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それぞれの旅


旅には人生と同じで出会いと別れがあります。
同じ旅人だったり、その国の人だったり。
でも観光地巡りだけでは旅は満たされません。
人との出会いが旅を豊かにしてくれるのは間違いありません。

パスポートの値段

鼻水の彼

入国審査の順番待ち



パスポートの値段

 いまの日本のパスポートは偽造(運転免許証のように顔写真が埋め込んである)はできませんが、以前の大きいタイプの赤いパスポートは写真欄に写真を貼りその写真の上にシールを貼るタイプなので比較的簡単に偽造ができた様です。
 上手くシールを剥がして写真を剥がし、そして新しい写真に付け替えシールを戻します。そしてもとあった押印とずれないように押印をおせば出来上がりです。
 顔写真が変わっただけでパスポートはパスポート自体もパスポート・ナンバーも正規のものなので日本人に成りすますのにいい方法です。日本人顔で少し日本語が喋れれば完璧です。
 例えば日本に入国するためには日本のビザを取得するのが普通ですが、何らかの理由(アジア諸国の人々の日本のビザの取得は年々難しくなっています)でビザの取得が不可能な場合に考えるのがパスポートの偽造です。日本のパスポートがあればビザも必要なく日本に入国できます。
 日本のパスポートを持っていると北朝鮮以外(今は全ての国がOKです)はどの国にでも行くことができるので、日本に行くこと以外にもあの赤いパスポートはとても有効でした。
 旅行中パスポートの盗難はよくありますが、それらのパスポートはパスポートの偽造に使われることもあるようでした。そして偽造パスポートは闇で高く売れるので、パスポートを狙った犯罪もあったようです。

 さて、インドなどを旅している人の中に、インドに居着いて麻薬にはまってしまい、お金も使い果たし、ビザも期限切れという旅人は結構いるようです。
 身も心もボロボロで、他の旅人を騙したり、荷物を盗んだりといった墜ちるところまで墜ちてしまった旅人(というよりこうなると麻薬中毒者ですが)のとる最終手段が自分のパスポートの売却です。
 日本がバブル経済に踊っていた頃、インドでの日本のパスポートの闇値は50万円とも100万円とも言われていました。それだけのお金があれば半年や1年は充分暮らせるので(オーバーステイで捕まらない限り)、後先考えずにパスポートを手放してしまう人もいたそうです。パスポートは闇に流れ、本人は更に泥沼に墜ちていくのです。
 そういった人の行く末がどうなったのか知りませんが、以前の日本のパスポートには旅行者の身元証明以外の価値があったのです。そう考えれば以前のパスポートの申請料1万円(今は1万5千円)は安い買い物だったのかも知れませんね。

 先日、中国の「蛇頭」が組織的に日本のパスポートの偽造・変造していて問題になっているとの記事がありました。
 蛇頭に協力しているのが日本人旅行者で、自分のパスポートを現地で売って、日本大使館で再発行してもらいます。パスポートの値段は10万円から20万円で、それ用のツアーだと航空チケット・ホテル代なども払ってくれる場合もあるとか。
 日本への密入国を望む中国人が蛇頭に払う金額は50万円かそれ以上とのこと。組織的にしても充分商売として成り立ちます。
 蛇頭に協力した日本人も何人か逮捕されているみたいですが、やはり20代か30代の若い年代が多いようです。逮捕されることを考えたら10万円や20万円で売るのは安すぎますね。この辺の裏話を知っている方、教えて下さい。

蛇頭「三包(さんぱお)」ビジネスについての記事


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鼻水の彼

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鼻水の彼

 私は旅の間は不精ひげをはやしていました。
 私のヒゲ面の顔は老けて見えるらしく、帰国後ヒゲのない顔を見た旅の知り合いは、「意外と若いんですね、ヒゲが無いほうがいいですよ」と忠告ともお世辞ともつかないことを言ってくれます。でも私はプータローの証として口髭だけは剃らずにいました。
 清潔とは言いがたい水でヒゲを剃るのは肌荒れの原因にもなります。剃るのも面倒くさいし、自分では気に入っていました。
 私以外にも旅をしている男性には不精ひげをはやしている人はたくさんいましたし、毎日髭を剃っている人の方が少なかったような気がします。ぼさぼさの髪に不精ひげ。そんな格好が違和感なく許される旅は不精ものには快適そのものでした。
 でも汚そうな格好と汚い格好は違います。私は毎日でもシャワーを浴びたい人間ですし、自慢ではないですが下着は2日に一度は着替えていましたので、見た目には汚そうでも自分は清潔だと自負していました。

 さて、そういうぼさぼさの長い髪に不精ひげのある旅人がいました。
 ある意味、外観上、典型的な長期旅行者という分類に分けられそうな人でした。彼は少し緊張感が足りなかったのでしょう、彼の鼻から10センチくらい青っぱなが垂れていたのです。そして自分が鼻水を垂らしているのに気付くのが遅く、私に見られてしまったというただ一度の過ちで、 「鼻水の彼」というあまり有り難くない名前を付けられてしまったのです。
 旅行中は外観に気を付ける(気にする)という神経が鈍くなってしまいますが、旅行中といえどもあまりにも無防備な惚けた姿だけは他人に見せたくないものです。「化粧をしていない素顔を見せたくない」という女性のように。

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入国審査の順番待ち

 私も妻も本屋さんで本を見ているとき、決まってトイレに行きたくなります。「本屋さんに入るとトイレに行きたくなるのは何故?」と妻に聞かれますが、私には分かりません。
 私や妻だけの事かと思っていたら、「絵本を買ってあげるよ」と息子や娘を本屋に連れていくと決まって「オシッコ、オシッコ」とモジモジしだします。
 どうやら、本屋に行くとトイレに行きたくなるというのは、人間の心理なのでしょう。そんな事は私の家族だけの事なのでしょうか。
 それにしても、トイレの無い本屋さんが多いのには困ったものです。たぶん、長時間の立ち読み防止の為の本屋さんの戦略で、本を見ているとトイレに行きたくなるという心理を利用して、「買うのか買わないのかはっきりしろ」と早く決断を迫る為に、わざとトイレを設置していないのではないかと思います。

 さて本屋さんでの心境と同じ様な事が、入国審査や税関の時にもあります。
 それまで、何とも感じていなかったのが自分の順番が近づいてくると、何故かトイレに行きたくなります。そして、だんだんそわそわしてきます。せっかく列んでいるのだから我慢するべきか、それともトイレに行くべきか。でも、ここで列を離れたら怪しまれるだろうな、等と心の葛藤があります。
 そしてトイレに行きたい欲求は自分の番の直前にピークに達します。キョロキョロと遠くを見つめたり、「ふっー」とため息をついたり、挙動不審の仕草をしてしまいます。
 私など、もしマズイものを持っていたりしたら一発で捕まってしまうでしょう。だから、密輸や密入国をする人が入国審査や税関を通るときなんか緊張でトイレに行きたくて仕方ないだろうなぁ、と小心者の私は思うのです。
 そして、もし私がそういう立場になれば大人用の紙オムツでもはいて、入国審査と税関に向かおうかなと思います。緊張はするでしょうが、少なくともトイレの心配はしなくてもよいので。

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