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インドな風景・2


何故か旅人がはまってしまう国インド、
好き嫌いがはっきり分かれるインド、
旅人はインドのどこに惹かれるのでしょう。
いずれにせよ、これだけは自信をもって言えます、
「インドの旅はとっても面白いよ」と。

プリーの朝

No Problem

信号待ちの窓拭き少年

禁煙への近道

ロウソクをたらす



プリーの朝

 私と琴恵は槻木君と3人で一緒にバラナシからブッダガヤーまで旅し、ブッダガヤーで槻木君と別れました。そして私と琴恵はヒンドゥー教の聖地プリーに行きました。

 プリーはインドの東海岸にある漁師町でインド人のリゾート地でもあります。プリーには長く滞在している旅人はたくさんいましたがあまり接することもなく3週間ほど滞在しました。昼間はホテルから数分の砂浜でのんびりし、夜は屋根に登って星を眺めたりした穏やかな日々でした。

 プリーでは早朝海岸に行くとあちこちで朝日を見ながらしゃがんでいるインド人の姿があります。見ると皆が用を足しているのです。プリーの朝の海岸は絶対に「朝日を見ながら」歩いてはいけません。あまり踏みたくないものを踏んでしまいかねないからです。でも潮が満ち波が砂浜を洗い流すと、海岸はいつものきれいな海岸に戻ります。プリーの早朝の海岸は一見の価値があります。


プリーの朝

No Problem

信号待ちの窓拭き少年

禁煙への近道

ロウソクをたらす



No Problem

 初めてインド人に「No problem」と言われたとき無性に腹が立ったことを思い出します。「お前は何故怒っているのだ?」といったすました顔をしたインド人に対して「何がNo problemだ!」とまともに受けとめカッカカッカして心身とも疲れてしまった。それがそんなインド人にも慣れてくるとまともにぶつかり合うこともなく、かわすすべを知るとこっちから「No problem」と言えるようになります。しまいにはまとわりついてくるインド人をからかって逆に怒らせて、今度はこっちがインド人に対して「お前は何故怒っているのだ?」「No problem」と言えるようになりました。インドで最初に憶えた言葉が「No problem」です。

 タイでは「マイペンライ」スワヒリ語で「アクナマタータ」日本語で「問題ない・大丈夫」といったところでしょうか。日本の生活パターンをそのまま持ち込むと色々な摩擦を生じます。日本とは文化も習慣も違う国で日本の価値観で物事を見ても何一つ理解できないのではないでしょうか?
 郷にいれば郷に従え。
 「No problem」は私の大好きな言葉のひとつです。


プリーの朝

No Problem

信号待ちの窓拭き少年

禁煙への近道

ロウソクをたらす



信号待ちの窓拭き少年

 国際社会からインドでの子供の労働が問題視されています。確かに貧富の差が激しく、カースト制のインド社会の問題の一面です。
 ニューデリーでは琴恵が身重ということもあってタクシーばかり使っていました。そしてタクシーが信号待ちで停まると少年達がタオルを持って車の窓を拭きに走ってきました。拭き終わった少年にいくらかのお金をあげる運転手と、追い払おうとする運転手がありますが、タクシーの中に外国人が乗っているのを知ると外国人に「バクシーシー(施し)」を求めてきます。
 お金持ち風の西洋人は気前良くお金をあげたりするのですが、それを見た他の少年や物売り、乞食たちがその車に群がってしまいます。
 そんな光景を見ていた私は知らぬ存ぜぬを決め込んでいました。車の中でそんな行為を見ているとちょっとドキドキしますが、外から見ていると面白い物です。ほんの一分程度の間の人間模様ですが、少年や物乞いたちの一喜一憂を見ているのは楽しいものでした。
 悲惨そうな顔をして物乞いしている老婆も車が走り出すとケロッとした表情になりますし、少年たちも友達と競走するがごとく結構楽しそうに窓拭きをしていました。こういった光景はインドの影の一面ではありますが、一瞬見る光景としばらく観察して見る光景とは微妙に違っていて、単に悲惨なだけではないことに気が付きました。
 悲惨な(私にそう見えるだけかも知れませんが)だけでは生きていけないし、悲惨な中に見せるあの笑顔は何なのでしょう。あの笑顔の意味が分かればインドの旅はもっと充実したものになっていたことでしょう。

プリーの朝

No Problem

信号待ちの窓拭き少年

禁煙への近道

ロウソクをたらす



禁煙への近道

 禁煙した理由によく「結婚したから」とか「子供ができたから」とかありますが、私の場合、インドのタバコです。
 アジアやアフリカを放浪している旅人の何割かは、タバコを巻くペーパーを持ち歩いています。タバコを吸うのは勿論ですが、大麻を巻くのに使うのが主な理由でしょう。
 「タバコ代が高いから」というのは表向きの理由で、確かに外国産タバコは高いのですが、いつでも巻けるというのが本音です。
 当然、巻いたタバコにはフィルターは付いておらず、体にはよくありません。「タバコは肺ガンなど体に良くないけど、マリファナはタバコみたいな害はないですよ。」と言うのがタバコに大麻を混ぜたり、大麻を人に勧める時の決まり文句です。

 さて、タバコの銘柄ですが中国などでは都市ごとに違った銘柄があり種類は数え切れない位あります。ビールの銘柄もたくさんあるので、コレクターやマニアの方、それらのラベルを集めてみるのも旅の楽しみかも知れませんね。
 私は「タバコが無いと生きていけない」というような人間ではないのですが、旅の間の暇つぶしや淋しさを紛らわすのにタバコを吸っていました。酒の場でタバコが欲しくなるように、旅にもタバコを欲する何かがあるのでしょう。
 私がインドで吸っていたのは両切りのフィルター無しのタバコでした。フィルター付き(フィルター無しより割高)も売っていたのですが、せこい私はフィルター無しを吸っていました。
 それがいけなかったのでしょう。暑さと食べ物の影響もあったのでしょうが、胃の調子がおかしくなってしまい、タバコがまずくなっていきました。結局胃の調子を戻すために禁煙することにしました。
 人から「禁煙してえらいですね」と言われることがありますが、自分の意志で止めたのでもなんでもなく、ただ調子が悪くなっただけの話で人に自慢できるようなことは何もありません。「禁煙への近道」は病気になることだ、と私はインドで悟りました。

プリーの朝

No Problem

信号待ちの窓拭き少年

禁煙への近道

ロウソクをたらす



ロウソクをたらす

 なにか変な話を期待された方ごめんなさい。SMではなく、いたって真面目な話です。

 インド・バラナシ(旅の雑談・バラナシ編もご覧下さい)でのこと、琴恵がガンガーの川岸(乾期は川沿いを歩くのが道に迷わなくて良い)を歩いていたとき、くぼみに足を取られ足首を捻挫してしまいました。以来彼女はゲストハウスで2週間ほど寝たきりの生活を送ることになりました。

 彼女の足首は見る見るうちに腫れ上がり、象の足みたいになってしまいました。そして何日かたつと今度は腫れたところが痒くなってきました。彼女は痒いことには耐えられない性格で、痒いところはとことん掻いて皮が剥けて血が出るまで掻いてしまうような人で、見ているこっちが心配になって「そんなに掻いたら痕が残るよから、我慢しろよ」と無意識に掻いている彼女を注意していました。

 そんなことをしているうちに捻挫は治ったのですが足首の腫れがひかなくなり、かぶれたようになって、彼女は痒くて痒くて仕方なくなりました。

 そこで私は私の経験から(子供の頃、山に入ってよく漆とかに負けてかぶれていた)かぶれは掻くとひどくなるから、「痒いのに対抗するには痛みか熱いかだ」と嫌がる彼女の足首にロウソクのろうをたらすことにしました。ロウソクなら火傷はしないし痕も残らないし、なにより気持ちいいし(痒いところにたらすと熱いけど気持ちいいのです、試して下さい)、痒みもおさまる、と私は信じていました。

 でも、いっこうによくならず、「もしかしてバイ菌が入ったのかも知れない」と今度は消毒しようということになりました。本当か嘘か「海水浴で皮膚が強くなる」ということを聞いたことがある私は、何を思ったのか「サウナの塩揉みは気持ちいい」からと塩を買ってきて、ぬりたくってみました。ヒリヒリして少しは痒みも紛れたみたいですが、効果があったのかどうか。

 結局かぶれも腫れも時間が解決してくれましたが、彼女曰く、「ロウソクは一時しのぎ、塩揉みは予防にはいいけど治療にはならない、あなたの経験は当てにならない」と以来私は彼女の信用を失ってしまいました。人の不幸を喜んで、彼女の足をおもちゃにしていたのだから当然の報いですが。


プリーの朝

No Problem

信号待ちの窓拭き少年

禁煙への近道

ロウソクをたらす



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