過去日記(2006年8月)
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8月31日(木)”揺れ動く記憶”
先日、僕は友人S君とメールでやり取りしていました。その際、S君はあることをメールに記していたのです。
「これまで僕は待ち合わせで人を待たせた記憶がないよ。」
S君は思慮深い男です。しかも、友達思いの友人で心優しく、気配りが利き、幹事をやらせれば誰も右にでるものがない奴です。僕自身、側で彼の人となりを見てきましたが、見るたびに彼の人間としての魅力に魅了されてきました。S君も僕と馬が合ったようで、今では心許せる友人の一人だと言っても過言ではない存在です。そんな彼のメールに記された言葉でした。確かに、これまでの彼の言動を見ていると、彼の言葉に嘘偽りはないように思えました。ただ、僕はどうしても彼の文面に素直に頷くことができなかったのです。
どうして素直に頷けなかったか?それは、以前、S君が人を待たせたことを僕が知っていたからです。S君が待たせた人とは、僕だったのです。
数年前の夏、僕はS君と二人で呑みに行く約束をしました。僕は待ち合わせの某所に先に着き、S君を待っていたのです。ところが、約束の時間になってもS君は姿を現しませんでした。いつも約束の時間を守るS君だっただけに、心配しました。僕は何度かS君の携帯電話に連絡を入れたのですが、留守番電話になるばかり。心配が募る僕のそばにS君は駆け寄ってきたのです。
「そうさん、ごめん!」
僕は当時のことをS君に伝えました。すると、S君からの返事は僕の予想とは違ったものでした。
「あの時そうさんを待たせたっけ?僕はぎりぎり待ち合わせ時間に間に合ったように思っていたんだけど・・・。もし、そうさんを待たせてしまったなら今謝るよ。」
僕は内心驚きました。普段時間を必ず守るS君が遅れてきことた自体は僕にとって何も問題もありませんでした。誰しも不測の自体に巻き込まれ、約束の時間に間に合わなかったことはあることです。僕が驚いたのは、普段しないようなことをしてしまったS君自身にその記憶が全く残っていない。この事実に僕はショックを受けたのです。同じ場面に遭遇した二人。同じ現場に居合わせていたはずなのにどうして互いの記憶に相違が生じたのだろう?
そんな疑問を感じていた時、僕はたまたまある生命科学関係の本を読みました。その本の記述の中に記憶に関する興味深いことが書かれてありました。その内容とは、人間の記憶は、時間の経過とともに失われたり、他の記憶と入り混じったり、一般的な知識によって変化したり、作られたり、はたまた実際にあったことなのか、伝聞なのか区別がつかなくなることがあるのだとか。自分の頭の中にある記憶は固定されたものではなく、頭の中で当時のイメージが再構成される。そのため、記憶は様々な要素が複雑に絡み合い、揺れ動く。そのことをこの本では指摘していたのです。
誰でも経験があることだとは思いますが、自分が生まれ育った場所に久しぶりに訪ねてみると、その場所が自分が思っていたよりも狭かったことがあるものです。この現象は、これまで自分自身の体格が成長し、視線の位置が変ったためであることが説明されてきました。ところが、このことは視線が変わったというだけでなく、過去の記憶そのものが書き換えられているために生じているらしいのです。
より正確に記憶するには、自分が遭遇した出来事、場所、人物に対する知識が多ければ多いほどよいそうですが、ただし、これら知識が多くなるにつれて記憶に変化が生じる可能性もあるとのこと。人の記憶とは極めて不安定なものだというのです。自分では絶対だと思っていたことでも自分の意識、知識、経験によって受け止め方が異なってくる。しかも、時間の経過とともに変化しやすい。
もちろん、大切な約束、契約、仕事において、お互いの記憶が異なっているということは許されることではありません。お互いの記憶が正確に共有されるよう、書類や写真などが重要な資料を残し、なおかつ、誤解が生じないよう絶え間ない意思疎通が必要です。僕が携わっている医療の仕事も例外ではありません。人様の体を対象にしている仕事であるわけですから、過去の診査、診断、治療内容は正確に記憶しておかなければなりません。そのため、医療の世界ではカルテに治療行為を全て記録します。記憶による間違いを防ぐためです。
記録を取り続けることによることは医学の進歩にもつながります。例えば、レントゲン写真や口の中の写真を何年間も取り続け、その変化を診査、診断、研究することがあります。同じ規格で取り続けたレントゲン写真や口の中の写真が示す変化は記憶の曖昧さを一切排除したもので、誰しもがその変化に納得できるものです。時間的経過を追うことで、より良い医療を実現するための最適の資料になるのです。
話を元に戻して・・・
記憶は絶対的なものではなく、絶えず変化しうるもの。
そのことを前提にすれば、S君と僕との記憶の違いも何となくわかるような気がしてきます。僕自身、絶対だと思っていた記憶も何かの経験が入り混じったり、消えたり、曖昧になっている可能性があるのです。そうなると、友人と僕とがどちらが正しいかということを論ずるのは意味が無くなってくるような気がしてなりません。自分の記憶を絶対なものとして強引に押し通しても友人との関係を損なうだけ。
実際は、ちょっとした行き違いから互いの不信感につながるようなことは意外と多いのではないでしょうか?そのきっかけの一つに互いの何気ない記憶の相違が多いように思います。もし、記憶が絶えず変化をしうるものであるという認識があれば、ちょっとした行き違いが生じる機会が少なくなるのではないか?記憶に絶対の記憶はない。人間関係の風通しを良くするにはこうした認識も必要ではないだろうか?大切な人との関係ではなおさらそのような心積もりが必要ではないだろうか?
そのようなことを自問自答した、歯医者そうさんでした。
8月30日(水)”熱の華が現れた”
昨夜、仕事が終わった時のことです。後片付けをしていると僕の下唇の口元が何やらむずむずするような、チクチクするような違和感を覚えました。一体何だろう?そう思った僕は診療室の鏡で自分の口元を見てみました。すると、下唇の左口角部が少し赤くなっていることに気が付いたのです。
皆さんは熱の華ということを耳にされたことがあると思います。熱の華とは、風邪を引き熱が出た直後ぐらいに口元に現れる赤みや小さい水疱などを指します。この熱の華の原因は何だかおわかりでしょうか?これは一種のヘルペスによる炎症なのです。ほとんどの方は幼少期に何らかのウィルス性疾患に罹られたことがあると思います。このウィルス性疾患は症状が現れる場合もあれば無症状の場合もあります。いずれにせよ、ウィルス性疾患の原因となっているウィルスはほとんどが体の免疫によって淘汰されるのですが、一部が体の神経の一部に潜んでいることがあります。体の体力があり健康な場合は問題が無いのですが、風邪や疲労、紫外線、月経前、けが、ストレス、時差、薬の服用など体の抵抗力や免疫機能が低下すると再発し、唇の周囲が赤くなったり、小さな水ぶくれができる場合があるのです。口角部にできると、口を開ける時に刺激となり、食事をするのがうっとおしく感じます。
ヘルペスウィルスによる口唇周囲に生じた赤みや、水ぶくれのことをヘルペス口唇炎、ヘルペス性口角炎などと呼びます。僕の左側の口角部に生じた違和感は、まさしくヘルペス性口角炎の初期症状だったのです。このような場合、通常は患部に軟膏を塗布します。軟膏といっても通常のステロイドが含まれた軟膏ではなく、ヘルペスウィルスに作用する特別の軟膏を塗布します。これを1日数回、患部に塗布することで症状が早く治ってきます。症状がひどい場合には、ヘルペスウィルスに作用する飲み薬を飲まないといけない場合もあります。帯状疱疹などのように痛みがひどいウィルス性疾患の場合には、軟膏とととに飲み薬を併用しないと症状が治まりません。
ということで、僕も直ちに診療所においてあるヘルペスウィルス専用の軟膏を塗布しはじめました。おそらく数日のうちに症状はおちついてくるでしょう。
どうしてこのようなヘルペス性口角炎が起きたのでしょう?理由はわかっています。先週末、某所で夜遅くまで呑み会に参加していたためです。その疲労が残っていたためでしょう。体は正直なものですね。
8月29日(火)”むし歯治療は対症療法に過ぎない”
何年も歯医者稼業をしていると、いろいろと感じることがあります。歯医者といえば患者さんの口の中の異常を治すことが仕事であることは誰もが認めることではあるのですが、長年患者さんの口の中の治療を行っているといくつかの特徴に気づくことがあるのです。
その一つがむし歯の治療です。むし歯というのは、平たく言えば、歯の表面に穴が空いてしまい、痛みや違和感を感じる病気です。歯医者は、むし歯の部分を完全に除去し、除去した部分を様々な材料で修復し、元の歯の形と昨日を回復させます。多くの人にとって、歯医者でのむし歯の治療というのはこのことを指すのではないでしょうか。確かにこのことは間違いありません。けれども、どうしてむし歯が発生したのかということを考えると、この歯の治療というのは真の原因治療とは決して言えないのです。
そのことを強く感じるのは、多くのむし歯の治療痕がある患者さんのむし歯を治療する時です。むし歯の治療痕があるということは過去においてむし歯があったということを意味しています。それなのに更に新たなむし歯が発生し、治療せざるをえないという事実。単に新しいむし歯だけではなく、以前治療した治療痕周囲にむし歯が再発することも多々あります。歯医者でむし歯を治療したはずなのにどうして何度も治療しないといけないのだろう?そのような悩みを持つ患者さんは少なくないはずです。僕自身もこのような患者さんの口から、嘆きにも似たような愚痴を何度も聞かされたことがあります。
実は、このような時こそむし歯について見直す良い機会だと言えるでしょう。なぜなら、患者さん自身、むし歯治療が歯医者の治療だけではおさまらないことに薄々気が付き始めているからです。冒頭にも書きましたが、むし歯の治療はあくまでもむし歯で失った部分を修復するだけにすぎません。対症療法なのです。むし歯になった真の理由を探っていかなければ更にむし歯が増えていくだけです。
むし歯になった真の理由を探るのはなかなか難しいものです。おそらく、患者さん自身ではわからないでしょう。専門的な知識を持っている歯医者や歯科衛生士などがいろいろと調べていかないとわからないものです。むし歯が多いのは単に歯磨きの仕方が悪いだけではありません。普段の生活習慣に問題があるかもしれません。また、口の中にあるむし歯菌の数の多さ、唾液の機能、何気ない癖、食べ物の種類、食べ方、加齢などの要素がむし歯の発生を助長しているのです。これらを細かく調べ、何がむし歯発生の原因につながっているかを調べ、対策を立てて実践していかない限り、むし歯は発生し続けます。
歯医者はむし歯を治す場所であることは間違いないとは思うのですが、今のところ、多くの人の認識は対症療法の認識しか持っていないのが現状です。誰しもむし歯治療は嫌なものです。この嫌な思いを繰り返したくないためには、むし歯になった真の原因を歯医者と共に考え、対策を立てていくことしかありません。歯医者はむし歯を削って詰めたり、被せたりする場所ではありません。二度とむし歯を作らないようにしていく場所である。このことを一人でも多くの人が気が付いて欲しいものだと願って止みません。
8月28日(月)”歯医者の息子 特異な子育て悩み”
僕には二人の子供がいますが、上のチビは8歳です。
歯医者として見れば、8歳という時期は乳歯が永久歯と生え代わる真っ最中の時期です。このような時期を専門的には混合歯列期といいます。乳歯と永久歯が入り混じっている時期であることからこのような呼び名が付けられたのだと思います。この時期の子供をお持ちの親御さん、そうではなくてもご自身の過去を振り返ってみてもわかるかと思いますが、大臼歯と呼ばれる奥歯以外の永久歯は乳歯が抜け落ちて生え代わるものです。しっかりと生えていた乳歯がある時期ぐらいからぐらぐらと動揺し始め、何か硬い物を噛んだり、食事をしている最中に”ボリッ”という鈍い音と共に変な感触がある。一体何事かと思い、口の中にある硬い異物を出して確かめてみると、それは何と乳歯だった。そんな経験を誰しも持っているのではないでしょうか。
通常、生え代わる永久歯は乳歯の真下に位置し、乳歯の根っこを吸収しながら生えるものです。そのため、乳歯は根っこが徐々に無くなり、そのため動揺しはじめ、最終的に抜け落ちてしまうものです。ところが、永久歯が乳歯の真下ではなく、位置がずれたところから生えてきた時には、乳歯が抜け落ちていないにも関わらず永久歯の一部が生えてくることがあるのです。いつまでも経っても乳歯が抜けない理由の一つがここにあるのですが、こういった場合、乳歯は直ちに抜歯をしないといけません。乳歯が抜け落ちないために永久歯の位置がずれたままになる可能性が高いためです。永久歯の位置がずれたままだと歯並びやかみ合わせが狂ってしまいます。抜け落ちていない乳歯を早めに抜いてやれば、永久歯は本来の位置へ自然と移動し、狂いかけていた歯並びや噛み合わせを修正することが可能となります。小学校の歯科検診では、こうした永久歯が出ているにも関わらず抜けていない乳歯は必ずチェックをし、勧告書に必ず歯医者で抜歯をするように注意を促すぐらいです。
実は、上のチビの乳歯もそうでした。これまで前歯5本の永久歯が生え代わったのですが、いずれも乳歯の近くに永久歯の歯冠の一部が見えていたのです。すなわち、生え代わるべき永久歯が乳歯の真下に生えず、ずれた位置で生えてきていたのです。そのため、僕はこれら乳歯を抜歯しました。その結果、今では永久歯の歯並びは問題なく生えてきているように思います。
このこと自体は正しかったことだと思うのですが、その反面、親として悩むことがあります。それは、上のチビが未だ乳歯が自然に脱落するような経験をしていないという事実です。上のチビの場合、これまでの乳歯と永久歯との生え代わりは、いずれも僕が乳歯を抜歯するという、人為的操作によって行ってきたのですが、上のチビは、永久歯と生え代わる乳歯は父親である僕が抜歯をすべきものだと思っているふしがあるのです。現在、上のチビには動揺し始めている乳歯があります。レントゲン撮影をしている限り、この乳歯と生え代わる永久歯の位置は全く問題ないように思うのですが、この歯に対して上のチビは
「この歯がもっと揺れてきたら、パパに抜いてもらうよ!」
と言い出しているのです。
思わず考え込んでしまった歯医者そうさん。これまで上のチビの抜歯は痛くないように工夫をしながら抜歯をしてきました。歯医者の息子なのに歯の治療を怖がっていては示しがつかない。そう思っていた僕は、歯の治療時、嫌な思いをさせないようにしてきました。特に、歯の治療時につきものの痛みに関しては麻酔の注射が必要なのですが、この麻酔の注射も痛くないように工夫をしながら行ってきました。このことは功を奏し、上のチビは歯の治療に対して恐怖感、違和感はないようになっています。ところが、乳歯と永久歯の生え代わりに関しては、どうも親に頼りすぎているきらいがあるのです。
これまで僕が行ってきた乳歯抜歯は専門的に問題ない行為だと思いますが、本来人間に備わっている自然に乳歯が脱落し、永久歯が生え代わるという経験を上のチビにも経験してほしいのですが、上のチビはそのことをむしろ怖がっているところさえあります。親として自分の子供に歯の治療に対する恐怖感、違和感を植えつけないようにしようとしたことが返ってアダになっているのかと、少々反省している今日この頃。
子育ては難しいと改めて思います。歯医者の息子としての特異な悩みかもしれませんが・・・。
8月25日(金)”シャツの裾をズボンの外へ出したくない”
今日の話は歯科関係の話ではなく、しかも、どうでもいい話なのですがお付き合い下さい。
以前にも書いたことですが、幼少の頃、僕の家族は漫画のサザエさん一家のような家族でした。すなわち、両親のみならず母方の両親や母の弟である叔父と一緒に暮らしていたのです。しかも、祖母のお母さんである祖祖母も存命でしたので4世代家族でした。そのせいでしょうか、幼少の僕は両親よりも祖父や祖母に面倒を見てもらった記憶の方が多いような気がします。
さて、幼少の僕が祖母に必ずしてもらっていたことがいくつかあるのですが、その一つが身支度でした。祖母は中でも遊びまわって服装が乱れた僕を時々捕まえては、服装の乱れを直してくれていたのですが、その時必ずやってもらっていたことがあります。それは下着のシャツを下着のパンツの中に、そして、上着のシャツをズボンの中に入れていたことです。
「あんた、シャツをズボンの外に出していたらだらしないわよ!」
と言われながら、祖母は何度もシャツをパンツやズボンの中に入れてくれたものです。祖母の行ってくれていたことは僕にとって日常で、これが当たり前だとばかり思いながら体が大きくなっていきました。
そんな僕にショックを与えることがありました。それは、学生時代のことです。あるサークルの旅行中、男友達と風呂へ入って上がった時のことでした。僕がいつもどおり下着のシャツを下着のパンツの中に入れようとすると、友人の一人が
「お前、シャツをパンツの中に入れているの?それって変じゃない?」
というのです。その後、友人たちと話をしたのですが、友人たちの大半が下着のシャツを下着のパンツの中に入れる派だったことに僕は驚かざるをえませんでした。
「シャツをパンツの中に入れないと冷えない?」
という僕の問いかけに、周囲の友人たちは大爆笑。
「何だか冷え性に苦しんでいるおばちゃんみたいだぞ!」
とからかわれたりしたのです。
それから、ここ数年、もしかしたらもっと経つかもしれませんが、今やカジュアルファッションではシャツの裾はスラックスやズボンの外へ出すことが当たり前になってきました。シャツの裾も以前のものに比べて短めに作られていて、スラックスやズボンの外へ出すことが前提で作られているようになっています。
そんなシャツをパンツやズボンの外へ出すという位置関係、僕は時代の流行なんだなと頭でわかってはいるのですが、体ではどうも受け付けられずにいます。先に書いたように、シャツをパンツやズボンの中に入れるという習慣が身に染み付いているため、40歳になった今でも僕は下着のシャツを下着のパンツの中へいれないと、そして、上着のシャツの裾はズボンの中へ入れないと落ち着かないのです。
一応、カジュアルファッションでは、今の僕でもシャツをズボンの外へ入れるようにしていますしが、内心はどうも落ち着かないのが実情です。何となく顔面が緊張しているようなところもあるように思えてなりません。誰も周囲にいなければ、直ちにシャツをズボンの中に入れたいぐらいです。
三つ子の魂百までとよくいったものです。ファッションの流行が変り、シャツをズボンの中に入れることが当たり前の時代になることを祈って止みません。
こんなことを書くと完璧なおっさんですけども・・・。
8月24日(木)”運が良い?”
先日、大学時代の友人T君から暑中見舞いをもらいました。毎年のように暑中見舞いを出してくれる律儀なT君なのですが、今年の文面ではこのようなことを書いていました。
”・・・・・おかげで、今年で自分の歯科医院を開業して7年が経ちました。経営は苦しいなりにも何とか一定数の患者さんが来院するようになってきたのはうれしい限り。これもそうさんのボクの運のおかげかな!”
僕は思わず笑ってしまいました。
今から7年前、T君は長年勤務していた歯科医院を辞め、某地に自らの歯科医院を開設しました。歯科医院を建設するまで、僕は何度かT君から相談を受けていました。僕のアドバイスがT君に役立ったかどうかは定かではありませんが、歯科医院が開院する前、僕はT君から是非見て欲しいと連絡がありました。僕としても断る理由はないので、お祝いを持ってT君の歯科医院を見に行くことにしたのです。
この時、T君の歯科医院への見学は僕のみならず、嫁さんとまだ1歳の上のチビも同伴しました。嫁さんもT君のことを知っていたためT君の新しい歯科医院を見たい希望があったからです。そうなると当時乳飲み子の上のチビも一緒に連れて行かないといけない。ということで、家族3人でT君の歯科医院へ伺ったのです。
実際に見学したT君の歯科医院は至るところに工夫が見られ、患者さんの目線からみれば親しみやすい雰囲気に出来上がっていました。僕が答えたアドバイスも取り入れられていて、僕としてもT君の歯科医院が他人のものとは思えないような感じにさえ思えたのです。
見学も佳境に入ったその時でした。突然、臭いにおいが漂ってきました。その正体は直ぐにわかりました。それは、上のチビがおしめの中にウンチをしていたのです。T君に許可を取り、その場で上のチビのおしめを交換しようとしたのですが、おしめを代えようとした時、上のチビのおしりの穴から突然追加のウンチが出てきたのです。
”これはえらいことになった!せっかくの新しい歯科医院を上のチビのウンチが汚してしまう!”
嫁さんと僕は直ちにウンチをふき取り、おしめを交換したのですが、T君にもこのことを伝え、頭を下げました。きれいに上のチビのウンチを始末したとはいえ、せっかくの真新しい歯科医院を上のチビのウンチで汚してしまったわけですから。
するとT君は笑いながらこう言ったのです。
「ぜんぜん構いませんよ、気にしないでくださいね。それよりも今日はそうさんのボクにいいうん(運)をつけてもらいましたよ、開設早々、うん(運)が良いですよ、ハッハッハ・・・・・・・。」
果たして、上のチビがいいウンをつけたT君の歯科医院は開設以来、順調に地元に定着しているようです。恥ずかしい気持ちながらも、これだったらもっと上のチビのウンをつけてもよかったかなあとさえ思った歯医者そうさんでした。
8月23日(水)”パイロットの歯の話”
現在、全国各地に歯科医院は66000所余りあります(平成16年度 厚生労働省 医療施設調査による)。一口に歯科医院と言っても千差万別であることは言うまでもありません。面白いことに特定の歯科医院では、特定の職業の患者さんが多い歯科医院があるのです。うちのように田舎の農家のおじさん、おばさんの患者さんが多いところもあれば、公務員の患者が多い歯科医院、大手企業の会社員の患者が多いところもあれば、先の日記にも書いたように堅気ではない患者さんが多い歯科医院あるものです。
今回の話は、某都市部で開業している僕の知人の歯科医院の話です。この歯科医院、何と航空業界の患者さんが多いのだとか。中でも国際線のパイロットやパイロット経験者が数多く来院する歯科医院なのだそうです。何でも最初から航空業界の方が患者さんに多かったわけではなかったそうです。その先生の懇意にしている方からの紹介で、急患として来院された患者さんがパイロットだったのだとか。その患者さんは先生の治療に満足され、以降、その患者さんが関係するパイロットが続々と来院するようになり、いつの間にか航空業界関係者が多数患者として来院するようになったそうなのです。
その先生から話を聞いたのですが、パイロットの口の中はある大きな特徴があるそうです。それは、全般的に歯が磨り減っているそうです。歯の磨り減り方は国際線のパイロットになればなるほど頻度が高くなるそうで、中には奥歯の根っこが割れ、抜歯をし、ブリッジを装着している方が多いのだとか。
パイロットといえば、一度に何百人もの乗客の命を預かる大変な仕事です。そのストレスたるや相当のものだと思います。そのため、無意識のうちに歯ぎしりしたり、かみしめたりしたりして歯に無理が生じていることは容易に想像できます。
興味深かったのは、国際線のパイロットの中には歯にほとんどトラブルを抱えていない方がいるのだとか。数多くの国際線のパイロットが歯のトラブルで苦しんでいる中、どうして特定の国際線パイロットの歯が健康的に維持されているのだろう。そのような疑問を感じた知人の歯医者が詳しく調べてみたところ、おもしろい共通点があったのだとか。それは、歯にトラブルを抱えていない国際線パイロットは、海外においても日本時間で過ごしているという事実だったのです。
海外に出かければ当然んのことながら時差が生じます。現地時間に合わせようとする日本時間との時差から体の生理状態がついていかず、時差ぼけが生じることは多くの人が知るところです。多くの国際線パイロットも時差調整に苦労しているそうですが、歯にトラブルを抱えていない国際線パイロットは常に日本時間で生活しているそうなのです。そうすることで、体の生理状態を常に日本時間にしているため、時差から生じるストレスを回避し、口の中の健康維持にもつながっているのだとか。
国際線パイロットと言えば、男であれば誰でも一度は憧れたことがある職業ではありますが、その裏側では、健康を維持するためには大変な努力をしていることを知った歯医者そうさん。
海外で日本時間で生活するというのは、一見すると簡単そうに聞えますが、実践するのは大変なことです。それができるということは、まさしくプロだと思わざるをえません。
8月22日(火)”歯医者も歯が命のはず”
先の盆休み中のことでした。何気なくテレビを見ていると、ある関西ローカル番組の一コーナーで歯周病をテーマにした特集が放映されていました。この手の番組は歯医者として興味があるものなのですが、その番組を見て僕が思わずため息をついてしまったことがありました。それは、その番組に出演していた歯医者の某先生の口元でした。
その先生の口元は、上下の前歯が乱杭歯だったのです。中でも、上の中切歯と呼ばれる真ん中の前歯には唇側に傾いていたのです。すなわち、出っ歯だったのです。そのため、上唇が外へめくりあがるような感じで、口を閉じようとしても上の中切歯が見えてしまっていたのです。
人は見た目で判断するのは間違っているかもしれません。ただ、テレビとは多くの視聴者が目で見るものです。どうしても視聴者は出演者の顔に視線が行かざるをえません。当然のことながら、出演者の口元も顔のパーツの一つとして見えてしまうものです。
かつて”芸能人は歯が命”というキャッチコピーが流行しましたが、これは実に言いえて妙だと思います。人前で露出せざるをえない立場の顔が商売道具なのです。それ故、芸能人は歯のことにも非常に敏感で、歯をよく見せたいがために、歯並びを治したり、時には自らの歯を削り、高価な被せ歯にしてして見た目をよくしているのです。
ちなみに、つい先ほど見ていたテレビコマーシャルで出ていた芸能人の中でも坂口憲ニ、井川遥、高島礼子などは上の前歯が全て被せ歯でした。
歯医者は歯の治療の専門家です。歯に関して様々な知識をもって当然なのですが、少なくとも自らの歯に関しても関心を払わなければならないのです。特に、テレビにでも出演する立場であるならば、大勢の人が見ても”さすが!”と思わせる歯でなければならないと思うのです。多くの人の見本となるべき歯を持つです。
ところが、今回テレビで見た歯周病の専門の歯医者の歯並びは、歯医者として目を覆いたくなるような歯並びのひどさだったのです。
この歯医者がラジオ番組に出演していれば、僕は何も文句は言いません。ところが、多くの視聴者が見ているテレビ番組である限り、あの歯並びのひどさは問題ではないかと感じたのです。正直言って、その番組に出演していた芸能人やアナウンサーの誰よりも歯並びが乱れていたのはこの歯医者だったのです。
番組の内容が歯周病の啓発といった内容でしたので、視聴者は解説をしていた歯医者の口元まで目が行かなかったかもしれませんが、同じ歯医者として、この番組に出演していた歯医者の口元は如何なものかと感じた次第です。これでは、医者の不養生そのものと思われても仕方がありません。
8月21日(月)”警察歯科医講演会に参加して”
最高気温が今季最高を示した昨日、僕はある歯科関係の講演会を聞きに行きました。その講演会は、警察歯科医会の最近の活動について報告をしたものでした。以前から警察歯科医の活動に興味をもっていたものですから、僕は参加してきたのですが、その講演会は僕の期待以上に興味深いものでした。
講演会は主に昨年4月に発生したJR福知山線脱線事故のことを取り上げていました。
冒頭で取り上げていたのは、脱線事故を起こした列車の当日の運行状況でした。具体的には、警察から提供を受けた自動列車制御装置の記録をグラフ化したものでした。この運行状況に関しては既にマスコミで取り上げられているものですが、実際にグラフ化、図示化した速度計や運行記録の動きを見てみると、事故を起こした列車の異様な運転状況がはっきりとしていました。始発の宝塚駅、そして、伊丹駅でのオーバーランの状態が克明にグラフに現れて、一目瞭然。まだ、国土交通省の交通事故調査委員会の最終的な事故調査結果が出ていませんので結論付けることはできませんが、事故の一因が当日の運転手の運転操作の異常である可能性は極めて高いように思えました。
列車の事故後、救助作業が遅々として進まなかったことは今も記憶に残っている方がいるとは思うのですが、その理由は列車が突っ込んだマンションに置いてあった車のほとんどが大破し、大破した車からガソリンやオイルが多量に流失していたためだったそうです。マスコミでは報道されていない事故現場の写真を何枚か見たのですが、現場の状況は想像以上の酷さでした。電気器具や火器を利用すれば引火し、救助作業が遅れるどころか二次災害に至る可能性が高かったことは容易に想像できました。救助作業は手作業に頼らざるをえなかったのは仕方のないことだろうと思いました。
このようなことがあったにも関わらず、救助作業は事故発生から3日間で完了したのはこれまでの同様の列車事故では例がなかったのだとか。その理由は、死傷者の多くが何らかの荷物を携帯しており、荷物の中に身元を証明する身分証明書や免許証、保険証などを持っていたからだったとか。また、事故が河川や海辺で起こったものではなかったため、死傷者や身元を証明できる荷物が散乱しなかったこと、二次災害としての火災が起こらなかったことも大きく影響していたのだとか。兵庫県の警察や消防の救助活動そのものも、11年前に発生した阪神大震災の経験が生かされていたとのことでした。
さて、JR福知山線事故のご遺体の写真も見ることができました。これら写真は今の時点では一般に公開されるものではありません。その理由は、事故の原因が特定されていないこと、それから、JR西日本と遺族との補償交渉が現在行われていること、そして、ご遺体の写真があまりにも強烈なものであるからです。今回は、歯科専門家に対する警察歯科医の活動を啓発する、専門家対象の講演会でしたのでご遺体の写真を見る事が出来たのです。
あるご遺体の写真と生前の写真を見比べることができたのですが、これが同じ人間かと思われるぐらい変わっていました。顔は腫れ上がり、至る所に出血の跡や紫斑が多発していました。その顔の変り具合は、ご遺体の遺族が本人と確認できないくらいだったのです。ご遺体には本人を表す証明書の類がなかったこともあり、最終的に歯の状態を警察歯科医が鑑定することで身元を特定することになったのです。遺族の方が身内と思われる方が生前に通っていた歯科医院からレントゲン写真とカルテ記録、模型などを持参し、警察歯科医がご遺体と照合した結果、本人と判明したとのこと。
その後、その遺族は号泣したそうですが、警察歯科医の一人がその遺族を声をかけたそうです。その警察歯科医は21年前に日本航空機墜落事故で身内を亡くした方で、自分の経験をまじえご遺族に声をかけていたことが印象的だったとのことでした。
実際に警察歯科医が遺体を鑑別したのは5件だったそうですが、その5件は遺体の損傷が激しく、また、身元を確認する書類がなかったため、最後に口の中の歯の状態で確認したいということだったそうです。そのため、警察歯科医は全ての遺体の身元が判明するまで24時間体制で現場近くの体育館で待機せざるをえなかったそうで、身元遺体が判明するまでの3日間、待機していたそうです。これら警察歯科医は、普段は一般の歯科医と同様、自分の歯科医院で患者さんの治療を行っています。そういった仕事を犠牲にしてまで現場に駆けつけ捜査に協力しなければいけない立場なのです。警察歯科医の活動の過酷さの一端を垣間見たような気がしました。
実際の救助活動においては予想もできなかった混乱もあったそうです。それは個人情報保護法との絡みだったとか。昨年の4月から個人情報保護法が施行されたのですが、死傷者が運ばれた病院の中には個人情報保護法の運用解釈の混乱から死傷者に対する情報公開を渋った病院があったのだとか。そのため、事故調査を行う警察や身内を捜している家族とのトラブルが起こり、現場は大混乱に陥ったそうで、結局、警察が根気強く事情を説明し、死傷者の情報公開が個人情報保護法に抵触しないことを説いてまわったのだとか。
講演会は、その後JR福知山線事故から他の事件における警察歯科医の活動紹介があったのですが、これはまたの機会に話をしたいと思います。それにしても昨日は数多くのご遺体の写真を見ました。ご遺体には非常に失礼なことだと思いますが、あまりにも変わり果てたその姿は言葉にすることができない悲惨なものでありました。人間の体というもの、生きていないとこれほど変ってしまうものかということを痛感しました。
改めてJR福知山線事故で亡くなった方のご冥福を祈りたいと思います。
8月18日(金)”ロシアンルーレット”
お盆休み前のある日、診療中に予約外の患者さんが来院されました。その患者さんはFさんという方で、何でも前日の夜から歯が痛かったとのこと。夜も満足に眠ることができず、市販の痛み止めを飲んではみたものの痛みが止まらなかったためうちの歯科医院に来院されたのでした。
実際に診てみると、左上奥歯の歯肉が腫れていました。歯肉の腫れの原因はどうも歯周病によるものと思われました。問題の歯の表面には歯垢が多く付着しており、その一部は歯石になっておりました。歯肉を診てみると、歯肉は赤く腫れあがり、表面がぶよぶよしていたのです。どうも歯肉の内部で歯周病菌が化膿し、膿が溜まっているようでした。問題の歯のレントゲン写真を撮影し、画像を確認した僕は、患者さんに現状を説明し、歯肉の表面を切開し、内部に溜まっているであろう膿を出さないと症状が治まらないことを説明しました。Fさんも僕の説明に納得されたようで僕は早速、麻酔の注射をして歯肉を切開。すると、歯肉の裂け目からは黄白色の膿が出てきました。何度か患部を洗浄した僕は、切開した部分にゴム製のドレーンと呼ばれるものを挿入しました。
通常、人間の体は表面に傷がつくと直ちに傷が閉じるような仕組みになっているのですが、膿を出す際、内部の膿が完全に出てしまうまで切開した部分が閉じては困るのです。そのため、切開した部分が閉じないように何かを挿入しなければなりません。この何かがドレーンと呼ばれるものなのです。ドレーンはガーゼであったり、ゴムであったり、シリコン系のチューブなど様々なものがあります。今回僕がFさんの患部に用いたのはゴム製のものでした。
切開とともに必ず行わないといけないのが、薬の投与です。膿の原因となっているばい菌をたたかないといけません。その際必ず必要なのが抗生物質です。抗生物質を内服したり、場合によっては点滴で投与することにより膿の原因となるばい菌を殺菌しなければならないのです。Fさんの処置を終えた僕は、Fさんに抗生物質を処方したことを伝え、薬の飲み方を説明しました。
治療と一連の説明が終わった頃、Fさんはおもむろに僕に質問をしました。
「先生、実は今晩呑み会があるんですけど、お酒の方はどうでしょう?」
この手の質問はしばしば遭遇する質問です。僕はいつものように答えました。
「歯医者として言わせてもらうならば、アルコールと薬を一緒に飲むことは勧められません。薬の薬効がアルコールによって予想もできない影響を体に与えることがあるからです。予想以上に薬が効きすぎて副作用が出てしまうことがあるんです。そのような危険性があることを僕はFさんに勧められません。」
Fさん、何か思うことがあるような口ぶりで
「ほんの少しならいいでしょうか?」
「僕の考えは先に伝えたとおりで、薬を飲んでいる間はアルコールは控えて欲しいということです。僕の意見を受け入れるかどうかはFさん次第ですよ。」
僕の意見に頷かれながらも複雑そうな表情をしていたFさん。
翌日、Fさんが来院しました。経過を見るためだったのですが、幸いなことに腫れは前日より小さくなっていました。
僕はFさんに現状を説明し、今後の治療について話をしたのですが、最後に尋ねました。
「Fさん、昨日はお酒を飲ましたか?」
すると、Fさんは苦笑いしながら
「実はほんの少しだけ飲んでしまいました。」
「体調は大丈夫そうなので結果オーライといったところですかね。あまり感心できたことではありませんが。参考までにどれくらい飲まれました?」
「ビールだけでしたよ。ほんの中ジョッキー5杯程度でしょうか。」
いろいろと話を聞いてみると、Fさんにとってビールというのは水みたいなもののようで中ジョッキー5杯ぐらいは飲んだうちに入らないのだとか。Fさんにとってほんの少し飲むというのは中ジョッキー5杯程度だったわけですね。
ちなみに、Fさんは高知県出身なのだとか。Fさんの感覚では、飲めるクチというのは一升瓶単位だそうで、日本酒を一升瓶単位で何本飲むかどうかで飲める飲めないを判断するのだそうです。Fさん曰く、自分は一升瓶を空けるくらいが精一杯なんだとか。
確かに薬とアルコールを同時に飲んで大丈夫な方もいらっしゃることでしょう。但し、誰でも大丈夫かというと決してそうではありません。少なくとも薬を水と同時に服用した場合とくらべ、アルコールと服用すると薬の副作用が体に現れるリスクは確実に高いものがあります。
Fさんにも伝えたとおり、薬をアルコールと一緒に飲むか飲まないかを最終的に決断するのは患者さん自身です。医者が飲まないように指導しても敢えて薬をアルコールと一緒に服用されるなら、そのことを医者は止めることはできません。ただし、これはロシアンルーレットのようなもので、一種の危険な賭けです。
医者が処方をした薬を実際に飲むのは患者さんです。患者さんにはそのことを十分に肝に銘じて欲しいものです。
8月17日(木)”そうさん ホラー映画になる!?”
お盆が終わり今日から仕事が再開という方が多いように思いますが、皆さん如何お過ごしでしょうか?うちの歯科医院でも今日から診療再開です。気持ち新たに頑張らないといけないと思っております。
さて、お盆が過ぎたといっても夏はまだまだ続いております。厳しい暑さとはしばらく付き合わないといけないわけですが、この厳しい暑さをしばし忘れさせてくれるものの一つに怪談なんてものがあります。暑い夏の日の夜、周囲を暗くして心霊現象やおばけの話、恐怖の体験などを聞くと身震いがし、暑さを感じなくなった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんなおり、この方からある情報がもたらされました。それは、僕がホラー映画になったという話だったのです。この話を最初に伺った時、僕は思わず耳を疑いました。普段、患者さんの口の中の診療に勤しんでいる身であるのに、どうして僕がホラー映画に取り上げられたのか全く理解できなかったからです。以前、僕はこの日記の過去ログを読んだ某新聞社の記者の取材を受けたことがあるのですが、その際にも何度かメールでやりとりをし、段取りを決めたのですが、今回の映画の話は僕は一切関知しないまま進んでいたようなのです。しかも、映画といってもただの映画ではありません。ホラー映画なのです。これは幾らなんでも問題があるんじゃないか?そう思った僕はこの方からの教えてもらったサイトへ飛んでみました。
SAWV イコール ソウ3 だったわけですね・・・。
SAWという一連のホラー映画が斬新なストーリーと凄絶な恐怖描写が話題を呼び、マニアの中では好評だったようなのです。今回その第三弾がアメリカで公開されるに先立ち、2枚のポスターが公開されたのです。
そのポスターなのですが、見てもらえればわかるのですが、歯を抜かれたらしい男性の痛々しい口元と抜歯した歯が3本並べたポスターがあるではありませんか?
SAWV イコール ソウ3 イコール そうさん・・・。
ハッハッハッハ・・・。
あまりにもはまりすぎて、苦笑いしてしまった歯医者そうさん。
この映画、一度見てみたいものです。
ただ、僕はホラー映画って好きじゃないんですけどねえ・・・。
8月16日(水)”精霊送りを愚弄する不届き者”
昨日でお盆が終わりました。全国各地ではお盆を田舎で過ごされた方が戻られるUターンラッシュがあることと思われます。僕も何度かUターンラッシュに遭遇したことがありますが、仕方が無いこととはいえ疲れるものなのですよね。どうか田舎から戻られる方はお疲れなど残らぬよう体調の管理には気をつけて頂きたいと思います。
さて、お盆の最後の行事として行われることに精霊流し、精霊送り、仏送りといったものがあります。お盆に各家に戻ってきていた先祖の霊を極楽浄土へ再びお見送りするという日本独特の仏教行事なのです。元来は先祖の霊だけでなく、先祖の霊に対し供養物を一緒に川や海へ流したり、河川で焼いたりしていました。
以前、我が家でもお盆の時期には毎年仏送りを行っていました。お盆の中で最も精霊を感じた瞬間でありました。何だか自分の体が清められるような感じさえしたものです。
この精霊送り、仏送りに対し、嫁さんの故郷の市の仏教界では下のような通達を檀家の人たちに出したそうです。
○○川の精霊送りについて
毎年、8月15日は○○川で仏教会主催の精霊送りを○○市社会福祉協議会のご協力のもと実施しております。この行事はお盆のお供え物などを河川に流し供養していたものを戦後河川の浄化のため仏教会が河原で焚き上げ供養することにより今日まで続けてまいりました。
しかし、近年お盆とは関係ない仏壇、仏具、神棚などが持ち込まれるとともに分別の呼びかけを無視して生物や不燃物などを火の中に投じられる方々が増加し、精霊への送り火が黒煙と悪臭を伴う○○市のお盆のごみ処理のためのごみ焼きとなっているのが現状です。
このような状況を変えるために毎年検討してきましたが、○○市の主催行事と勘違いされる方が多く、呼びかけにも応じて頂けませんでした。
そこで、今年は従来の方法ではなく下記の時間に供養の受付をされた方のご回向や護摩様式の焚き上げで厳収し、精霊への送り火供養とすることをお知らせ致します。
できるだけお盆のお供え物などはご家庭で処理して頂き、初盆の提灯や仏壇仏具などの処理は仏具屋さんにお願いして下さい。
精霊への感謝の送り火を実施することは皆様のご協力が不可欠です。環境、ごみなどの問題も含め、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。
精霊への感謝をすべき精霊送り、仏送りの際に、自らの家で不要となった仏壇、仏具、神棚、不要ごみなどをどさくさにまぎれて焼却している不届き者が後を絶えないというのです。このような不届き者を見つけて注意をしても、精霊送り、仏送りが市の行事だと勘違いし、税金を払っているのだから自分たちの家で発生したごみを出しても問題はないと言い張る輩が少なからずいるのだとか。
最近、日本人の道徳感、モラルが乱れているのは多くの人が知るところです。何をやろうが自分がよければそれでいい。他人に迷惑をかけようが関係ない。そんな利己主義的な輩が年々増えてきているようです。そのような輩はお盆に対する情など一つもないのでしょう。精霊送り、仏送りをごみ処理の野焼きとしか考えていないのです。自分の先祖に対しつばをかけるような冒涜行為ではないのかと思わざるをえません。僕は心霊や霊験といったものがあるかどうかわかりませんが、もし、そのようなものが存在するならば、精霊送り、仏送りにごみを焼却してしまうような不届き者には天罰が下っても仕方がないのではないでしょうか。お盆の終わりに行われる心休まる精霊送り、仏送りに行われるごみ処理話。精霊送り、仏送りを愚弄しているとしか言いようがありません。余りにも情けない話で怒り心頭だった歯医者そうさんでした。
8月12日(土)”迷惑メールタイトルに突っ込み”
皆さん、こんにちは。暦では立秋を過ぎてはいるのですが、毎年の事ながら今頃は暑い日が続いております。僕もうだるような暑さの中でグロッキー気味。唯一の救いは明日から15日までうちの歯科医院ではお盆休みであります。小休止といったところです。
暑い中、日記を書く意欲も失せてきつつあるのですが、今日はお盆休み前の特別バージョンというわけでもありませんが、いつもうっとおしい、大量にやってくる迷惑メールのタイトルに若干のコメントをつけてみることにします。
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こっちは暑くて仕方がないねん。うっとおしいだけや!
だめでしょうか・・・こうすれば信じて頂けますか?
そもそもこんなメール出す奴、誰が信用するねん。アホちゃうか!
低金利ご融資で生活にゆとりを。
融資じゃなくて、金をくれ、金を!
突っ込めば突っ込むほどうっとおしくなってしまいました・・・・・。
それにしても迷惑メールのタイトルって面白いですね。国語力の貧弱さが見事に現れております。こんな迷惑メールを作る人、もうちょっとセンスあるタイトルをつけてみては如何でしょうか?まあ、センスあるタイトルつけてみたところで、僕は迷惑メールは受け取った時点で直ちに削除するだけですけども。
8月11日(金)”歯医者を捨てミュージシャンへ”
昨日、診療の合間の昼休みの時間帯に何気なくネットサーフィンをしているとこのような記事に出くわしました。
何でも戸田康平という新人シンガーソングライターのデビュー曲が某テレビのドラマ主題歌に選ばれたとのこと。戸田康平は、現役歯科医師の職をを辞めてまでミュージシャンで、デビュー曲は有線チャートでは最高24位を記録するなど、じわじわと支持を増やしている注目の新人ミュージシャンの一人なのだとか。
歯医者の職を投げ打ってまでミュージシャンの道を進むとは余程のことだったと思います。何でも戸田康平は学生時代から音楽活動をしていたようですが、歯医者になってからも音楽に対する情熱が収まらず、歯医者の仕事と掛け持ちしていたそうです。ところが、時間のやりくりがうまくいかず、結果としてミュージシャンだけで飯を食う決意をしたのだとか。
僕は戸田康平の選択は正しかったと思います。なぜなら、歯医者にせよミュージシャンにせよプロとして生きていくために片手間でやっていけるような仕事ではないからです。それなりの知識と技術、経験を積むには時間をかけないと仕方が無く、二つの仕事を掛け持ちでするには体が二つあればできるかもしれませんが、そうでなければ無理だというもの。どちらの仕事も中途半端なレベルにしか達しないと思うのです。同じ仕事を追求していくなら、一つの仕事に専念することが一番ではないでしょうか。そういった意味で、戸田康平が歯医者の仕事を諦め、ミュージシャンの仕事に専念することは結構なことではないかと思います。
それにしても、周囲の人たちはよくも賛成してくれたことだと感心します。歯医者の仕事はどちらかというと堅い仕事の側面が強いのに比べ、ミュージシャンの仕事は、例え才能があったとしても、海のものとも山のものともわからない側面があります。運が見方をする要素が強いもの。今回、こうやってマスコミに取り上げられデビュー曲が有線チャートをじわりと上昇し、テレビドラマの主題歌にも選ばれるというのは戸田康平が持っている運の強さがあるのかもしれません。
同じ歯医者として、彼の今後を期待したいものです。
ところで、以前にも書いたことではありますが、歯医者がらみのミュージシャンとなると、戸田康平のように現役歯医者からミュージシャンに転じた人で真っ先に思い出すのは、サエキけんぞうかな。ミュージシャン活動をし始めた初期は、某歯科大学の研修生だったようです。
大学の歯学部や歯科大学に入り損ねたミュージシャンとしては、井上陽水、谷村新司がいます。歯医者の道に進まなくて大正解だったんじゃないでしょうか、お二人の音楽活動を見る限りは。
クラシックの世界では、名フルート奏者のアンドラーシュ・アドリアン。彼もドイツの某歯科大学を卒業し、歯科医師免許を取りながらもフルートの道に専念しましたね。既に亡くなりましたが、かつての名指揮者ユージン・オーマンディはお父さんが歯医者でありました。音楽好きが高じて息子をミュージシャンにさせてしまったのです。指揮者でいえば、日本が誇る世界の小澤征爾もお父さんは歯医者でした。旧満州で奉天で歯医者をしていたらしいのですが、実際は政治活動に身を投じ、ほとんど歯医者をしていなかったのだとか。そうそう、小沢健二は小澤征爾の甥でした。
先日、先輩の歯医者の先生に教えてもらってびっくりしたのですが、ジャズミュージックの巨匠中の巨匠、マイルス・デイビスのお父さんも歯医者だったそうです。アメリカはミズーリ州東セントルイスでお父さんは大変有名な歯医者だったのだとか。マイルス・デイビスは僕のお気に入りのミュージシャンの一人だったのですが、僕と同じ歯医者の息子だったということでより親近感がわきそうです。
8月10日(木)”笑って見る、笑って納める”
昨日、親父が僕に自筆の手書きの文書を持ってきました。親父曰く
「この文書をワープロで打ってくれないか?」
パソコンのパの字も知らない、全くパソコンに触ろうともしない、デジタルディバイドされた親父はいつも僕に自筆の文書をパソコンのワープロソフトで作るように頼んできます。僕も毎度のことなので特に嫌でもなく仕事の合間にワープロソフトで作るのですが、今回親父が書いた文書の中にこんな文言がありました。
資料を同封しておりますので御笑覧頂ければ幸いです。
以前、僕が勤務していた病院の上司の先生が僕宛にある専門書を送ってきました。その専門書はその上司の先生が著者の一人として書かれた本で、かなりの大作だったのですが、郵送されてきた専門書には一筆箋が同封されていました。
一筆箋には簡単な専門書の紹介と共に末尾にこのような文言が入っていました。
どうぞ御笑納下さい。
元来日本語の国語力が乏しい僕ですが、最初に御笑覧や御笑納という言葉に出会った時には新鮮な驚きを感じました。なぜなら、人様にお願いをする文言に”笑”という文字が入っていたからです。
”人様にお願いするのに笑ってお願いするとはどういうことだろう?”
このような疑問を感じた僕は、早速漢和辞典を紐解きました。その結果、笑覧とは自分の物を他人に見せる時の、笑納は自分の贈り物を相手が受け入れてくれることを望む意味の謙遜語であることを知りました。
文字通り解釈すれば、笑覧とは笑って閲覧することになるでしょうし、笑納とは笑って納めることになるでしょう。正直言って、初めて笑覧や笑納といった言葉使いを見た当初、僕は何てふざけた言い回しなのだろうと感じたのですが、実際はいずれも謙遜の意味として使われているのです。相手に対して寛大な心で笑みを浮かべながらでも読んでやってほしい、受け取ってほしいという意味の言葉なのですね。本来の意味を知った僕は、日本語とは何と奥深い言葉なのだろうと感じました。
もちろん、日本語以外の言葉を馬鹿にしたり軽んじているわけではありませんが、僕の貧困な発想では、”笑”というのは面白おかしく言ったり、相手の表情や言動の滑稽さに対する表現の一つだと思っていました。ところが、笑覧や笑納には、相手にへりくだる様子を”笑”で表現しようとしているのです。
笑覧、笑納という言葉には相手を大切に思う態度が込められている。そのような相手を思う気持ちが背景にあった中でのやりとりまでが目に浮かぶようです。
相手にへりくだる敬語の一つである謙譲語に”笑”を取り入れた発想に僕は心打たれました。
今では、笑覧や笑納は実に良い響きの言葉だと思えるようになった歯医者そうさん。今後、他人に何かを見せたり、送ったりする際には、是非とも笑覧や笑納といった表現を使えるようになりたいですね。
8月9日(水)”名人には名人の苦労がある”
先月のことですが、僕はある歯科関係の講演会を聴講してきました。その講演会には入れ歯作りで名人と呼ばれている先生の一人、A先生が講演されました。
僕自身、日頃の診療で入れ歯は毎日と言っていいほど接しているものです。歯医者になってから15年間、自分なりに勉強をしたり、先輩の先生にアドバイスを求めたりしながら経験を積んできたつもりですが、診療すれば診療するほど疑問がわいてきます。これまでも何度か高名な入れ歯作りが上手な先生の講演会やセミナーには参加してきたつもりですが、A先生の講演会はこれまで受講してことがなかったので講演会へ参加してきたのです。
実際に受講したA先生の講演は、僕の当初の予想以上にすばらしいものでした。A先生の卓越した理論とその実践テクニックはA先生の試行錯誤から生まれたものではあったのですが、非常にシンプルにまとまったもので、僕がこれまで悩んでいた多くのことが解決するような、目からうろこが落ちるような内容が満載でした。A先生の講演会の後、A先生のやり方を実践したのですが、なるほど、僕のような不器用な歯医者でも簡単に実践できることを確認することができました。A先生の理論のすばらしさを改めて感じた次第です。
そんなA先生ですが、講演の終わり頃、こんなことを言っておられていました。
「私は歯医者になってから30年経ちます。曲がりなりにも入れ歯作りの専門家として多くの人に知られるようになりました。それでは、私の診療は楽になったか?ということになりますとそれはむしろ逆で、多くの先生や入れ歯で何軒も歯科医院を移っている患者さんが多数私の元を訪れるようになったのです。このこと自体は有り難いこととは思うのですが、いずれのケースも臨床的に非常に困難なケースで、患者さんの前では笑いながら話をしていても、心の中では”どうしてこんな難しい状態にしてしまったんだ!”と叫んでおります。」
入れ歯作りの名人として名前が世に広がれば広がるほど、その名声を頼りに多くの歯科医院で対処が難しいと言われるような患者さんが多数A先生の元を訪ねるようになったというのです。僕は以前受講した講演会で、同じく入れ歯つくりの名人と呼ばれている某先生がA先生の診療所を見学した時のことを言われたことを思い出しました。
「1週間ほど朝から晩まで高名なA先生の診療所で見学させてもらったことがあったのですが、診療開始前にいつも目にする高齢の患者さんがいるんですよ。私もその患者さんの口の中を診させてもらったのですが、とてつもなく難しい症例でした。入れ歯作りで右に出る人がいないと言われているA先生でさえ対応に苦慮されている患者さんがいるんですよ。」
僕のような凡人からみれば、名人と呼ばれる人は何でもできる万能のスーパースターのように思えるのですが、名人は凡人にはわからない悩み、苦労というものがあるようです。何事においても追求していこうとすると奥が深いものであることを改めて実感した歯医者そうさんです。
8月8日(火)”ディズニーランドで見たリスク管理の一端”
毎日暑い日が続きますが、読者の皆さんは如何お過ごしでしょうか?僕は、幸いなことに冷房の中で仕事をしているわけですが、手だけは別世界です。暑さのせいで使い捨てグローブの内側は汗だく、時折、グローブから汗が滴り落ちる有様なのです。一人の患者さんの治療が終わればグローブを交換しますが、処分するグローブの中には汗が一杯。何だか汗が体から奪い取られているような気がしてなりません。毎年の夏のこととはいえ、当分の間、グローブの中の汗と格闘しなければならないのはうっとおしいものです。
さて、今日も先週訪れた東京ディズニーランドネタをもう一つ。
東京ディズニーランドを訪れる誰もが楽しみにしているショーの一つがディズニーマジック・イン・ザ・スカイと呼ばれる打ち上げ花火でしょう。東京ディズニーランドの名物ショーの一つであるエレクトリカルパレード・ドリームライツが行われた後、午後8時半から東京ディズニーランド上空にディズニーミュージックに合わせて色鮮やかな花火が打ち上げられるのです。
まばゆい電飾の光につつまれ、幻想的とでも言えるエレクトリカルパレード・ドリームライツに感動の余韻に浸っていた僕たち家族は、午後8時半から行われるディズニーマジック・イン・ザ・スカイを心待ちにしていました。華麗な打ち上げ花火を期待していたのです。午後8時半前、何発かの花火を打ち上げる音が聞こえてきました。本格的な花火を打ち上げる前に行われる試し打ち花火でした。間も無く夜空を彩る打ち上げ花火を見る事ができる。そんな期待に胸を膨らませながら午後8時半を待ちました。
ところが、突然、アナウンスが聞こえました。
「午後8時30分から予定しておりましたディズニーマジック・イン・ザ・スカイですが、上空の気流の状況が芳しくないため、本日は中止致します。」
昨日も書いたことですが、僕たち家族が東京ディズニーランドを訪れた時は猛暑ではなく、最高気温が30度という真夏にしては涼しい気候でした。しかも、時折海から適度な風が吹いていたのです。この傾向は夜になっても変らず、いや、夜になると海風が吹いていたのです。その風による影響で、ディズニーマジック・イン・ザ・スカイは中止にせざるをえなかったのだと考えられました。
せっかくはるばる関西から東京ディズニーランドをやってきて名物ショーであるディズニーマジック・イン・ザ・スカイを直前になって見る事ができなくなったことは非常に残念でしたが、その一方で僕は感心しました。それは、東京ディズニーランドがリスク管理もしっかりとしていることがわかったからです。多くの観客が待ち受けているディズニーマジック・イン・ザ・スカイですが、打ち上げ花火は東京ディズニーランド内から打ち上げます。そのため、打ち上げた花火が気流の関係で観客の方へ行くようなら大変な事故が起こりかねません。特に、風などの気流の影響は当日の夜でないと判断ができません。東京ディズニーランドでは、中止を判断する場合も少しでも迅速に判断をし、中止と決定すれば直ちに観客にアナウンスする。そうした態勢ができていたのです。
東京ディズニーランドを訪れる観客が無料で手にすることができるパンフレットには”上空の気流の影響により、打ち上げ位置の変更や中止になることがあります。また、チリなどが降りかかる可能性があります”と注意書きが書いてありました。観客がリスクを背負う可能性があるショー、アトラクションには積極的にリスクの可能性を情報公開し、そのリスク回避のためにはショー、アトラクションの中止も厭わない。僕はそうした東京ディズニーランドの徹底したリスク管理態勢に思わず感心しました。東京ディズニーランドは単に訪れる観客を楽しませるエンターテイメントを見せる努力をしているだけではなく、観客が安心して楽しむことができるよう、リスク管理も徹底している。そのように僕は感じました。
昨今、流れる水のプールで吸水口に吸い込まれ女児が死亡する事故がありました。この死亡事故では、プールを管理する市や管理会社のリスク管理の甘さが批判されています。報道によれば、吸水口の危険性は以前から指摘され続けられていたのに、そのまま放置していた結果、今回のような大惨事につながったとのこと。リスクは回避しようと思えば回避できたはずなのに誰も対策を講じてこなかったことが今回の大惨事の最も大きな問題点だということが言えるでしょう。今回の大惨事は人災なのです。
それに比べ、東京ディズニーランドのディズニーマジック・イン・ザ・スカイの中止の手際はリスク管理の一つとして見事だと感じました。毎年、多くの観客を日本国内のみならず世界中から集める東京ディズニーランドですが、そのすばらしさはアトラクションやショーなどの良質なエンターテイメントを提供しているだけではなく、万が一のトラブルにも迅速に対応できるリスク管理と徹底されているのではないかと思いました。その根本はお客様第一主義があることは言うまでもありません。
僕自身、一零細歯科医院の院長でもあります。歯医者であると同時に歯科医院の経営者でもあります。患者さんをお客さんと考えるということに関しては議論の余地があるかもしれませんが、患者さんを第一に考えるという観点においても、東京ディズニーランドのリスク管理態勢には学ぶべきところが多いと感じた次第です。
8月7日(月)”ディズニーは歯医者嫌い?”
歯医者さんの一服開設4周年に多くの心温まるメッセージを頂き、有難うございます。改めて読者の皆さんの有り難さをしみじみと感じる今日この頃です。レスをしていないメッセージが多々ありますが、今しばらくお待ち下さいね。
さて、レスが遅れた理由にもなるわけですが、以前に書いていたように僕は家族旅行で東京ディズニーランドへ出かけておりました。生まれて初めてのディズニーランド。東京ディズニーランドの見るべき、押さえておきたいアトラクション、ショーなどを教えて欲しいとお願いしていたところ、こちらも多くの情報を頂きました。これら情報と事前に調べた情報を元に計画をたて、いざ東京ディズニーランドへでかけたわけですが、結果的には非常に楽しむことができました。一番心配していた暑さですが、幸いなことに僕たち家族が訪れた頃、東京方面は最高気温が30度ぐらいと平年と比べてやや低めでしたので、野外でアトラクションを待つことに関してはさほど苦にはなりませんでした。ただし、東京ディズニーランド内は予想していたよりも広かったこと、そして、人気アトラクションには長蛇の列でしたので、当初予定していた全てのアトラクションを楽しむことはできませんでした。この辺りは心残りがありますが、チビたちは概ね満足しておりました。
実際に東京ディズニーランドへ足を運んでみると、東京ディズニーランド、というよりも東京ディズニーシィーも含めた東京ディズニーリゾート全体に関して言えることかもしれませんが、リピーターが多い理由がよくわかりました。それは子供のみならず大人も楽しめる仕掛け、演出が至るところで設けられているからです。ディズニーといういうとどうしても子供のアニメの印象が強かったのですが、実際にショーやパレードを見てみると、これでもかというくらい豪華で派手でありながらも惜しみなく観客にサービスしてくれていることがよくわかります。嫁さんが言っていましたが、これぞエンターテイメントといった感じで、子供だましではなく、全てが本格的に作られているところがどの年代も楽しむことができる、そして、何度も訪ねたくなる雰囲気を醸し出しているのではないかと感じました。我が家でも、今回だけでなく、近い将来もう一度行ってみたいという声が子供だけでなく、大人である僕たち夫婦の共通の感想でした。
ところで、広い東京ディズニーランドを歩いているとこんなものを目にしました。
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たしか、ウェスタンランド内をうろついているふと目にしたものなのですが、看板をよく見てみると
Painless Dentist、すなわち、痛くない歯医者という意味の歯科医院の看板なのです。しかも、下の奥歯の絵を入れた直ぐ下には、院長の名前としてDr. I. Teeths、歯牙先生といったものも書かれていました。
ご存知の方が多いでしょうが、ウェスタンランドというのは19世紀のアメリカの西部開拓時代の世界を再現したアトラクションが並んだエリアなのですが、その一部に当時の歯医者までが再現されているとは思いもしませんでした。当時の歯医者が写真のようなものだったかどうかはわからないのですが、まさかディズニーランド内に歯医者があるとは予想もしなかっただけに思わずカメラのシャッターを押した次第です。
実際には、建物だけで歯医者はいませんでしたけれども・・・・・。
以前、アメリカの某有名雑誌のアンケートで最も嫌いなものは何かという質問があったのですが、その回答の上位トップ3以内に歯医者という回答がありました。アメリカでも歯医者はあまり良いイメージでは捉えられていないものだと思っていましたが、今回の看板に書かれていた”Painless Dentist”を見てみると、世の東西に関わらず歯医者というのは”痛い”というイメージが定着していることを改めて実感しました。
それにしても、看板に”Painless Dentist”、痛くない歯医者、そして、院長の名前に”Dr. I. Teeths”、歯牙先生と書いていたのには思わず笑ってしまいました。
ディズニーは歯医者嫌いだったかもしれませんね。
8月1日(火)”サイト開設4周年”
今日は8月1日です。おかげさまで歯医者さんの一服は四周年を迎えることができました。
思い起こせば4年前の今日、第一回目のテキストを書きアップしたのですが、どれくらいの方が僕のテキストを読んでくださるのか期待と不安で一杯だったことを今でも昨日のことのように覚えています。あれから4年、いろいろなことがありました。様々な方からメールや掲示板に書き込みを頂きました。感想、賛成、反対、提案、意見、間違いの指摘等々、どのメールも掲示板への書き込みも僕にとっては有難いものばかりでした。
不思議なもので、日記を書き続けていると他の日記書きさんとの交流もでき、中には直接お会いすることができた日記書きさんもできました。こうしたことは僕にとってかけがえのない財産となりました。
今はウィークエンド以外は基本的に更新していますが、日記を書くことは、もはや僕にとって生活のリズムの一部となりました。ただ、日記を書くことはかなりの労力を使います。歯医者としての診療や歯科医師会関係の仕事、某専門学校での講義、PTA関係、家庭での様々なことの合間に書くことは正直言って大変です。もう日記を書くのは止めようと思ったことは数え切れません。それでもここまでやってこれたのは、僕の書く駄文を読んで下さる皆様のおかげだと思います。
今日から歯医者さんの一服は5年目を迎えます。今後どれくらい歯医者さんの一服を続けることができるのか、僕にもわかりません。インターネット上では、多くの日記やブログが現れては消えていっているのが現状です。今では歯医者さん関係のブログも多数存在しますが、歯医者さんの一服はそんなブログ、日記の中でも息が長いサイトの一つではないかと自負しています。歯医者さんの一服がどのような運命をたどるか予想もつきませんが、できるところまで続けていこうと思う、今日この頃。
とにもかくにも、今後とも読者の皆さんにおかれましてはこれまでと同様、お付き合い頂きますよう、よろしくお願い致します。
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