シュバ
第7章 シュバルトシルトの解(怪?)
第6章 ブラックホ−ルへの道2に戻る
第8章 水星の近日点移動の異常 へ行く
リニュ−アルオ−プン H14.02.01
H14.01.25 リフォ−ム宣言しましたこの章がついにリニュ−アルオ−プンしました。
とは言っても全てが新しくなったわけではありません。
この章でシュバルトシルト半径とは何かから始まった部分はほとんどそのままです。
ナゾナゾの一部「重力による光速度の変化」を
C'=C(1-a/R)に統一した部分 下記目次の*部分を
一部修正、加筆しました。
「第3部2002年 寄り道」に上げた<光の曲がり その後>
「第3部2002年 寄り道」に上げた<重力赤方偏移 その後>
はしばらくそのままにします。
全体にそれほど難しくはありません。
目次
7−1)人工衛星の速度と脱出速度
a)人工衛星の速度
b)脱出速度
c)近ブラ点、遠ブラ点??
d)シュバルツシルト半径とは...
7−2)シュバルツシルト半径での光速度
7−3)重力で光が曲がると言うこと
a)光は質量を持つ? 違う!
b)光速度C'の性質
7−4)まとめ と 検証
a)地球のシュバルツシルト半径
b)*皆既日食での光の曲がり方
→関連*「光の曲がり」
c)*重力赤方偏移
c-1)*式の検証
c-2)メスバウァ−効果
7−5)*この章の終りに
ちょっと一服 *「シュバルツシルトの解(怪?)の巻」第2部追加
7−1)人工衛星の速度と脱出速度
一般相対性理論の本には、シュバルツシルト半径はニュ−トン力学からでも導けると書いてある。それなら導いてみよう。
a)人工衛星の速度
質量mの物体が質量Mのまわりを半径rの円軌道を回る時 遠心力=mV2/r である。一方 質量mとMの間に働く引力は 引力=mMG/r2 である。この2式より遠心力=引力 なら
V2=MG/r となる。
この式だけから人工衛星の速度を出してみる。
rを地球の半径とすればg=9.8 m/s2 で g=MG/r2
V2=MG/rに代入して V2=gr
赤道から北極までの長さ つまり子午線の1/4は一千万mである。1mの長さをそう決めたから!。
よって2πr=40,000,000(4千万m)→ r=(10/(2π))(2*103)2 m
V2=gr=98(2*103)2/(2π)=(7*2*103)2/3.14
V=7*2*103/√3.14=7.91*103 m/s
この7.91*103 m/s は、地表を飛ぶ人工衛星(?)の速度である。
もちろん地表には空気があり音の壁があるから秒速7.9km/s は不可能である。大気圏外まで高度を上げると実際の人工衛星になる。その速度は約約8km/s ウム 間違い無い!!
b)脱出速度
一方 月に向かったり、火星に向かう場合、地球の引力圏を脱出しなければならないのだがそれに必要な速度を脱出速度と言う。脱出速度はエネルギ−保存の法則から導かれる。
質量m,速度Vの物体の運動エネルギ−=(1/2)mV2
重力ポテンシャルΦでの質量mの物体のポテンシャルエネルギ−=mΦ=−mMG/r
よって質量m,速度V,ポテンシャルΦ(=半径r)での全エネルギ−=(1/2)mV2−mMG/r
さて質量mの物体が目出度く(?)質量Mの星から脱出した後、徐々に速度を落としながら無限の彼方に飛び去るわけだ。その無限の彼方はどこか? ではなく無限の彼方での状況は速度が0になったとする。そしてその時点でのポテンシャルΦもやはり0 つまり無限の彼方での状況は全エネルギ−=0である。
よってエネルギ−保存の法則から(1/2)mV2−mMG/r=0となる。この式からV=√(2MG/r) は求まる。
地球の場合,先に計算した人工衛星の速度の式 V2=MG/rよりV=√(MG/r)=約8 km/s であるからその√2倍が脱出速度である。すなわち8×√2=11.2 km/s が脱出速度である。
ただ地球の引力圏と言う言葉はあまり正確でない。地球の引力が及ぶ範囲とするなら、地球の引力圏を脱出して月に向かうとは言えなくなる。月が地球の周りを回ると言うことは月が地球の引力が及ぶ範囲にいるのだから!
また (1/2)mV2−mMG/r=0の式は脱出しつつあるロケットのエネルギ−は0ということになる。すなわち地球の周囲を回るロケットのエネルギ−はマイナスとなる。言葉にすれば少々奇妙な感じであるが、エネルギ−の基準をどこに置くかだけの問題に過ぎない。言わばエネルギ−は相対的に扱ってもかまわないわけだ。地上をポテンシャルエネルギ−0にすれば、穴の底のポテンシャルエネルギ−をマイナスとして扱わなければならなくなるのと同じことである。
c)近ブラ点、遠ブラ点??
地球の場合、人工衛星の速度は8 km/s、脱出速度は11.2 km/sであるならば、9〜10km/sの速度ではど
うなるか?
8 km/s、11.2 km/sとは言ってもそれは地球の半径に対してであり、半径を増やすと小さくなる。そして実際に地球の半径に対して9〜10km/sの速度では地球の周りを楕円軌道で飛ぶ衛星になる。
図の緑の円、赤い楕円、茶色の曲線は各々同じRでの衛星の円軌道、楕円軌道、脱出軌道を示す。緑赤茶になるに従い速度が増す。脱出曲線は究極の楕円軌道とも言える。
太陽の周りを楕円軌道で回る水星は太陽に一番近づいた点を近日点、一番遠く離れた点を遠日点と言う。地球の場合、天然に楕円軌道を飛ぶ衛星はないのだが、もしあれば近地点、遠地点とでも言うべきだろう。
悪乗りしてブラックホ−ルの周りを楕円軌道を飛ぶ衛星が(もしあればだが)、ブラックホ−ルに一番近づいた点を近ブラ点、一番遠く離れた点を遠ブラ点と呼ぶことにする。
そして遠ブラ点(?)がブラックホ−ルから離れれば離れるほど近ブラ点(?)での速度は増していく(リニア-ではない)。そして遠ブラ点(?)が∞になった時の近ブラ点(?)での速度を脱出速度と言う。計算に現れたV=√(2MG/r)のrは地球と近地点(?)までの距離である。
d)シュバルツシルト半径とは...
今のところ100%ニュ−トン力学で考える。
V2=MG/rより r=MG/V2 このVをCにすると r=MG/C2
V=√(2MG/r)より r=2MG/V2 このVをCにすると r=2MG/C2
このr=2MG/C2 はシュバルツシルト半径と呼ばれる。r=MG/C2は名前は無い!
もし光がr=MG/C2 の半径の中にあれば光速度以上の衛星でない限り衛星になれないからブラックホ−ルの元(?)に落ち込む。「ブラックホ−ルはあまりにも大きな重力のため光さえ出てこない」とか言われている俗っぽい解説だとr=MG/C2 をブラックホ−ルの半径とした方がピンと来る。.......
ところがところがシュバルツシルト半径と呼ばれるのはr=2MG/C2 の方である。これは脱出速度が光速度である時の半径である。一応は!!
一般に物質が高密度で固まって、シュバルツシルト半径で作られる球の中に物質が全て収まったなら、ブラックホ−ル一丁あがりとなる。下図のブラックホ−ルはさらにさらに高密度なブラックホ−ルとする。
100%ニュ−トン力学で考える。
前の図と異なり、最高速度が光速度に制限されていると図のようになる。名無しの半径r=MG/C2とシュバルツシルト半径r=2MG/C2とそこから脱出する線を書く。そしてr=1.5MG/C2あたりを近ブラ点とする楕円軌道も付け加える。だが 何か妙?
「ブラックホ−ルはあまりにも大きな重力のため光さえ出てこない」とは「光なおもて往生す、いわんや物質をや(往生する)」と言うことだ。ヨネ!
「ブラックホ−ルからはどんな物質も飛び出て来るはずはない」はずである。だけど楕円軌道の衛星はシュバルツシルト半径の内部と外部を往復している?????
とにもかくにもシュバルツシルト半径の内側からは何も飛び出さないと言う主張はシュバルツシルト半径が脱出速度が光速度である時の半径であるのなら、光速度不変の原理を前面に出さないと崩れる可能性もあるのだが、重力により光速度は遅くなるとか言い出すと??????......
確かにニュ−トン力学で脱出速度が光速度である時の半径としてシュバルツシルト半径を計算するのは出来るのだが、あまり深く考えるとシュバルツシルト半径のイメ−ジが崩れてしまう!。
むしろニュ−トン力学から「脱出速度が光速度である時の半径としてシュバルツシルト半径が計算できる」と言うことは単なる偶然であり,ニュ−トン力学からシュバルツシルト半径が何かを演繹(エンエキ)することは無意味であるとした方が良い。
そうなるとシュバルツシルト半径はなぜ2MG/C2となるのか、その出し方と考え方を探らないといけないが、後に回す。実際問題として脱出速度が光速度である時の半径はシュバルツシルト半径ではない!。
7−2)シュバルツシルト半径での光速度
これは第2部での問題提示 すなわち不変量Sは
S^2=−(CT)^2+X^2+Y^2+Z^2 とすべきか?
S^2=(CT)^2−X^2−Y^2−Z^2 とすべきか?
にも少々関連する。この問題の発端はロ−レンツ変換自身から
(CT')^2−X'^2−Y'^2−Z'^2=(CT)^2−X^2−Y^2−Z^2
を導けるのだがそれは同時に
−(CT')^2+X'^2+Y'^2+Z'^2=−(CT)^2+X^2+Y^2+Z^2
をも意味するわけで、どちらをS^2にしてもかまわない。どちらも同じ権利を持つ。一方が正しく逆が間違っているわけではない。
今のところ教科書に合わせてS^2=−(CT)^2+X^2+Y^2+Z^2 を採用してηυνはミンコフスキ−型計量テンソルで
υ=ν≠0ならば ηυν=1,υ=ν=0ならば ηυν=−1 ,ν≠υならばηυν=0
なんてやっているのだがS^2=(CT)^2−X^2−Y^2−Z^2 を採用してη'υνは
υ=ν≠0ならば η'υν=−1,υ=ν=0ならば η'υν=1 ,ν≠υならばη'υν=0
となる擬ミンコフスキ−型計量テンソルη'でも論理展開できる。とする。
そして第6章 6−4)アインシュタインのテンソル/方程式 ってナンだ? の式(ミンコフスキ−型)
dS^2=−(CdT)^2+S(dR)^2+S(dθ)^2+S(dψ)^2
=−(CdT)^2+(dR)^2+(Rdθ)^2+(Rsin(θ)dψ)^2
を次元を2個に減らすと
dS^2=−(CdT)^2+(dR)^2
計量テンソルの値をいれて
dS^2=g00(CdT)^2+g11(dR)^2
=-(1-a/R)(CdT)^2+dR^2/(1-a/R) ;a=2MG/C2
擬ミンコフスキ−型に直す。
dS^2=(1-a/R)(CdT)^2−dR^2/(1-a/R)
式を整理して
((1-a/R)CdT)^2=(1-a/R)dS^2+dR^2
((1-a/R)C)^2=(1-a/R)(dS/dT)^2+V^2 V;dR/dT
C'=C(1-a/R)として書き変えると
C'^2=(1-a/R)(dS/dT)^2+V^2
ここで第2部と同じようにピタゴラスの直角3角形の定理から
C'>V ;C'=C(1-a/R) a;シュバルツシルト半径
a/R=1に近づけばC'は0に近づく。V<C'とは.. このVは計算している座標系のdR/dTである。そしてC'を超えない。このC'はその地点における光速度であり、Vは質量を持つ物体の速度であるとすれば、Rが充分大きな値からシュバルツシルト半径に近づくと光速度は0に近づき、質量を持つ物体の速度はC'を超えないことからやはり0に近づく。
こうしてみると擬ミンコフスキ−空間も捨てたものではない! そして
光速度が減少する世界がシュバルツシルト近郊の世界である。
そうなると前の図のようにシュバルツシルト半径の内部と外部を往復するようなことはできない。シュバルツシルト近郊の最高速度は0だからだ!。
そんなわけで外からシュバルツシルト半径に近づき、シュバルツシルト半径に触ったが最後、もはや助からない。 確かに普通の意味では「光さえ出てこれない」ことになる。
やはり こうなると一般相対性理論からちゃんとシュバルツシルト半径=2MG/C2 を導いておく必要があるのだが、先送りしてもう少し概念で遊ぼう。

どうにも信じられないのだが......
シュバルツシルト近郊の最高速度は0となると、「シュバルツシルト付近でも光速度なら脱出可能」とはならない。シュバルツシルト半径よりかなり遠いところでのC'としての光速度で脱出をはからないとブラックホ−ルに捕まってしまうだろう。
光速度は重力により減少するからである。
光速度は重力により減少するということは光は重力により曲げられると言うことでもある。以下 そこを考えてみよう。
7−3)重力で光が曲がると言うこと
a)光は質量を持つ? 違う!
1916年アインシュタインは「一般相対性理論」を発表しその中で太陽のような重い星の近くを通る光は曲がると予言しました。それを1919年エディントン卿が皆既日食の中で観測し一般相対性理論が華々しくデビュ−していったわけであります。(受け売り)第1章 ちょっと一服「等化原理の巻」より
第1章の時は本当に受け売りであったのだが今回はもう少し詳しく説明できる。図を見るとあたかも「光が質量を持ったように」曲がるみたいだが、質量を持った物体が重力により軌道を変えるのと大きく違う点は星に最も近づいた時の速度C'が
C'<C C;無重力での光速度
であることにある。重力で光速度が減り光速度が減るから光が曲がる。このシステムは重力によりレンズ
が出来たのと同じである。良く知られているようにレンズの中の光速度はレンズの外の光速度より小さい。
そのような重力レンズを通してみた星は多くの場合リング状態になりアインシュタインリングと呼ばれる。アインシュタイン自身はアインシュタインリングがまさか見つかるとは思ってなかったそうだが、今では多くのアインシュタインリングが観測されており、堂々たる一般相対性理論の証になっている。
図では簡単にするため重力の弱い空間(水色)と強い空間(青色)に分けて書いた。
それに対して質量を持った物体が重力により軌道を変える場合、星から充分離れた時の速度をV、星に最も近づいた時の速度をV'とすれば エネルギ−保存則から
V'>V
にかならずなる。重力により光が曲がるシステムと彗星の軌道が曲がるシステムは異なる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
b)光速度C'の性質
それでは質量が0ではないが極めて軽い物体が最初に光速度よりわずかに小さい速度Vであったら、星の近くを通過した場合、その時の速度V'はどうなるのか?
質量の特性から言えば
V'>V ただしV<C
光速度の特性から言えば
C'<C C;無重力での光速度
両方から V'<C'<C なら問題ないが、V'>C'も起こりうるだろうか?
特殊相対性理論では質量を持つ物体は光速度Cには絶対になれないが光速度Cにいくらでも近づける。ただし近づくには無限のエネルギ−を要する。
一般相対性理論でも同じ原理、つまり、「質量を持つ物体は光速度C’には絶対になれないが光速度C’にいくらでも近づける。ただし近づくには無限のエネルギ−を要する。」とすれば、最初に光速度よりわずかに小さい速度Vであり、そのエネルギ−がどれだけであろうと有限であれば、V'<C'<Cとなる条件でエネルギ−保存則を満足することは可能と思われる。逆に言えばV'>C'が起こらないためには「質量を持つ物体は光速度C’には絶対になれないが光速度C’にいくらでも近づける。ただし近づくには無限のエネルギ−を要する。」としなければならない。
さて我々はg=9.8 m/s2 の環境で地上にへばりついている。この環境はrを地球の半径とすればMを地球の質量として g=MG/r2 の関係にあり、そのMで作るシュバルツシルト半径a=2MG/C2 は7.8ミリメ-タ-となる。 第6章 ブラックホ−ルへの道 6−5)この章の終りに 参照
地球の半径は地球の円周4千万メ-トルを2πで割った値であり、r=637×10^4 m である。
よって a/r を出すと
a/r=7.8/637×10^-7=12.2×10^-10 (=12.2/1010)
さて重力ポテンシャルがまったくない理想的な真空での光速度をC0とする。それに対して地上で測られた真空での光速度をCとする。このC0とCの間の関係式は C=C0(1-a/r) である。
Cを3×10^10 cm/s とすれば、C0は大体
C(a/r)=12.2×3=36.6 cm/sほど早い!。
この値を大きいとするか小さいとするか判断に迷うところだが、多分惑星間航行をしているロケット内で10cm単位まで正確に光速度を測定すれば出て来る値ではなかろうか?
この光速度の違いは r0=C0t0 と r=Ct の違いから生ずる。ここでのr0,t0 は重力ポテンシャルがまったくない理想的な空間での距離と時間である。この2式より
r/r0=(C/C0)(t/t0)→(r/r0)(t0/t)=C/C0
(r/r0)(t0/t)=(1-a/r)の関係が生じる。
後の出て来る「重力赤方偏移」はλ0/λe=1/√(1-a/r)の関係がある。λ0は重力が無い時の波長、λeは重力がある時の波長である。波長であるからこれは長さ(=r)であり、重力の有無を考慮すればλ0/λe=1/√(1-a/r)は(r/r0)=√(1-a/r)の関係になる。
よって(r/r0)(t0/t)=(1-a/r)は
(t0/t)=√(1-a/r)となる。 ;(r/r0)=√(1-a/r)より
一方√(1-a/r)は
√(1-a/r)→√{1-a/r+(1/2)^2(a/r)^2}と近似する。
これはもともとa/r=12.2×10^-10と極めて小さいからその2乗は
(1/2)^2(a/r)^2=37×10^-20であり(≒0)と見立てていることによる。
ところで√{1-a/r+(1/2)^2(a/r)^2}=√{1-(1/2)(a/r)}^2=1-(1/2)(a/r)
であるから√(1-a/r)→1-(1/2)(a/r) と近似できる。
すなわち(t0/t)=1-(1/2)(a/r)
この関係式はt0<tを表している。つまり無重力での時間t0よりも地上g=9.8 m/s2 の環境での時間tの方が長い。その差はa/r(=12.2×10^-10)の半分 6.1/1010 である。
つまり1010秒でその差は6.1秒である。1年は秒に直すと約3.15*10^7(計算してみて)秒であるから1000年経ったら6.1*3.15=19.2 秒違いが現れるはずである。10年では約0.2秒の違いでしかない。
本HPでは「双子のパラドックス」がちょろちょろ出て来るのだが、慣性系(ロケット)での時計と地球での時計、つまり無重力での時間の進み方と地上g=9.8 m/s2 の環境での時間の進み方は大差ないとして無視してきた。ここで扱う時計の進み方の差は年単位を問題にしているから、確かにこれは無視できる値である。
7−4)まとめ と 検証
a)地球のシュバルツシルト半径
前章 第6章の計算 Mを地球の質量としてそのシュバルツシルト半径を求めると7.8ミリメ-タ-となる。一方「最新アインシュタイン論」学研 では「たとえば、地球の場合、地球がブラックホ−ルになったとしたときのシュバルツシルト半径は0.9センチメ-トルしかないが.......」とある。(P103) 1mmちがうんだよなぁ〜........
いずれにしろパチンコ球より一回り小さい。まぁ 良いか!
b)皆既日食での光の曲がり方
同じく「最新アインシュタイン論」学研 で皆既日食での光が曲がる角度θの計算式と数値が紹介されている。
θ=2a/R Rad :a=2MG/C2
=2/(23.6*10^4) Rad;R/a=23.6*10^4(太陽のa/rの逆数)
=8.48*10^-6 Rad
=486*10^-6 度 ;*180/π
=1749600*10^-6 秒 ;*3600(=60*60)
=1.75 秒
コンビニで売っている分度器を想像してもらいたい。半径5cm程度の分度器では1度は約1mm程度である。1.75秒となると約5μm(マイクロメ-トル)程度であるから望遠鏡を覗いて「うむ 曲ガチョル!」と言えるオ−ダ−ではない。
学研にも乗っているが判定は写真撮影したものを測定した。考えられるのは写された太陽の半径が5cmくらいならμm(マイクロメ-トル)オ−ダ−で星の輝点を測定しなければならず、誤差との戦いであったようだ。
その後曲がり角度は1969年には1.77秒±0.20秒、1970年には1.57秒〜1.87秒、1975年には1.775秒とイロイロ観測、計算されている。こうして見ると結果としては1.7〜1.8秒が今のところメジャ−らしい。
θ=2a/R Rad :a=2MG/C2 の式はスネルの法則から近いものが求める。→関連「光の曲がり」
c)重力赤方偏移
一般相対性理論を検証するためアインシュタインは1919年の論文で1)重力場中の時間の遅れとそれに伴う赤方偏移 2)光線の湾曲 3)水星の近日点移動 の3つのテストを提案した。(受け売り)
「重力赤方偏移」とは天体の質量が生み出す重力場 いわゆる「天体の井戸」の底で発せられた光を天体から離れたところで受け取ると(いわゆる井戸の外?)光の波長が伸びてスペクトル上では赤い方向に移動して観測される現象を言う。(受け売り)
ふむふむ! 要するに「井戸の底は赤い」と言うことだ。光線の湾曲は1919年エディントン卿が皆既日食の中で観測し、水星の近日点移動は1915年アインシュタインが計算して観測事実との一致に狂喜したわけだから、1919年の提案はそれらの事実の再確認を迫ったものと思われる。
最後の重力赤方偏移の観測は意外と遅く、1963年太陽光のフラウンホ-ファ線のD1(ナトリュ-ム)で観測された。あるいは微妙過ぎるのだがいわゆる「メスバウァ−効果」により1961年確認された。
c-1)式の検証 サイクルとは?
式の上ではλ0/λe=1/√(1-a/r) a;シュバルツシルト半径 r;星の半径 である。
光はC=λω λ;波長 ω;周波数 の関係にあるから
C0=λ0ω0 Ce=λeωe
よって計算上
λ0/λe=(C0/Ce)(ωe/ω0)になる。
ここにω0を重力が無い時の振動数、λ0を重力が無い時の波長であり、
ωeを重力がある時の振動数、λeを重力がある時の波長である。
c)地上での光の速度 時間の遅れと重複するが、C0,λ0,ω0は地上での観測地としても大差ない。
ここで振動数は一般の物理(ニュ−トン力学)では変わらない。光の屈折やドップラ−効果では(ωe/ω0)=1が常に成立する。それはω=n/t n;サイクル(回数)であるからである。ニュ−トン力学では時間の伸び縮みは無い。よってnが不変なら振動数も不変である。 さて サイクル..これの単位は無い!。
単位 例えば質量、時間、距離...は各々[m]、[t]、[X](または[r])などで示される。それに従って速度は[x]/[t],運動量は[m][x]/[t]と言った具合に示される。エネルギ-ではニュ−トン力学の(1/2)mV^2も特殊相対性理論のmC^2も同じく[m][x]^2/[t]^2である。
それで言えばω(振動数 または 周波数 または ヘルツ)は単位は1/[t]となる。サイクルと言う言葉は時々ωと混同されて使われるためか国際単位系から外されている。
そのサイクルをこの際変わらないものとする。一般相対性理論でもサイクルは変わらない。さてそのサイクルであるが、サイクルとはもともと回数であり、sin,cosでは山の数である。光を波として、sin,cosの式として捉えれば、実際の光は波の細切れが飛んでいるようなものである。1サイクルだけの波もあるが2〜3サイクル繋がったものもある。そのサイクルだけは重力の有無に無関係で変わらない...重力がある時3サイクルであった光は重力が無くなった空間でも3サイクルで飛んでいるわけである。
数学的には ω=n/t から ω0=n0/t0 ωe=ne/te としてλ0/λe=(C0/Ce)(ωe/ω0)に代入して
λ0/λe=(C0/Ce)(ωe/ω0)
=(C0/Ce)(ne/te)/(n0/t0)
=(C0/Ce)(ne/n0)(t0/te)
(λ0/λe)(te/t0)=(C0/Ce) ;(ne/n0)=1 として整理
(λ0/λe)(te/t0)=1/(1-a/r) ;Ce=C0(1-a/r)より
ここで何故か (λ0/λe)=1/√(1-a/r) (te/t0)=1/√(1-a/r) となる。らしい....
これをλ0=λe/√(1-a/r) とすれば観測される波長λ0は元の波長λeより伸びる。
またt0=te√(1-a/r)→ω0=ωe√(1-a/r) とすれば観測される振動数ω0は元の振動数ωeより小さい。
よって重力赤方偏移は「波長が伸び、振動数が減少するふたつの効果が合わさって井戸の底を赤くする」
c-2)メスバウァ−効果
余りにも微妙なので気が遠くなりそうな話なのだが、地球表面(地上)とそれからわずか22m(ビルの屋上)の間で重力赤方偏移の観測をしてしまった話である。
式 λ0/λe=1/√(1-a/re) でλ0をどこか遠くにして、reは地球半径、λeは地上での波長とするなら
式 λ0/λf=1/√(1-a/rf) でλ0をどこか遠くにして、rfを地球半径+22m、λfを(地上+22m)での波長とできる。
両辺を組み合わせてλ0を消去すると
λe/λf=√{(1-a/rf)/(1-a/re)}
になるわけだが、このλe/λfの差のオ−ダ−は10^-15 程度、この僅かな違いをどうして見分けるか?違いが分かるコ−ヒ−を飲むのか?
で....結晶中の原子核によるガンマ-線の放出/吸収に話が飛ぶ。結晶を作っている原子核の出すガンマ-線は極めてせまい範囲の振動数の電磁波しか出さない。また同じ結晶では同じ振動数の電磁波しか吸収しない。それで波長に直して10^-15 程度のズレがあると吸収効率が異なることから10^-15の変化を感知できた....と言うことらしい...この辺 ほとんど受け売り!
まぁ そんなわけでドイツのメスバウァ−博士は1961年ノ−ベル賞を受賞した。
7−5)この章の終りに
新年早々、分かっているつもりで軽く書いたものを、ついにリフォ−ムするはめになってしまった。こうしないと次に続く「水星の近日点移動」の話がうまく続かない。最低限、光速度の変化の式 C'=C(1-a/R) は確信する必要がある。確信するためには光速度の変化の式が光の曲がる式 θ=2a/R や 重力赤方偏移の式 λ0/λe=1/√(1-a/r) と少なくとも矛盾してはならない。
特殊相対性理論でも述べたが、一般相対性理論においても一部だけ嘘だとして変更しようとすると変更したくない部分も変更しなければならない。式と式がネットワ−クを組んで理論を構成している。心ならずもそれを実践してしまった。光速度の変化の式 C'=C(1-a/R) はネットワ−クの核心である。
ネットワ−クを考慮した相対性理論の解説はほとんどない。毛沢東語録のように真理ではあるだろうが暗記物の御託を並べ立てたものがほとんどである。暗記物はどうしても孤立してしまう。ダイイチ 面白くない!
あまりウマくは行かないのだが、式と式の間にある関係を浮き彫りにして、思想性まで引っ張り出すことを目標にしている。
さて今後の予定だが 大きな話題として水星の近日点の移動と重力波が残っており、理論的にはシュバルツシルト半径の出し方とその考え方、シュバルツシルトの内部解があり、ツクモガミ(?)に邪魔されたアインシュタインの方程式も残っている。その他 電子の古典的半径とか話題は事欠かない。
話題は事欠かないのだが、まだまだ 今のところ 何から始めるか迷っており、そのうち暖かくなる頃、予告して立ち上げる予定である。そして最後に第1部、第2部も念頭に置いた総合的な何かを構築できれば良いなぁ〜と思ってます。
第8章は多分3月中〜3月末頃 予告できるよう がんばってみます。
馬年 最初の章 最初からウマく行かなかったけど、よろしく