逆説の相対性理論 第2部

第1章)ロ−レンツ変換の不変量

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第2章)超光速変換の不変量に進む


目次

   1−1)はじめに

   1−2)3次元不変量のシュミレ−ション

   1−3)4次元不変量のシュミレ−ション

   1−4)そう言うわけで

   1−5)不変量の式=C−(X+Y+Z)の意味するもの

      a)ピタゴラスの定理

      b)固有時間を導く

      c)S=C−Xの成立範囲

   1−6)この章の終りに

   1−7)計算

 

    番外  「ちょっと一服」

次元と不変量の巻

ガリレオ変換の不変量の巻


 1−1)はじめに

第1部第2章ではふたつの原理からロ−レンツ変換を導き出した。それは「光速度不変の原理」と「すべての慣性形では物理法則が同じ」の2点である。

 これらは光速度以下なら不完全ながらも理論の条件を満たしている。

 そして相対論的4次元空間いわゆるミンコフスキ−空間はすべての慣性系(基準系も含めて)にはロ−レンツ変換に対して不変量が存在するとされている。その不変量(=S)とは=X+Y+Z−Cの関係にあるそうだ。?

 確かに4次元をY=0、Y=0として2次元 S=X−Cとした時、ロ−レンツ変換の式 (1)、(2)(3)、(4)を用いれば「1−6)この章の終りに参照 他に第1部第2章参照」X−C=X’−CT’となる。だから Sは不変量となるのだが、この考えはきわめて都合が悪い。

 4次元不変量Sの式S=X+Y+Z−Cは3次元不変量S=X+Y+Zの自然な拡張であり、何ら疑問がないように思われるかもしれない。だがきわめて都合が悪いのである。どこが悪いのか?。その説明の前に3次元不変量S=X+Y+Zを考察しよう。

 1−2)3次元不変量のシュミレ−ション

 空中を飛んでいる飛行機を地上から見上げた人がいるとする。一方同じ飛行機を山の上から見た人がいるとする。

 二人の人は飛行機の位置を自分の好きな座標で観測したとする。すると二人の観測地はまったくバラバラであり、後から同じ飛行機であったと立証することはできない。

 一方各々自分の好きな座標で観測したとしても各々自分の値から飛行機の機首と尾翼の長さを割り出せば、測定誤差と計算誤差を除けばぴったり同じになるであろう。この場合、機首と尾翼の長さは不変量である。なぜなら飛行機の機首と尾翼は伸び縮みしないから!。

だが飛行機の機首と尾翼の距離を測るためにはふたつの点を同時に観測しなければならない。各々の観測者は各々の座標でふたつの点を観測するわけだが、観測した後で座標を都合良く移動し観測点のひとつを座標の原点に持ってくれば後の計算に都合が良い。なにしろひとつの点だけ観測すれば良いから。つまり暗黙の了解の内に不変量Sの片方は原点に鎮座する。

 よって3次元不変量はSはS=X+Y+Zを満足する。

 1−3)4次元不変量のシュミレ−ション

 同じ方法で4次元不変量のシュミレ−ションをする。3次元ではX、Y、Zのみであったが4次元ではそれにCTが加わる。 C;光速度

 4次元でもSの片方は原点(0、0、0、0)にあるとするべきだろう。

 3次元でも観測者一人でSは算出できる。よって観測者を一人とし、飛んでいる飛行機は1秒ごとにランプをフラッシュさせているものとする。

 まず最初にランプが光った点を原点とし(T=0)、次にランプが光った点のX、Y、Zを求める。T=1は最初に決めたので明らかである。

そして式S=X+Y+Z−Cに代入してSを求めるのだが面倒なのでY=Z=0となるように座標を選んだとすると式S=X−Cとなる。Xは1秒間に飛行機が飛んだ距離になる。

 ところで飛行機は1秒間に何m飛ぶものだろうか? マッハが1秒間360mだからまぁ300m程度だろう。そしてTは1秒、Cは光速度だから3×10m/秒 ちょっと待て!! Sはほぼ−3×10になる。要するにSは虚数にしかならない。飛行機が超光速度で飛ばない限りは!。

 1−4)そう言うわけで

 そう言うわけで不変量(=S)をS=X+Y+Z−CのSにするのはSが虚数になるから都合が悪い。Sが虚数にならないように4次元の不変量はS=X+Y+Z−Cではなく不変量を=C−(X+Y+Z)のSにするべきである。 

 当然反論があるだろう。不変量が虚数でなぜアカンのだ、不変量が実数だろうと虚数だろうと不変量だから文句言うな!と。だが3次元までは不変量は実数なのである。その自然な延長のはずの4次元不変量がナゼ虚数になるのか?、そして虚数にする必然性はあるのか?。

 虚数を使ったから即失格だ、非科学的だ、とまでは言わないが使わなければ使わないほうが良い。虚数はウサン臭い。理解しづらい。そして誤魔化し易いし、収拾がつけにくい。虚数を使わないと量子力学は成立しないと豪語する先生もおられるし、そうかもしれない。だけど虚数を使わないで説明可能な科学もゴマンとある。そして無理に虚数を使う必要がなければ、虚数をなるべく使わないに越したことはない。

 また説明では3次元の不変量と4次元の不変量の測定方法、システムが違いすぎる。これでは3次元までの不変量と4次元の不変量は別物だとの批判もあるだろう。だがひとつの点を測定し決めた途端、不変量が決まると言う点では同じである。そして別物でもかまわないと言うより別物にならざるを得ない。虚数をまったく使わずに3次元の不変量を4次元の不変量に拡大できれば良いのだが、ミンコフスキ−空間でも4次元量を虚数iを使ってCTiとしている。個人的にはミンコフスキ−空間は統一的でエレガントで魅力的なのだが、実際問題としては人気がないし役に立たないし必然性もない。そこで居直って不変量は変換に対して不変であれば十分なのだとする。そして不変量は実数でなければならないと仮定しておく。

 こんな説明では納得できない方もおられよう。今、無理に納得することはないし、結論を急ぐこともない。ただ言っておく。これから述べることを理解するなら納得せざるを得なくなる。

1−5)不変量の式=C−(X+Y+Z)の意味するもの

   a)ピタゴラスの定理

 とにかく素人のズウズウしさで不変量の式をS=C−(X+Y+Z)とする。そしてY,Zを省略して不変量の式S=C−Xとして話を進める。この式をTで両辺割れば(S/T)=C−(X/T)となる。

書きなおせばC=(X/T)+(S/T)でX/TをV(速度)とすれば、C=V+(S/T)である。

これはCを直角の対角線とする直角三角形の式である。有名なピタゴラスの定理である。そしてCとVとS/Tがこの関係であればかならずV<Cである。つまり光速度以上の速度はピタゴラスの定理から存在できない。!

 ロ−レンツ変換で不変量SがS=C−(X+Y+Z)の関係にあれば、光速以下の物体をいくらロ−レンツ変換で変換しても光速以上にはならないのである。

    b)固有時間を導く

 点(X、T)を定めた。それは原点(0、0)を通り、点(X、T)を通る物体とする座標の網を被せたことである。この時点で不変量SはS=C−Xを満足するSとして決まってしまう。この時点でVとは被せた網で測った対象物の速度(ただしV<C)である。

 いろいろ被せる網の中で横軸が対象物の軌跡と重なるものがひとつある。それは最初に被せた網との相対速度がVである系である。その座標で観る限りX’=0つまり距離は動かないわけである。

 よって S=C−X=CT’−X’をTで割りX/T=V、X’=0とすれば

  C−V=C(T’/T)になるからT’=T√(1−(V/C))が導ける。

 ミンコフスキ−的な記述S=X+Y+Z−Cではこうは行かない。ではどうなるかは次の章ではやるのでお楽しみに。以上の操作はロ−レンツ変換がV<Cの条件でしか成立しない。そのために不変量Sが満足するべき式は 2次元ではS=C−Xでなければならない。4次元に拡大するとS=C−(X+Y+Z)の式であるべきだ。なぜならV’<Cと言う条件と固有時間T’が導ける。

    c)S=C−Xの成立範囲 

 S=C−Xは両辺をTで割りX/TをVで置換え整理するとC=V+(S/T)である。これでC,V,S/Tを辺とする直角三角形が書ける。これはひとつの系を表す。(青線)V、S/Tは青線の辺の長さである。

 一方ロ−レンツ変換をした別の系では別の直角三角形が書ける。これもひとつの系である。(赤線)VがV’、S/TがS/T’になる。

 それ以外にもロ−レンツ変換をした色々な系で色々な直角三角形が書ける。その全ての三角形でCが共通であるから直角はCを直径とする半円を描くことになる。

 これで0≦V<Cは成立する。ところでVがCに近づくとどうなるか? 図ではS/T’が0になれば良い。つまりT’が∞になれば良い。その条件を飲めば0≦V≦Cとなる。

 

 ロ−レンツ変換で光速以下の速度をより光速に近い速度に見えるよう系を選ぶことができる。物体の進行方向と逆方向の相対速度を持つ系を選べば良い。つまり赤い三角形の系は青い三角形の系から逆方向の相対速度を持つ系である。この関係を第1部第2章「中学生が解くロ−レンツ変換」でおなじみの図で描いたのが左の図である。

 TがT’に変換されるとグンと伸びて行く様子がわかる。

 S=C−Xの成立範囲はV=X/Tとして

 0≦V≦C、0≦T≦∞

 までは良さそうだ。

 

1−6)この章の終りに

  誤解のないように言っておく。この章で出した式T’=T√(1−(V/C)は第1部第3章の「お互いの時計が遅れるということ」のB)数学上の解釈でT=T’/√(1−(V/C))と書かかれたものの変形である。

 これは基準系から観たT’の意味である。

第1部第3章の「中学生が解くロ−レンツ変換」で出した(4)式の変形(X’=0としたもの)である。(2)間違えないで欲しい。これはX’を操作したためである。

(1) X’=(X−Vt)√(1−V/C   正変換

(2) t’=(t-XV/C)/√(1−V/C)  正変換

(3) X=(X’+Vt’)/√(1−V/C)   逆変換

 (4) t=(t’+X’V/C)/√(1−V/C) 逆変換

T’=T√(1−(V/C)2  この式をV>Cまで拡大は出来ない。無理に拡大すれば数式上はT’が虚数になる。

 もうひとつ注意しておく。この章で明らかにした(またはそのつもりの)のはあくまでロ−レンツ変換で系どうしの相対速度が光速以下の場合である。系の相対速度が光速以上の場合はまだ吟味していない。

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 1−7)計算 以下は参考

 ’2−X’{C(t-XV/C−(X−Vt)}/(1−V/C

分子=C(t-XV/C−(X−Vt)=C(t-2tXV/C+X/C)−(X−2XVt+V);単純展開

   =Ct-2tXV+X/C−X+2XVt−Vt+X/C−X−V;赤は互いに消える。

  =t−X+X/Ct−X(t−X/C);位置を移動しでくくる。

  =t−X/C(C−X)=(C−X)(1−V/C

よってC’2−X’{C(t-XV/C−(X−Vt)}/(1−V/C

  =(C−X)(1−V/C)/(1−V/C

  =C−X

よって C’2−X’=C−X 

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