行列式
雑学その2
第7章 行列式を使ったロ−レンツ変換
目次
1)いきなり変換の行列による表現!
2)相対速度Vを扱う
3)ガリレオ変換への応用
4)光速度不変の導入
5)aの決定
6)変換不変量の式を導く
7)例によって この章の終りに
「ちょっと一服」 行列の巻
8)Y軸の導入(空間の拡大)H12.11.23,アップ
8-1)下準備!
8−2)Dの一般式
8−3)結論
8−4)結論検証 Y=CTの時
「ちょっと一服」 行列の巻2
自分で出しておきながら、ロ−レンツ変換の出し方には疑問があり、不満だった。縦軸をX/C、横軸をTと
したことに、光の線を45度にしたことが疑問であり、不満だった。光の線を45度にすること自体は間違いではない。45度にしたらロ−レンツ変換が導けること、その結果は他の本やら資料と同じであることは一応成果であり成功と言えるだろう。
だが厳密には光の線を45度にした時の特殊解でしかない。光の線を30度や60度にしても同じ結果が得られると解って初めて本当の成功なのだ。
どんな尺度でも同じロ−レンツ変換を導けなければならないはずだ。他力本願をしてはならない。
その疑問に対して行列式を利用することでロ−レンツ変換は唯一無二の変換であることを示そう。できるのだ これが!
とは言っても受験生ブル−ス「sin、cosinナンになる」だ。sin,cosinは確かに普通の生活には役に立たない。だけども設計や電機関係では大いに役立つ、これはわかる。しかし「行列」となるとよりマイナ−な世界、マンズ 何、それ?である じつはパクパクも (^^)!。
そう言うわけでここで扱う行列はごくごく初歩的なものにした。(あまり立ち入ったらパクパクもわからない)どちらかと言えば変換の整理に都合が良いから使う程度のほんのさわりなのだ。ではさっそく!
1)いきなり変換の行列による表現!
まず正変換の定義はどうしてこうなるというより、こう定義するものだとしておく。実際にそうだから!もともと行列はリニア−変換の表現として便利なものなのだ。
そこで正変換を定義すると逆変換が公式としてさっさと導ける。速い速い!!!(@@)
まだこの段階では単に正変換(X、TからX',T'を導く)と逆変換(X'、T'からX,Tを導く)だけのことでガリレオ変換かロ−レンツ変換か超光速変換か決まってない。
この逆変換の覚え方は覚えていた方が良い。あまり役には立ちそうもないみたいだが、これだけでD=1となる。なぜなら逆変換した式をもう一度逆変換すると正変換になるわけだが、2回逆変換した分母は
D'=(aB−Ab)/D2=1/Dとなり、
正変換の各要素a、b、A、Bが元の式になるためにはD=1しかない。
言わば逆変換できると言う条件だけでD=1になる。まだ何も決めてない状態で!!(^^)
2)相対速度Vを扱う
2つの系の相対速度をVとする。すると座標(X、T)の系から見てちょうどX=VTとなる運動は座標(X',T')の系から見ればX'=0である。ロ内
その関係を代数的に処理するとb=−aVが得られる。ロ内
同じ事を逆変換で扱う。今度は座標(X',T')の系から見ればX'=−VTである運動は座標(X,T)の系から見ればX=0である。またまたロ内
これは同じ処理でb’=a’Vになるのだが、 1)の■、■を考えれば「a’はもともとB」であり、「b’も、もともとaV」なので 結局B=aになる。
よって正変換の結論は図の下のほうの赤線で囲まれた部分になる。
B,bが消えてくれるわけである。
3)ガリレオ変換への応用
上記「変換の一般形」でa=1、A=0とするとガリレオ変換になる。
説明はほとんど不要だろう。
そして逆変換はロでは符号が変わるしロではお互いに交換されるのだが、式に展開するとちゃんと出てくる。
よってガリレオ変換では.....
面倒だからヤメ!
4)光速度不変の導入
上記「変換の一般形」で光速度不変の原理を導入する。
光速度不変とは系(X、T)でX=CTと観測されるなら系(X'、T')ではX'=CT'と観測されることである。(C;光速度)
よってX=CTとX'=CT'を正変換に入れ展開し、代数的に解くと
A=−aV/C2が得られる。
5)aの決定
1)でD=1であることを証明した。それは今でも変わらない。よって
D=a2−aAV=a2(1−V2/C2)=1 a=1/√(1−V2/C2)である。
aを正しか取らないのはガリレオ変換にスム−ズに移行するためである。
念のためにロ−レンツ変換を出して見ると
1)X’=(X−VT)/√(1−V2/C2)
2)T’=(T−VX/C2)/√(1−V2/C2)
3)X=(X’+VT’)/√(1−V2/C2)
4)T=(T’+VX’/C2)/√(1−V2/C2)
となる。(^^)/OK!
6)変換不変量の式を導く
左の数式を見ればお分かりだろう。
最後の数式X’2−C2T’2=X2−C2T2から
変換不変量をS2=X2−C2T2を満足するSとするのは自然だろう。
ただ我々としてはこの第2部前半でSは虚数でないとして
S2=C2T2−X2とした。
これにて「行列式を使ったロ−レンツ変換」は終る。この出し方はロ−レンツ変換の条件として光速度不変の原理と逆変換可能の原理(?)しかない。
一般的にロ−レンツ変換では光速度不変の原理は良いとして、他の条件がいまひとつ首をひねる表現が多い。大抵は「相対的」であり、「当たり前」であり、「常識的」なものがくる。この種の「ごく当たり前に受け入れられている原理」でロ−レンツ変換を導くのは問題がある。
ロ−レンツ変換自体が結果として出す「時間の遅れ」や「同時性の相対性」は「当たり前」ではないし、「常識的」なものではない。「当たり前」であり、「常識的」なものはたしかにあるが、結果が「当たり前」でなく、「常識的」なものでない原理を導くのに無条件で「当たり前」であり、「常識的」なものを採用するわけにはいかない。
「お互いに相対的」と言う場合もまた難解である。立場によりどうにでも解釈できる。まさに相対的な用語なのだ。そう。相対的とは立場、系、状況により一律に決めることができないこと。
それに対して「逆変換可能」の方が意味が狭いだけすっきりする。.....と思うのだが....
7)例によって この章の終りに
どうにも気にかかっていた憂い、第1部で導いたロ−レンツ変換は特殊解ではないかと言う疑問はこれで解消した。実際光速度はただ単に「どの系から見ても光速度だ」と言うよくよく言い古された条件以外は使ってない。
だけどもこれで、ロ−レンツ変換は「光速度不変」と「逆変換可能」だけを備えた変換としては唯一無二の存在になりそうである。
それと変換不変量! この説明は通常概念から始まるため解ったような解らないような結果に終ることが多い。中には時間が虚数表現であることから時間とは実体がない虚構の存在と飛躍する御仁もおられる。第2部で再々注意しているが変換不変量とは変換で変わらない量のことである。
あまり期待できないが、ひょとしたら別の形の不変量があるかも?
このHPは勉強しながら書きこんでいる!。行列に詳しい方の指摘があればありがたいのだが。
8)Y軸の導入(空間の拡大)
8−1)下準備!
ガリレオ変換、ロ−レンツ変換どちらも空間はXのみの(X、T)の変換である。それを空間Yを追加した場合どうなるのか 検討する。
空間にYを追加すると言うことは2次元ベクトルを3次元ベクトルにすることである。図に示すように(X’,T’,Y’)のペア、(X,T,Y)のペアはベクトルと呼ばれる。
変換はベクトルがどう変化するかを扱うことである。
一般論を展開すれば3次元ベクトルの展開であるから
X'=aX+bT+cY
T'=dX+eT+fY
Y'=gX+hT+iY
となるのでかなり複雑になる。(本来の行列式)
ただし系をX軸に沿って動かすのみの変換ではc、f、g、hは0で良いし、iは1なので図の簡略行列式で代用できる。
1)の「いきなり変換..」で扱った逆行列の出し方■や■を使った説明は数学的には余因子行列と呼ばれるものをだしている。余因子行列イコ−ル逆行列ではない。逆行列にするためには行列の各因子をDで割らなければならない。ただ今回の場合「逆変換を再度逆変換にするともとの変換になる」条件からD=1が成り立ち、このHPに関する限り余因子行列は逆行列である。
8−2)Dの一般式
Dの値は2次元と3次元では大幅に異なる。これらの行列式は代数として解けばいずれも証明できるのだが根気が要る。気になる人は解いて見られたら良い。だがまぁ根競べはこの辺にしておこう。4次元になると気が狂うかもしれない(!!^^)
このくらいの基礎知識さえあれば上記の「簡略行列式」及び「簡略逆行列式」でae-bd=1でさえあればDは1であることが簡単にわかる(割愛する あしからず)
それでD=1はガリレオ変換、ロ−レンツ変換になる資格があることである。
8−3)結論
すこしa,b,A,B,d,eの混乱があるかもしれないがさしたる事はあるまい(と思う!(~^))2次元ベクトルの変換を3次元ベクトルに変換すると行列式としては図のようになる。数式に展開するとこうなる。
ガリレオ変換
X’=X−VT T’=T Y’=Y
ガリレオ逆変換
X=X’+VT’ T=T’ Y=Y’
ロ−レンツ変換
X’=(X−VT)/√(1−V2/C2) Y’=Y
T’=(T−VX/C2)/√(1−V2/C2)
ロ−レンツ逆変換
X=(X’+VT’)/√(1−V2/C2) Y=Y’
T=(T’+VX’/C2)/√(1−V2/C2)
ハッキリ言えば3)ガリレオ変換への応用 4)aの決定にY’=Yを追加しただけである。
8−4)結論検証 Y=CTの時
これでも光速度不変の原理は成立する。証明しよう。Y=CTであったとする。注意すべきはX=0も考慮するところだろう。
X=0、Y=CTをロ−レンツ変換に代入すると
X’=(−VT)/√(1−V2/C2) Y’=CT T’=T/√(1−V2/C2)が得られる。整理すれば
X’=−VT’ Y’=CT’√(1−V2/C2)となる。
Y’=CT’にならない? ならなくても良い。基準系からはY方向に進む光であるが、慣性系から見ればY方向からずれる。ずれはX’分 すなわち−VT’である。よって光が進む距離をLとすればL2=X’2+Y’2=が C2T’2であれば光速度不変の原理は成立する。
L2=X’2+Y’2=V2T’2+C2T’2(1−V2/C2)=V2T’2+C2T’2−V2T’2=C2T’2
成立している。(^0^)/ワ-イ