過去日記(2005年10月)

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10月31日(月)”今更NHK受信料を支払えと言われても・・・

一昨日、我が家の郵便受けに届いた郵便物を見ていると、ある封書が目に入りました。差出人はNHKの地元放送局営業センター。一体何事だろうと思い、封を開けてみると、このような物が入っていました。
この手紙は、平たく言えば、
”あなたの歯科医院にテレビが置いてあるだろう。そのテレビが何台あるか調べたいから報告しなさい。そして、NHKと受信契約を結んでいないなら受信契約を結びなさい”
という内容の手紙でした。
その背景は言うまでもないことでしょう。NHKがこれまでいい加減にしていた受信契約を見直し、NHKの放送を受信できる受信装置を置いている事業所(この手紙の場合は歯科医院)とは正式に受信契約を結び、受信料を徴収したいという思惑がみえみえです。昨今のNHKは昨年からの一連の不祥事により受信料の不払いが後を絶たず、かなり財政的に影響を受けていることがかなりこたえているのでしょう。受信契約を結んでいるにも関わらず受信料を支払っていない契約者に対しては法的手段に訴えてでも受信料を徴収しようという動きがあるようですし、これまで受信契約を結んでいない、NHKの放送を受信できる受信装置を置いている事業所を見つけ出し、放送法第32条や放送受信規約第2条により受信料を支払うよう圧力をかけているのです。

ちなみに、放送法第32条とは
『協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信について契約をしなければならない。』
放送受信規約第2条では
『2 事業所等住居以外の場所に設置する受信機については放送受信契約は、
―(中略)―受信機の設置場所ごとに行なうものとする。
4 第2項に規定する受信機の設置場所の単位は、部屋、自動車またはこれに準ずるものの単位による。』
です。

我が家では、自宅のテレビに対しては受信料を払っています。各家庭で地上波のテレビ局の受信ができません。そのため、各地区ごとに共同アンテナが設置してあり、その共同アンテナから各家庭に放送が配信されているのです。
10年ほど前だったでしょうか。テレビの空きチャンネルに突然NHKの衛星放送が映りだしました。どうも地元の自治会の方針で衛星放送受信が決まったようなのですが、おかげで我が家ではNHKの受信契約は何の承諾もなくいきなり衛星放送契約となり受信料が高額になりました。その時、僕は怒り心頭になりましたが、我が家の周囲は田舎であることから、事を荒げると近隣の人たちとの付き合いに大きな影響を及ぼしかねません。これも付き合いのうちだということで無理やり親父から説得され、怒りを押し殺さざるをえなかったのです。
僕は、NHKとの契約そのものは否定的ではありません。なぜなら、NHKが放送するコンテンツには優れたものが少なからずあるからです。NHKのいくつかのドキュメンタリー、子供向けの教育放送、芸術番組、語学放送、それから、ラジオ深夜便などのトーク番組などは僕は高い評価をしてもいいのではないかと思います。僕はこれら放送を見たり、聴いたりしたいのでそのために受信料を払うことはやぶさかではありません。

ところが、今回の手紙の内容で思わず目を疑ったことがあります。それは、事業所に関してNHKの受信契約は受信機の設置場所ごとの契約だというのです。このパンフレットにはそのことが触れられているのですが、このような内容を知ったのは初めてでした。正直言って、
”何を今更言いだすんだ!”と思いました。
これまで、僕は診療所のテレビを購入する際、いつも販売店から診療所の待合室で使用するものであることを語って購入してきましたが、その時点ではNHKとの受信契約に関しては何ら説明をうけていませんし、そのことに関する通知文書を見たこともありません。NHKが放送法第32条や放送受信規約第2条に定めれているのであれば、テレビの購入時にNHKとの契約をしないと購入できないという規則のようなものがあってしかるべきだと思うのです。ところが、今まで何度かテレビを購入した時点で僕は電器屋からはそのような説明は一度も聞いたことがありません。法律に定めれているような大切なことであれば、テレビの購入時に当然のことながら売り手から説明があるべきでしょうが、そんな説明は全く無く、今となって突然契約を求めるというのは如何なものでしょう?テレビの購入者を騙していると言っても過言ではないのではないでしょうか?
しかも、僕は自宅のテレビに関しては既にNHKに対して受信料を支払っています。それにも関わらず、自宅と棟続きの診療所のテレビでもNHKの受信料を支払わないといけないというのはどうも腑に落ちないのです。

僕は法的な知識がないので正確なことは言えませんが、NHKとの受信契約というのはどうも問題が多いように思えてならないのです。少なくとも、今回のような事業所では受信機の設置場所ごとに受信契約を結ばなくはいけないという規定は、非常にがめつい商売のように思えてなりません。
世の中にはNHKと受信契約と結ばずにテレビを見ている人が少なからずいると聞きますが、その背景にはNHKとの受信契約の根拠となっている法律や規約の正当性の問題、それから、説明不足が多分にあると思います。NHKはこの点をもっと真剣に考えないと、これからも受信契約と結ばない人は益々増えることでしょう。

さて、うちの歯科医院に来た調査表(ここでは調査票例)ですが、NHKに返信するつもりは全くありません。こんな調査表を送ること自体、NHK自らが受信契約の実態を調べず放置してきた証拠です。何を今更調査票にかこつけて受信契約をしていない事業所を調べ、挙句の果てには受信料を徴収しようとしているのでしょう。自らの怠慢を今頃になって調べようとしているNHKの態度には付き合っていられません。馬鹿馬鹿しい!

10月30日(日)”湯たんぽ マイラブ?”

秋が深まりつつある今日この頃、昼間は一年の中でも最も過ごしやすい時期ではないでしょうか?暑くもなく寒くもない気候ですから、今日のような休日であれば各地の行楽地は人で賑わっている頃でしょう。うちの辺りは周囲を山や田畑で囲まれた田園地帯なのですが、芋堀園やクリ畑などが点在しており、昼間ともなれば大勢の車が押しかけています。患者さんの中にはそんな芋掘園やクリ畑のオーナーがいらっしゃるのですが、今が一年で一番のかきいれ時で忙しいと異口同音に語っております。
さて、田園地帯にある我が家ですが、昼間は過ごしやすい一方で朝夕の気温はめっきり下がってきました。日によっては10度を切っているくらいです。こんなことを書くと寒い北海道や東北の方にはお叱りを受けそうなのですが、元来寒さに弱い僕は最近の朝夕の冷えも苦手でして、先日は早くも押入れに収納していた炬燵を出してきたくらいです。そんな朝夕が冷えてくる中で最も気になっていたのが、寝る直前の布団です。何かと雑用が多く、床につくのが深夜に及ぶことが多い今日この頃。寝室にある布団は夜が遅くなると共に冷え、僕が布団の中にもぐりこむ時には実にヒヤッとした感触がして、なかなか寝付くにも寝付けない日々が続いていたのです。この布団の冷たさを解決するものは何かないだろうか?嫁さんと話をしていると、嫁さんはある物を用意してきました。

「そうさん、これがあると布団に入った時温かいよ。」

それは湯たんぽでした。
僕自身、幼少の頃に湯たんぽを使った記憶はあったのですが、正直言って大の大人になってから湯たんぽを見たのは初めてでした。今更湯たんぽを使うなんて何と時代遅れなんだろうと思っていたのですが、嫁さんは独身時代に頻繁に湯たんぽを使っていたとのこと。結婚してからは使用を控えていたが、最近になって湯たんぽのことを思い出し、近所のスーパーで購入したそうなのです。
「騙されたと思って使ってみたら?」
たかが湯たんぽ如きと思いながらも使用してみると、これが何とも心地よい温かさです。深夜に寝床に入った時、足元が冷えて仕方が無かったのが、足元に置いてある湯たんぽのおかげで何とも言えないぽかぽかした暖かさを感じます。
テクノロジーの進歩のおかげで様々な暖房器具が生み出されてきましたが、その一方でこれら暖房器具はエネルギーを消費しています。環境省では夏はクールビズ、冬はウォームビスということで冬場は室内の温度を20度前後に保ち、省エネを図るようにするとのこと。省エネによる暖房節約を服をいくつも着ることで寒さを乗り切ろうということのようですが、この湯たんぽも通常の暖房装置に比べればはるかに省エネルギーで暖を取れることに改めて気がつかされました。
たかが湯たんぽ、されど湯たんぽ。
今我が家では就寝前に湯たんぽの用意をすることが日課となっています。

10月28日(金)”すきっ歯について

小さな子供を持つ親御さんからしばしば尋ねられることの一つに乳歯と乳歯の間にできた隙間に関することがあります。いわゆる、”すきっ歯”のことです。
乳歯は生まれて半年くらいから生えはじめ、2年余りで合計20本の乳歯が生え揃います。その際、乳歯と乳歯の間に隙間が目立つ子供がおり、一見すると何か問題があるように思えます。
結論から言うと、いわゆる”すきっ歯”は異常ではありません。元来、乳歯の歯並びにが隙間があるもの、隙間がつきものなのです。その訳は、乳歯の歯並びの隙間は乳歯の後に生え変わってくる永久歯と交換がスムーズにいくためのスペースとなるからです。

                         

ところで、乳歯と乳歯の隙間には特定の場所にできるものがあります。上顎では乳側切歯と乳犬歯の間、下顎では乳犬歯と第一乳臼歯の間です。この空隙は霊長空隙と呼ばれています。何でも人間だけでなく、霊長類に特有に見られる歯と歯の隙間であることからこの名前がついたとされています。
また、上顎の歯列幅が成長拡大することにより、上顎の骨が大きくなり、その結果として歯と歯の間に隙間が生じることあります。この隙間のことを発育空隙と呼ぶことがあるのです。
いわゆる”すきっ歯”は、これら霊長空隙や発育空隙によって歯と歯の間に隙間が生じた状態を指すわけですが、これら空隙の存在によって後に生え変わる永久歯が収まるスペースが確保され、正常な永久歯の歯並びが形成されることになるのです。
むしろ、乳歯と乳歯の間にスペースがない歯列の場合、僕は心配します。永久歯が生えてくるスペースがなく、永久歯の歯列が乱れ、歯並びが整わず、将来的に歯の矯正治療を受けなくてはならないようなケースがあるからです。ただし、乳歯の歯並びに隙間がないといっても乳歯の歯を矯正治療することはできません。なぜなら、乳歯の歯は永久歯と生え変わりますし、成長により顎の大きさも刻々と変化するからです。このような場合、永久歯と生え変わりが進行している時期である小学校3〜4年生ぐらいから矯正治療を検討すべき場合が多いように思います。


10月27日(木)”無残!阪神タイガース・サザエさん一家をゲットしたい!

プロ野球日本シリーズが終わりました。千葉ロッテマリーンズファンの皆様、日本一おめでとうございます。見事です。阪神タイガースは完膚なきまでにやられました。誰が今回のプロ野球日本シリーズを前に六甲颪を歌えなかったことを予想したでしょうか?阪神タイガースはこれほど弱いチームだったのでしょうか?結果が全てです。やはり弱いチームだったことは確かです、今回の日本シリーズでは。
ああ、無残!阪神タイガース。


さて、今我が家でちょっとしたブームになっていることがあります。それは、サザエさん一家のつながる縁側フィギュアを集めることです。
先日、コンビニに立ち寄った際、僕はホットのペットボトルのお茶を買いました。その際、ペットボトルに下のようなものが付いていたのです。

                           

一種のおまけのようなものですが、サザエさん一家であるサザエさん、マスオさん、カツオ、ワカメ、波平、フネ、タラちゃんと猫のタマの7人と一匹のフィギュアのうちの一つがペットボトルに付いていたのです。
全部で8種類のサザエさん一家のフィギュアは、”サザエさん一家 つながる縁側フィギュア”というもので、何でもこの秋限定の非売品なんだとか。フィギュアは無くなり次第販売を終了するとのこと。
最初に現れたフィギュアは波平でした。これを見た嫁さんは思わず
「かわいい!」
この一言で、”サザエさん一家 つながる縁側フィギュア”を集めることになったのは言うまでもありません。
早速、コンビニに立ち寄るたびに”サザエさん一家 つながる縁側フィギュア”のついたホットのペットボトルを買いました。最初のうちは順調にフィギュアが集まっていきました。

                          

ところが、予想した事態、今年の流行語でいえば想定の範囲内ではあったのですが、途中からフィギュアがダブるようになりました。

                             

波平3体、タマが2体もダブる始末。
早く全ての”サザエさん一家 つながる縁側フィギュア”を集めるには、まとめ買いするしか方法がないのかもしれません。正直言って、僕はそこまでする気がないのですが、家庭内の力関係からそうせざるをえない状況です。
ただし、まとめ買いしても”サザエさん一家 つながる縁側フィギュア”の全てのフィギュアが揃う保証はどこにもありません。もしかしたら、まとめ買いしたフィギュアが全て波平ということだってありうるのです。
波平ばかりのフィギュア・・・、想像しただけで恐ろしいです。
今しばらくは、我が家では”サザエさん一家 つながる縁側フィギュア”の全8種類を集めるため、ホットのお茶のペットボトルを購入する日々が続くことでしょう。

10月26日(水)”もしも、メイド歯科医院があったなら・・・

先日、世の中にはコスチュームプレー(コスプレ)の愛好者が数多く存在することを実感したことがありました。僕は家族と共にとある遊園地へ出かけたのですが、その日は園内の客の半数近くは何とコスプレ愛好者で占拠されていたのです。しかも、コスプレ愛好者はほとんどが女性。当日は園内で何らかのコスプレマニアのイベントが開かれていたようなのですが、客観的に見てコスプレマニアの人たちが様々な園内の乗り物に乗っていたり、互いに写真を取り合っている姿は実に異様な光景でした。話には聞いていたものの、世の中にはコスプレ愛好家が少なからず存在することを改めて実感した次第です。
一方、そんなコスプレ愛好家を見ることを趣味とする人たちも存在します。コスプレ愛好家と異なり、こちらは大半が男性です。こういった男性はアニメ系オタクとでもいうべきなのでしょうか?
そういったアニメ系オタクや東京の電気街である秋葉原をたむろするオタク、秋葉系オタクをターゲットとした商売が今ブームなんだとか。代表的なものがメイド服を着た女性が客をサービスするメイド喫茶。何でもアニメ系オタクや秋葉系オタクの人にとってこれらメイド服姿の店員を見るのが"萌え"なのだそうで、秋葉原に出来たメイド喫茶は瞬く間に全国各地に広がり、それぞれの地でアニメ系オタクや秋葉系オタクなどの濃い人たちを中心に、外野から眺めようとする客で賑わっているのだとか。 最近では、メイド喫茶だけでなく、メイド美容室なるものもでき、アニメ系オタクや秋葉系オタクがメイド姿の店員に"萌え"ながらカットをしてもらっているそうです。

ところで、厚生労働省の医療施設調査によれば、全国に歯科医院は65000件余りあるのだとか。この数は既にコンビニの数をはるかに凌駕するだけの数です。そのため、多くの歯科医院も限られた患者さんを如何に確保するか悩んでいるのが現状です。そのような中、如何に多くの患者さんに足を運んでもらうために独自性を出すかということに頭を悩ませている歯科医院の院長が多いのが現実です。
そこで、数多い歯科医院の一院長である歯医者そうさんは考えてみました。上記のようなコスプレ萌え系のメイド喫茶やメイド美容室が流行っているなら、メイド歯科医院というものがあってもいいのではないか?何とも単純な発想ですが、もしも、メイド歯科医院ができたならどんな歯科医院になるのでしょう?僕は無い知恵を絞って想像してみました。

場所は、東京は秋葉原、もしくは大阪は日本橋の電気街のとある雑居ビル。 そこの一室に開業した歯科医院。その名もメイド歯科医院。ちなみにメイドと書いても冥土ではありません。それでは、まったく別の意味になってしまいます・・・。
まあ、そのようなくだらないことは置いといて、歯に不調を感じていた秋葉系オタクK君は、"メイド"という文字に惹かれ、メイド歯科医院を訪れました。
玄関先のドアを開けると

「ご主人様、お帰りなさい!」

そう言っていきなり声をかけてきたのは女性スタッフ。女性スタッフはもちろん黒色のメイド服姿。 メイド服はレースのフリル部分がやや大きめのカチューシャと、白レースのチョーカー。エプロンは、肩ひもの部分にレースがついており、これは背中の肩甲骨まで伸びており、リボンは後ろで縛っています。襟元、袖口にもレース。手首にはカフスをつけ、足元は、オーバーニーソックスと黒のローファーまたはヒール。スカートの下にはパニエを履きといったところでしょうか? いきなりのメイド服姿の女性に圧倒されながらもにっこりと笑ったその笑顔に思わず萌えてしまった、K君。 メイド服姿の女性スタッフに案内され、窓口へ出向くと受付にも当然のことながらメイド服姿の女性受付が。女性受付はメイド歯科医院のシステムを説明していきます。

「以上がメイド歯科医院のシステムですが、何か疑問の点がありましたらいつでも気軽にお尋ねください。」

萌え萌えの気分満載のK君はメイド姿の受付嬢にメロメロで、彼女の説明がほとんど耳に入らなかったことは言うまでもありません。

受付上の説明後、治療の時間までしばし待合室で待つことに。 待合室はすでに4人の患者が治療を待っていました。患者は皆男性で、各々秋葉系の二人組と、コンピュータソフト系会社勤務で暇つぶしに立ち寄ったようなサラリーマン、ゲームボーイを熱心にやっている大学生。 K君は何気なく待合室を見渡すと、壁はアニメ風の天使とハートのマークが一面に描かれているではありませんか。待合室には液晶テレビも置いてあるのですが、流れている番組はもちろんアニメ番組。本棚には漫画が多数並べてありました。そんな本の中からK君が選んだのはアニメージュ。

アニメージュを見ながら30分ほどの時間が経った頃、受付からK君を呼び出す声が聞こえました。

「ご主人様、診療室の方へお入りください。」

メイド歯科医院では、来院する患者の名前は全て"ご主人様"で呼ぶことになっているのです。全ての患者が"ご主人様"と呼ばれるので誰が誰だかわからない可能性があるわけですが、メイド歯科医院は患者一人に対して専任のメイド服姿の女性スタッフがつくシステムになっており、K君も自分の順番を間違えずにすむことができたというわけです。
実は4月から施行された個人情報保護法の観点から必要以上に患者さんの名前を待合室で呼ばないよう配慮しないといけないようになっています。個人情報保護法の観点からもメイド歯科医院で患者を"ご主人様"と呼ぶことは理にかなっていると言えるでしょう。
それはそれとして、専任のメイド服姿の女性スタッフに案内され治療室に入ったK君の目に入ったのはやはり壁。壁紙がハートマークであることに思わず目が点に。そんな室内を流れるBGMはもちろんアニメソング。全て圧倒されていたK君は診療チェアの方へ誘導され、選任のメイド女性スタッフから問診を受けました。どうやら、この専任のメイド女性スタッフの正体は歯科衛生士だったようです。小柄な彼女の容貌はこの人に似ているという話がちらほら。
問診内容は極めて真面目なもので、K君の主訴から既往歴、アレルギーの有無や歯科医院での治療経験などを確認するものでした。残念ながら
"何に萌えますか?"
という問診はありませんでしたが・・・。

一通りの問診を終えたメイド歯科衛生士は診療台の上でK君の口の中を確認し、カルテに歯の状態を書き込んでいきます。そして、まずは口の中の汚れを取るブラッシング。その際、メイド服歯科衛生士の胸がしばしばK君の頭に接触。K君は"萌え"状態を通り過ぎ、思わず昇天してしまいそうになります・・・。
ブラッシングが終わった頃に登場したのが歯医者の先生。メイド歯科医院では、歯医者はメイド服姿の女医さんだったのです。メイド歯科衛生士からK君の口の中の状況を聞いたメイド歯医者の先生は、K君の問題の歯を見ると、直ちにレントゲン写真を撮ることをK君に告げ、K君は院内のレントゲン室へ案内されました。レントゲン室の中も壁一面にアニメキャラクターの絵が描かれているのは言うまでもありません。そんなアニメキャラクターを横目で見ながら、レントゲン撮影。 レントゲン装置は当然のことながらデジタルレントゲン装置。撮影画像は直ちに診療チェアに備付の液晶モニターで映し出されるのですが、液所モニターの背景の壁紙はなぜかちゆ12歳
レントゲンを見たメイド歯医者の女医先生は早速K君にむし歯を治療することに。幸い、むし歯は小さいもので、メイド服姿の女医さんが手際よく治療を行なったおかげで治療は短時間で終了。

「ご主人様、歯の治療が終わりましたよ。」

メイド歯科医院では、特別料金を支払えば、治療後にメイド歯医者やメイド歯科衛生士との写真撮影も可能。デジカメで撮った写真はその場プリントアウトしてくれます。歯の治療の楽しい思い出になるかも。K君がもちろん記念写真を撮ったのは言うまでもありません。
治療が終わり、受付で支払いを終えたK君は足早にメイド歯科医院を出て行こうと玄関の扉を開けようとすると、専任の女性スタッフが玄関のドアを開けてくれました。そして、一言

「行ってらっしゃいご主人様。早く戻ってきてくださいね。」

思わず赤面してしまったK君。 こんな歯医者なら毎日でも来て"萌えて"みたいと感じながら、メイド歯科医院を後にしたのでした。

10月25日(火)”犯罪で使用の可能性がある歯科材料とは?

長らく続いたアメリカと旧ソ連との冷戦終結後、世界各地では民族や宗教の違いによる局地紛争が絶えません。その影響でしょうか、世界各地では様々な無差別テロ攻撃が行なわれているわけですが、各国の治安当局が非常に恐れていることの一つは、テロリストが攻撃手段として何らかの核兵器や生物兵器を持つことです。これら兵器を一度使用されると、その影響は計り知れず、社会は一大パニックに陥ることは必至です。そのため、各国とも核管理や病原微生物の管理が厳密になってきているのですが、日本においてもそのような傾向が徐々に強まってきているようです。

先日、うちの歯科医院の郵便受けにこのような手紙が届きました。医療機関には何かとお役所からの通達の手紙が届くことが多いのですが、この手の手紙が届いたのはあまり記憶にありません。
これまでは、微生物を兵器として用いるということに現実味がなかったわけですが、昨今の世界中のテロ攻撃の多さを考えると、日本においても微生物を用いたテロが行なわれる可能性が高くなってきたことは否定できません。微生物兵器ではありませんが、日本は10年前にオウム真理教の信者たちによって毒ガスであるサリンによる無差別テロ攻撃を経験しました。一カルト集団による犯行による毒ガス攻撃する未然に防ぐことができなかったわけですから、これが微生物兵器だとその影響は計り知れません。

医療系の研究機関や大学、医療機関においては少なからず研究用、治療用、教育用として微生物を使用することがあります。僕自身、出身大学のカリキュラムの中に微生物学に関する講義と実習を受けてきました。微生物の実習では、病原性の細菌を取り扱ったことがあったのですが、実習で用いる病原性の細菌はあらかじめ微生物学講座の教室員が培養したものを用いていました。これら病原性の細菌はあくまでも教育用ということで厳重な管理が行なわれてはいるのですが、教育用として容易に培養することができるという事実。その意味において、一度病原性微生物の管理方法を誤まると、そのリスクは大変高いものとなります。

それでは、歯科の治療において微生物を用いることはあるのでしょうか?歯科の治療においては微生物を用いた治療はありません。そのため、歯科医院では微生物や微生物が発する毒素はないはずです。今回の調査でも微生物や毒素の保有は無いということで返事を出すつもりです。
ただ、微生物や毒素を用いた治療はないのですが、毒物による治療はあることはあります。その代表的なものは亜ヒ酸です。
むし歯が深く進行し、歯髄(神経のことです)の処置を行なわなければならない時、今では麻酔の注射をし、痛みを感じないようにしてから歯髄を取り除く治療を行ないますが、麻酔の注射を行なわない場合、歯髄に亜ヒ酸を接触させるのです。亜ヒ酸は徐々に歯髄に浸透し、歯髄の活性を無くし、歯髄を壊死させます。その時点で、歯髄を取り除く。そんな治療方法があるにはあるのです。今では一般的ではありませんが、一部の歯医者の先生の間では今でも亜ヒ酸を使用して歯髄の治療が行なわれています。
実は、かつて和歌山でカレー毒物混入事件により多くの人が犠牲になったわけですが、その際、和歌山近辺の歯科医院や歯科材料店には警察から亜ヒ酸の有無を確認する問い合わせが相次いだそうです。警察は亜ヒ酸がカレーに混入したということで、その亜ヒ酸の出所がどこか探っていたようです。そんな中、一部の歯科医院で亜ヒ酸が使われているという情報を得た警察は、事件のあった付近の歯科医院を片っ端から調べていたようです。実際のところは、林真須美被告の自宅の亜ヒ酸が使われていたようですが。

いずれにせよ、治療用、研究用、教育用に用いられている微生物やその毒素、毒物が本来の目的から逸脱した攻撃手段として用いられることは避けなければなりません。国による統制を危ぶむ声もあるかもしれませんが、これまで以上に日頃からの医療機関や医療研究機関による厳重な管理が求められるのは間違いの無いことでしょう。

10月24日(月)”よ〜く考えよ〜、歯は大事だよ!

「先生、私の歯を白くしたいのですけれども」

最近、うちの歯科医院に来院する患者さんの中にこのような訴えを言う患者さんが増えてきているように思います。
患者さんの悩みをできる限り聞き、その訴えに対して適切に答えることが歯医者としての役目だとは思うのですが、むし歯や歯周病といった疾患と異なり、歯を白くしたいという審美に関することは疾患ではないだけに対応が難しいように思います。例えば、歯にむし歯の詰め物があり、その詰め物が変色しているような場合、詰め物を除去し、詰め直したり、詰め物が大きい場合は歯全体を削り被せ歯にすることで審美的に白くすることは可能です。また、最近は歯の漂白の技術もそれなりに進歩してきましたので、症例によっては歯を削らず漂白することにより、ある程度歯を白くすることは可能でしょう。昨年、歯科医院専用のマニキュアみたいな暫間的詰め物も製品化され、歯科業界では話題にあがったこともあり、それらを利用することで一時的にせよ審美を整えることも可能でしょう。
ところが、僕のような歯医者が見て何ら問題のないような白い歯の持ち主が自分の歯をもっと白くしたいと訴えられても、正直言って僕は困惑してしまいます。
よく、非常にスリムな体形なのに
「体重を落としダイエットしたい!」
と訴えている人がいます。周囲ではこれ以上ダイエットしたら栄養失調になってしまうじゃないかと思っていても、本人は真剣にダイエットしてもっとスリムになりたいと考えている。そのような状況と非常に似通っています。

最近、歯は削れば削るほど歯の耐久性がなくなることが多くの歯科の研究で明らかになってきました。以前であれば、予防拡大といってむし歯の部分以上に大きめに削り詰めたり、被せたりしていたものなのですが、今ではむし歯の処置は最少限の削除量で、なるべく歯質を残すことが歯の健康を長く維持することができるという考えになってきました。その流れから、歯の健康にはむし歯にならないための予防がますます重要視され、歯科の健康保険制度においても予防にかかる処置に重きを置くようになってきています。
そのような中、実際は十分に白い歯なのにもかかわらず、自分が白くないと思い込み、歯を白くしたいと訴える患者さんには少し冷静になってほしいと思うのです。このような場合、僕は訴える患者さんに対して
"あなたの歯の色は充分に白い"
ことを説明します。歯がなんら問題もなく健康であることを説明すると共に、歯の色が顔の皮膚の色や化粧、そして、年齢を重ねると共に見え方が変ることがあることを説明します。そして、患者さん自身に客観的になってもらうよう、時間をかけて考えてもらうようにします。
僕は、いくら患者さんが歯の色に不満を持っていても僕自身が問題がないように思える場合は、患者さんには審美治療を勧めません。むしろ、反対に歯に問題がなければなるべく処置せずにそのままの状態を維持するように予防のアドバイスをします。 歯というもの、一度処置をすると元の姿には二度と戻りません。せっかく親からもらった大切な歯なのですから、なるべくそのままの状態で一生維持していけるように努めたいものです。
テレビの宣伝のキャッチコピーではありませんが、
”よ〜く考えよ〜、歯は大事だよ!”

10月21日(金)”有名人口元チェック 阪神電鉄筆頭株主

一年が終わるのにまだ2ヶ月近くあるのにこんなことを書くのは変かもしれませんが、今年ほどマスコミ企業等の敵対的買収が注目された年はないのでしょうか?以前から、そして、世界中では結構目にすることがあった敵対的買収ですが、日本でも決して珍しいことではなかったはずなのですが、それが注目を集めた理由は、投資会社がニッポン放送やフジテレビ、TBSといったマスコミ関係の会社株を大量に買い占めたこと、そして、買い占めたのが六本木ヒルズに居を構えた若手企業家、所謂六本木ヒルズ族だったことではないでしょうか?ライブドアのホリエモンこと堀江貴文氏や楽天の社長の三木谷浩史氏はそんな六本木ヒルズ族の代表みたいな人たちですが、そんな二人に勝るとも劣らないに活動をしている人がいます。投資ファンド会社M&Aコンサルティング、通称村上ファンドの総帥である村上彰世氏です。

大阪生まれの村上世彰氏は、兵庫県の灘中学、灘高校を経て東大、通産省の官僚になったという絵に描いたようなエリートだったわけですが、小学生時代から行っていたという株取引の世界に魅力を感じたのか、通産省を早期退職し、村上ファンドを立ち上げ、2000年に日本で初めての株の公開買い付け、TOBを行なおうとしたそうで、その後、アパレル会社の東京スタイルの大阪証券取引所の株を大量に取得した筆頭株主として一躍注目を浴びました。村上氏は物言う株主としても有名なのだそうで、さまざまな企業の株主総会に出席しては積極的な発言で経営者が四苦八苦していたのだとか。
そんな村上氏が更に注目を集めたのが、プロ野球球団で今年のセ・リーグの覇者半身タイガースの親会社阪神電鉄株の買収劇でした。10月6日の時点で約38%の株を買い占め、筆頭株主となったわけですが、阪神タイガースの球団株の上場を提案し、ファンにその是非を問うことを提案するなど話題に事欠きません。

今や時の人である村上氏ですが、先週、あるテレビで生放送でインタビューに答えていました。話すときに元々大きな目をさらに大きくさせて話す姿が目に付いたのですが、ついつい僕の視線は彼の口元へ。
村上氏の口元ですが見事でした。何が見事かといいますと上の前歯から小臼歯のほとんどがメタルボンド冠と呼ばれる被せ歯だったからです。一見すると非常に自然に見える村上氏の上の前歯ですが、ところどころ歯茎が下がり、被せ歯と歯肉の隙間が見え隠れしていました。
どうして上の多くの歯が被せ歯になったどうかはよくわかりません。株の取引に集中するあまり歯を磨くことなく多くの上の歯がむし歯になってしまったのか、芸能人のように歯並びの悪さを被せ歯にすることにより審美を整えたのか、それとも、何らかの怪我のために歯を多数折ってしまったためか。いずれにせよ、村上氏は多額の治療費を支払って上の多くの歯を被せ歯にしたことだけは確かなようです。

それにしても、堀江氏、三木谷氏、そして今回取り上げた村上氏は、見事に六本木ヒルズに仕事場を持っています。そんな彼らの口元に関し僕は、昨年の10月27日の日記で堀江氏を、昨年の11月4日の日記で三木谷氏を取り上げました。村上氏を含め、三者とも実に個性的な歯を有する口元をしています。そんな彼らが個性的な口元から歯に衣着せぬ発言を繰り返しているのは、歯医者として実に興味深く感じますね。

10月20日(木)”物持ちがいいと言われればそれまでだが・・・

「そうさん、このパンツ穿かない?」
そう言って嫁さんが差し出したのは一本のパンツでした。

先週末、遅まきながら我が家では夏物の服を整理し、秋冬用の服を取り出していました。そんな中、昔から置いてあった衣類の整理も一緒に行なっていたのです。洋服ダンスのスペースには限りがありますし、ファッションには流行廃りもあります。服そのものが長年の保管で傷んでいるものもあることから、今回は思い切って以前から保管してあった服も全て整理し、必要なものは残し、不必要なものは処分していたのです。そんな中、嫁さんが僕の元に持ってきたのは、僕が大学時代に購入したカーキ色の綿のパンツだったのです。今から20年前の代物でしょうか?パンツの中のタッグにはMEN’S BIGIのロゴが書いてありました。
時代を感じまたねえ。DCブランドが注目を集め、人気が出始めたのは20年前ぐらいだったでしょうか。そんなDCブランドの中でもメンズビギといえば、メルローズ、スクープ、ニコル、ワイズ、コムデギャルソンなどともに一世を風靡した感があります。20年前といえば僕は大学生でした。少なからずファッションに興味があった僕もそんな人気に乗せられてついついMEN’S BIGIの服を買っていたものですが、そんな服の一つがカーキ色の綿のパンツだったのです。
実際のところ、このパンツはほとんど穿くことがありませんでした。その理由は、いわゆる社会の窓のところがボタンで留めなければいけないタイプのパンツだったからです。パンツそのものは穿き心地がよく、デザインにも満足はしていたのですが、ファスナーに慣れていた僕は、トイレの際いちいちボタンを取り外しして用を足すのがうっとおしくて仕方がなかったのです。結局のところ、このパンツは2〜3回穿いただけでタンスの奥にしまったまま今日に至っていたというわけです。
そのパンツを嫁さんが見つけ出したのでした。既に処分していたものとばかり思っていただけに、MEN’S BIGIのロゴが入ったパンツを見ると意外性と懐かしさで一杯になりました。今の時代から見れば、時代遅れのスタイルのパンツですが、ほとんど穿いていなかったことと保存状態が良かったせいで今でも穿くことができそうな状態でした。
僕は恐る恐る試着してみると・・・・見事にフィットしました。
幸いなことに大学生時代から僕の体形はほとんど変わっていません。身長は高校卒業後伸びていませんし、体重も多少の変動はあるものの一定体重を保っています。ウェストもヒップも変わっていないということで、大学生当時のパンツが今もって穿けたのです。

「大丈夫そうだね。それじゃ、このパンツは今シーズンの普段着用に決定ね!」

嫁さんの一言で、このパンツはこれからの秋冬用の普段着として穿くことになりました。物持ちが良いと言えばそこまでなのですが、学生時代のパンツを40歳近い野郎が穿くという現実を考えると、何やら複雑な気持ちがするものです。かなりの量の服を処分することになった中で、未だに新品のような感覚で穿くことができるMEN’S BIGIのパンツ。
今シーズン、有り難く穿かせてもらうことにしましょう。

10月19日(水)あまりにも悪すぎると放置する習性”

歯科医院には様々な患者さんが来院されますが、中には口の中の状態が目を覆いたくなるような悲惨な状態で駆け込んでこられる患者さんがいます。口の中には大人であれば28本〜32本の歯があるのですが、そのほとんどがむし歯で歯が欠けていたり、歯周病により歯が動揺しており、結果として噛むことさえもままならず、一体どうやって食事を取っているのだろうかと思いたくなるような状況の患者さんがいるのです。

”これは治療するのに相当難儀な状態だなあ。”

そんなことを思いながら応急処置を施すのですが、そのような悲惨な状況の患者さんに限って治療を始めても途中から来院しなくなり、治療が中断してしまうようなケースが多いのです。一刻も早く悪い歯を処置し、二度とむし歯や歯周病で苦しまないようにケアを行なわないといけないはずなのですが、そんな歯医者の思いとは裏腹に患者さんの方が途中で治療を放棄してしまうのです。

このような多数の歯が悪くなった患者さんも以前には歯が健康だった時期があるでしょうし、ごくわずかの数の歯だけがむし歯や歯周病だった時期もあったことでしょう。そんな時期を通り越し、自分自身も自分の口の中の歯があまりにも悪いことは承知しているにも関わらず治療を続けることができない。
正直言って、歯の治療を生業としている僕はそんな患者さんの気持ちが未だに理解できないでいます。僕は少しでも歯が痛かったり、歯肉に炎症があったりした場合には直ぐにでも原因を診てもらい、治療を受けます。ごくわずかな異常でも気になって仕方がないのです。そして、自分の歯が悪くならないように毎日丁寧な歯磨きを心掛け、定期的に口の中もチェックしてもらっています。そんな僕にとって多くの歯が悪いまま放置してしまう気持ちはよくわかりません。
多数の歯を治療することになると、治療回数もかかりますし、治療費もかかります。治療に通うのにかなりの根気がいるのは確かなことでしょう。けれども、あまりにも多数の悪い歯を放置している患者さんの心境というものがどんなものなのかよくわかりません。歯に対する関心が薄いだけなのだろうかと思うのです。

愚考するに、人間というものある一定の悪い状況を超えてしまうと、感覚が麻痺してしまったり、ある種の諦めが出てくるのではないでしょうか。
歯が悪くなってしまう前提には口の中に対する関心のなさ、興味の無さがあることは間違いのないことでしょう。そのため、わずかな本数の歯が悪くても”何となるだろう”と高をくくってしまい、悪い歯を放置し、治療を先送りしてしまう。そうこうしているうちに、口の中の歯はどんどん悪くなり、気がついてみるとほとんどの歯が何らかの問題を抱え、普段の生活に支障が生じるあたり事の重大さに気がつく。そして、ようやく重い腰をあげ、いざ治療をしようとするもあまりにも多くの歯が治療を必要とするために、治療をする気力が失せてしまい、治療が続かなくなってしまう。

このような、あまりにも状況が悪すぎると放置してしまう習性というのは、何も歯の治療だけでなく、様々なことにも当てはまるように思えます。
例えば、日本国の借金ですが、ここに現在の借金額が表示されていますが、増え続ける一方で誰一人としてこの借金を減らそうとしません。あまりにも天文学的な数字になりすぎたせいで、誰もが借金が莫大な借金があることはわかってはいるが、あまりにも莫大なために借金を返済する手立てさえわからず、気力さえわかないというのが現状ではないかと思うのです。
あまりにも状況が悪化し過ぎた時、人間というものはその状況を改善しようとする気力が萎え、諦めの境地に達し、悪化する事態を放置してしまう習性があるのではないか。その結果として悲惨な結末を迎える・・・・。

あまり想像したくないことです。

何事においても、問題の先送りというのは何の解決にも至らないのだなあとつくづく感じる、歯医者そうさんです。


10月18日(火)画期的なむし歯治療法? 3Mix-MP法について その2”

3Mix-MP法の3種類の薬ですが、それぞれ単独では厚生労働省によって認可された正式な薬です。
メトロニダゾールは膣トリコモナス症の原因であるトリコモナス原虫に対する特効薬として名をはせた薬です。ミノサイクリンとは比較的安全性が高く、副作用が少ないと言われている抗菌剤のこと。シプロフキサンとは生物学兵器の代表として有名な炭疽菌に効果のある抗菌剤として有名です。
ところが、これら3種類の薬はむし歯の治療を前提として開発された薬ではないので、むし歯に対する効能は厚生労働省によって認められていません。これら3種類の薬は、多くの歯科臨床の場においてむし歯に対する効果があることが判明してきており、厚生労働省もその効能について知らないことはないのですが、現時点においてこれら3種類の薬をむし歯の治療として用いることは正式に認めていないのです。
昨日の日記で、3Mix法は3種類の薬の合剤を用いた20年以上の歴史がある治療法であることを書きましたが、それほど歴史がある治療法であるにもかかわらずこれまであまり知られていなかった理由がここにあります。実際に治療効果が基礎的研究、臨床研究で幅広く確かめられているものの、厚生労働省の正式の認可を受けていないため、3Mixである3種類の薬の合剤によるむし歯治療法を大っぴらにして治療できる状況ではなかったのです。3Mix法は知る歯医者ぞ知る治療法として静かに歯科界で広がらざるをえなかったのです。そのような事情があったにも関わらず、今回急にマスコミに何度も取り上げられているという状況に歯科界は困惑しているというのが現状です。 3Mix と呼ばれる3種類の薬の合剤によるむし歯の治療方法が厚生労働省によって認められていないということは、3Mix-MP法も同様であり、保険治療でも認められていないということにもなります。

今後の展開においてどうのようなことになるかはわかりませんが、現時点においては3Mix-MP法による治療法は自費診療となります。 通常、むし歯の治療のために詰め物や被せ歯を詰めたりセットしたりすることは保険治療で認められていますが、3Mix-MP法を行なった後に詰め物や被せ歯を詰めたり、セットしたりすることは保険治療ではできません。なぜなら、厚生労働省は保険治療と自費治療との混合治療を認めていないからです。現在の規制緩和の流れで混合治療の解禁が議論に上がっているわけですが、現時点では混合治療は原則として認められていません。3Mix-MP法による治療を行なう場合、詰め物や被せ歯に至るまでの治療は全て自費治療となるのです。自費治療ですから保険治療に比べかなりの高額治療になるわけです。このことはマスコミでは充分に伝えられていません。3Mix-MP法の記事を読んだ人は、歯を削らない治療だから治療代も安くなると考えられている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際の治療は自費で、高額になっても仕方がないことを理解して頂きたいと思います。

昨日の日記で、僕は3Mix-MP法の3Mix-MPとは3Mixと呼ばれる3種類の薬の合剤にMPであるマクロゴールとプロピレングリコールを合わせたものだと書きました。実は、3Mixである3種類の薬の合剤はむし歯に対する治療の基礎的研究、臨床研究の蓄積があるのですが、マクロゴールとプロピレングリコールには基礎的研究、臨床的研究の蓄積がありません。マクロゴールやプロプレングリコールにはむし歯菌に対する薬理効果はありません。しかも、長期間歯の中で貼付されることによる影響がどのようなものか解明されていないのが実情です。これらマクロゴールやプロプレングリコールは一般医療でも広く使われている薬ではあるのですが、まだ生体内、特に歯の中で長期に保持されることでどのような変化が起こるかどうか科学的裏づけがなされていないのです。今回の一連の報道において、この点を指摘している報道は一つもありません。医療に関する報道は慎重の上にも慎重を重ね、治療法を様々な角度から冷静に報道して欲しいと思うのですが、今回の一連の3Mix-MP法に報道の中にマクロゴールとプロピレングリコールの懸念に関する報道がないということは、マスコミ報道に大きな落ち度があるといっても仕方がありません。

以上、2日間にわたる長文になりましたが、最近報道されている3Mix-MP法に関し、僕が感じたことを思いつくままに書いてみました。 3Mix-MP法に関心のある方の参考になれば幸いです。

10月17日(月)画期的なむし歯治療法? 3Mix-MP法について その1”

この夏、当地では某放送局のテレビ番組で"痛くない、削らない、再発しない"という触れ込みの、あるむし歯治療法があると大々的に放送されました。この放送の影響はかなり大きなもので、放送終了後、僕の地元歯科医師会ではこの治療法について多くの問い合わせがあったそうです。
時同じくして、読売新聞でもこの治療法についてこのような特集記事が組まれ、大きな反響があったそうです。また、先週末に放送されたTBS系列の全国番組ブロードキャスターにおいても、最新のむし歯治療法の一つとしてこの治療法が取り上げられていました。土曜日の夜で視聴率も高い番組であるだけにその反響はかなり大きいものであることが予想されます。
このむし歯治療法の名前は3Mix-MP法。この3Mix-MP法について、今日と明日にわたって取り上げてみたいと思います。

口の中には多種多様な微生物が存在し、人間と共存しているのですが、そんな微生物の中にむし歯の原因となるむし歯菌が存在します。むし歯菌は歯に付着し、口の中にある砂糖を取り込み増殖します。その過程において代謝産物として乳酸が出るのですが、この乳酸が硬い歯を溶かすのです。その結果、歯に穴があくことがむし歯なのです。すなわち、むし歯とはむし歯菌による感染症であるのです。
むし歯を治すには、むし歯菌に感染した歯質を取り除き、取り除いた部分に詰め物を詰めたり、被せ歯を被せることが普通です。ところが、実際の臨床の現場では、一見むし歯菌を完全に取り除いていたと思っていても、むし歯の治療後に歯が痛んだり、詰め物や被せ歯の内部の歯がむし歯になっていたりしたことが起こっています。 また、むし歯の治療のために感染した歯質を完全に取り除こうとすると歯髄(神経のことです)が露出し、その結果として歯の歯髄を取り除かなければならないことも少なからず起こっています。特に、歯が成長途中の小学生、中学生のむし歯の場合、むし歯が進行して歯髄を除去したとしても、歯が完成していないために歯髄の処置の予後は悪いことが多いのが現状で、多くの歯医者を悩ませる問題です。

そんな悩みを何とか解決したいと思い立ち上がった研究者がいました。その研究者は新潟大学歯科保存学と口腔細菌学の歯科医師たちで、彼らの長年の研究の結果、メトロニダゾール、ミノサイクリン、シプロフキサンという3種類の薬の合剤がむし歯菌の増殖を抑え、殺菌することを突き止めたのです。その後の研究で、この3種類の薬はミノサイクリンがセファクロルに代わり、メトロニダゾール、セファクロル、シプロフキサンに変更されていますが、3種類の合剤であることは変わりなく、いつしかこの3種類の薬の合剤による治療方法は3Mix法と呼ばれるようになったのです。これが今から20年以上前のことです。3Mix 法は、開発元の新潟大学歯学部の学術的研究、臨床研究のみならず、全国の臨床歯科医師によっても効能が確かめられてきました。多くのマスコミで3Mix-MP法が最新の治療法と宣伝されていますが、実際のところは最新でも何でもなく20年以上の歴史がある治療法なのです。

ここで、お気づきの方もいらっしゃることでしょうが、今マスコミで騒がれているむし歯治療法は3Mix-MP法です。3Mix法ではありません。MPがついていません。これはどういうことかと言いますと、3Mix-MP法とは3Mixであるメトロニダゾール、ミノサイクリン、シプロフキサン(何故か変更前の3種類の合剤なのですが)にマクロゴール、プロピレングリコールというワセリン状のものを合わせた合剤だからです。MPとはマクロゴールの頭文字とプロピレングリコールの頭文字を二つ合わせた略字みたいなものです。3Mix-MP法とは3Mixの変法であるということが言えると思います。どうしてMPを3Mixである3種類の薬の合剤に混ぜ合わせたかといいますと、3Mixの薬を歯に塗布する際、MPがあるほうがなじみやすく、浸透しやすいのだとか。かといって、MPであるマクロゴールとプロピレングリコールそのものにむし歯にたいする薬効あるかというとそうではなく、3Mix-MP法においても薬効は3Mixである3種類の薬の合剤なのです。実質、3Mix-MP法と3Mix法は同じものなのです。

さて、マスコミ報道では3Mix-MP法はこれまでのむし歯治療法とは異なり、むし歯菌によって侵された部分を削りとることなく敢えて残し、その部分に3種類の薬の合剤を貼付することにより内科的にむし歯菌を殺菌し、むし歯を治療することが画期的であることが報じられています。3Mix-MP法においては、削っても痛みを感じることがないエナメル質だけを最低限削り、後は3種類の薬の合剤を塗布し、その上に充填材を詰めていく。敢えて悪い部分を残しても内部で3種類の薬の合剤の作用で治癒が進むとされています。 このこと自体は間違いではありませんが、マスコミの報道では重要な点が欠けているところがあります。
一つは、3Mix-MP法は症例を選ぶという事実です。むし歯というと全て同じように考えられている方もいらっしゃるかもしれませんが、浅いものから歯髄に至る深いものまであります。また、症状も無症状のものもあれば、激痛を伴うようなものもあり、十把一絡げにむし歯をくくることはできません。3Mix-MP法で最も効果があるとされているのは、むし歯が歯髄の近くまで進行し、むし歯を取り除くと歯髄が露出してしまいそうな症例で、しかも、患者さんが無自覚な場合です。こういったケースはむし歯菌が歯髄まで侵入していないか、侵入していたとしても歯髄の表層に至っているようなケースであり、この場合に3Mix-MP法を行なうと効果的だとされているのです。
それでは、痛みを伴うむし歯はどうなのでしょうか?痛みを伴う場合、むし歯菌は歯髄にまで達し、歯髄が炎症を起こしているケースなのです。そのような場合、むし歯菌を取り除くだけでは歯髄の炎症が治まらないケースがあり、むし歯菌を除菌したとしても炎症が続き、痛みが治まらないケースもあるのです。このような場合、3Mix-MP法を行なったとしても結果的に歯髄を取らざるをえなくなります。3Mix-MP法では歯髄に侵入したむし歯菌にも作用し、殺菌することができるとされていますが、むし歯菌そのものは除菌できても一度炎症が起こった歯髄の炎症を抑えるのは症例によっては難しい場合があるのです。同じむし歯であっても3Mix-MP法に効果がない場合があるというのはこういったことからなのです。
それから、3Mix-MP法は基本的に長期間の経過観察が必要な治療法です。表現が悪いかもしれませんが、3Mix-MP法では敢えて悪いものに蓋をする治療法です。いくら蓋の内部で3種類の薬による薬効が期待できるとはいえ、3種類の薬を貼付し、充填材を詰めてそれでおしまいというわけにはいかないのです。マスコミでは、3Mix-MP法によって直ぐに痛みが消失し、治療も終わるかのように報じられていることがあるのですが、内部のむし歯菌が完全に殺菌され、むし歯によって失われた歯の内部組織である象牙質が再生することを歯医者が確認して、初めて治療が成功したといえるのです。3Mix-MP法は決して短期間で終わる治療法ではなく1年程度、場合によってはそれ以上の経過観察が必要なのです。

続きは明日。

10月16日(日)少しでもお役に立てたら・・・”

昨日、ある知人からメールが届きました。その知人からは久しぶりのメールだったので一体何事だろうと思いながら文面を読んでいると、パキスタンとインドの国境近くを震源に発生したパキスタン大地震に関しての内容でした。何でも知人の友人がパキスタン在住なのだそうですが、お見舞いのメールを出したところ、以下のような返事が返ってきたというのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今朝も3時前から現地バラコットへ行き、たった今、ヘロヘロで帰って来ました。初日からの睡眠時間がこたえてきたかな…という感じ。バラコットでは谷間を挟んで広がっている街がほぼ全壊、4年前に見たアフガンの首都カーブルの崩壊とは質の違うショックを受けました。オバハンたちが昔、泊まった川沿いのホテルは影も形もない。ようやく軍隊が活動を開始しているものの、全般的に救援活動が進んでいないので、崩壊した家々に埋まったままの遺体からただよう死臭が街全体をおおう凄じい状況。完全に崩壊した建物の下には遺体がそのままで、道路に面した場所では圧死した人の足が見えていたりもする。それが1ヶ所だけではないし、布をかぶされているとはいえ、遺体が道路や人々の肩に担がれ右往左往して芋の子を洗うようなバザール。しかし、しばらくすれば鼻がなれてしまうものの完全な死の街。被災者たちは地震による崩壊で受けた些細な打撲傷や裂傷は、地震後4日で化膿。手の付けられない状況になっている。僅かな裂傷が手の切断にもつながりかねない現状 に、オバハンたちは手の施しようもなく無力さと、むなしさのみを噛み締めました。医者と看護士がないかぎり、ささいな傷の手当てもままなりません。傷の多くは、打撲と骨折、裂傷が化膿したもの。完全ボランティアの医者や看護
士が欲しい!!!

出来るだけ広く、お知り合いにも配信してご協力ください。
また、報道関係にお知り合いがある場合には、そちらへもご連絡を下さいますようお願い申し上げます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここまで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
文面にも書いていましたが、上記のメールは送信者自身が不特定多数の人に知らせて欲しいという意向であり、知人にもそのことを確認しましたので、文面をそのまま記載しました。

心痛みます。僕自身、阪神大震災を間近で経験しているだけに大地震の後が如何に悲惨な状況で、救援が急を要する事がよく理解できます。しかしながら、パキスタンという土地はあまりにも日本からは遠方。直ぐに駆けつけたくても駆けつけられない状況です。そういった時に僕は何ができるだろうかと思い悩んでおりました。
そんな中、上のチビがあるところへ電話をかけておりました。その電話とはこれでした。
上のチビ曰く、

「少しでもお役にたてれば・・・・」

正直言って、上のチビはドラえもんの声が聴きたかったようですが、それにして思わぬ言葉が上のチビの口から出てきたのは驚きです。何処でそんな言葉を覚えたのか定かではありませんが、まさしくそのとおりです。少しでもお役にたてるよう何らかの行動を取っていかなければと強く感じた、歯医者そうさんでした。

ちなみに、こちらのサイトではパキスタン大地震に関して情報を流しているそうです。是非、一度見て欲しいと思います。

 http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nippagrp/pakistan.htm

10月14日(金)スケジュール管理帳購入の時期”

先日、自宅の郵便箱を開けてみると、郵便物と共に郵便局から来年の年賀状の申込用紙が入っていました。11月からお年玉つき年賀状が販売されるそうなのですが、一年も終わりに近づいてきているのだなあと感じた次第です。一年という時間はあっという間に過ぎていったように思うのですが、手元にあるスケジュール管理手帳を見返してみると結構いろいろな行事や仕事をこなしてきたものだなあと改めて感じます。
さてそのスケジュール管理手帳ですが、僕はもう何年も某社のものを使用しています。縦144ミリ、横86ミリで160ページの小型の手帳です。手帳の最初の方には見開きで1ヶ月の月間予定表が1月から翌年の1月までの13ヶ月分があります。その後には見開きで左側に一週間単位で週間予定表が、右側にの詳細を書き込めるような横罫線があるメモ欄があります。
このタイプの手帳を勧めてくれたのは大学時代の友人でした。

「1ヶ月単位のスケジュール表はカレンダーのようで1週単位のスケジュール表よりもスケジュール管理しやすい。スケジュールを文字で覚えるのではなく、書いた文字の配置で覚えられ、忘れにくい。更に、詳しい詳細を記述するために1週単位のスケジュール表も後についている方が重宝するよ。そのようなことを言っていたと記憶しています。友人のアドバイスが妙に印象深く感じたせいでしょうか、それ以降僕は友人のアドバイスを元に購入した某社のスケジュール管理帳を使い続けています。既に20年近く使い続けてきたことになると思います。
実は、他のタイプのスケジュール管理手帳にも興味がありました。バインダータイプのものやもっと大きいサイズのもの、パソコンによるスケジュール管理やPDA、携帯電話に付属するスケジュール管理も試してみましたが、どれもしっくりとくるものがありません。バインダータイプのものは穴の部分が裂けて破れてしまうことが嫌でした。大きいサイズのものは持ち運びに不便でしたし、パソコンやPDAは手書きの手軽さがなく、携帯電話の場合は親指で入力するのがうっとおしい。実際に書いてみると単にグータラなだけのように思えてしまいますが、長年同じものを使っているとついついそちらの方の便利さが妙に心地よくなってしまうのもまた事実です。
購入はある文具店でいつも購入するのですが、文具店で品切れの場合は新たに注文をしてまで取り寄せます。長年同じタイプのものを使用していると、翌年のスケジュール管理手帳も同じタイプのものを使わないと気分的に落ち着かなくなってきています。
先日、某本屋へ出かけると来年用のスケジュール管理手帳が何種類も店頭に並んでいました。おそらく、僕が毎年購入するスケジュール手帳もそろそろ売りに出されている頃でしょう。週末、早速買いに行かなくては。

10月13日(木)口の中を流れる電流”

決して少なくない人が経験してことがあるとは思うのですが、口の中に銀紙を入れて何気なく噛んだり、なめたりした際、”ピリッ”とした刺激を感じたことはないでしょうか?幼少の頃、僕はこの”ピリッ”としか感覚が面白くて何度も口の中に銀紙を入れては噛んでいて親に叱られたことありました。銀紙を口の中に入れると、どうして”ピリッ”とした感覚があるのか不思議でならなかったことを今でも記憶しています。

歯痛といえば、むし歯や歯周病、知覚過敏といった状態によって感じる歯の痛みを思い浮かべる方が多いことと思います。以前にも書いたことですが、歯は感覚の中では痛覚しかありません。これは歯にとって非常に大切なことで、歯に何らかの異常がある場合、歯痛はその異常を体に知らせる警告信号として重要な役割を果たしています。
そのような歯痛の中に歯に異常がなくても感じる歯痛があるのです。 実は、 銀合金と金合金といった種類の異なった金属製の詰め物や被せ歯同士が口の中の歯にセットしてあり、噛むことで接触すると、口の中にある唾液や骨、歯の内部にある組織液が電解質となり電池が形成され、電流が走ることがあるのです。これがピリットとくるものの正体で、専門的にはガルバニ電流と呼ばれています。その電流が刺激となって歯の中の神経(専門的には歯髄と呼びます)が痛みとして感じるのです。銀紙を噛んでピリッとする感覚もまさしくこのガルバニ電流によるものなのです。
実際には、金属製の詰め物や被せ歯がセットしてある人はこのガルバニ電流が生じる機会が多いといえましょう。歯医者としてはできるだけガルバニ電流が生じないよう、口の中にセットする金属はできるだけ同じ種類のものを使用するか、もしくは金属製でないプラスチック製やセラミック製などの材質の詰め物、被せ歯をセットするように心がけるよう努めています。また、興味深いことに同じ材質の詰め物でも古い詰め物や被せ歯と新しい詰め物や被せ歯同士で噛み合う場合、ピリッとするガルバニ電流が生じることがあります。材質の新しさ、古さによる電位の差による現象のようですが、新しい詰め物や被せ歯をセットして数日程度経てば電位差がなくなってくるのでガルバニ電流は流れなくなるようです。

10月12日(水)6ヶ月の縛り”

「先生、入れ歯を紛失してしまいました。」

そう言って来院されたのはWさん、齢80歳近くになる高齢の患者さんです。実は、Wさんは総義歯を使用しておられていたのですが、今から3ヶ月前に上の総義歯が破折したためにうちの歯科医院に来院されました。その総義歯は直ちに修理して使用できるようにしたのですが、既に作られてから10年近く経っていたため、人工歯が磨り減り、適合もよくなかったせいかところどころひび割れが認められました。この総義歯はWさんの口の中ではよくなじんではいたのですが、材質面を考えると限界にきているように思えましたので、僕はWさんに新しい総義歯を作ることを提案しました。Wさん自身も使用している総義歯が古くなっていることを自覚していたようで、義歯破折を機会に新しい義歯を作ることに同意してくれました。そして、新しい総義歯を作り、セットをしたのが今から3ヶ月前。セット後は特に問題もなく、快適に使用されていた中での総義歯の紛失だったのです。

「夜眠る前に洗面所に入れ歯を置いたつもりだったのですが、朝起きて洗面所に行くといつも置いていある場所に入れ歯が見当たらないのです。自分だけでなく家族にも入れ歯を探してもらったのですけど、まるだ何かの神隠しにあったみたいに入れ歯がどこかへ消えてしまいました。」

高齢者の患者さんの中には、Wさんのように普段使用している入れ歯を紛失してしまう方がいらっしゃいます。そのような場合、入れ歯なしでは食事もできないし、会話もしにくい、見た目が悪くなるということで作り直すということになるのですが、Wさんの場合には厄介な問題がありました。それは、保険診療における入れ歯の決まりごとです。
保険診療では、新しい入れ歯をセットした際、セットをした日から6ヶ月間は原則として新しい入れ歯を作ることが認められないのです。かつては、このような入れ歯の6ヶ月の縛りはなかったのですが、高齢者の医療費の窓口負担金が無料だった時代でもあったことから、入れ歯を短期間にいくつもの歯科医院で作り直す患者さんが目立つようになり問題になったのです。その結果、保険診療では入れ歯を作って6ヶ月間は原則として新しい入れ歯を作ることを認めなくなったのです。
Wさんのような総義歯紛失ケースもまさしくこの6ヶ月の縛りに引っ掛っていたのです。Wさんが新しく総義歯を作り直そうとすれば、保険診療では作ることができず、自費診療、すなわち全額自己負担となります。その額は今の保険診療で定められている点数から算定すると、多少の増減はありますが42,000円程度です。はっきり言ってこの額は入れ歯を作る経費から考えると相当安い額ではあるのですが、患者さんにとっては相当な自己負担額です。Wさんのような高齢者であればなおさらでしょう。何せ、保険診療であれば老人保健であればこの額の1割、ないし2割で済むわけですから。
それでは一体何か救済策のようなものはあるのでしょうか?
実はWさんのような場合、本人自身の自筆による義歯を紛失した釈明書のような文書を担当医に提出し、その担当医が診療報酬明細書と共に提出し、審査に受かれば保険診療でも入れ歯を作ることが認められる場合があるのです。どんな義歯の紛失したケースでも救済されるというわけではないのですが、Wさんのように入れ歯の紛失が不可抗力で、しかも紛失が初めてのような場合、6ヶ月の縛りに引っかかっていたとしても、保険診療による入れ歯の再製が認められるようです。
今回、僕はWさんには総義歯を紛失した経緯、釈明を書いた文書を書いてもらいました。その上で、紛失した義歯の代わりの総義歯を作ることになりそうです。ただし、今後Wさんには総義歯を無くされないようにする生活習慣上の改善が必要なのは言うまでもないことですが、総義歯を作る歯医者側にも総義歯を紛失しないような工夫が必要です。例えば、総義歯に名札を入れたり、名前の刻印を入れるような工夫です。今後、実際に義歯を作成する歯科技工士の人と打ち合わせをするつもりです。

10月11日(火)胸の谷間が・・・”

先週のことでした。嫁さんがチビが通っている幼稚園のお母さん友達と一緒に映画を見てきました。その映画とはこれでした。 日本の女性たち、特に30歳以降の多くの日本女性を虜にしているヨン様の人気はまだまだ根強いものがあるようで、嫁さんもヨン様に魅せられた多くの日本女性の一人です。そんな嫁さんがチビが通っている幼稚園のお母さん友達の一人からこの映画を見に行かないかとメールで誘われ、近くの映画館まで見てきたようなのです。
映画を見てきた嫁さんにこの映画のことを尋ねてみると 、”内容ははっきり言ってメロドラマと変わらないもので、さほど驚くべきものではなかった”そうです。やはり映画の内容そのものよりも主役のヨン様に視線が行っていたようです。おそらく大半の日本の30歳以降のヨン様の女性も同じだったのではないでしょうか。
この映画を見た嫁さんが改めて驚いていたのはヨン様の体つきだったようです。ヨン様は身長180センチで一見すると細く見えるのですが、写真集出版のために肉体改造をした経緯からかなり胸板が厚いそうなのです。嫁さん自身そのことは知っていたのですが、あらためて今回のこの映画を見て胸板に魅せられたようです。

「ヨン様の胸板がよかったわ、胸が割れていたのよ、その胸の谷間が・・・・。
たまらないわ!」
一緒に映画を見たお連れの友達ともそのことで会話が盛り上がったのだとか。呆れてものが言えない、歯医者そうさん。

ところで、僕は何人かの知人からヨン様に似ていると言われることがあります。それは何も僕の知人だけではありません。僕を知る嫁さんの友人からもそのことを何度も言われています。

「ご主人はヨン様に似ていますねえ。」
「○○ちゃん(チビのこと)のお父さんはヨン様に面影が似ているなあ。」
「前から言おうと思っていたけ、そうさんってヨン様に似とるがあ。」(嫁さんの出身地の某方言)

僕自身、ヨン様に似ていると言われても何も感じないのですが、今回の嫁さんの映画鑑賞の際も、一緒のお連れの友達から再度僕がヨン様に似ていることを指摘されたそうです。すると、嫁さんはこう答えたそうです。

「そうさんは胸板がないからねえ。これからそうさんには筋肉トレーニングをしてもらって胸板を厚くしてもらわないと。」

ということで、この映画鑑賞後、胸板を厚くするようなトレーニングをするよう耳にたこができるくらい言われ続けている今日この頃。

「あのねえ、来年の2月で40歳になるのよ。子供も二人いるんですよ。そんな野郎がヨン様と張り合ってどないする?胸が割れていなくてもいいじゃないか?胸に谷間がなくてもいいじゃないか?」

そんなことを言ってみたものの嫁さんはどうも僕の肉体改造計画を密かに画策しているようです。そんな嫁さんのヨン様願望の勢いにたじろいでいる歯医者そうさん。
早くヨン様ブームが去ってほしいです、ハイ。

10月9日(日)結婚式押しかけ演奏”

昨日、僕はある女性の結婚式と披露宴に行ってきました。その女性とは僕が所属するアマチュアオーケストラでオーボエを吹いている女性だったのですが、彼女から招待状をもらっていたというわけではありませんでした。それでは、どうして彼女の結婚式と結婚披露宴に参加したかというと、それは彼女の結婚披露宴で演奏するためだったのです。

僕が所属するアマチュアオーケストラは、団員が結婚式を挙げる際、団をあげてお祝いの意味を兼ね、指揮者の先生や団員有志が結婚式、結婚披露宴で演奏をすることがあるのです。このような演奏を団内では”押しかけ演奏”と言っているのですが、昨日はオーボエ吹きの彼女の結婚を祝うため、指揮者の先生と30名程度の団員有志が普段の練習を休んで彼女の結婚披露宴に参加してきました。

結婚式は型どおりの神式、キリスト教式儀式があり、披露宴では新郎、新婦の上司や友人からの祝辞やカラオケといったことが行なわれる、ある一定の型にはまった形式が多いものです。僕自身、これまで何度となく結婚式や披露宴に参列してきましたが、結婚式を挙げる友人や知人に対する祝いの気持ちはあるものの、結婚式や披露宴の形式については少々飽き気味ではありました。
そのような中、いつもは一緒に練習をし、演奏会で演奏をしている仲間である団員がわざわざ結婚式場まで足を運び、演奏してくれるというのは何物にも代え難いうれしいものがあるのではないでしょうか。

よく、結婚式や披露宴ではプロの演奏家がアルバイトで演奏をすることがあるのですが、表面上はそつなく弾かれているのですが、気持ちがこもっていないものがほとんどで取り立てて感じるものがありません。そのような演奏に対し、技術上は多少なりとも問題があるかもしれませんが、いつもの練習を取りやめてまで結婚披露宴に参加し、演奏をする団員有志の演奏というのは温かい気持ちがこもっているのではないかと思うのです。
僕の結婚式や既に過去のものとなっていますが、もし僕が未婚で今参加しているアマチュアオーケストラに参加していれば、結婚披露宴では演奏をお願いしていたことでしょう。晴れの門出をを押しかけ演奏で祝った彼女の結婚を非常にうらやましく感じた、歯医者そうさんでした。

追記、オーボエ吹きのTさん。結婚おめでとう!ウェディングドレス姿は良くお似合いだったよ。末永くお幸せに!

10月7日(金)歯ブラシの値段は高いのか?”

昨日、某新聞の朝刊にこのような記事が載っていました。
何でも大手スーパーの自主開発した歯ブラシや安価な中国製歯ブラシの輸入急増で平均販売単価が約147円から約138円に落ちたのだとか。3本150円の格安歯ブラシも出回り、定価の100円引きは当たり前になったそうで、そんな価格下落競争に勝てないと踏んだ日本の歯ブラシメーカーは販売価格を200円台に維持し、その分歯ブラシの毛を独自の加工をほどこしたり、種類を豊富にしたり、パッケージを斬新なものにしたりして付加価値をつけるような方針に転換しているそうなのです。
価格破壊という現象が様々な商品で起こっている中、歯ブラシの販売の世界でも価格破壊は例外ではないことがよくわかりましたし、価格破壊についていけない企業は別の道を模索して商品に付加価値をつける代わりに価格を維持したり、高級品として販売する傾向にあります。
この記事の中で僕が疑問に感じたのは次の記述でした。

『歯ブラシの大手メーカーが、1本200円台という高めの価格帯で激しい競争を繰り広げている。』

1本200円台という高めの価格帯という歯ブラシですが、この1本200円台という価格は果たして高価なものでしょうか?

歯ブラシは使用後に流水下で水洗いし、日陰で乾燥させることにより保管するものですが、そんな歯ブラシも日々の使用で歯ブラシの毛は痛んだり、毛の間に食べかすや雑菌がこびりつき不潔になります。そんな歯ブラシの使用限界というかは1ヶ月辺りです。僕はしばしば患者さんから歯ブラシの交換時期を問われることがあるのですが、概ね1ヶ月を基準に交換するように伝えています。
このことを前提とし、歯ブラシ1本の値段を仮に250円とします。1ヶ月間一人当たりの歯ブラシに対する出費は250円となります。家族4人だとその4倍で1000円。家族4人の家計の中で、1ヶ月で1000円の出費というのは高い出費なのでしょうか?様々な日常雑貨品、化粧品、タバコや酒といった嗜好品といった日々購入する機会が多い製品と比べても1ヶ月で1000円の歯ブラシというのは高価だとは到底思えないのです。むしろ、1ヶ月に1回の歯ブラシ交換で歯の健康を維持できることを考えれば、その費用対効果は高いものではなく、かなり安価なものではないかと思うのです。何かと厳しい経済状況を考えると、家庭の家計においてもなるべく無駄な出費は避けたいもの。そのため、節約できるところは少しでも節約しなければならないことはよくわかるのですが、一本の歯ブラシを1ヶ月に1回交換する1000円という出費は容易にできるのではないかと思うのです。そんな元々安価な歯ブラシを更に安くすることによるメリットは一体どこにあるのでしょうか?ある一定の品質の歯ブラシにはそれ相当のコストがかかるもの。そのコストを差し引いても200円台という価格は高くはないと思います。安価な歯ブラシの質が悪いと言い切るわけではありませんが、安価になればなるほど質の保証はされにくくなるのではないかと思います。せっかくの歯や口の中の健康維持のために用いている歯ブラシがその質の悪さで逆に歯や口の中に悪影響を及ぼすことの方が問題ではないでしょうか?そのことは、将来的に医療費の出費となって家計に負担を強いることさえありうるのです。

それよりももっと大切なことは、あなたに適した歯ブラシを選択し、その歯ブラシを適切に使用し、適切なブラッシングができるかどうかです。歯ブラシの選択に関しては人それぞれ口の中の環境が異なりますから、歯ブラシの選択も人それぞれ異なってきます。自分に合った歯ブラシを探す場合には、是非お近くの歯科医院やかかりつけの歯科医院の歯医者や歯科衛生士に相談されることをお勧めします。

10月6日(木)国勢調査が終わったと思ったら・・・”

今年は5年に1度行なわれるの国勢調査の年です。国勢調査とは、調査時に日本に居住するすべての人(外国人を含む)を対象に、人口、世帯に関し、男女、年齢、国籍、就業状態、仕事の種類、世帯員の数などを調べる、国の最も基本的、かつ、規模の大きな調査です。調査員が各家庭を訪問しては調査票を届け、記入した調査票を回収にくるという光景が全国津々浦々で繰り広げられたことでしょう。我が家でも先週末に調査員が国勢調査票を持って現れ、一昨日に回収されました。

僕が住んでいる地区は人口が少ない田舎です。そのため、元々近所のことはお互いによく知り合っている間柄同士でもあります。少なくとも、国勢調査で調べる調査項目に関してお互いに分かり合っていると言っても過言ではありません。各家庭を回っていた調査員の人も顔見知りでしたので、国勢調査とは言っても普段の回覧板を回すような感じの近所づきあいの延長のような感覚でした。そのため、国勢調査に関して不満、不足が出たという話は一度も耳にしたことがありません。
その一方で、国勢調査についてはかつてから批判が多いのも事実です。とりわけ各家庭のプライバシーに関わることを調査するわけですから、昨今の個人情報保護法の制定と相まって個人情報の取り扱いに敏感な方が多くなったことも影響しているようです。
国勢調査に関する不満というのは自らの個人情報を他人に知られたくないことが起因していることが多いようなのですが、その背景には普段からの近所付き合いの少なさ、近所との共同体意識の希薄さというのが大いに関係しているのではないかと思います。以前であれば、隣三軒両隣的な関係がいたる所であったわけですが、今では近所同士そういった関係を結べない状況ではないでしょうか?特に、様々な出身者を抱える都市部ではそのような傾向が強く、どうしても殻に閉じこもってしまい、近所同士の社会が築けていない。そのようなことが国勢調査にも影響して、何かとトラブルが多発する原因となっているような気がしてなりません。
また、調査方法も問題でしょう。調査票の記入事項は封印して中身を見られないような工夫がなされているとはいえ、回収された調査票がどのように扱われるかによっては個人情報の流出にも繋がりかねません。これまでの調査員を派遣しての国勢調査の調査票を回収するという方法自体を再検討する時期に来ているのは間違いないと思います。

そんな国勢調査が終わったと思いきや、昨日我が家に一通の封書が届きました。その封書は僕が住む地域を管轄する保健所(正式には健康福祉事務所といいます)からのもので、中には医療施設静態調査の記入用紙とその記入方法を記した説明書が同封されていました。
この医療施設静態調査というのは3年ごとに厚生労働省が全国の全ての医療機関に対して行なっている調査で、今年がその調査年に当たっていたのです。中身に関してはA4版の青い紙一枚で、表がこちら、裏がこちらです。見ていただければわかることですが歯科診療所に関してかなり詳細な調査項目があるのです。これら調査項目を全て回答し、報告しないといけません。一月あたりの患者数や処方箋の数などの調査項目というのは医療機関の経営状況に直接関係する項目ですから、報告をためらう医療機関も中にはあるように思えます。少なくとも、国勢調査よりは詳細に自分の診療所の現状を報告しなければならないことは事実で、正直言って僕もこの調査項目に回答することは躊躇しますが、仕方がありません。
今日中に記入項目を回答し、返送しようと思う、歯医者そうさんでした。

10月5日(水)命あってなんぼのもの”

先日、僕は所用のため最寄の駅から大阪方面へ出かけようと電車に乗り込みました。空いていた席に座り何気なく前を見ていると、僕の正面にある男性客が座るのが見えました。どこかで見覚えのある顔だなあと思い、よくよくその男性客を見てみると、地元歯科医師会で世話になっているU先生でした。僕は、U先生に声をかけるとU先生も

「久しぶりだね、こんな所で会うなんて珍しいなあ。」

U先生が”久しぶりだね”と言ったのは理由がありました。実は、U先生は最近まである病気で療養していたのです。そのため、診療も休まざるをえず、歯科医師会の役職も休職されていたのでした。
U先生に体調のことを尋ねると、U先生は自らの病気のことを語り始めました。

「実は、7月下旬から診療が終わると今までにない疲労を感じていたんだよ。当初は俺も50歳近くになってきたから年齢的な衰えもあるのかなという感じで捉えていたんだよね。8月に入ってもその疲労感は全く治らなかったんだよ。『もうすぐお盆休みになるし、もうちょっとの辛抱だ。お盆休みはゆっくり過ごさないといけないなあ』なんて考えていたんだよ。あれはね、確か8月10日だったよ。一日の診療が終わりに近づいて頃に急に右手に力が入らなくなったんだよ。診療用器具を握ろうとするんだけど、うまく握れなかったんだ。」
「突然そのようなことになってびっくりされたんじゃないですか?」
「何が何だかわからなかったよ。何か体の中に異常があるということは直感したんだけどね、まだ治療中だったのでこれだけは何とか終わらないと思い、その場は左手でカバーしながら何とか乗り切ったよ。そして、最後の患者さんの診療が終わった時のことだった。いざカルテを書こうとしたんだけどカルテが書けないんだよ。」
「それは一体どういう意味ですか?握力がなくなったということですか?」
「ボールペンが握れないから書けなかったというのではなくて、カルテに必要事項を書こうとしても頭の中に診療内容が思い浮かばないという状態だったんだ。『これはいかん!』と思い、診療が終わって後片付けもそこそこに近所の病院へ駆け込んだんだ。そうしたら、専門の病院を紹介されて直ぐにそこへ行くように指示されたんだ。その専門病院で直ちに詳しい検査を受けたところ、担当医から直ぐに入院するように言われたんだ。その訳は直ぐにわかった。専門病院で撮影したMRIの頭の画像を見たんだけど、俺がみても『これは大変なものがある!』と思えるくらいの大きな白い塊の像が頭の中にあったんだよ。担当医からは直ぐに手術をしないと命にかかわるいけないということを言われてね。”命にかかわる”ということを言われると俺としても何とかして欲しいという気持ちが強くなって、直ちに手術をしてもらうようにお願いしたんだよ。手術は数時間程度かかったみたいなんだけど。手術は無事に成功したんだけど、何と手術の翌日から『リハビリを開始しなさい』と言われたよ。」
「病巣はそれほど深刻ではなかったということだったんでしょうね。」
「頭の中にあった腫瘍は周囲の組織と癒着せず、簡単に除去することができたらしい。そのせいか心配された後遺症も全く無かったよ。手術の翌日はまだ全身麻酔の影響が残っていて何となくだるい感じがしていたけど、いきなりリハビリをさせられたね。」
「脳の手術というと治癒に時間がかかりそうに思ってしまうのですけども、先生の場合は腫瘍が大きかったものの、簡単に取り除くことができたので手術をしてからの回復が早く、仕事にも早く復帰することができたわけですね。それにしても、実際にはいつから仕事に復帰されたのです?」
「手術後1ヶ月経過した9月の中旬だね。その時には何の問題もなく、手術前と同様の歯科治療をすることができたよ。」
「それにしても体に異常を感じてから手術まであっという間だったと思うのですけど、全てが上手くいったようでラッキーでしたね。」
「そのとおりだよ。俺は酒好きなので普段から消化器関係のことはそれなりに気を使ったきたつもりだったんだけど、まさか自分の頭の中に腫瘍ができているとは思いもよらなかったよ。たまたま行った病院で検査を受け、直ちに専門病院を紹介してもらい、そこの最初に対応してくれた担当医が脳神経外科の専門医だったことも幸いしたよ。後で訊けば、担当医は相当腕利きの脳神経外科医として有名な先生だったらしい。」
「まだまだ神は先生を見放していなかったということでしょうか?」
「結果的にそういうことになるね。本のちょっとした違いなんだろうけど、俺と似たような症状の人で命を落とす人もいるのは確かだよ。俺の悪運が強いのかもしれないけど、自らの頭の中の腫瘍の手術をうけ無事生還したことで人生観が変わったよ。これまでは好き勝手に生きてきて、自分の命なんてものに実感なんてこれっぽっちもなかったよ。今回、せっかく助けて頂いた命なんだから、これからはもっと真面目に生きていかないと罰が当たるだろうね。それと、患者としての気持ちも自分が患者になることで今まで以上に理解できたような気がするよ。これまで以上に患者さんに丁寧に接していかないといけないなあということを学んだよ。俺って元々馬鹿だから、このような命にかかわるような経験をしないと人生の意義を感じなかったんだろう。命あってなんぼのものだよな。そう思うと、今回は本当に貴重な体験をさせてもらったよ。」
そのようなことを言いながら、U先生が帽子を取られました。剃毛してから生えてきた短い前頭部の髪の毛と縫合痕を指差しながらにこやかに笑うU先生を見て、安堵した歯医者そうさんでした。


10月4日(火)強かなアメリカの医療戦略”

最近、テレビの医療番組では名医と称される医師を紹介する機会が多くなってきています。そんな番組の中でよく取り上げられる医師の一人が脳神経外科医である福島孝徳先生。福島先生は、脳神経外科領域の手術では頭部の髪の毛を剃って頭部に大きくメスをいれる手術が主流である中、頭部に直径数センチ程度の穴を開け、特殊な医療器具とマイクロスコープを用いて脳内の腫瘍を摘出するといういわゆる鍵穴式手術法を開発し、自ら実践してこられました。この手術法は患者の体に対する負担を最小限にする一方、術者である医者には苦労を強いられる手術法です。福島先生はこの手術法で世界中の脳神経領域の疾患で苦しむ人を救ってきた医師で、脳神経外科の領域ではラストホープ「神の手」と呼ばれているとのこと。現在は、アメリカの本拠を置きながらも度々日本に帰国しては各地を飛び回り出張手術を行なっている先生です。
専門領域が違うとはいえ、僕のような町歯医者でもわかるのですが、福島先生の医療技術の高さというのは群を抜いています。更にすごいところは、自らが得た知識と技術を惜しみなく公開し、広く世界に広めようとしているところです。私財を投じて財団を作り、自らの技術を研修するための施設を建設し、世界中からの有望な脳神経外科医を集め、教育させ、広く世界へ広めていこうとうするその姿勢には感服する以外ありません。福島先生の医療に対する熱い思いに感動した、歯医者そうさんです。

ところで、福島先生は元々は東大医学部を卒業して国家試験に合格して医師免許を取得した医者です。30歳台後半という若さにして東京の三井記念病院の脳神経外科部長に就任、鍵穴式手術法を確立されました。そんな福島先生が更なる臨床の活躍の場を求めて渡米し、現在に至っているわけです。
さて、ここで何人かの方は疑問に感じられるかもしれません。それは免許の問題です。いくら日本国内で医師免許を取得していたとしても、アメリカで日本の医師免許は通用しません。アメリカで医師として医療行為を行なうためには、当然のことながらアメリカでの医師免許の取得が欠かせません。アメリカの医師免許は州ごとに管轄されています。アメリカで医師として活躍するには、通常、州内の大学の医学部で専門教育、研修を受け、医師免許取得試験に合格しないと医師免許を取得することができません。ところが、福島先生の場合は渡米して直ぐにアメリカ国内で医療行為を行なっているわけです。ということは、福島先生は渡米して間もなく医師免許を取得していることなります。アメリカ国内で医師になるための一連の専門カリキュラムを受けず、医師免許取得試験を受けていないのにも関わらずどうして福島先生は医師免許を取得できたのでしょう?
今から10年以上前、僕は福島先生と同じようにアメリカにわたり活躍しているある日本人の小児外科の権威の人の講演を聴講したことがあります。その講演の際、この先生がアメリカの医師免許取得に関する秘話を話してくれました。それによると、アメリカという国は、医療の分野において世界でもトップクラスの医者を積極的に受け入れる傾向にあるとのこと。その理由は、アメリカが世界の医療の最先端を自負しているからであり、最先端を担う人材であれば人種、国籍を問わず率先してアメリカ国内の医療施設に受け入れる。最先端を担う優秀な医師を囲い込むことで、アメリカが世界の医療の最先端であることを誇示すると共に、その優秀な医師の技術や知識を得てアメリカ国内の医療技術の更なる発展に繋げていくのだそうです。そういった優秀な人材が外国籍であった場合、アメリカでは受け入れる医療機関が州政府に働きかけ、直ちに医療行為ができるように免許証の交付をするように依頼するのだとか。
”この優秀なドクターをアメリカが獲得しなければ、アメリカの医療界の発展は無く、更には国益に反することにもなる!”
アメリカでは各州政府が申請のあった医師が世界のトップレベルの医師であると認めれば直ちに医師免許証を発行する特例があるのだそうです。アメリカの医療業界の強かさを感じざるをえません。福島先生も上記のような特例措置によってアメリカ国内で医療行為ができるような免許証を取得することができたのではないかと思われます。

翻って日本ではどうでしょうか?医師法によれば、日本で医師活動を行なおうとすれば、医師免許を取得しないといけません。そのため、外国の医師免許しか持っていない外国籍の医師が日本国内で医療行為を行なうことは禁止されています。
最近、世の中の規制緩和の流れの中、様々な特区を儲け、社会の活性化に繋げていこうという動きがあります。医療の世界でもそういった特区構想があるのですが、その中に日本の医師免許を持たない外国籍の医師が医療行為ができるような医療特区申請がなされたようなのですが、医師会や歯科医師会の反対にあっています。これは如何なものかと思うのです。医師会や歯科医師会では、医療特区で外国籍の医師に診療をさせると患者が奪われるという危機感があるようなのです。僕はこれはあまりにも了見が狭いと思うのです。患者にとっても優れた医師の治療機会を得ることができるメリットは大きいものです。今まで諦めていた疾患や後遺症が残りそうなケースでも救われる機会が増えることは、国民にとっては大きなプラスです。また、医師にとっても優れた技術、知識を持つ外国籍の医師が日本国内で治療をすることにより、その医師の技術、知識を間近で得ることが可能になります。わざわざ外国へ学びに行く必要がないのです。多くの日本人医師がその外国籍の医師から技術と知識を得られるという恩恵を受け、将来的には日本の医療の向上につながり、強いては医療界の活性化に繋がります。アメリカのように外国籍の医師を目の敵にするのではなく、むしろ無形の財産として積極的に受け入れることが日本の国益にも適う。そんな発想の転換が必要なのでないかと思うのです。
日本の医療レベルを上げるためにも世界中の優秀な医師が日本国内で診療ができるような体制づくりが必要ではないでしょうか?そのためには、日本でもアメリカのように医師免許証交付の特例措置を認めてもいいのではないかと思うのですが。

10月3日(月)同じ歯医者の息子として 〜杉村太蔵議員への期待〜”

既に皆さんもご存知のことと思いますが、先の衆議院議員選挙で自民党が圧勝したことで、比例名簿の下位の候補者が次々と当選するという事態が生じました。その結果、ある比例区では自民党の候補が全員当選してしまい、余った議席枠を社民党の候補にまわすという異例の事態まで生じたことは記憶に新しいところです。
先の衆議院議員選挙の自民党の大勝で多くの新人議員が誕生しました。選挙中は、刺客と称された候補が注目を集めましたが、中でもキャリアのある女性候補が数多く出馬したのは前例の無かったことだと思います。そんな女性候補の多くも新人議員としての活動を始めているのですが、そんな議員よりももっと注目を浴びている議員がいます。それが杉村太蔵議員ではないでしょうか?
注目を浴びたのは当選直後からの彼から発せられた数々の発言であることは間違いのないところです。

「ヒラリーマンでしたから、料亭に行ったことはないです。早く行ってみたいですよ、料亭に!」
「国会議員はJRに乗り放題らしんですよ。しかも全部グリーン車。グリーン車ですよ!」
「議員宿舎は3LDKだそうです。楽しみですよ!」
他にも議員歳費が年間2500万円と聞き、念願のBMWを衝動買いしそうになるなどありましたね。

一介の某証券会社の契約社員に過ぎなかった杉村議員が自民党の選挙公募に応募して比例南関東ブロックから出馬をしたわけですが、自民党圧勝の影響で予想外の当選を果たしたのです。その際、マスコミを通じて発せられた発言に全国のお茶の間の話題をさらった感がありました。

僕が彼に対して関心があるのは、やはり僕と育ってきた環境が似ているからです。それは同じ歯医者の息子だからです。杉村氏のお父さんは北海道旭川市で歯科医師なのだそうで、杉村氏は歯医者の息子として生まれ育ってきたのです。。
今でこそ歯科医院はコンビニの数を凌駕する数があり、多くの歯科医院は経営に四苦八苦していますが、杉村氏が生まれ育った頃の歯科界はまだ歯科医院が増えだした頃で、歯科医院の景気が良かった時期です。しかも、北海道という土地は歯科医院の数も少なかったことから限られた歯科医院に患者が殺到していたことが充分に考えられます。別な言い方をすれば、以前の歯科医院は儲かっていたのです。ということは、多くの歯医者の家庭はそれなりに経済的に余裕があったということです。そのような家庭環境で育つということは、生活に窮する場面はないので何不自由なく育つことができたということが言えると思います。
杉村氏と僕との違いは、僕がその後歯医者の道を辿ったのに対し、杉村氏はテニス選手になるべくスポーツ推薦で筑波大学へ進むも途中で退学し、いくつかのバイトを繰り返しながら某証券会社の契約社員となっていたということです。どうして、彼が歯医者への道を選択しなかったかどうか真相は本人に尋ねないとわかりません。杉村氏には兄さんがいて既に歯医者になっているので本人は歯医者になりたくなかったという説もありますし、テニスに秀でていたのでテニスの世界を究めようとしていたのかもしれません。単に高校時代の成績が芳しくなく大学の歯学部や歯科大学へ進学できなかったのかもしれません。いずれにせよ彼はいくつものバイトを繰り返しながら某証券会社の契約社員となり、この9月に正社員になる予定だったところにいきなり衆議院議員になってしまったのです。

僕の独断ですが、杉村氏は何の制約もなく自由に人生を謳歌してきたところがあると思うのです。そんな彼がだめもとで申し込んだ自民党の衆議院議員選挙公募に申し込んだところ選考に残り、候補者になり、挙句の果てに衆議院議員になってしまったのです。いきなり転がり込んできた衆議院議員の職に、自由気ままな人生を歩んできたさすがの杉村氏もついていけなかったのではないでしょうか。思わぬ人生の展開に驚いた正直な気持ちがこれまでマスコミを騒がせた様々な発言に反映しているように思えます。
僕が思うに、杉村氏は笑えるキャラクターです。何でも、杉村氏が当選した時、周囲は大爆笑したと言いますし、杉村氏の両親は喜びの電話をかけても取り合ってくれず途中で電話を切られたといいます。そして、あの自民党本部での陳謝会見。真面目に記者会見しているにも関わらず、彼の言動になぜか何か笑えるものを感じるのは僕だけでしょうか?おそらく笑えるキャラクターというのは杉村氏の天然のものだと思うのです。真面目に仕事をやっていても何か可笑しくて仕方が無いような気持ちにさせられるのは、彼の奇特なキャラクターではないでしょうか?憎めないキャラクターです。一見すると大馬鹿者に見えますが、その点を育ちのよさ、坊ちゃん気質でカバーしているように思うのです。
杉村氏はまだ26歳という若さです。今回の衆議院議員選挙で当選した議員の中では最年少だそうです。国会という魑魅魍魎とした世界で果たして生きていけるのだろうかという不安はありますが、彼の何となくほんわかとしたオーラはそれなりの存在感をもって受け入れられるのではないでしょうか。
何回も国会議員を目指すも落選し続けている候補者が多い中、たまたまダメで元々の気持ちで国会議員をめざしたところいきなり当選してしまい衆議院議員になったというのは彼のもって生まれた運の強さというものもきっとあると思います。
中には杉村氏のようなばか者に国民の税金を国会議員の歳費として与えていいものだろうかと感じた人もいるでしょうが、無駄な公共事業に投資するよりは彼のような特異なキャラクター、新しい頭脳に対する先行投資だと考えてもいいのではないかと僕は思うのです。
同じ歯医者の息子として、今後の彼の言動、国会での活動には注目していきたいと思います。

10月2日(日)専門書の保管に悩む”

先日、車の運転中にあるラジオ番組を聴いていると、何人かの書評家の人たちのインタビューが聴こえてきました。本の書評を生業としている人たちのインタビューでしたので興味深く聴いていたのですが、やはりもっている本の数は並みではありません。どの書評家も自分が何冊持っているか検討もつかないというのです。書庫を新築したり、本のためにマンションの一室を借りたり、または、レンタル倉庫を借りたりしながら本の保管をしているとのこと。ある書評家の場合、3000冊以上を処分しても一向に本が減ったようには思えなかったそうですから、おそらく万単位の本をお持ちであることは間違いの無いところ。これだけ本を持っていると目的の本を探し出すのも大変だそうで、探すのに時間がかかる本は買ったほうが早いということで、何冊も同じ本を所蔵する結果とならざるをえないそうです。
そんな書評家と違い、僕が持っている本の数は微々たるものですが、それにしても塵も積もれば山となるではありませんが、文庫本などは本棚に2列にまたがり、後ろの本が見えないところもあります。読まない本は処分してもいいのではないかと思う今日この頃。

そのような中で僕が処分するのに躊躇するのは専門書です。僕の場合、医学や歯学の専門書なのですが、学生時代に購入したものは既に20年近く経っているものが多くなってきました。時間が経過すると問題になってくるのは専門書の内容です。日々進歩する医学や歯学であるが故、どの専門書も何年に一度かは改訂を行なわざるをえません。最新の知識や技術などは定期的に発行される論文や業界雑誌などで知ることはできるのですが、専門知識を体系付けるという意味で専門書の意義は今も昔も変わりません。歯医者の仕事をしている限り、専門書は購入し続けないといけないわけですが、そこで新たに発生する問題が保管するスペースの問題です。専門書は一冊あたりの値段が○万円単位のものがざらです。それくらい高い理由は発行部数が少ないということもありますが、専門書自身の性格上内容が盛りだくさんなので文庫本のように小さいものが少ないのです。どの専門書もそれなりのボリュームがあるのです。そのため、本棚に保管すると数少ない冊数で本棚を占拠してしまうことになってしまいます。そういった専門書が数多くなってくると本棚に保管することが難しくなるのです。今は、診療所の方にも分散して保管していますが、保管場所の確保には頭を悩ませています。

それでは、古い専門書は捨てればいいのではないかということになりますが、そのとおりです。ところが、優柔不断な僕はどの専門書にもそれなりの愛着があるものですからどうしても思い切って処分することができないのです。そのため、専門書がたまってくるという悪循環となってきます。ここは思い切って古い専門書は処分するように割り切らないといけないかなあと思いながら、自分の部屋の埃臭い本をながめる、歯医者そうさんです。

 

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