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私の所には毎日、多くの難聴の方が訪れます。そして、家族や周囲に言えない事、悩みを相談されていきます。難聴の方は、私たち健聴者には分からない、多くの悩みを抱えています。そんなお話を少し聞いてください。


80歳女性】長年補聴器を使っていらっしゃいます。お手持ちの補聴器を預けられる時、「大事な子供を預けていく気分です。」とおっしゃいました。難聴者にとって補聴器はそれほどまでに大切な物なのです。

47歳女性】職場で話の輪に入れず、指示も聞き取りにくかったため補聴器を購入。仕事の為に補聴器を着けたのに、職場で面白半分に補聴器のことを尋ねる人もいて、辛いとおっしゃっていました。

76歳男性】会合で聞きもらした事を皆に責められ補聴器を使うようになりました。補聴器をしていても家族に「聞こえないの?」と言われることがあり、それが辛いと涙を流しておられました。

82歳女性】若い頃から聞こえが悪く、ずっとあきらめていました。しかし、片方の耳に補聴器を装着してみたら、聞こえることが分かりました。長く通っていた耳鼻科では「もう無理だ。」とずっと言われていたそうです。聞こえるようになった時は、とても嬉しそうな笑顔でした。

16歳男性】小学生時の検査で片耳が聞こえにくいことが分かっていたそうですが、もう片方が正常だったため、ご家族も気づかなかったそうです。現在は正常値だった方も、聞こえが悪くなってきたため、両耳に装着しています。現在は普通の高校に通っていますが、難聴と分かっていても、特別な配慮はないそうです。そんな彼がある日、「日本の偉い人は、障害者のことなんて何も考えてないよね。健康な人はみんな自分のお金儲けの事しか考えていないよね。」息子と歳が変わらない少年にこう質問されて、返事に詰りました。「確かに私も日本の政治家が真剣に障害者のことを考えているとは思わない。でも、少しでも何とかしたいって、活動している人はいる。自分が動き出せば、仲間や協力してくれる人は必ずいるから。」と答えるのが精一杯でした。



これから、「 聞こえない」「聞こえにくい」というのはどういうことなのか、多くの方に知っていただけるよう、発信していかなくてはなりません。

声を掛けられて無視をしたと思われたくないために、早朝にゴミを出しに行く方。自転車のベルが聞こえず、「ずうずうしい」と怒鳴られた方。このような方たちが、身の回りにたくさんいらっしゃるという事を理解してください。

歳をとったから耳が悪くなって当たり前ではないのです。ご本人は孤独で辛いのです。テレビなどは消して、正面からゆっくり話せば、かなり伝わります。元気な人が少し歩調を合わせることによって、随分不自由さは改善されるのです。

これを機会に、ぜひ「きこえ」に関して、考えてみてください。
 
やちよ補聴器 代表 宮崎えつこ