ネパールで考えた  
   国際結婚について


在日ネパール人Sさんとのメール交換より

 「国際結婚について」考えることは、「国際結婚について」単独のことだけでなく、他の色々な事柄・問題も考えることになります。
 そして意見をくださる方との意見交換をしている中で、追加で記していきたいことが出てきましたのでまとめてみました。

文字情報なのでコピー&ペースト又はダウンロードして後でゆっくりお読み下さい。
オンラインで読むには長すぎますし、1ページにまとめていますので。



 (赤字=Sさんからの意見 黒字=私の考え)

 ネパールの事をよく知っている方が「国際結婚について」(特にネパールの場合)の考え方を見ても問題ないと思うのですが、これを初めての方が見て一般化されてしまう恐れがあると思うのですがどうしょうか。
 このようなご意見は他の方からもいただいております。あくまで私の個人的な考えとして受けとめていただきたいと思います。
 
 日本大使館の資料 (その1、その2)の内容は特別にネパールの為に用意してあるものでしょうか?日本の法務省/外務省からの資料 (国際結婚について)はどこの国に対しても同じじゃないかと思います。
 
 日本大使館の資料や何人かのネパール人の例だけで特定の国や特定国の人の国際結婚論ではなく単に”国際結婚”という視点から御自分の考えを述べたらどうかと思います。
 
 なぜ日本語の書類しか置いてないのか?そこはネパールにある日本大使館ですから責めて英語ぐらいはあってもおかしくないはずです。なぜネパール人が行ってもこの書類をもらうことができないのでしょうか?
 あくまで想像ですが・・・。
 大使館員は公務員です。公務員(誰だってトラブルは嫌です)は仕事において出来るだけ穏便にトラブルの無いようにしたがる傾向があります。問題を起こさなければ、自分の職は安泰ですから(民間企業のように解雇されることはないという意味で)。日本政府の大臣の中に「自分の任期中に問題が起きなければいい」という方もいるようで、そういった責任逃れの体質は日本人の気質でしょうか。
 だからビザを発給した人が日本で問題を起こすことを嫌うのではないでしょうか。問題が起きればビザを発給した職員や大使の責任も問われるでしょうから。
 そうなると、ビザを出来るだけ発行しないようにすればいい。どうせビザを発行しないのなら、手続きの手間を省きたい、それならどうせ日本人の保証人が必要なのだからそれ以外の人は手続きをしても無駄、だから英語の書類を置かなければ保証人のいない人は最初から門前払いできて、大使館としても手間が省けて都合が良い。そんな図式かなと想像しました。

 後は政治的な力関係があるかも知れません。外交的に難しい国に対してこのような対応をするといろいろ問題があると思うのですが、「ネパールにはたくさんの援助をしているのだから、ビザ発給を難しくしている(ネパール人を閉め出している)ことに関しては、何も文句を言わないで欲しい。」といった事があるのかも知れません。
 いずれにせよ、結婚前に婚約者を日本に連れていくことさえ出来ない現状は私もおかしいと思います。
 
 日本の不法滞在・不法就労外国人に東南アジアや南アジアからの人が多いですが、忘れてはならないのはこの人達は3Kの仕事をして日本の経済をほんの少しだけど支えているということです。
 私がネパールで考えたのは、出稼ぎに行ったネパール人の事です。外国で外貨を稼いできて、それをどう使うのか、という疑問です。確かに外国で短期間にお金を稼ぐことは可能でしょう。ただ、それが3Kの仕事(単純労働)だとすると、それは単なる労働力の切り売りだと思うのです。個人の幸せ(お金を稼いで豊かな暮らしをする)だけを考えれば、それでも良いのですが、ネパールという国の事を考えるとあまり意味がないと思うのです。
 自由に外国に出稼ぎに行ける時代では、そんなに問題ないのでしょうが、これだけ外国に行くのが難しくなっている現状では、外国に労働力(3Kの仕事)を輸出するという発想は成り立たなくなっているでしょう。
 現状でネパールの経済を支えている主なものは、観光産業・出稼ぎ労働(ブリティッシュ・アーミーなど)そして外国からの援助があると思います。しかし、出稼ぎ労働も難しくなり(日本だけでなく、他の先進諸国でも難しくなっているのではないでしょうか)、外国からの援助もその国の景気・経済状況に左右されることと思います。
 となると、ネパールという国が国を豊かにするために必要になってくるのは、自国の産業の育成・発展ということになるでしょう。そうなると単に外国から労働力(3Kの仕事)の代償に外貨を得るというのではなく、技術やビジネスのノウハウを持ち帰り自国の産業を育成・発展させれるような人材交流が必要になると思うのです。
 留学しかり、研修しかり。
 でも、そういう志を持っているネパール人も、不法滞在・不法就労の影響で日本に行くことが困難になっています。目先のお金目的(自分さえよければ)の不法滞在・不法就労が、多くの志を持ったネパール人の道を困難にさせていると思うのです。
 お金・外貨は使ってしまえばそれで終わりですが、技術やビジネス・ノウハウはお金・外貨を生み出しますし、ビジネスとして成り立てば、新しくネパール人の雇用創出にもなります。
 3Kの仕事で稼いだ外貨を資本金にビジネスを始めるならネパールの国にとってプラスは大きいですが、豪邸を建てて豊かな生活をし、お金がなくなれば出稼ぎに行けばいい、という発想では国が豊かになるとは思えません。
 逆にそういう人間を見ている周りの人間に「外国に行けさえすれば、お金持ちになれる」「運さえよければ」という安易な考えが蔓延していると思います。
 自力ではなく他力を期待しているようで、私は賛成できません。
 観光ビザで不法滞在・不法就労し3Kの仕事でお金を稼ぐより、ビジネスとして日本に行き商売をすればもっと大きな利益があがるでしょう。

 私の考えは、以上の様なことから、不法就労・不法滞在の問題はネパールにとっても重大な問題ではないかと思っています。不法就労・不法滞在の問題がなければ、もっと多くの自由な人材の交流ができただろうと思うと、ビザ取得の難しい現状は過去の負の遺産かとも思います。
 その影響がこの国際結婚にもあるでしょう。本当に愛し合っている人達からも、自由に日本に行き来する権利を奪っているのですから。



〜結婚後の生活について〜

 (黒字=私からSさんへの質問 赤字=Sさんの考え)

 ネパールでの就職口というのはあるのでしょうか。
 ないとは言切れないですが、非常に少ないのは現状です。ネパールでの就職先は公務員になるか自分で何かビジネスを始めるかしかないと思います。日本みたいに試験に受かって公務員になるのは不可能に近いです(知り合いがいれば別です)。ネパールで生活している夫婦を見ると以下の仕事が多いようです(外貨を稼げるにはこのような職種が一番いいからかもしれません)。

1.旅行会社経営 (日本人向)
2.ホテル、lodge, pension などの経営 (日本人向)
3.ネパール特産品を安く買って日本で売る
 
 ネパールで生活する場合、その配偶者にビジネスの才能があればいいのですが、ビジネス以外に日本への旅費(国際結婚の場合、里帰りなどの旅費が必要)を稼げる手段はあるでしょうか。
 日本への旅費を稼げる手段は他もあるかもしれませんが、上のような職種1,2,3の仕事以外では特に外貨は稼げないと思うのですが。
 
 結局配偶者の日本人頼みということになりかねないのでは・・・。
 人にも寄りますが、二人でこれからネパールで生活する目的はなんなのか、日本に帰る回数をどう決めるのか (例えば二/三年に一回か、三/四年にするのか)、配偶者(日本人)の両親には頼らないとか(両親も一切援助しないとか)などをネパールへ行く前にきちんとして置けばそんなに問題にはならないと思うのですが、どうでしょう。
 
 国際結婚の場合、どちらの国に生活基盤を置くべきなのでしょうか。仕事は日本、生活はネパールというのが理想なのでしょうか。
 個人的な意見ですが、二人が自立(経済的に)していて自分の人生の責任は自分で取るしかないとはっきりしていれば日本、ネパールだけではなく世界の何処の国
に行ってもやっていけると思います。
 以下は私なりに考えたネパール人(男性)が日本人の配偶者とネパールで生活したい理由:
1.ネパール人が長男か一人息子の場合は、自分の両親の面倒を見る為(義務と感じる)或いは両親からの圧力
2.日本で長く居てもネパールの思考でしか物事を考えられない為 (例えば日本に居てもネパール料理を食べ、ネパール人としか交流しない)
3.日本で三流市民(third class citizen)扱いに疲れた為
4.日本で稼げた資金で何かをやる為 (金を振る舞うケースが多い)

日本人がネパールで生活したい理由:
1.ネパール人よりもネパールが好きな為
2.冒険の為
3.ネパールでなにか役にたって認めて貰える為
 
 子供の教育のことを考えると、日本かネパールのどちらで生活するのがいいか良いか分かりません。ネパールで育てるのが良いのか、日本で育てる(日本の教育システムを嫌っている人はたくさんいます)のが良いのか。
 どちらが良いか私にも分かりませんが、ただ言えるのは自分の子をどのように人間として成長させるのかそれが一番大事ではないかと思うのです。ネパールと比べると日本は言うまでもな選択が多くて良いと思います。
 
 「三流市民(third class citizen)扱い」された経験はあるのでしょうか。そして、どの様に対応し、あるいは受け入れていっているのでしょうか。
 もちろんあります。日本人は(特に南アジア人を)偏見の目で見てしまうのはやはり日本の対アジアへの優越感と対欧米へのコンプレックス、さらに言えば日本のマスメディアがそう言った国について取り上げる否定的な(negative な)情報あとは南アジアの情報の少なさ(一つ例を言うと私は、”ネパールは飛行場あるの”と聞かれたことがあります)にあると思うのですね。ですからテレビ、新聞、インターネット(人々にすごく影響与えるメディア)などからの情報を一般化されてしまう恐れがあるのと同時に、こういう情報で人を判断して自分と肌色の違い(白人を除いて)人を「三流市民(third class citizen)」扱いしてしまうのではないでしょうか 。
 差別はどこの国にもあると思うし、なくならないとも思うのです。ただ自分は「三流市民(third class citizen)扱い」されない為にどうすればいいか考える(特に南アジア人)必要はあると思います。

 私の場合以下の事を心がけています:
1.先ず言葉(日本語)をしっかり身に付けてその言葉で自分の意見を言えるようにする (言うまでもなく日本の習慣、風習などを身に付ける)
2.日本の常識で考えられないような(不愉快な)行動はなるべく避ける
3.ルール、マナーなどをきちんと守る
4.もし会社員であれば自分も会社の一員である事を認めさせ、その為悔しいけど日本人より二倍努力して自分をアピールする(それでも差別があったらこの会社をやめて自分を認めてくれる会社を探す(なかなかないですけどね))
5.理由もなく差別された場合戦う (もちろん喧嘩じゃないです)、訴える所は訴える、理解させる所は理解させて自分は違うんだとはっきりさせる。
 

この文を掲載にあたっては、事前にSさんの了承を得ています
できるだけメールの原文に忠実に抜粋しています(誤字・脱字を省く)




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