散策
第3章 テンソルの散策
第4章 ブラックホ−ルへの道へ行く(工事前です。)
3−1)反変ベクトルと共変ベクトル
a)dXυ=(∂Xυ/∂xα)dxαの解釈
b)反変ベクトル Aμ(X)
c)共変ベクトル Bμ(X)
3−2)テンソルとは何? その2
b)テンソルとは?
ちょっと一服 「反変だ、共変だ、大変だ」
3−3)テンソルの階(カイ)
3−4)テンソルの積と縮約
3−5)行列の積
3−6)変換と行列とテンソル 軽いまとめ
3−7)テンソルの積分と密度
3−7−1)スカラ−密度
3−7−2)テンソル密度
3−7−3)テンソル密度ε
3−7−4)テンソル密度εの応用
3−8)この章の終りに
ちょっと一服 「嵐の予感」
テンソルの園にようこそ1
ここは仮想パ−ティの園、T,X,Y,Zと言う本名を名乗るものはおりません。Xυ,xαと仮面をかぶっております。その下にX0,X1,x0とまたまた仮面をかぶっております。
さらにXυ,xαの仮面をかぶっている式には一族全員が参加しています。Συ=03が省略されているものとお思いください。
全ては空間の性質に由来する数学的表現を簡易に表すための方便です。戸惑われると思いますがよろしくお願いいたします。チョンチョン
この章は「一般相対性と重力の理論 裳華房」より抽出しています。
3−1)反変ベクトルと共変ベクトル
a)dXυ=(∂Xυ/∂xα)dxαの解釈
さて第2章ではいきなり式 dXυ=(∂Xυ/∂xα)dxαを使った。これは微小空間では必然的に成り立つ関係である。これは何を意味するのか説明したくとも実はできなかった。なぜならこれは反変ベクトル的関係であるから!
我々はまだテンソルに慣れていない。いまからそれをひとつずつ解釈して見る。さてXυ,xαの仮面をかぶっている式は一族全員が参加している。Συ=03が省略されている。これの仮面をαについてはがせば
dXυ=Σα=03(∂Xυ/∂xα)dxα
となるだろう。
うっとしいから添え字υ,αを0,1のみとしてX0=T,X1=X,x0=t,x1=xとしよう。物理的意味は考慮しない。単に数学的に考えるだけである。すると上式は
dT=(∂T/∂t)dt+(∂T/∂x)dx
dX=(∂X/∂t)dt+(∂X/∂x)dx
となるだろう。
ここまで来ればなんとなく見えてきたがさらにはっきりさせる。dT,dX,dt,dxではなくT,X,t,xに置換えると
T=(∂T/∂t)t+(∂T/∂x)x
X=(∂X/∂t)t+(∂X/∂x)x
となる。
さらに∂T/∂t=a,∂T/∂x=b,∂X/∂t=A,∂X/∂x=Bとすれば
T=at+bx X=At+Bxとなる。
行列式で説明したようにこの関係はT,Xを成分とするベクトルとt、xを成分とするベクトルの変換式である。aB-Ab=1でa,b、A,Bをうまく取ればガリレオ変換にもロ−レンツ変換にもできる。
するともとの式dXυ=(∂Xυ/∂xα)dxαは微小空間におけるガリレオ変換やロ−レンツ変換に類似した変換が満足する微分方程式であると解釈して良いだろう。
b)反変ベクトル Aμ(X)
<X系で関数Aμ(X)がある時 X'系ではAμ'(X')になるとする>
この時Aμ'(X')=(∂Xμ'/∂Xυ)Aυ(X) なら
このAμ(X)は反変ベクトルである。
この式はdXυ=(∂Xυ/∂xα)dxαと良く似ている。添え字αβυν等は勝手につければ良い。戸惑うのは関数Aμ(X)だろう。これも一族全員が参加しているからA0(X)、A1(X)、A2(X)、A3(X)が存在する。
通常 関数は例えばX,Y,Z3次元ではX=X(Y,Z)またはY=Y(X,Z)またはZ=Z(X,Y)と表現すべきだろう。ただしこの3個の式は右辺にXを持ってくるかYを持ってくるかZを持ってくるかの違いはあるが同じ式である。同じ式が変形しているだけである。そうならば、パラメ−タ−X,Y,Zのかわりにsを持ってきてX=X(s),Y=Y(s),Z=Z(s)としてもよい。sを決めるとX=X(s)によりXが決まり、Y=Y(s)によりYが決まり、Z=Z(s)によりZが決まる。X,Y,Zの関係はお互いの式からsを消せば良い。
というわけで関数X=X(s),Y=Y(s),Z=Z(s)が3次元で存在するとするわけだが、それを4次元に直し、さらにsをXに置換え、テンソル表現に直すとAμ(X)が誕生する。Aμ(X)中のXはXμとは違うパラメ−タ−なのである。
この反変ベクトルは2次元に直すと
T=(∂T/∂t)t+(∂T/∂x)x
X=(∂X/∂t)t+(∂X/∂x)x
と等価なのであり、ガリレオ変換やロ−レンツ変換に類似した変換が満足する微分方程式である。
一般的な微小空間はdXμ'=(∂Xμ'/∂Xυ)dXυであるから反変ベクトル的と言える。
反変ベクトルは少なくともリニア−な関数で、リニア−な変換では成り立つ。よって微小空間では反変ベクトルが成り立つ。なぜならどんな複雑な関数でも、それがどんな複雑な変換でも微小空間ではリニア−な関数がリニア−な変換をするだけであるから。
計算にさっそくΣが入っていることに注意されたい。そしてロ−レンツ変換は微小空間でも巨大空間でも空間のサイズに関係なく成り立つことにも注目しておいて欲しい。
c)共変ベクトル Bμ(X)
反変ベクトルに対して共変ベクトルと言うものがある。どこが違うかは添え字μの位置である。反変ベクトルの添え字μはAμ(X)と上であるが、共変ベクトルの添え字μはBμ(X)と下である。
そして共変ベクトルの定義は
<X系で関数Bμ(X)がある時 X'系ではBμ'(X')になるとする>
この時Bμ'(X')=(∂Xυ/∂Xμ')Bυ(X) なら
このBμ(X)は共変ベクトルである。
第2章の「行列式」からベクトルの花盛り、変換式での(X,T,Y)、(X',T',Y')の組をベクトルとしたのだが、ベクトルとはもともと大きさと方向を持つもの、物理では速度や運動量に相当する。行列式のベクトルは第2章の最初で説明したように原点から任意の点に引いた矢印のことであり、この章では反変ベクトルに相当する。
それに対して共変ベクトルと言うものがあるらしい。説明ではXυに対して規定されるスカラ−量ψがある場合、すなわちψ=ψ(X)である場合、∂ψ(X)/∂Xυであるベクトルが共変ベクトルとなるらしい。
このベクトルは原点から任意の点に引いた矢印ではない。あくまで任意の点の近傍の状態によってきまる。それは∂ψ(X)/∂Xυと書ける(この点でテンソルは便利!)
一方座標変換した後ではXはX'になり、ベクトルは∂ψ'(X')/∂Xμ' に変わる(この点でもテンソル表現は便利!)。一方 第1章から延々説明しているが、座標変換とは座標の網をかけ直すことである。ベクトルが∂ψ(X)/∂Xυ→∂ψ'(X')/∂Xμ' に変わるのは座標の網が変わったからに他ならない。
そう言う観点からBμ'(X')=(∂Xυ/∂Xμ')Bυ(X) を見てみる。すなわちBμ'(X')を∂ψ'(X')/∂Xμ' とし、Bυ(X)を∂ψ(X)/∂Xυとして式を再構築すれば
∂ψ'(X')/∂Xμ'=(∂Xυ/∂Xμ')(∂ψ(X)/∂Xυ)
となる。トリックは簡単である。座標変換とは座標の網をかけ直すことである。ある系から見た点はXυだが別の系から見た同じ点はXμ'である。同じ点であるからそのスカラ−はψ(X)=ψ'(X')である。よって
Bμ'(X')
=∂ψ'(X')/∂Xμ'
=∂ψ(X)/∂Xμ'
=(∂Xυ/∂Xμ')(∂ψ(X)/∂Xυ)
=(∂Xυ/∂Xμ')Bυ(X)
なのだ。
3−2)テンソルとは何? その2
我々はこの章で反変ベクトルの添え字μはAμ(X)と上であるが、共変ベクトルの添え字μはBμ(X)と下であるとした。Aμ(X)、Bμ(X)とも添え字はひとつである。つまりベクトルとは添え字がひとつのものであり、反変と共変がある。
我々の概念から言えばベクトルとは大きさと方向を持った量である。方向を持つためには少なくとも2次元以上の空間でなければベクトルは意味がない。ベクトルの成分はふたつ以上あるからテンソル的表現ではどうしても添え字が要る。ただし添え字ひとつで2次元以上何次元でも表すから添え字はひとつで良い。
その説明から行けば、添え字がないものがスカラ−である。スカラ−には反変も共変もない。
b)テンソルとは?
そしてそして、添え字がふたつ以上のものがテンソルでありテンソルも反変と共変があるとしたいのだが、実はもうひとつある。反変と共変 両方の性質を併せ持っている混合テンソルというものがある。
まずは言葉の上で定義しておく。添え字がふたつ以上のものがテンソルでありテンソルも反変と共変と混合がある。
別の参考書によるテンソルの説明では(注意;導入部であるから3次元で扱っている)
ui=Tijvj i,j=1,2,3 ui vjはベクトルとなる時、Tijはテンソルである。
狭い意味ではテンソルとはベクトルvjがベクトルuiに変換されるときのベクトルvjの係数である。このあたりは行列式とリンクさせて考えると解り易い。すなわち
ui=Tijvj i,j=1,2,3→ u1=T1jvj u2=T2jvj u3=T3jvj i=1,2,3
u1=T1jvj →u1=T11v1 +T12v2 +T13v3
u2=T2jvj →u2=T21v1 +T22v2 +T23v3
u3=T3jvj →u3=T31v1 +T32v2 +T33v3
この T11〜T33の数値の組9個がテンソルなのである。

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息抜きして下さい。ちょっと一服 「反変だ、共変だ、大変だ」
3−3)テンソルの階(カイ)
しばらく言葉の説明が続く。肩に力を入れないで読んでいただきたい。添え字がふたつ以上のものがテンソルなのだがこの添え字の数を階(カイ)と呼ぶ。具体的には
Tυν;2階反変テンソル Tυνη;3階反変テンソル
Sυν;2階共変テンソル Sυνη;3階共変テンソル
Uυν;2階混合テンソル Uυνη;3階混合テンソル
もちろん3階4階5階.....n階**テンソルもある。...ソラオソロシイ!(;;^^)
各テンソルはベクトルと同じく
Tυν'(X')=(∂Xυ'/∂Xa)(∂Xν'/∂Xb)Tab(X) なら2階反変テンソル
Sυν'(X')=(∂Xa/∂Xυ')(∂Xb/∂Xν')Sab(X) なら2階共変テンソル
Uυν'(X')=(∂Xυ'/∂Xa)(∂Xb/∂Xν')Uab(X) なら2階混合テンソル
となるわけだが............(;;^ω^;;)ウ〜
以上でようやくテンソルの入り口に来た。テンソルをあれこれ検討する上での必要最低な知識を得たわけである。今のところピンと来ない(パクパクも)のだが、今後反変なのか、共変なのか、混合なのかが結構重要になってくる。
もし本当に偉い先生に会ったら、「反変、共変、混合」と言う言葉を多用して質問して見ると良い。ちゃんと答えられる先生なら信用して良い。ポカンとする先生なら期待しない方が良い。まぁ 今のパクパクはポカン組だけど..
でもこれだけは言えそう。ηυνは基準系(=無重力系)でのテンソルでミンコフスキ−型計量テンソルと呼ばれる。gαβは加速度系でのテンソルで計量テンソルである。これらは当然2階共変テンソルと言うことになる。
3−4)テンソルの積と縮約
ひとつのベクトルVυと別のベクトルVνが Vυ=TυνVνの関係であって、かつこのベクトルVυと別のベクトルVαがVα=TαυVυとする関係があるとき、
Vα=TαυVυ=TαυTυνVν
このTαυTυνをテンソルの掛け算、テンソル積と言うのだが、TαυTυν≡Tανとも書ける。つまり
Vα=TανVν
「≡」は そう定義したという記号、良く見ると添え字υが消えている。これを縮約と言う。まぁ この辺は受け売り、変換とは第1章では「座標の網を被せなおす行為」であるし、第2章では反変ベクトルと反変ベクトルの行列式による記述であったが、第3章ではベクトルとテンソルとベクトルの関係である。
......と....ここまで来て....気が付くと行列の積を知らなかった!。行列とテンソルはつかず離れずの関係にあるから、とりあえず検討しておく。
3−5)行列の積
このテンソルの積は「言う(書く)は易く、行う(計算)は難し」だ。はたと気が付くと行列の積が分からない。そこで教科書「一般相対性理論 および重力の理論 裳華房」を離れて....行列の積を扱う。
まず行列の積(図)を... ポケッと眺める。このC11〜C22はA,Bに対してどうなるか、どんな関係にあるか?
それはこんな関係だった。天才的ヒラメキ? 否 違う! 単に行列の概念を無鉄砲に拡大しただけ!!でもちゃんとあってたんだなぁ〜 これが!

つまり行列式の積とは
ふたつの変換口と口が重なって表記されているわけだ。(結果的に)
それで何をやってるんだ チュウことだけど
正体がはっきり分かっているロ−レンツ変換で具体的に考えよう。
ロ−レンツ変換はX’=(X−VT)/√(1−V2/C2) , T’=(T-XV/C2)/√(1−V2/C2)
なのだがV0=CT、V0’=CT’とすると下記の形になる。

これは(X0、X)→(X0’、X’)への変換である。逆変換は(X0’、X’)→(X0、X)であり、

である。(行列参照)すると下記の関係が成り立たなければならない。

実際に行列の積を計算すると下記のようになり上式は成り立つ。

このC11〜C22の行列をEと呼ばれる。Eで変換されたベクトルは何も変化しない。
正変換テンソル(?)Aに対して逆変換テンソル(?)A’はAA’=Eの関係にある。
今度は少し複雑なものを扱う。
(X0、X)→(X0’、X’)の変換と、同じように(X0’、X’)→(X0’’、X’’)への変換を考えることが出きる。ここで区別するために最初の相対速度をV1、(X0’、X’)→(X0’’、X’’)の相対速度をV2とする。そして(X0、X)→(X0’’、X’’)の相対速度をV3とする。 以上をまとめると

同じように

C11に注目しよう。C11はX0’’とX0の係数であり1/√(1−V32/C2)となるべきである。
一方C11はAa+Bbであり、
{1/√(1−V12/C2)}{1/√(1−V22/C2)}{1+V1V2/C2}
である。すなわちこれからV3,V2,V1の関係が出なければならない。すなわち
1/√(1−V32/C2)={1/√(1−V12/C2)}{1/√(1−V22/C2)}{1+V1V2/C2}
両辺を2乗し分子と分母をひっくり返すと
(1−V32/C2)=(1−V12/C2)(1−V22/C2)/(1+V1V2/C2)2
よって
V32/C2={(1+V1V2/C2)2−(1−V12/C2)(1−V22/C2)}/(1+V1V2/C2)2
=(V12/C2+2V1V2/C2+V22/C2)/(1+V1V2/C2)2
あとは一声ワンと鳴けば
V3=(V1+V2)/(1+V1V2/C2)
これぞ 加法定理とか 加法則とか言われているもの! 第1部第2章 参照
それにしても うまく出来ているなぁ〜 特殊相対性理論は (^^)
3−6)変換と行列とテンソル 軽いまとめ
変換とは第1部においては「座標の網を被せ直すこと」であった。この大原則は今もって変わらない。第1部第2章では光速度を45度の直線にしたグラフでロ−レンツ変換を導いた。中学生にも解けるだろう初等幾何学でである。
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第2部では変換不変量が前面に出て来る。変換不変量は空間の任意の点と座標の原点に対して成立する。この変換不変量は最後の行列で始めて納得できる形を整える。その行列で空間の任意の点と座標の原点に対してベクトルの概念が出される。変換にからむベクトルであり、ベクトルが座標の網を被せなおすことにより別のベクトルになる。第2部においては変換とはベクトルが変わることであった。
これについてまたまた補足しよう。
第2部の行列式はT,XとT’,X’ 及びY'=Yの関係 すなわち
X'=(X-VT)/√(--) T'=(T-XV/C^2)/√(--) Y'=Yの関係である。
これは図の”第2章「行列式で扱った式」”の形式に書ける。*は0でない数値を示す。これはX方向にだけ座標が平行移動する場合しか当てはめられない。
もし座標がY方向だけに移動するなら図の「Y方向へ移動」の形に書ける。証明は簡単であるから(ただし実際にするとややこしい、考え方だけは単純)省略する。
そして座標がX方向にいくつ、Y方向にいくつと言う具合に任意の向きに平行移動する場合は図の「X Y 任意方向へ移動」の形に書ける。具体的数値は考えない。行列の成分が0か*(0でない)かのみを考える。
それを4次元に拡大したのが左の図である。ベクトル(T,X,Y,.Z)をベクトル(T',X',Y',Z)に変換する行列の成分は16個あるが、実際に変換に関与する成分は図の*だけ、すなわち10個の成分のみである。
この関係は移動する系が慣性系であろうと加速系であろうと変わらない。
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そして第3部、ここでも変換とは座標の網を被せなおすことによりベクトルが変わることである。上記の変換に関係する16個の成分を持つ行列がそのままテンソルに置き換わる。早い話、テンソルは行列の概念を拡大したものでもある。テンソルは行列を理解していないと分かり難い。
ベクトルは反変、共変に分かれる。今まで扱っていたベクトルは反変ベクトルであった。そして変換の主役、テンソルは反変、共変、混合と3種類にもなる。
さて反変ベクトルAμ(X)はAμ'(X')=(∂Xμ'/∂Xυ)Aυ(X) を満足する。
一方Aμ'(X')=Tμ'υAυ(X)なる関係も成り立ちそうだ。そうなると2階反変テンソルTμ'υ=(∂Xμ'/∂Xυ)としたくなるのだが一応別物としておく。
3−7)テンソルの積分と密度
テンソルの和と差は 同種のテンソル、同じ階でしか成り立たない。しかも時空内の一点でしか成立しない。......簡単に想像できそうでこれがなかなかできない。
さっそく 出てきた。反変、共変、混合とは何か?....ちゅうより、和と差は反変なら反変、共変なら共変、混合なら混合の間でしか成り立たない。第2章では時空の歪み(ユガミ)をgαβ−ηυνと言う量とした。gαβ、ηυνともに共変だからこの関係は成り立つ。でも時空内の一点でしか成立しない。
「時空内の一点でしか成立しない」とはナンだ? 気付いているかもしれないが、「落下するエレベ−タ−」の別の表現である。「落下するエレベ−タ−」とは「局所的空間」であり「時空内の一点」である。その空間でこそgαβ−ηυνと言うテンソルの差は成立し、その結果時空の歪み(ユガミ)は0にできる。すなわちマコトの無重力が実現する。ただし局所で!!!!
宇宙に出れば無重力..否そうではない。せいぜい地球の引力園を脱しただけであり、宇宙は星々の引力のネットワ−クに満たされている。無重力を感じるのはせいぜいスペ−スシャトル内部の局所でしかない。ある系を選べば全ての重力を消し去るわけには行かない。
ともかくテンソルの和と差は 同種のテンソルであり、時空内の一点でしか成立しない。
となると積分は可能か?積分はΣでも表せる。つまり無限に小さな成分の無数な和でもある。テンソルでなくスカラ−なら可能だろう。
3−7−1)スカラ−密度
スカラ−の積分を考える。まずは1次元のスカラ−ψ=ψ(X)とする。
その積分∫ψ(X)dXは図のようなものだろう。1次元のくせに2次元で書けるのかと言われるかもしれないが、スカラ−量ψを上下に設定する。これは-∞から+∞に積分してある値に収まるにはψ(−∞)=0、ψ(+∞)=0である関数ψ(X)を選ばなければならない。
1次元と同じように考えれば2次元、3次元でも同じように考えられる。物理的に考えるなら 積分値(I) は1次伝なら面積、2次元なら体積、3次元なら総質量、4次元なら...ナンだ? てな ところだろう。
積分してある値に収まるにはT,X,Y,Zが−∞、+∞の時ψ=0でなければなるまい。
ということは I=∫∫∫∫ψ(X)(dX)4 ただし I;スカラ− (dX)4=dX0dX1dX2dX3としたとき、 ∫∫∫∫ψ'(X’)(dX’)4=Iになることだ。
つまりI=∫∫∫∫ψ'(X’)(dX’)4=∫∫∫∫ψ(X)(dX)4
もっと噛み砕いて言えば∫∫∫ψ(X)(dX)3を全宇宙の質量とすれば(Tは除いて考える)別の測定をした測定(原点をアンドロメダあたりにした測定)∫∫∫ψ'(X’)(dX’)3もやはり 全宇宙の質量であるから同じでなければならない。
ここで半分 分かるような分からないような書き方(dX’)4=∂(X')/∂(X)(dX)4を使えば
∫∫∫∫ψ'(X’)(dX’)4=∫∫∫∫ψ'(X’)∂(X')/∂(X)(dX)4であるから
∫∫∫∫{ψ'(X’)∂(X')/∂(X)−ψ(X)}(dX)4=0である。
よって{ }内の{ψ'(X’)∂(X')/∂(X)−ψ(X)}は0であり、
ψ’(X’)={∂(X)/∂(X’)}ψ(X)が成立する
このψ(X)をスカラ−密度と言う.....というわけだが
なんとなく気に食わない。そしてこのスカラ−密度ψ(X)だが、よく見ればもとのスカラ−??
要するに「全空間にわたって積分した値が収束するようなスカラ−は部分部分がスカラ−密度である。」とでも言っておこうか!!
3−7−2)テンソル密度
専門書のエゲツナイところはこの概念をケロッと拡大してテンソル密度にしてしまうところだ。
曰く Sυν'(X')={∂(X)/∂(X’)}(∂Xa/∂Xυ')(∂Xb/∂Xν')Sab(X)
なる関係がある時、このSをテンソル密度と言う。テンソル密度とテンソルの違いは{∂(X)/∂(X’)}の有無にある。このテンソル密度とは.....チョと待て待て待て....!!
まず(dX’)4=∂(X')/∂(X)(dX)4から考えよう。(dX)4=dX0dX1dX2dX3としたわけだから
(dX’)4/(dX)4=∂(X')/∂(X)={dX0'/dX0}{dX1'/dX1}{dX2'/dX2}{dX3'/dX3}
なのだがこれをd(X0',X1',X2',X3')/d(X0,X1,X2,X3)と表現することもある。
また{∂X0'/∂X0}{∂X1'/∂X1}{∂X2'/∂X2}{∂X3'/∂X3}と表現することもある。
ここで4階4次元共変テンソルSabcd(X)を考える。
共変テンソルであるから
S’a'b'c'd'(X')=(∂Xa/∂Xa')(∂Xb/∂Xb')(∂Xc/∂Xc')(∂Xd/∂Xd')Sabcd(X)
ここで強引にa=a'=0、b=b'=1、c=c'=2、d=d'=3 とすると
S’0123(X')=(∂X0/∂X0')(∂X1/∂X1')(∂X2/∂X2')(∂X3/∂X3')S0123(X)
これはS’(X’)={∂(X)/∂(X’)}S(X)が成立する
つまりS0123(X)はスカラ−密度である。
一方S0123(X)はSabcd(X)の成分である。ただしSabcd(X)の成分 全てがスカラ−密度にはならず、abcdが0,1,2,3をかならず含まなければならない。すなわちS0012(X)のようにa=bとなる成分はスカラ−密度にはならない。このようにスカラ−密度にはなれない成分を0とするテンソルS(X)を考えることはできる。すなわちスカラ−密度と0のみを成分とした4階4次元共変テンソルSabcd(X)を考えることができる。
一方「3−6)変換と行列とテンソル 軽いまとめ」で述べたようにテンソルとは行列の概念を拡大したものであるのだが、行列とは文字通り、行と列のシステムをそなえたものであり、テンソルから言えば2階多次元テンソルしか正式には成り立たない。残念ながら....(^ω^)
その行列でa=bとなる成分がかならず0となる行列がある。交代行列と呼ばれるらしいが、反対称行列と呼んでもおかしくない。
行列の成分Aabに対して成分Aba=−Aabであれば反対称行列である。
視覚的に見ればわかりやすい。(図) 当然Aaa=0である。
よってここで考えるのはスカラ−密度と0のみを成分とした4階4次元共変テンソルSabcd(X)ではなくスカラ−密度と0のみを成分とした4階4次元反対称共変テンソルSabcd(X)である。(^ω^)ヤヤコシイ!!
さらにこの4階4次元反対称共変テンソルの0でない成分のひとつを1にする。すると0でない成分は全部1か−1に決まってしまう。ウソみたいだがホントの話だ。この特殊なテンソルで反変テンソルをテンソル密度εと呼ばれる。4階4次元反対称反変テンソルことテンソル密度εと言うわけだ。(^ω^)ナガイナマエ...
3−7−3)テンソル密度ε
テンソル密度εはスポンジケ−キみたいなスポスポのテンソルだ。具体的に示そう。εは4階4次元であるから4^4個 256個の成分を持つ。その内0でない成分εabcdはabcdがかならず0,1,2,3を含むから組み合わせであり、4×3×2通り 24個である。
その様子を全部書けないから(4次元の物体は書けないから)a=0のみの限定で書いてみた。
まるでル−ビックキュ−ブみたいだ。
このε0bcdブロックは64個の成分から出来ているがほとんどの成分は0(空色)である。
例えばε00cdブロックは16個の成分であるが,0が2個あるため全部が0である。
成分が0でないε0123を含むブロックε01cdを取り出すと、ε0123とε0132は0でないが後はcdに0か1を含むので0である。
結局このブロックには0でない成分として
ε0123,ε0132,ε0213,ε0231,ε0312,ε0321
の6個しかない。
この6個の成分の内ε0123を1(赤)とすれば、対称にあるε0132は符号が反転し−1(オレンジ)になる。その様子を描いたのが相関図である。
6個の成分が全て決定される。これを拡大すればテンソル密度εの0でない成分24個はすべて決定される。
まとめれば4階4次元反対称反変テンソルことテンソル密度εはε0123を1とすれば全ての成分が決定される。!!!
3−7−4)テンソル密度εの応用
さてこれよりもっとも難解な部分に入る。
1階、2階、3階、4階の反対称共変テンソルAd(X)、Acd(X)、Abcd(X)、Aabcd(X)があるとする。
そのテンソルにテンソル密度εをかけたものを各々S**(X)とするとき、
εabcdAd(X)≡Sabc(X)
(1/2!)εabcdAcd(X)≡Sab(X)
(1/3!)εabcdAbcd(X)≡Sa(X)
(1/4!)εabcdAabcd(X)≡S(X)
各々のS**(X)はテンソル密度である。(最後のS(X)はスカラ−密度)
そして(1/3!)εabcdAbcd(X)≡Sa(X)についての解釈は
反対称共変テンソルAbcd(X)の独立な0でない成分
A123 A230 A301 A012
がそのままSa(X)の成分だそうだ。
残念だがここは分からない。
蟷螂の斧かもしれないが一応「ちょっと一服 嵐の予感」にて...
3−8)この章の終りに
まず 分からない、分からないだけじゃなくて 何が言いたいのだ。一体 何を述べている。
目的は何だ。相対論とどう繋がる.....等等々
ご批判を受けそうな内容である。これでもかなり省略したりまとめたつもりだけど
「一般相対性と重力の理論 裳華房」では”本書はテンソルを数学的に扱わない”としているがなかなかどうして充分に数学的!。この章は理路整然と行きそうもないので”散策”としたのだが、相対論に突っ込む前の基礎知識としてどうしても外せない。
これより「テンソルの微分」を経て、マックスウエルの方程式が変換で変わらないこと(=光速度不変の真の証明)やら有名なアインシュタインの方程式を経過してブラックホ−ルの方程式に突き進むわけだが.....テンソル密度εナンかがバンバン出て来る。
どうもテンソルの世界は我々の想像以上に精密で複雑で胡散臭い代物らしい。そして一般相対性理論の世界も特殊相対性理論と同じく、「これは違う! これが正しい」と主張すれば、まったく異なる方向から矛盾が出て来る。 胡散臭いと感じたからと言って直ちに間違いと断定できない。なぜか いわゆる擬似科学は「正しいと仮定しよう。するとこれこれの矛盾が出る。」と言う論理、いわゆる背理法の攻撃に対する抵抗力がほとんどない。
科学は実験や検証、反論や論争と言った戦いを通して勝ち残って行かなければならない。あらゆる攻撃に耐えるシステムとパワ−を持ち、歴戦の勝利が科学を不動のものにする。
しかしながらどんなに強いファイタ−も赤ちゃんの頃は弱い存在だ。理論の成立仮定で胡散臭いものが出るのも当然だろう。そして結果が正しければ成立仮定のうやむやはそのままになるかもしれない。(と 言うよりオマエの解説が悪い、ヘタだと言われたらその通りだが)
....と言うわけでここはふんばり所、我々としてもこの章は納得行かないので次章以下でテンソル密度εが出て来る度に検証してより分かりやすい解説に順次修正する。
どうか 短気を起こさないでご辛抱の程を
平成13年3月31日 パクパク