第3章

プランク定数h

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目次

3-1)熱の伝わり方

3-2)モル比熱

3-3)湯煙の法則

3-4)観測できる温度分布

3-5)空洞輻射

 3-5-1)鉄の中に空洞を想像する。

 3-5-2)定常波(1次元の巻)

 3-5-3)定常波(2次元、3次元の巻)

 3-5-4)光子の数 エネルギ-

 3-5-5)まとめ

 3-5-6)U(ν)の単位

3-6)検証

 3-6-1)シュテファン・ボルツマンの法則

 3-6-2) レ-レ-・ジ-ンズの公式 ウィ-ンのずれ公式

 3-6-3) 山の形 ウィ-ンのずれ公式

 3-6-4) レ-レ-・ジ-ンズの公式 E(ν)=8π(L/C)^3kTν^2

 3-6-5) プランクの公式 成立偏

 3-6-6) プランクの公式 T^4 偏

3-7)プランク定数h

3-8)この章の終りに

 おまけ

    球形空洞の輻射

    熱による発光;単純な計算ミスが発覚しましたが、修正の後 再発行します。


 3-1)熱の伝わり方

 小学校では「熱の伝わり方」を伝導と対流と輻射の三つがあると習う。伝導とは主に固体(鉄の棒など)における熱の伝わり方である。片方を熱した鉄の棒は順番に熱が伝わるから棒の上に置いたロウは端から解けていく。対流は主に気体や液体における熱の伝わり方である。要するに熱い気体や液体の塊自身が移動する。それに比べて輻射は熱を媒介する固体や液体や気体がナイ!。熱源から直接電磁波が放出されることにより熱が伝わっていく現象である。真空中でも輻射により熱は放出される。.... と言うことは熱があるところには電磁波が存在する。参考にしているブル-バックスの『電磁波とはなにか 後藤 尚久著』には「温度あるところに電磁波あり」となっている。ソウダ (^^)

 ところで熱を媒介する固体や液体や気体がナイ状態で熱を伝えるシステムを考えるのは難しい。逆に言えば固体や液体や気体がアル状態での熱との関係は比較的分かり易い。

 3-2)モル比熱

 熱と固体や液体や気体の関係は比熱と言う物理量で表される。特にモル比熱と呼ばれるものは法則と実験値が割合良く合うので有名である。その法則は「等分配の法則」と呼ばれ

「与えられたエネルギ-は1分子あたり平均 n(1/2)kT n;自由度 供給される。」

とするものである。kはボルツマン定数で k=1.3804*10^(-16) エルグ/deg=1.3804*10^(-23) ジュ-ル/deg である。

 よく登場するのが不活性ガス He(ヘリュ-ム)やA(アルゴン) これらは分子=原子の形であり自由度はx,y,z方向しかないので3である。よって温度を1deg上げるのは1分子あたり平均 (3/2)k ジュ-ル必要であり1モルあたりにするのはそれにアボガドロ数A A=6.02*10^23 倍すれば良い。

よって1モルの不活性ガスを1deg上げるのは

(3/2)kA   ジュ-ル/deg

=(3/2)*1.3804*10^(-23)*6.02*10^23

=(3/2)*8.31 ジュ-ル/deg

なのだが通常比熱は カロリ-/deg で表される。

ジュ-ルをカロリ-に直すのは「熱の仕事当量」を使えば良い。サイトによっては 4.2J/cal とか 4.19 J/calとかになっているがもう一桁細かい 4.186 J/cal を使うと

(3/2)*8.31 ジュ-ル/deg

=(3/2)*8.31/4.186 cal/deg

=(3/2)*1.985 cal/deg

=2.98 cal/deg

となる。実際の比熱はHeで3.008〜2.949(291℃〜93℃)、A(アルゴン)で3.07〜2.86(288℃〜93℃)である。

 H とか O、N と言った分子の自由度はx,y,zの3方向に加え、2種類の回転が加わるので合計n=5となり

=(5/2)*1.985 cal/deg

=4.96 cal/deg

となる。実際の比熱はNで4.984〜4.733(293℃〜92℃)、Oで4.985〜4.41(293℃〜92℃)である。

 固体の場合は気体と異なり分子は結晶格子に縛り付けられるから単純にx,y,z方向の自由度3というわけにはいかない。しかし多くの場合熱は分子を正弦波で振動していると見なせる。その振動方向、振幅の向きはやはりx,y,z方向であるのでひとつの方向に対する割り当ては 運動エネルギ-として(1/2)kT  となるのだが、またまた気体と異なり結晶格子からずれた分ポテンシャルエネルギ-を失う。その向きもx,y,z方向であるのでひとつの方向に対する割り当ては ポテンシャルエネルギ-として(1/2)kT となる。よって振動のエネルギ-とポテンシャルエネルギ-を考慮すればひとつの方向に対する割り当てはただの kT となりひとつの分子としては 3kT になる。

 後は同じで計算上は  1.985 cal/deg が kA k;ボルツマン定数 A;アボガドロ数 を「熱の仕事当量」で換算した値であるから

3kA=3*1.985 cal/deg

=5.96 cal/deg

となる。実際の比熱はアルミで5.83、鉛で5.43(15℃〜100℃)である。

 

 このように「等分配の法則」と実験は良く合うのだが、「等分配の法則」の通りに外から熱を与えれば全ての分子は平等に熱エネルギ-を貰うかと言えばそうではない。外から熱を与えればその熱エネルギ-はある分子には過分に、ある分子には過小に、つまり不平等に与えられる。その不公平は持続する。

 3-3)湯煙の原理

 与えられた熱はその受け取り手である各分子に不公平に与えられ、その不公平は持続する。

言葉にすれば不気味だが図にすると簡単である。そしてこのことは誰でも経験している。

コップの中に60℃くらいのお湯をそそぐ。コップのどこを測っても60℃だったとする。何も起こらない? 否 湯気が発生する。

湯気とは何か? 水が水蒸気となって水の表面から飛び出した後、空中で冷やされることにより発生した無数の微水球のことである。

 水が(あるいはお湯が)水蒸気になるのは100℃以上にならないといけない。では60℃のお湯のどこに100℃以上の水の分子があるのか? どこを測っても60℃なのに?

 実はどこにでも100℃以上の水の分子が存在する。その内湯の表面近くで100℃以上になった水の分子が水蒸気となり表面から飛び出す。そして冷やされて湯気となる。

 図ではその100℃以上の水の分子領域をピンクで示した。もっと低い温度、お風呂の温度でも湯気は発生する。そしてそのまま放置しても湯が冷えきらない限り湯気は出続ける。温度分布は持続するのである。

 もちろん100℃以上のリッチな水の分子が存在する反面、5℃,10℃と言った貧乏な(?)水の分子もどこにでも存在する。ただこの分布は理屈はそうなるのだが直接観測できない。(^^)

 なおここで登場したどこを測っても60℃の温度を太字Tで表し、平衡温度と呼ぶことにする。この平衡温度は後で重要な役目をする

3-4)観測できる温度分布 

 以上が熱を媒介する分子がある場合の議論である。輻射の場合、何もナイ空間で熱が伝わるからこれらの議論は一見役に立たないように思える。ところが...

光の温度分布は図のようになる。

光の温度分布とは、例えば鉄を熱していくと最初は目に見えない赤外線を出すようになるがやがて赤黒い光を放出する。図ではそれを一番下の山で示す。

さらに熱すると光の強度が増すと共に色は赤黒から赤を経て黄色に変化する。図ではそれを真中の山で示す。

さらにさらに熱するとさらに光の強度は増して、色は黄色から白色を経て青色に変化する。図ではそれを一番上の山で示す。

 この温度分布は観測できる。もともと問題はここから始まる。事の起こりは産業革命による技術革新である。産業革命により鉄の需要が拡大したと同時に光学測定の技術も進歩した。当然の結果であるがそれまで職人のカンと経験によってしか出来なかった鉄の抽出や鍛錬に最適な温度管理は光学測定によって素人でも可能になった。それにより産業革命はさらに進展した。

 そこまでは良い。鉄の温度は光学測定によって正確に割り出せる。それは実用的で有効な技術ではある。タダ何故そうなるのか、光の温度分布の式はどうしたら求められるのかが分からなかった。

ところで『お湯の温度分布』と『光の温度分布』を並べてみると条件、環境がまるで異なるにもかかわらず似ている部分があることに気付く。

 突き詰めていけばそれは光や電磁波そのものが固体、液体、気体を構成する分子と同じように熱の受け取り手として機能していることになる。

ならば、固体、液体、気体における熱の関係を検討したのと同じ方法で、「光・電磁波における熱の関係」を探れることになる。....(^^)

 ただし 相違点と共通点には注意しなければならない。「お湯の温度分布」の100℃を取っ払って「鉄の温度分布」に書き直してそれを「光の温度分布」に直接対応させるわけには行かない。「鉄の温度分布」のスタイルが「光の温度分布」と言うわけにはいかない。その方が楽なのだが(^^)

 何故なら「鉄の温度分布」の山は分子の総数で作られるからである。平衡温度Tが変われば山の頂上の位置は変わるし山の形はシャ-プになるかヘタバルかは分からないが変わるとしても山の凸部の面積は変わらない。物体が冷めていようが熱くなっていようが総分子数は変わらないからである。

 それに対して「光の温度分布」では赤黒い光、黄色い光、青い光の山々は頂上の位置が変わるだけでなく山のサイズそのものが明らかに変わる。熱の受け取り手としての光や電磁波そのものの総数自体が温度の関数であり温度によって数が増減するのである。

3-5)空洞輻射

 3-5-1)鉄の中に空洞を想像する。

 熱を媒介する固体や液体や気体がナイ輻射で熱を伝えるシステムをどう考えるかは、「光や電磁波そのものを熱を媒介する粒子と捕らえる。」とは言っても考えるのは難しい。光や電磁波は光速度で飛び去るので我々のイメ-ジも光速度で飛び去ってしまう。それを気体や液体..どちらかと言えば大人しく群れている(?)物体のように扱おうと言うわけだ。幸いにも光や電磁波を波動とみなすと波動には定在波と言うものがある。定在波は弦の振動のようなもので、まったく動かない節と節の間に発生する波である。この波は大人しい。(^^)

 よって我々のイメ-ジが光速度で消滅しないために光や電磁波が定在波として存在できる空洞を考える。そしてその空洞は鉄の中に一片Lの立方体として存在するとイメ-ジする。

 これは実に都合が良い。もし空洞がまわりの鉄の比べて温度が低ければ壁面を通して暖められるだろうし、温度が高ければ壁面を通して冷やされるだろう。その結果空洞内の温度は鉄の温度と同じになる。同じになっても壁面を通して熱のやりとりは続く。

 そのやりとりなのだが、壁面を通して定常波にならない電磁波が発生したとしよう。電磁波は定常波にならないから反対側の壁面に到達したなら壁面に吸収されて消えてしまう。これを熱エネルギ-で見れば鉄は空洞に僞の熱を与えて僞の熱を吸収したことになり結果としては±0の熱のやりとりをしただけである。空洞の温度は変化しない。よって空洞の温度を決める大部分の熱は空洞内に存在するであろう大人しい定在波である。定在波が熱を受けとめ保持していると考えても差し支えない。

 参考書で空洞を鉄の中に置くという説明をしているものはない。ここは我々独特の想像である。最初に空洞輻射を思い付いた人は多分こう考えたのではないかと言う想像である。大抵の本はこう言ったイメ-ジ抜きでいきなり空洞輻射や黒体輻射の説明に入るようだが、上記のような具体的なイメ-ジを抱ける人は果して何人おられるだろうか? (^^)

 空洞輻射とは..とか黒体輻射とは..はどう説明されているのか? を丹念に調べてもあまり意味はない。要するに熱的平衡状態にある空間で如何に定常波が有効であるかを導入する言葉と思って差し支えない。

 3-5-2)定常波(1次元の巻)

 節と節の間隔がLである弦の振動を考える。存在できる振動は1次元での定常波である。

 図を見れば一目瞭然なのだが波長2L以上の振動は出来ない。では波長2L以下の振動は何があるのかは振動の節に赤点をつけると、赤点の数をたよりに計算可能になる。

 赤点は右端の節だけはあえてつけない。

 赤点数をn(a)とすれば図から分かるように

     n(a)*λ=2L  n(a)=1,2,3,4,... となる。

よって存在できる波長は λ=2L/n(a) n(a)=1,2,3,...である。

一方 電磁波は 波長λと振動数νの間に C=λ*ν の関係があるので

存在できる振動数ν=C/λ=(C/(2L))n(a) である。

n(a)=(2L/C)ν とまとめる。

 3-5-3)定常波(2次元、3次元の巻)

 1次元の弦の数は1個である。それを2次元、3次元に拡張したら何がどうなるかを図示する。

 サンプルとして波長λ=Lを上げた。1次元→2次元にするとまず節にあたる赤点が赤線に、点から線に変化する。要するにこの赤線上での振幅は0である。図では赤線の数が4になる様子を表している。

 水色の線は振動する弦の位置を示す。水色の線の上でしか弦は振動できない。それが4本あるということは弦の数も4本である。図ではその内の一本上で振動する様子を書いている。

 波長λ=L以外ではどうなるのか? 

 弦の数 n(b)=n(a)^2 であることは図から読み取れるだろう。

2次元→3次元ではゴチャゴチャになるので必要と思われる部分だけ図示した。〇(マル)は要するに1辺Lの立方体に波長Lの電磁波が進入できる穴である。図で見る限り12個である。もちろん図に描かれていない裏面からも進入できる。だが進入してそこに留まり定常波となるとなると....と言うことで1辺Lの立方体に波長Lの電磁波が定常波として安定できる個数は12個しかない。

 波長λ=L以外ではどうなるのか?

2次元では弦の数 n(b)=n(a)^2 である。そして3次元ではその3倍 n(b)=3*n(a)^2 となる。これも図から分かるはずである。

 ここで 存在できる振動数ν=(C/(2L))n(a) である。そして振動数νの弦の数は n(b)=3*n(a)^2 である。この2式より 

n(b)=3*n(a)^2 =3*(2L/C)^2ν^2 となる。

 3-5-4)光子の数 エネルギ-

一本の弦(=一本の定常波)は複数の振動を含む。弦の長さがLで波長がλなら波の数はL/λだが、定常波であるから往復の波が混在する。よって一本の弦(=一本の定常波)に含まれる振動の数(=光子の数)は 2L/λ=(2L/C)ν=n(a) である。ここに振動数νの光子の数n(c)は

n(c)=n(b)*n(a)=3*n(a)^3=3*(2L/C)^3ν^3 となる。

そして 振動数νのエネルギ-E(ν)は n(c)*(振動数νの光子のエネルギ-) となる。振動数νの光子のエネルギ-とは..プランク定数を先取りすれば hνであるので

E(ν)=n(c)*hν=3*h(2L/C)^3ν^4 となる。

 以上を定常波による立方体の振動数νのエネルギ-E(ν)の基本とする。

 3-5-5)まとめ

 今までの結論をまとめる。

a) 存在できる振動数n(a)=(2L/C)ν

ν=C/λ=(C/(2L))n(a)  n(a)=1,2,3,...

b) 振動数νの弦の数n(b)=3*n(a)^2=3*(2L/C)^2ν^2

c) 光子の数 n(c)=n(b)n(a)=3*n(a)^3=3*(2L/C)^3ν^3

d)エネルギ- E(ν)=n(c)*hν=3*h(2L/C)^3ν^4

(2L/C)とνの指数に注目して頂きたい。最後のエネルギ-を除いてだが同じである。これよりウィ-ンのずれ公式やプランクの公式を検討するのだが、

ウィ-ンのずれ公式 U(ν)=πkβ・(2.C)^3・ν^3・exp(-βν/T)

プランクの公式 U(ν)=πkβ・(2/C)^3・ν^3/(exp(-βν/T)-1)

(2L/C)とνの指数は共に3で同じである。

 そうするとこのU(ν)とは何か? 教科書では『光の強さ』となっている。最初これをエネルギ-と間違って大いに悩んだ。文章でなく式から解いた方が早い。

3-5-6)U(ν)の単位

教科書に載っているプランクの式U(ν)=8πν^3/C^3・kβ/exp(βν/T-1)の物理単位を調べる。なおこのU(ν)は単位長さあたりの物理量である。長さをLとした時のU(ν)を便宜上E(ν)とすれば、

プランクの公式 E(ν)=ν^3(L/C)^3・kβ/exp(βν/T-1)

=ν^3(L/C)^3・kβ ;カット単位なしの8π/exp(βν/T-1)

=[ν^3(L/C)^3]・[kβ]  ;[ ]内は[N]

=[kβ]≠[E]

 蛇足だが物理単位は古典力学であろうと相対論、量子力学であろうと常に成り立たなければならない大原則である。エネルギ-は(1/2)mV^2であろうと,mC^2であろうと,mGhであろうと単位としては同じである。

m;質量の単位を[m] V;速度の単位を[V}=[L]/[T] L:長さ T:時間 とするなら

[(1/2)mV^2]=[m][L]^2/[T]^2 ;(1/2)は単位なし

mC^2=[m][L]^2/[T]^2

mGh=[m][G][L}=[m][L/T^2][L]=[m][L]^2/[T]^2 ;Gは加速度であるから[L/T^2]

となり、すべて[m][L]^2/[T]^2となる。

 もちろん計算に使った[ν^3(L/C)^3]の振動数νは「1秒間に何回振動するか?」であるから

[ν]=[N]/[T]  N;回数

であり、

[ν^3(L/C)^3]=([N]/[T])^3([L]/[L]*[T])^3

=[N]^3

となるが、[N]自身は物理的には単位なしである。

3-6)検証

 分布の山の形もまだ未定であるが、参考書や解説本に登場する様々な数式とすり合わせが要る。空洞輻射の問題はシュテファン・ボルツマンの法則、レ-レ-・ジ-ンズの公式、ウィ-ンの公式、プランクの公式を踏まえないと完結しない。シュテファン・ボルツマンの法則は E(ν)∝T^4 を熱力学的に証明した法則である。

 3-6-1)  シュテファン・ボルツマンの法則

 実際の光の分布は図の領域(空色の面積)では S∝T^4 になる。これはシュテファンが実験で見つけ、後にボルツマンと共同でシュテファン・ボルツマンの法則にまとめあげた。S=σT^4 σ;シュテファン・ボルツマン定数 である。

 説明ではSを「黒体の表面から単位面積、単位時間当たりに放出される電磁波のエネルギ-」とされているが言葉通りに解釈するとやや問題がある。

問題は問題として別に取りあげる。....予定である。(^^)

我々のこれまでの解釈に添うように空洞が電磁波のエネルギ-としてもつSはT^4に比例するとする。

 図のTは熱力学的平衡状態の温度Tである。そして S=全エネルギ-=∫0U(ν)dν である。

 図では横軸が ν;振動数 でT;温度 ではないが、νとTは結果的にはリニア関係にある。ただしこのTは平衡状態の温度Tとは異なり光子自体がリッチか貧乏か(?)の基準となるTである。そしてUがもっとも強い山の頂点のTは平衡状態の温度Tである。この辺は水(湯)の説明と同じだ。この辺は混乱し易い。(^^)

 νとTのリニア関係は後で出すとしてともかくリニアとする。この分布の山はまだ出していないが、νについて0〜∞まで積分するということは、νをTに変えてTについて0〜∞まで積分しても良いだろう。....チョット待った!

 山が完全に左右対称かとなると?だが、ほぼ左右対称と見なし得るならば『Tについて0〜∞まで積分』する代わりに『Tについて0〜2Tまで積分』してもほぼ同じ結果が得られるだろう。数式に直せば

S=∫0U(ν)dν=∫0U(T)dT≒∫0 2TU(T)dT

 山を作るシステムはまだないが、SはU(T)と2Tの関数と考えても良いだろう。例えば図のように底辺2Tの三角形の山を考える。この面積Sは

S=U(T)*(2T)/2=U(T)*T

 となる。 S∝T^4 にするためにはU(T)∝T^3にする必要がある。νとTは結果的にはリニア関係にあるから U(ν)∝ν^3 にする必要がある。

 結果論だがプランクの公式では山は完全に左右対称ではない。左右対称ではないが対称に近い図にはなる。

U(ν);光の強度 はエネルギ-ではないと断わってはいるがでは何かはまだ出ない。ただ 振動数νの光子の数n(c)=n(b)n(a)=3*(2L/C)^3ν^3 は必要である。正体不明ではあるが教科書に合わせてしばらくU(ν)をそのまま使って論を進める。

 3-6-2)  レ-レ-・ジ-ンズの公式、ウィ-ンのずれ公式

レ-レ-・ジ-ンズの公式は実際に観測された分布で低温の部分、ウィ-ンのずれ公式は高温の部分と一致する。後にこのふたつを融合したプランクの公式では全部が観測した分布と一致する。これは後で導く。

レ-レ-・ジ-ンズの公式もウィ-ンのずれ公式も事実の一部は含まれていることになる。我々はまず山の形を導入するためにウィ-ンのずれ公式から検証をしてみる。

3-6-3) 山の形 ウィ-ンのずれ公式

 振動数が高い場合 ウィ-ンのずれ公式 U(ν)=(8πkβ/C^3)・ν^3・exp(-βν/T) が良く合うが、ウィ-ンのずれ公式は振動数が低いと合わない。この「ウィ-ンのずれ」はある光の分布が分かればそれより少し高め、あるいは低めの分布を予想できるはずとして考案された。なおここのTは平衡温度であるから今後T(太文字)を使う。

ウィ-ンのずれ公式 U(ν)=(8πkβ/C^3)・ν^3・exp(-βν/T)

=πkβ・(2.C)^3・ν^3・exp(-βν/T) ;書き換え

 この式を  光子の数 n(c)=3*n(a)^3=3*(2L/C)^3ν^3 と比べる。

ウィ-ンのずれ公式/光子の数=U(ν)/n(c)

=(π/3)(1/L)^3・[kβ・exp(-βν/T)]

  ひとつひとつ 解釈していこう。

  (π/3) は条件の違いで出る。n(c)は「立方体の空洞」として考えてきた。それを「球形の空洞」にすれば3がπに変わる。これはここ「球形空洞の輻射」で扱う。

 (1/L) は 『U(ν)=E(ν)L=1 』であることから出た9だけでこれも条件の違いで出ただけの物であり立方体の空洞のLを1mにすれば消える。 

 [ ]でくくられた kβ・exp(-βν/T) このうち exp(-βν/T) は ν=0で1 νが大きくなるに従い0に近づく関数である。弱電では exp(-t/CR)が良く知られているのだが充電曲線や放電曲線に出て来る関数である。 ウィ-ンのずれ公式はこのexp(-βν/T)とν^3で分布の山を作っている。

 すると最後のkβとは何だろうか? それは置いといて、 

 exp(-βν/T)とν^3で分布の山を作っている。

 図は参考としてx^3・exp(-x)とで分布の山を作ってみた。

つまりは観測されている山の形を作るために導入されたのがexp(-x)に近いexp(-βν/T)と思われる。

ν^3exp(-βν/T) としてそのまま微分してみる。

∂[ν^3exp(-βν/T)]/∂ν

=3ν^2exp(-βν/T)-ν^3exp(-βν/T)・(β/T)

∂[kβ・ν^3exp(-βν/T)]/∂ν=0 とすれば

3ν^2exp(-βν/T)=ν^3exp(-βν/T)・(β/T)

3=νβ/T  ;約分する

3T=βν ;整理する &  3kT=kβν;両辺にk(ボルツマン定数)をかける。

 3T=βνの解釈 

∂U(ν)/∂ν=0 としたのだからこれは、平衡温度Tに対してその頂点を作っている最大派閥(?)の振動数νの関係である。だけども横軸の振動数νを温度Tに、あるいは温度Tを振動数νに変換する関係式と考えてもかまわないだろう。これこそが温度Tと振動数νのリニアな関係である。

T=(β/3)ν or ν=(3/β)T である。

 3kT=kβνの解釈

 両辺にk(ボルツマン定数)をかけたもので、左辺はエネルギ-の単位である。すると右辺もエネルギ-の単位になる。kβは?としたのだが答えはエネルギ-/ν。少なくとも物理単位的にはエネルギ-と主張するならkβνとしなければならない。

 ならば 式U(ν)=(8πkβ/C^3)・ν^3・exp(-βν/T) とは

U(ν)=(8πkβ/C^3)・ν^3・exp(-βν/T)

=n(c)・・exp(-βν/T) ;n(c)=(8π/C^3)・ν^3 ;kβν=エネルギ-

である。そしてn(c)とは  振動数νの光子の数 n(c)=3*n(a)^3=3*(2L/C)^3ν^3 をL=1としてさらに球形空洞型にしたものである。

 ならば 式U(ν)=(8πkβ/C^3)・ν^3・exp(-βν/T) とは

U(ν)=振動数νの光子の数・分布の山因子

である。これが強度? 待て待て「光の強度はどうやって測るor測っていた?」

 測定すべき光がある。それを振動数(周波数)に分けるにはプリズムで良い。分けた光の強度をより正確に測定するには?...人の目では色付きの光だから正確には行くまい。ならば「光電効果」あたり?

 ここは想像である。だが光の強度を光電効果で測ったと仮定した場合、単位時間あたり出て来る電子の数は振動数νの光子の数・分布の山因子に比例するであろうことは容易に想像出来るだろう。

 ではU(ν)はエネルギ-ではないなら何と呼べばよいだろうか?.....ウ-ム やはり『光の強さ』カイナ(^^)!!

3-6-4) レ-レ-・ジ-ンズの公式 E(ν)=8π(L/C)^3kTν^2

この公式も内容を吟味する。内容ならTをTと判断して

レ-レ-・ジ-ンズの公式 E(ν)=8π(L/C)^3kTν^2

=π(2L/C)^3ν^2・kT

 関数自体が右肩上がりで山をなしていないし、(2L/C)の指数(=3)とνの指数(=2)が合わない。吟味と言うより文句ならいくらでも言える。しかしながらレ-レ-・ジ-ンズの公式は実際に観測された分布で低温の部分は良く一致するので無視はできない。この辺は後で取り上げる。

 3-6-5) プランクの公式 成立偏

 このふたつを統一し、レ-レ-・ジ-ンズの公式も山にしてしまったのが有名な

プランクの公式 U(ν)=(8π/C^3)・kβ・(1/(exp(βν/T)-1))・ν^3

である。数学的にはウィ-ンのずれ公式 U(ν)=(8πkβ/C^3)・ν^3・exp(-βν/T) の exp(-βν/T) を (1/(exp(βν/T)-1)) にしただけのものであるのだが、νが充分大きくて exp(βν/T)>>1 なら(1/(exp(βν/T)-1))→(exp(-βν/T)となるから、ウィ-ンの公式になるだろうことは分かる。それをハッキリさせるのは βν/T=x と置換えてから計算すると良い。

U(x)=(8π/C^3)・kβ・(1/(exp(x)-1))・(xT/β)^3 T平衡温度

=(8π/C^3)・(kβ)・(T/β)^3・(1/(exp(x)-1))・x^3

ここでY=x^3/(exp(x)-1))とする。

一方のウィ-ンの公式

U(x)=(8π/C^3)・kβ・exp(-x)・(xT/β)^3 T平衡温度

=(8π/C^3)・(kβ)・(T/β)^3・1/exp(x)・x^3

ここでY=x^3/exp(x)とする。

図にプランクの公式に現れる計算式の一部x^3/(exp(x)-1)とウィ-ンの公式の一部x^3/exp(x) を載せてみた。

 「振動数が高い場合 ウィ-ンの公式が良く合う」と述べたのだがよりハッキリ言えば x>3 の領域、山が降る部分で良く合う。山が登りの部分は誤魔化しようがないほどハッキリ異なる。

−−−−−−−−−−

レ-レ-・ジ-ンズの公式は振動数の低い部分は良く合う。それもハッキリさせるのは βν/T=x と置換えてから計算すると良い。

U(x)=(8π/C^3)・(kβ)・(T/β)^3・(1/(exp(x)-1))・x^3 ;プランクの公式

ここでY=x^3/(exp(x)-1))とする。

Y=1/(exp(x)-1) を扱う。

exp(x)はxが小さい場合、マクロ-リン展開できて

exp(x)=1+x+x^2/2+x^3/3!+....である。

よってexp(x)-1=x+x^2/2+x^3/3!+....

=x・[1+x/2+x^2/3!+....] である。

よってY=1/(exp(x)-1)=[1/x]・[1/(1+x/2+x^2/3!+....)] → x^3/(exp(x)-1)=x^2・[1/(1+x/2+x^2/3!+....)]

U(x)=(8π/C^3)・(kβ)・(T/β)^3・(1/(exp(x)-1))・x^3 ;プランクの公式

=[(8π/C^3)・(kβ)・(T/β)^3]・x^2・[1/(1+x/2+x^2/3!+....)]

=[(8π/C^3)・(kβ)・(T/β)^3]・(βν/T)^2・[1/(1+x/2+x^2/3!+....)] ;x=βν/Tに戻す

=[(8π/C^3)・(kT)]・ν^2・[1/(1+x/2+x^2/3!+....)] 

レ-レ-・ジ-ンズの公式 U(ν)=(8π/C^3)kT・ν^2 と見比べれば [1/(1+x/2+x^2/3!+....)]=1 として良いほどxが小さいなら、それはまた ν/T が充分に小さいことだが レ-レ-・ジ-ンズの公式は成り立つ。

 ここにおいてプランクの公式はレ-レ-・ジ-ンズの公式もウィ-ンの公式も満足していることになる。どうもプランクの公式が現れる前はもっとも目立つ山の立ちあがりの部分が説明できない状態であったらしい。! ではプランクの公式が現れたならハッピ-エンドなのか?

 問題はこの(1/(exp(x)-1))はナンダと言うこと、何を意味するのかと言うことになる。

 ウィ-ンのずれ公式ではexp(-x)がx^3と絡み合った結果、『分布の山』を作ったと考えた。

 それは 1>exp(-x)>0 であるから成り立つ考えである。旅館やホテルに例えればx^3とは全部屋数に該当し、exp(-x)は宿泊率に該当する。空洞とは定常波を泊める旅館やホテルみたいなものである。(^^)

 この考え方から行けば、つまり(1/(exp(x)-1))を宿泊率と考えれば(1/(exp(x)-1))が1を超えることは許されない。

だが (1/(exp(x)-1)) は exp(x)<2以下になれば1を超える!(^^)

(1/(exp(x)-1))=1 は exp(x)=2 の時実現し、x=0.7 の時である。x<0.7の時は宿泊率では説明できない。

 ではどう考える? その前にx=0.7でレ-レ-・ジ-ンズの公式はどうなるか計算しよう。

レ-レ-・ジ-ンズの公式 U(ν)=(8π/C^3)kT・ν^2

U(x)=(8π/C^3)kT・(T/β)^2・x^2  ;βν/T=x → ν=(T/β)xとした。

U(0.7)=(8π/C^3)kT・(T/β)^2・0.7^2 ;x=0.7代入

U(x)=(8π/C^3)・(kβ)・(T/β)^3・(1/(exp(x)-1))・x^3 ;プランクの公式

U(0.7)=(8π/C^3)・(kβ)・(T/β)^3・0.7^3 ;x=0.7代入

レ-レ-・ジ-ンズの公式のU(0.7)とプランクの公式のU(0.7)は等しいのか? 割ってみればよろしい!

レ-レ-・ジ-ンズの公式のU(0.7)/プランクの公式のU(0.7)

=[(8π/C^3)kT・(T/β)^2・0.7^2]/[(8π/C^3)・(kβ)・(T/β)^3・0.7^3]

=[T(T/β)^2・0.7^2]/[β(T/β)^3・0.7^3]

=[0.7^2]/[0.7^3]=1/0.7  (^^)

まさか、まさか こんな結果になろうとは!....どこか計算間違いしてないかしら? 

プランクの公式のU(0.7)=レ-レ-・ジ-ンズの公式のU(0.7)*0.7

それで

レ-レ-・ジ-ンズの公式をY=0.7*x^2

プランクの公式をY=x^3/(exp(x)-1)

として図示するとこれがまた良く合う!

これだけ合えばレ-レ-・ジ-ンズの公式とプランクの公式は低温では合致すると言ってもよろしいのではなかろうか?

そうなるとレ-レ-・ジ-ンズの公式は U(ν)=(8π/C^3)kT・ν^2 ではなくて U(ν)=(8π/C^3)kT・ν^2・0.7 と3割引にしなければなるまい。

プランクの公式において 『x<0.7の時は宿泊率では説明できない。』わけだが、それはx<0.7においてはレ-レ-・ジ-ンズの公式 U(ν)=(8π/C^3)kT・ν^2・0.7 に分布の主導権が移るからである。ではここの0.7はまたまた何であろうか?

話を元に戻そう。

 n(c)とは振動数νの光子に対する最大収容数である。実際には満席(?)にはならない。ちょうど旅館やホテルと同じようにソコソコの宿泊率(?)に収まるとみなせる。その宿泊率(?)を決めているのがウィ-ンのずれではexp(-βν/T)である。 0<exp(-βν/T)<1 なので宿泊率で納得?(^^)

だがプランクの公式で出てきた1/(exp(βν/T)-1)ではν/Tの値によっては1以上になる。これは1/(exp(βν/T)-1)は宿泊率(?)としては説明できないことになる。

話をさらに戻してこの章の「モル比熱」まで遡る。鉄アレイ型分子やOの理論比熱は 4.96 cal/deg であるのに対して、実際の比熱はNで4.984〜4.733(293℃〜92℃)、Oで4.985〜4.41(293℃〜92℃)である。

この比熱が92℃以上と言う変な領域指定があることに注目したい。92℃以下では原子型分子(不活性ガス)の理論比熱 2.98 cal/deg に近づく。

鉄アレイ型分子と原子型分子の理論比熱の違いは自由度5と自由度3の違い (5/2)kTと(3/2)kTの違いに起因する。そうすると低温では自由度そのものが減っていくことになる。つまりシステムが異なる。

 この輻射の場合でも高温の場合と低温の場合ではシステムが異なると考えられる。その境目はそれ以下になると宿泊率(?)100%を超えるνである。xに直せばx=0.7である。

レ-レ-・ジ-ンズの公式 U(ν)=(8π/C^3)kT・ν^2・[0.7]

ではこの0.7とは何か?  もっともしっくり来るのは宿泊率(?)70%...ではなかろうか?

 3-6-6)プランクの公式 T^4 偏

改めてプランクの公式 U(ν)=(8π/C^3)・kβν・(1/(exp(βν/T)-1))・ν^2を見直す。書き直すと

U(ν)=(8π/C^3)・kβ・(1/(exp(βν/T)-1))・ν^3 である。

  はたしてこれは シュテファン-ボルツマンの法則[ U(ν)∝T^4 ]になるのか?

 一般的な解説では

プランクの公式 U(ν)=8πν^3/C^3・kβ/exp(βν/T-1)

=(8π/C^3)・(kβ)・[ν^3/exp(βν/T-1)]

S=∫0U(ν)dν=∫0(8π/C^3)・(kβ)・ν^3/exp(βν/T-1)・dν

=(8π/C^3)・(kβ)∫0ν^3/exp(βν/T-1)・dν

βν/T=x とする。ならば  ν=xT/β dν=(T/β)dx であるから

S=∫0U(ν)dν=(8π/C^3)・(kβ)(T/β)^4∫0x^3/(exp(x)-1)・dx

0x^3/(exp(x)-1)=π^4/15 であるから

S=∫0U(ν)dν=(8π/C^3)・(kβ)・(T/β)^4・π^4/15

=(8/15)(π^5/C^3)(k/β^3)・T^4

よって S=σT^4   

;σ=(8/15)(π^5/C^3)(k/β^3)

kβ=h → 1/β=k/hとして代入 

=(8/15)(π^5/C^3)k(k/h)^3

=(8/15)(π^5/C^3)(k^4/h^3)

=5.67*10^(-8)  (W/m^2)/K^4

 なるほど.....問題点はふたつ ∫0x^3/(exp(x)-1)=π^4/15 はどうしたら出せるかと、 プランクの公式 U(ν)=(8π/C^3)・kβ・(1/(exp(βν/T)-1))・ν^3 を使っている以上、『直径1mの球形空洞で平衡温度Tの時その空洞自身が貯めこんでいるエネルギ-はSである。』なら納得だが、どうしたらSを「黒体の表面から単位面積、単位時間当たりに放出される電磁波のエネルギ-」とできるのか?

問題は問題として別に取りあげる。....予定である。(^^)

3-7)プランク定数h

 レ-レ-・ジ-ンズの公式 U(ν)=(8π/C^3)kT・ν^2・[0.7] を  βν/T<0.7 となるνについてのみ正しいとする。その領域ではプランクの公式 U(ν)=(8π/C^3)・kβ・(1/(exp(βν/T)-1))・ν^3 は適用されない。

 βν/T<0.7 は書き換えると   kβν<0.7kT なのだが0.7は宿泊率であるから、振動数νの定常波がレ-レ-・ジ-ンズに従うか、プランクに従うかは 「kβν が kT より大きいか?、小さいか?」にかかわってくる。

 kβをひとつの定数とした方が扱いやすいと気付いたプランクにより kβ=h ;プランク定数 となる。

「kβν が kT より大きいか?、小さいか?」を「hν が kT より大きいか?、小さいか?」と書き換えてマンガにするとこうなる。

氷の塊(hν)を容量kTのコップに収めるわけだが、hν>kTならいくらコップが余っていても入らない。

 T平衡温度 に浸っている空洞において、kTよりエネルギ-が低い光子はレ-レ-・ジ-ンズに従い宿泊率70%の安宿(?)に泊まらせられるわけだ。空洞輻射とは差別社会だったのだ!(^^)

3-8)この章の終りに

 量子力学において E=hνは基本である。プランク定数hなしでは量子力学そのものが成り立たない。その E=hνがどのようにして誕生したかを探るつもりで書いたのだが、どこかしら納得できない代物になった。せめて自己矛盾がナイだけでも良しとする。

 このレポ-トは朝永振一郎著の『量子力学T みすず書房』を参考にしている。以前読んだものだが改めて読み返すと淡々とした中に恐ろしいくらい含蓄のある表現が並んでいる。無用な誤解を与えないようピシャリと押さえる感覚も見事だ。以前はナントナク分かるので面白がっていたのだが、今は分かり易いのが逆に怖い。

 書いてみて、これをパクパクのようにヘソ曲がりな読者が読んだらいくらでも突っ込んできそうだ。

 E=hνから『振動数(周波数)が高ければかならずエネルギ-も高い』とされるとチョッと困る。例えばAC100Vの電熱器は関東50HZ地帯と関西60HZ地帯では約2割熱量が異なるかとなるとそうではない。では光は何故 E=hν が成り立つのか、どう言うシステムでそうなるかは分からない。もっとも分かったらノ-ベル賞カモ!!

 宿題としてシュテファン-ボルツマンの法則でSの解釈で

0x^3/(exp(x)-1)=π^4/15 はどうしたら出せるかと

 『直径1mの球形空洞で平衡温度Tの時その空洞自身が貯めこんでいるエネルギ-はSである。』をどうしたらSを「黒体の表面から単位面積、単位時間当たりに放出される電磁波のエネルギ-」とできるのかがまだ解けない。

パクパクが間違っていると言うことも含めて独自の考えをお持ちの方、または解いておられる方は知らせてもらえば非常にあり難い。

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球形空洞の輻射

球形空洞が鉄の中にあり、その中に光子・電磁波の定常波があるとする。

この球形輻射はイメ-ジが沸き難い。例えば空洞を半分に切って断面を見たとしよう。(図)

定常波の節の部分が球の中にタマネギ構造で層を作るであろう。(図の赤い円) その中に定常波を2本だけ書き込む。

定常波は球の中心を通る形になる。もっと沢山の定常波を書き込むのは至難の技なので水色の線で表すと!!!!

同じ振動数の定常波同士であっても他の定常波に影響を与えないし影響を受けないとしないと先に進まない。

幸いなことに我サイトにおいては『光は他の光の横風の影響は受けない』と断わってあるのでそれを応用する。

この図でもうひとつ気づくことがある。球の表面...と言うより裏面、空洞の側面だが、定常波の根(?)が根付いてはならない線を書くことが出来ない。

立方体の場合、適当に切った平面には定常波が存在できない領域が碁盤の目のように出来あがる。

これは考えている定常波に直角に交わる定常波の節により考えている定常波(紙面を貫く形、〇で示す)が存在するのが困難な領域であり、赤い線で示す。

赤い線で囲まれるのは一片(λ/2)の正方形であり、その中に定常波は一本しか入れない。

 この赤い線は立方体の表面...と言うより裏面、空洞の側面だが、そこにも描ける。だが球の表面...と言うより裏面には定常波を制限する赤い線は描けない。

 描けないなら球形空洞は定常波が無数に無限に根付く(?)ことが可能となるのか? そんなことはない。

球形空洞で定常波が制限される要因を考える。まず何処でも良いから定常波が根付いたとしよう。

定常波(電磁波)は電界と磁界の絡み合った状態である。図では電界を赤、磁界を青として表す。この電界と磁界はお互い直行している。

すると定常波の根もとはどうなるのか? 根元のすぐ上では電界と磁界がブンブン(?)暴れている。鉄の裏面(?)の自由電子達は落ち着かずに右往左往しているカモ(^^) 図での点の集合として表した。

そんな不安定な場所に次の定常波が降りてきて根を張るとは考え難い。次の定常波が降りてくるのはなるべく定常波に近くてかつ自由電子達が大人しい場所である。多分それは..と言うわけで図の〇になった。

この位置は自由電子達が大人しい場所であるからだが、もうひとつ理由がある。

  鉄の裏面(?)で定常波の根元の自由電子は定常波にあおられて右往左往する。このままでは定常波のエネルギ-は自由電子の運動エネルギ-に移動するから定常波は消滅する。だが逆に鉄分子の熱振動が自由電子を通して定常波にエネルギ-を送り込むこともある。の点の集合はエネルギ-の通り道だとしても良いだろう。

 エネルギ-の通り道なら定常波が受けつけられない程多量のエネルギ-を通そうとするとエネルギ-は溢れる。溢れたエネルギ-は空中に電磁波(定常波ではない)を作り、その電磁波は対面の鉄の側面に到達して吸収される。

 その過程が連続した場合、空中に飛び出す電磁波は団子状に連なりついに定常波となる。その根元はもっとも安定する〇の場所になる。そう考えても良いのではないか、と言うよりそう考えた方が面白い。まるで植物(草)の群生みたいだから!

定常波の群生(?)の成立過程を図にする。きれいでしょう(^^)

定常波がこのように規則的に並ぶとすれば、ひとつの定常波が根の周りに占有する面積は対角線がλ/2となる正方形らしい。この辺の理屈はまだわからない。

対角線がλ/2の正方形の面積は(λ/2)^2/2である。

一方球の表面積...ではない裏面積は直径がLの球であるから

4π(L/2)^2=πL^2である。

よって存在可能な定常波の根は πL^2/[(λ/2)^2/2]=2π(2L/λ)^2 となる。

一本の定常波は2本の根を持つから定常波の数は π(2L/λ)^2 となり、C=λν より

n(b)=π(2L/λ)^2=π(2L/C)^2ν^2 となる。end

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振動数νの弦の数n(b)=3*n(a)^2=3*(2L/C)^2ν^2 ;参考(立方体空洞)