である。
電車の外の観測者は結局図の赤電車しか観えない。この電車は元(?)30mなのであるが、光速度の1/2で動くため25.981
m 約26mに縮んで観える。この縮みは電車が近づく時も通過する時も離れる時も同じ尺度である。
図は今までに出した x と t を書き込んである。まだ「?」の部分は出してないので算出しておこう。
その前に光が衝突する場所の特定をする。 ここは x'=15 m t'=0.05 μ秒であるから
(3) X=(X’+Vt’)/√(1−V2/C2) 逆変換
(4) 逆変換
にそのまま代入すれば良い。
X=(15+V0.05)/√(1−V2/C2)
=(15+1.5*10^8*0.05*10^(−6))*1.1547
=(15+1.5*5)*1.1547
=25.981 m
するとその時の電車の頭は
25.981+25.981/2=38.97 m
一方秒は
t=(0.05*10^(-6)+(15/C)(V/C))/√(1−V2/C2)
を計算すれば良い。面倒なので答えだけを出しておく
t=0.0866 μ秒
電車の頭と尻尾の時計は
尻尾の時計と観測者の時計 t’=0.8660t μ秒
頭の時計と観測者の時計の関係 t'= 0.8660t−0.05 μ秒
より計算できる。これも結果のみ図示しておこう。赤い数字は電車の時計を示す。

少々複雑になり過ぎたので観測者がどう観るのかだけに焦点を絞る。
上の図は電車長(ワンマン電車の運転手じゃないゾ)が30mの時である。また観測者も目の前で光が衝突するであろう位置に移動させている。
まず電車そのものが30m→25.981mに縮む。
次に観測者は電車の頭が通過した瞬間尻尾が光るのを観るであろう。もちろん所要時間0で情報を受け取れればであるけど。
頭が光るのはその後0.0577μ秒後である。
そして0.0866μ秒後に頭から出た光と尻尾から出た光は衝突する(電車中央の受光器に到達する)その時電車は中央を通過中である。
同じ事を1000万倍距離と時間を拡大して描いたのが下の図である。
...............
まず ここまでは 特殊相対性理論の100%使用の元で特殊相対性理論の予言「同時刻の相対性」、「長さが縮まる」、「運動する物体の固有時間は遅れる」を矛盾なく証明している。(と思う(^^))
ここで終れば万歳万歳 バン万歳ダロウが...そうは行かない。まだ二つ証明が残っている。
3)同時に光を受け取ったとして電車の頭からの光は赤方偏移するのか?
4)同時に光を受け取ったとして電車の尻尾からの光は青方偏移するのか?
4)光の色 ここが問題....多分!
「緑の光線」の下心
この章の最初に緑の光線を放出すると述べた。光にはご存知のように 赤燈黄緑青藍紫 の七色がある。そのちょうど真中が緑である。よって緑の光線を使うと光が赤方偏移したか、青方偏移したか、あるいはしなかったかが分かり易い。「光速度不変の原理」とは光速度は光源の速度に対して不変であると言い直せる。ただし不変なのは速度だけで、光源と観測者が静止状態である時の波長や周波数(すなわち色)と光源が動いている場合の波長や周波数(すなわち色)は同じではない。マンガにすればこんなところだろう。そうでなければ「宇宙が膨張しつつある」と言うハッブルの赤方偏移は成り立たない。
よって今回の場合、頭と尻尾から出た元々緑の光線は観測者に対し同時に届くであろうが、光源が近づく形の尻尾からの光は青方偏移して青くなり、光源が遠ざかる形の頭からの光は赤方偏移して赤くなるはずだろう。
はたして そうだろうか? 青方偏移するはずの尻尾からの光、赤方偏移するはずの頭からの光を考えてみる。
各々の時空図で各々の光線を飛距離と所要時間でまとめる。これが同じ光線かと思うほど大化けする。


各々の 飛距離/所要時間を計算すれば 約3*10^8 m すなわち光速度になることはお分かりだろう。多少は誤差がある。数値で出したためである。
ではなぜ化けるのか? ロ-レンツ変換により電車の中の時空図の正方形□が菱形に変形するためである。

図はその考え方を示す。座標の格子に注目する。ロ-レンツ変換とは座標の格子の変形に過ぎない。そして特殊相対性理論はサイズフリ-であり、宇宙サイズから原子サイズまで等しく成り立つ。
そこで 波長λ 周期T を持つ光子1個を考えそれが収まる微小格子を考える。
その微小格子もロ-レンツ変換で変形する。それに合わせて光子自身も進行方向によって伸びるまたは縮むように変形する。
この光子の伸縮は 波長λと周期T が同じ割合で伸縮する。周期の増大は逆数である周波数を下げる。波長は増大するが周波数は下がるから速度(=波長*周波数)は変わらない。これがロ-レンツ変換しても光速度は変わらないカラクリである。...ここまではうまく行く。
だが波長が増大し周波数が下がることは赤方偏移することである。
つまり青方偏移するはずの尻尾からの光線が赤方偏移するのである。
同じ考え方で光源が遠ざかる形の頭からの光は赤方偏移して赤くなるはずなのだが青くなる。
もちろん これは認め難い!
これは論理的トリック(早い話、間違い)なのか、それとも真実なのか?
気付かれたかも知れないが最後の 4)光の色 はアレコレイジルことはしないで原則論のみで押し捲った。この原則は 3−1)電車は縮んで観えるのか? 3−2)電車の頭と尻尾の時計はどう観えるのか? 3−3)電車の外の観測者は結局どう観えるのか? その1 3−4)電車の外の観測者は結局どう観えるのか? その2 に適用しているものである。その結果は特殊相対性理論は正しいのだと主張し得る結果をもたらしている。
その同じ原則で 4)光の色 は矛盾する結論になる。
パッと見ると特殊相対性理論を弁護しているようだが、そうではない。 ともかく形の上で特殊相対性自身が持つ矛盾で特殊相対論は自己崩壊しかかっているわけだ。
こんなことで特殊相対論が崩壊するとは思えないのだが一応矛盾だろう。どこが間違いか、原則はどうなるのかメ-ルでアレコレ議論するのも悪くない。
ただ『郷にいれば郷に従え』で出来るなら特殊相対性理論のリングで特殊相対性理論のル−ルに従ってアレコレ議論したいし、その結果出てきた納得できる原則「特殊相対性理論での光の扱い方(仮)」を使って光のドップラ−効果の特殊相対性理論みたいな物を構築していきたい。
でもとりあえず思ったことなら何でもメ-ルしてください。←ホンネ(^^)
最初に述べたように「同時刻の相対性が証明できた」からそれで良い...のではダメだ。都合の悪いことを伏せて都合の良いことだけを取りあがるのを『良いとこ取り』と言う。「同時刻の相対性ってナンダ?」の解答としては『良いとこ取り』で良いのだが、「同時刻の相対性の検証」では他の論理と矛盾しているのか否かまで検証しなければならない。
多分これは「伸びて縮んでロ-レンツ収縮」するようなカラクリがあるのだろう。カラクリを暴きましょう!