特殊から
第2章 特殊相対性理論との統合
第3章 テンソルの散策に行く
目次
2−1)ガリレオ変換を等価原理で見る。
2−2)光は曲がる! 行列式からの考察
2−3)ロ−レンツ変換を等価原理で見る。
2−4)テンソル登場
a)異文化との接触
c)計量テンソル
2−5)テンソルとは何? その1
2−6)この章のおわりに
番外
ちょっと一服 「テンソルとお化けの巻」お化けの写真(?)あり
2−1)ガリレオ変換を等価原理で見る。
等速運動中のバイク(スピ−ド違反)がある。それを見たパトカ−(停止中)があわてて等加速しながら追いかけたとしよう。図(左)はその関係を示す。不動の大地を基準系として扱っている。
一方パトカ−に乗っている人から見るとバイクの動きは図(右)のようになる。バイクはあたかも重力が働いた空間を飛ぶ放物線を描いたように観察される。そしてパトカ−に乗っている人は背中を椅子に押しつけられる。つまり後方へ向かう力(重力)を感じる。
さて図(右)と図(左)は何が違うか? 実はガリレオ変換で基準系を加速度系にしただけである。その結果加速度系に乗っている人(パトカ−に乗っている人)は後方へ向かう力(重力)を感じるだけでなく、観測している物体(バイク)も後方へ向かう力(重力)があるように放物線を描いて見える。これは実際に重力場が出来たのと同じなのだ。等価なのだ。
2−2)光は曲がる! 行列式からの考察
先に「寄り道」の「特殊相対性理論の逆襲」で紹介した通り、本来ここは「ロ−レンツ変換を等価原理でみる」ハズだったのだが、行列式を使ったロ−レンツ変換の結論から「加速度系では光が曲がる」ことが証明できたので入れてみました。「ロ−レンツ変換を等価原理でみる」は2−3)に譲ります。
(第2部第7章の(8)Y軸の導入 参照) よかったら!

改めて「第2部第7章の(8)Y軸の導入」を参照しながら左の図3−2−2a,bを作る。
「Y軸の導入」では最後の方でY軸に沿った光を放出している。それを表しているのが3−2−2a図である。
同じく「Y軸の導入」でそれを相対速度Vの慣性系からみた場合、光の式は
X’=−VT’
Y’=CT’√(1−V2/C2)
となる。それを示したのが3−2−2b図である。
a,b図とも右側に任意の2軸で小グラフをつけた。この辺はゴチャゴチャ解説しないで直感で正しいだろうと感じてもらえばokとする。
ここで重要なのは慣性系から見れば発射された光はジャストY’方向より少しずれることである。この現象は光を出すのと受け取る違いはあるが、ブラッドレ−が見つけた「光行差」と呼ばれている現象である。このずれが相対速度Vに関係することは容易に解る。ヨネッ!

さて 上記図のbに注目して3個の小グラフを書いたのが左の「図 3−2−2b」〜「図 3−2−2d」である。
慣性系を2段に加速させたと仮定して書いたのが「図 3−2−2c」である。この加速はインパルス的であるから現実味はないが、1回目の加速(青線)に対して2回目の加速(赤線)はこうなるであろう。
それに対して慣性系をなめらかに、等加速に加速させたと仮定して書いたのが「図 3−2−2d」である。
最後の「図 3−2−2d」に注目していただきたい。どの図でもかまわないが、光の軌跡がフックかスライスされたゴルフボ−ルのように見事に曲がっているのが解るだろう。OBだ!
これはとりもなおさず、等加速度系からみれば光は曲がるということである。
なお光が曲がるからと言っても、光速度が変わると言うことではない。光速度不変の原理はそのまま生きている。その意味ではこの現象は1−1)とは一線を引いて考えなければならない。
困ったことにこれは特殊相対性理論の自然な延長だ。特殊相対性理論自身が光が曲がることを予言していたわけだ。大ミエを切って「等価原理」を述べたのだが、光が曲がることと等価原理は何の関係もない....ってなことになるのだろうか? いやはや なんとも 後味が悪い!。
2−3)ロ−レンツ変換を等価原理で見る。
<2−1)ガリレオ変換を等価原理で見る。>からの類推であるがおそらく図のような(X'/C,T')のグラフ、等加速度系のグラフが引けるであろう。
問題はT’の曲線が解らない、計算が複雑になることだ。
ガリレオ変換では加速度をαとするなら
X=(1/2)αT2となる。Tで微分すればV=αTだ。
これがそのまま使えないのはTが充分大きければそのうち光速度Cを越えてしまうことだ。
さらに推測すれば、等価速度系の網は多分こうなるだろう。注意しておくがこれはあくまで推測である。数学的な裏づけがあるわけではない。ただ、どこか間違っていようとも、等価速度系の網はロ−レンツ変換の慣性系の網のような菱形の連続ではない。場所場所によってかなりひしゃげた菱形の網になることだけは確実だろう。
さて、ではロ−レンツ変換で加速度をα(<C)とした時、V=...はどうなるのか? 実は第1部で答えを出している。
V=C{(exp((2α/C)T−1)/(exp((2α/C)T+1)} α;加速度
第1部 第3章「お互いの時計が遅れることを図示する」 3−5)光速度に近い速さでの旅行の考察 参照
よってT'の式はX=∫VdT とし、T=0でX=0から積分定数を確定すれば良い....のだがヤメておく。
面白いのは加速度αを9.8m/s2とし、V=αTでTを1年(秒に置換える)として計算するとVが光速度Cを3%越える。3%しか超えない!。
よってαを9.5m/s2とすれば、V=αTで つまりニュ−トン力学上でちょうど1年加速してやれば光速度になる。もちろん仮定での話だ。
一方αを9.5m/s2としてロ−レンツ変換が成り立つ特殊相対性力学上では1年でV=0.76C、2年でV=0.96C、3年でV=0.99Cになる。 以上第1部 第3章「お互いの時計が遅れることを図示する」の宣伝 よかったら ぜひ!

以上の類推から等加速度系に移行する様子を描いたのが図4-2-4である。真剣に考えると....多分 気が狂うだろう!
全て推測であるから間違っているかもしれない。今の時点では光速度を不変のままにしているから多分どこか違うだろうけど...その節はよろしく!
さてX=∫VdT をなぜ計算しないのか? それは計算しても後が続かないから。(マケオシミも含む) どうみてもリニア−変換ではない。だから行列式はそのまま使えない。どうする?
...............
2−4)テンソル登場
それでその辺を考慮する手段として、一般的な加速度系も含めて思考する手段としてテンソルがある。....と言うことらしい。\(^^)/オテアゲ?
a)異文化との接触
数理に強い人でもテンソルは解り難い。実は表記自体に独特のものがある。例えば3次元空間とする。3次元空間を考える→X、Y、Z軸による空間...と普通はなる。
ところがテンソル表現ではXυ υ=1、2、3となる。
XυはXのυ乗ではない。そしてどれが左右(X)、前後(Y)、高低(Z)はどうでも良い。それらの自由をすべて認めながら共通する法則を打ちたてようというわけだ。そして表記を省略する。省エネだ。当然3次元なら3次元、4次元なら4次元の次元の柱(?)は同じ単位でなければならないことになる。
それで4次元空間はXυだけで表してしまう。 υ=0,1、2、3 と言うわけだ。行き係り上υ=0つまりX0をCTとしておこう。そうするとロ−レンツ変換の不変量Sは
S^2=−(X0X0)+Σ(Xυ)(Xυ) υ=1から3となる。ややこしくなるから本当の2乗は^2とする。
とりあえず、「馬には乗ってみよ、人には添ってみよ、テンソルは理解してみよ」で行く!
まだある。普通に出て来るテンソルTυはこのΣ(シグマ)が省略される。正式な形式では
S^2=ηυνXυXν かつηυνはミンコフスキ−型計量テンソルで
υ=ν≠0ならば ηυν=1,υ=ν=0ならば ηυν=−1 ,ν≠υならばηυν=0 である。
ここでサジを投げてはいけない。まだ何も話していない!。
S^2=ηυνXυXν ηυνはミンコフスキ−型計量テンソル...はどう解釈するのか?
まずこの式はΣ(シグマ)が省略されている。Σはυ、νにかかる。この辺はワ−プロがメチャクチャ使いづらい。Σ(υ)はυ=0〜3までのΣ、Σ(ν)はν=0〜3までのΣとする。またΣ(0)Σ(ν)はυ=0の時のΣ(ν)とする。 よって解釈は
S^2=Σ(υ)Σ(ν)ηυνXυXν=Σ(0)Σ(ν)η0νX0Xν
+Σ(1)Σ(ν)η1νX1Xν
+Σ(2)Σ(ν)η2νX2Xν
+Σ(3)Σ(ν)η3νX3Xν
となるわけだが
Σ(0)Σ(ν)η0νX0Xνはηυνよりη00以外は0、η00=−1、η11=η22=η33=1とされる。
よってΣ(0)Σ(ν)η0νX0Xν=−X0X0である。
同様に考えるとΣ(1)Σ(ν)η1νX1Xν= X1X1、Σ(2)Σ(ν)η2νX2Xν= X2X2、Σ(3)Σ(ν)η3νX3Xν= X3X3となる。フ〜 オツカレ!
それで結局、S^2=ηυνXυXν はS^2=−X0X0+X1X1+X2X2+X3X3となる。フ〜 (^^)
このテンソルはかなり難問である。難問であるから「テンソルとは何か?」を逆に考察する。その前にテンソル表現の一般的な意味になれておく必要がある。
テンソルとは当然科学の一部ではあるが、通常の科学的感覚とかなりニュアンスが異なる。いわば異文化! その文化に溶け込めばそれなりに納得できることも多々あるが、まんず フランス語をズ−ズ−弁でしゃべるような雰囲気に慣れて欲しい!
「ウイ〜 ムッシュゥ」ハ "ソウダベェ〜 アンチャン"ダベカ? ンダ ンダ!
c)計量テンソル
Xυ、Xνは基準系(=無重力系)での次元、xα、xβは加速度系の次元とする。もちろんα乗、β乗ではない。
それで先ほどのS^2=ηυνXυXν でのηυνは基準系(=無重力系)でのテンソルでミンコフスキ−型計量テンソルと呼ばれる。実際には微分形でdS^2=ηυνdXυdXνと書かれる。
これを加速度系に置換えるとdS^2=gαβdxαdxβと書かれる。このgαβが加速度系の計量テンソルである。
このXυ、Xνとxα、xβの間にはdXυ=(∂Xυ/∂xα)dxαの関係がある。なんとも解るような解らないような式だが詳しい説明はあえてしない。小声 デキナイ! ちゃんとした説明は次章でする。
色をつけたのにはちょっと意味がある
具体的なアウトラインは
dS^2=ηυνdXυdXν
=ηυν(∂Xυ/∂xα)dxα(∂Xν/∂xβ)dxβ
=ηυν(∂Xυ/∂xα)(∂Xν/∂xβ)dxαdxβ
=ηυν(∂Xυ/∂xα)(∂Xν/∂xβ)dxαdxβ
=gαβdxαdxβ
て言うわけで、gαβ=ηυν(∂Xυ/∂xα)(∂Xν/∂xβ)になる。
書きなおして
gαβ=ηυν(∂Xυ/∂xα)(∂Xν/∂xβ)
ここは別の角度から検討する。思い出していただきたい。変換不変量とは第2部で扱ったけど変換しても変わらない量のことだ。
ロ−レンツ変換では変換不変量Sは、テンソル表現で
S^2=ηυνXυXν ηυνはミンコフスキ−型計量テンソル
と表される。通常表現(?)ではS^2=−X0X0+X1X1+X2X2+X3X3である。
それが加速度変換では、テンソル表現で
dS^2=gαβdxαdxβと書かれる。
慣性系と加速度変換が違うならηυν≠gαβだろう。つまり特殊相対性理論におけるロ−レンツ変換はミンコフスキ−型計量テンソルηυνによって規定される変換不変量の支配下に入っているが、一般相対性理論における加速度変換は計量テンソルgαβによって規定される変換不変量の支配下にある。
d)時空の歪み(ユガミ)
それでηυν≠gαβからgαβ−ηυνと言う量を考えることができるが、このgαβ−ηυνと言う量を時空の歪みと言う。時空が歪んでなければこの値は0であり、時空は特殊相対性理論が100%成り立つ無重力状態である。とは言っても特殊相対性理論は無重力状態でしか成り立たないわけではない。理想的には無重力状態で考えるべきだが、地球程度の弱い重力下では光速度に近い速度で飛びまわる素粒子にとっては無重力と等価である。特殊相対性理論の結論のひとつE=MC^2が無重力でしか成り立たないなら地上にある原子力発電所は動かないことになる。
とまぁ ここまで理路整然とは行かなかったがおおまかなテンソルの説明のつもり。
2−5)テンソルとは何? その1
特殊相対性理論はとどのつまりロ−レンツ変換の解釈でしかない。わかる/わからん、賛成/反対、正しい/間違い、信じる/信じない等々 姦しく(カシマシク)できるのは
X’=(X−VT)/√(1−V2/C2) 正変換
T’=(T-XV/C2)/√(1−V2/C2) 正変換
と具体的に式が出るからである。
それに反してテンソルは具体的なイメ−ジがわき難い。一般相対性ではX'=ウンヌン..と具体的な変換式が導けない。その前の段階、変換式の元になる微分方程式を作る条件そのものが問題なのだ。
とりあえずここでは2個のテンソルgαβとηυν、そして時空の歪みgαβ−ηυν(これもテンソル)を紹介した。テンソルは添え字がふたつ以上ある変数である。
って ワカル? (・_・)ウツロ もし わかったなら正真正銘 天才だ!
2−6)この章のおわりに
この章は特殊相対性理論と一般相対性理論との接合点のつもりだった。特殊相対性理論は全体の到達点と言って良い結果が出てきた。出来るだけ視覚化した結果、図3-2-2や図3-2-4を得られた。だが一般相対性理論となると入り口に入る前の注意程度である。
第1部、第2部を通して言えることは特殊相対性理論のロ−レンツ変換はふたつの不変量(光速度と変換不変量)を崩さない変換であることだ。だから、一般相対性理論の変換はふたつの不変量(光速度と変換不変量)を崩さない変換であることはあり得ない。最低どちらかが崩れる。
当然 一般的な解釈本ではテンソルの説明はされてない。
ここは「一般相対性理論 および重力の理論 裳華房」を参考に進める。
堂々たる専門書なのだ。覚悟はしていたが本当に読み難い。(^^;;)
まずは慣れないテンソルの最初の章であるから一般相対性理論の変換不変量はロ−レンツ変換不変量とは違うらしいと気付いていただけたら,そしてテンソルは添え字がふたつ以上ある変数と納得いただけたら まぁ成功としよう。
次章「テンソルの散策」ではもう少し詳しく展開する。(予定!!)