第3部 第9章 相対論的屈折

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第8章 水星の近日点移動の異常に戻る

第10章 電子の半径に進む


一般相対論の花形(?)重力波なんかに行きたいのだが、イロイロ限界を感じており、一転して古くて新しい問題「重力による光の屈折」を新しい観点から考えてみました。2年前同じく挑んで屍ルイルイ(!)のテ−マです。

これからはギクシャクしながらしか更新できませんけど よろしく..........


目次

1)スネルの法則

    1-1)スネルの法則とホイヘンスの原理

    1-2)スネルの法則をそのまま相対論的な光の屈折に適用すると?

    1-3)θを水平に近づけると.....うまくいかない?

2)どこがおかしい? 様々な試案

    2-1)相対論に適用 その1(^^)

    2-2)相対論に適用 その2(*_*)

    2-3)相対論に適用 その3(^^)

3)考察

   3-1)整理

   3-2)逆算

   3-3)t’/t=√(1+a/R)は? 静変換からの考察 

   3-4)静変換 その正体?

4)そして 結局 どうまがる?

5)この章の終りに

       ちょっと一服 「相対論的屈折の巻


1)スネルの法則

  1-1)スネルの法則とホイヘンスの原理

光が入射角θで空中から水中に飛びこみ角度θ’に変わった時

sin(θ’)/sin(θ)=C’/C

の法則が成り立つ。スネルの法則と言う。

ただしC;空中の光速度 C’;水中の光速度である。

釈迦に説法かもしれないがスネルの法則をホイヘンスの原理から導いてみる。

 

  空中から水中に光が入るとしよう。位相が同じふたつの平行光線、光aと光bが入射角θで水面に入ったとする。

光aが水面に達した時には光bはまだ水面に達していない。

光bが水面に達するにはまだt=l/Cだけの時間が必要である。

ただし l;距離(スモ-ルエル) C;空中の光速度 とする。

光bが水面に達した時には光aは水中にl’(スモ-ルエルダッシュ)だけ進む。この光aの進み方は突入地点から同心円であるが、光a、光bの間には無数の位相が同じ光があるならば、ホイヘンスの原理により位相が強め合うところは強め合い、弱め合うところは弱くなるから光の集団としては同じ角度θ’で進むわけである。

さて光aと光bが到着する水面上の距離をLとすると L,l(スモ-ルエル),θとの間に

sin(θ)=l/L

の関係が成り立ち、L,l’(スモ-ルエルダッシュ),θ’との間には

sin(θ’)=l’/L

の関係が成り立つ。よって

sin(θ’)/sin(θ)=l’/l

である。一方 lは空中を進む光の距離であるから l=Ct が成り立ち、l’は同じ時間tで水中を進む光の距離であるから l'=C't が成り立つ。ただし C'は水中の光速度とする。 すると

l'/l=(C't)/(Ct)=C'/C

であり、結局

sin(θ’)/sin(θ)=C’/C

が成り立つ。これはスネルの法則に他ならない。

  1-2)スネルの法則をそのまま相対論的な光の屈折に適用すると?

上記の法則をそのまま相対論的な光の屈折に適用してみる(当然 問題があるけど...アトデ

空中から水中ではなくて、非相対論的空間から、ブラックホ−ル周辺の相対論によって曲がった空間に光が入射したとする。簡単にするためブラックホ−ル周辺半径R内は光速度C’の空間とする。

するとブラックホ−ルの周りに光速度C’のガラス球(水晶球?)があるのと同じように光は屈折するであろう。その様子はスネルの法則をそのまま適用すれば

sin(θ’)/sin(θ)=C’/C

である。

  1-3)θを水平に近づけると.....うまくいかない?

一般相対性理論では、 C’/C=1-a/R   a;シュバルツシルト半径 であるから

sin(θ’)/sin(θ)=(1-a/R)<1

ここでθを水平に近づける。θ→π/2にするとθ’もπ/2に近づくがかならずπ/2より小さいであろう。

そこでθ’=π/2−凵fとし sin(θ)=1とすると

sin(π/2−凵f)=1-a/R

ここで左辺sin(π/2−凵f)

=sin(π/2)cos(凵f)-cos(π/2)sin(凵f)

=cos(凵f)となる。

この方法は便利だから今後sin(θ’)/sin(θ)を計算した後θ→π/2にする操作は機械的にsin(θ’)/sin(θ)をcos(凵f)とすることにする。

まとめれば cos(凵f)=1-a/R

そのまま両辺を2乗して

cos(凵f)^2=1-2a/R+(a/R)^2

1-cos(凵f)^2=2a/R ;(a/R)^2=0とする。

sin(凵f)^2=2a/R→ 凵f=√(2a/R)

上記の式から「重力により光の曲がる式 θ=2a/R  」は導けない。

例えば図のように考えると(凵∞凵fとして)

重力により光の曲がる角度は θ=2凵2√2(a/R)  

になってしまう。

 2)どこがおかしい? 様々な試案

   2-1)相対論に適用 その1

普通の空間は空中の状態とおなじとして良いだろう。すなわち

sin(θ)=l/L  l=Ctが成り立つ

問題は光bが亜空間表面に到達した時、光aが

   l’=C’t

だけ進むと言いきれるか?

亜空間と普通の空間では何が違うのか?

時間ではt’=t/√(1-a/R) 距離ではX'=X√(1-a/R)の変換を受ける。

もともと亜空間と普通の空間での光速度の差は

 C’=X’/t’=X√(1-a/R)/(t/√(1-a/R))=(X/t)(1-a/R)=C(1-a/R)

よりC’=C(1-a/R)となる。

 では l’=C’t’=Ct√(1-a/R) とすべきではなかろうか?

計算してみよう。sin(θ)=l/L ,sin(θ’)=l’/L,l=Ct l’=C’t’

sin(θ’)/sin(θ)

=l’/l

=(C’/C)(t’/t)

=(1-a/R)/√(1-a/R)

=√(1-a/R)

θ→π/2にする操作は機械的にsin(θ’)/sin(θ)をcos(凵f)として

cos(凵f)=√(1-a/R)になる。  ;(1-2)参照

これをこのまま両辺を2乗すれば

cos(凵f)^2=1-a/R 

書きなおせば 

1-cos(凵f)^2=a/R

sin(凵f)^2=a/R

これを凵fは充分に小さいとすれば

凵f=√(a/R)

である。

それがどうした!...........その通りである。(^^)ハヤイハナシ シッパイ

  2-2)相対論に適用 その2

ではどこが間違ったのか? 

普通の空間の式 sin(θ)=l/L と

亜空間の式sin(θ’)=l’/L

は同じ L を使うべきではない。亜空間の式はsin(θ’)=l’/L’ とすべきだ....としてみよう。

そこでL’=L√(1-a/R)とすれば

sin(θ’)/sin(θ)

=(l’/l)(L/L’)

=(C’/C)(t’/t)(L/L’)

=(1-a/R)(1/√(1-a/R))(1/√(1-a/R))

=1

 sin(θ’)/sin(θ)=1 つまり θ’=θ で まがらない!!!! (*_*)モットヒドイヨ!

  2-3)相対論に適用 その3

   L’=L L’=L√(1-a/R)を検討した。ついでにL’=L/√(1-a/R)を検討しよう。

sin(θ’)/sin(θ)

=(l’/l)(L/L’)

=(C’/C)(t’/t)(L/L’)

=(1-a/R)(1/√(1-a/R))(√(1-a/R))

=1-a/R

sin(θ’)/sin(θ)=(1-a/R)が出てきた。つまりsin(θ’)/sin(θ)=C’/C(スネルの法則)である。

この理由は後からつける(^^)ベ-

亜空間と普通の空間では何が違うのか? 時間ではt’=t/√(1-a/R) 距離ではX'=X√(1-a/R)である。これをもっと噛み砕いて言えば、亜空間に入国した者(?)はそれまで使っていた物差しと時計を取り上げられかわりに√(1-a/R)倍小さい物差しと1/√(1-a/R)倍遅い時計を与えられる。「郷に入れば郷に従え」で与えられた物差しと時計で測定することになる。

さて距離Lとは入国する前に測った亜空間表面の距離である。物差しは普通の空間のものである。

一方L’は入国後に与えられた物差しで測った(元の長さL)の距離である。尺度が小さい物差しで測るのだから当然L’>L つまり L’=L/√(1-a/R)となる。....

.....と.....屁理屈をつけるのだが、凵fの値は √(2a/R) 、√(a/R) いずれもメチャクチャ大きい!

もし √(a/R)=0.01ならa/R=0.0001である。「重力により光の曲がる式 θ=2a/R  」に比べて大き過ぎる。

3)考察

   3-1)整理

 今まで出てきたものを整理する

     2-1) l’=C’t’=Ct√(1-a/R) & L’=L 

          →sin(θ’)/sin(θ)=√(1-a/R)  凵f=√(a/R)

     2-2) l’=C’t’=Ct√(1-a/R) & L’=L√(1-a/R)

          →sin(θ’)/sin(θ)=1  凵f=0

     2-3) l’=C’t’=Ct√(1-a/R) & L’=L/√(1-a/R)

          →sin(θ’)/sin(θ)=1-a/R  凵f=√(2a/R)

  3-2)逆算

    これら3個の式で凵fがa/Rのオ-ダ-に近いのは2-2) スネルの法則が見かけ上成り立つのは2-3)である。

2-2)と2-3)をうまくミックスできないか? 結果的に2-2)を捨てることになるのだが、ともかく「重力により光の曲がる式 θ=2a/R  」に合うように凵f=a/R として cos(凵f)を求めてみる。

凵f=a/R → sin(凵f)=a/R

→ sin(凵f)^2=(a/R)^2 →1-sin(凵f)^2=1-(a/R)^2

cos(凵f)^2=1-(a/R)^2

cos(凵f)=√(1-a/R)√(1+a/R)

sin(θ’)/sin(θ)=√(1-a/R)√(1+a/R)

一方sin(θ’)/sin(θ)=(l’/L’)/(l/L)=(C’/C)(t’/t)(L/L’)でもある。

2-3)から L/L’=1/√(1-a/R) C’/C=(1-a/R) を採用すると(C’/C)(L/L’)=√(1-a/R)となるから

t’/t=√(1+a/R)

であれば、最終屈折結果凵f=a/Rが得られることになる。

しかしながらt’/t=1/√(1-a/R)である。ならば1/√(1-a/R)≒√(1+a/R) と言えるのか?

これは1/√(1-a/R)=√(1+a/R)とすれば 1=√(1-(a/R)^2) となるから(a/R)^2=0とおけるのなら成り立つ。

 結果的にこれは2-2)を微調整して成り立つ式であり、2-3)の式とも微妙に繋がる。

   3-3)t’/t=√(1+a/R)とは? 静変換からの考察

上記は「水星の近日点移動」で取り上げた図である。水星は相対性原理により軌道が修正され近日点が移動する。同じ原理が当然重力により光の曲がるシステムにもあるはずだ。

   3-4)静変換 その正体?

 Lは普通の空間での光aと光bの到着点の距離である。観測者は普通の空間におり、物差しXで測って距離Lを得る。

 一方L’は亜空間から見た光aと光bの到着点の距離である。観測者は亜空間におり、物差しX’で測って距離L’を得る。X’=X√(1-a/R) つまり X’<Xである以上 L’>Lにならざるを得ない。

2-3)の式L’=L/√(1-a/R)はそうやってうまれた。

同じことはブラックホ-ル中心から亜空間表面までの距離Rにもあてはまる。

空間の旅人である光は亜空間に入るときブラックホ-ルまであとRだと思っているのだが、入ったすぐ後確認するとちょっと遠ざかるわけである。あれっと思って少し近づきまた確認すると思ったほど縮まってない。あれあれと思ってまた.......と「アキレスとカメ」の寓話になるけど、これに時間の遅れが加味されるから光はいつまでたってもブラックホ-ル(シュバルトシルト半径)に到達しない.......ことになっている。

すると空間の旅人である光が、入ったすぐ後確認した距離R’は R’=R/√(1-a/R) になる。R’>Rなのである。

そうであれば、時間の変換に使用される式 t’=t/√(1-a/R)のRはわずかだが大きくなる。

 ややこしいのだが.......結局これが t’=t√(1+a/R) の式を作ってしまう。

 

 4)そして 結局 どうして曲がる?

 もし a/R が充分小さく (a/R)^2=0 として良いなら

 t’=t√(1+a/R) は t’=t/√(1−a/R) になってしまう。

よってθがπ/2に比べて小さいなら t’=t/√(1−a/R) L’=L/√(1-a/R) も成り立って

sin(θ’)/sin(θ)=1-a/R=C’/C 

つまり スネルの法則がそのまま通用する。

θがπ/2に近い場合はt’=t/√(1−a/R)はそのまま適用できない。光a、光bの軌跡が亜空間表面の表裏に張りついてしまうからである。そのためそこでは t’=t√(1+a/R) を適用しなければならないし、(a/R)^2≠0 としなければならない。その場合は

sin(θ’)/sin(θ)=√(1-(a/R)^2)

となり、この場合 凵f=a/R となる。

 このあとは単純だ。a/Rを改めて凾ニおけば、光が亜空間に突入する時a/Rだけ曲がり、亜空間から脱出する時またa/Rだけ曲がるから

「重力により光の曲がる式 θ=2a/R  

になる。

 

 5)この章の終りに

 2年前「重力により光の曲がる式 θ=2a/R  」は本に書いてあるのを丸投げして書いている。この式は皆既日食での光が曲がる角度計算では1.75秒になる。そしてそれに近い観測結果が得られている。(第7章 参照)

 だから理屈のみからθ=2a/R は間違いと主張することは、本末転倒になる。少々掟破りな方法でもまずはθ=2a/R を出しておいて、観測事実を説明できるように理屈を求めてみた。ヤブリスギかもしれない(^^)

 もちろん 教科書ではメチャ難しいテンソルを使った方法が載ってはいる。だけどもっとわかりやすく...として行くとトンでもないものに遭遇する。

 スネルの法則が「重力により光の曲がる」現象にも成り立つとすれば、同じ長さLを外から眺めた場合と亜空間に入って見上げた場合では見上げた方が大きくなる。...これは1LDKの小さなマンションに入ってみたら50畳敷の大広間が現れたみたいなものだ!

 ところがそのスネルの法則を認めてもθ=2a/R は簡単には出てこない。ナンデカナ〜

 θ=2a/R は間違いで本当はθ=2√(a/R) だとか、θ=√(2a/R)だとか言いたいような計算がイロイロ出て来る。それらをあえて乗せておいた。 (^^)や(*_*)

もちろんこんな解説をしている本などない。一読の価値があるかないかは読者に委ねるしかない。ただこの理屈はブラックホ-ル周辺では距離が縮まり時間が遅れると言うことだけから導いていることだけは注目していただきたい。

久々のアップ 如何でしたでしょうか?

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