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トラブル一人旅


旅にハプニングはつきものです。
盗まれたり、だまされたり、
あれだけ腹を立てた出来事も今となっては良い思い出です。

バザールでのスリ

ローマの暴力バー

成田の別室

タンジェの嵐

パムッカレの温泉

好き嫌い

エッチなトランプ



バザールでのスリ

 アフリカ・ブルンジの首都ブルンジュラのバザールでのこと。丁度闇両替をしたところで両替したお金をそのまま右ポケットに入れてしばらく歩いていました。すると急に左手をギュッとつかまれ「なんだなんだ」と振り向くとI'm sorry.とにやけた黒人の顔。2,3歩歩いて気がつきました。左手に注意がいって右ポケットの注意がおろそかになってました。ポケットに手をつっこんだがやはりお金は消えていました。その時は周りの黒人が全てスリに見えたものです。
 「アホが見るブタのけつ」とスリが言ったかどうか・・・。



ローマの暴力バー

 旅行中街で声を掛けられ「ユー・アンド・ミーともだちネ」と連れて行かれたバーが暴力バーで身ぐるみ剥がされた、といった話はよく聞きます。私は英語もろくに喋れない日本人がそう簡単に現地の人と友達になれるわけがないと、基本的に向こうから声を掛けてくるのは何か裏があるはずと思っている人間なのでその手の手口には引っかかるまいと思っていました。

 さてローマでのこと、ローマの夜は外灯が少なく暗いのですが、街を歩いていると一人の初老のスイス人(自称)が困った様子で町ゆく人に声を掛けており、私にも声を掛けてきました。聞くと手に持ったカードを見せて「ここに行きたいのだが、暗いし目も遠いので字が読めなくて困っている。この近くのはずなんだがいっしょに捜してくれないか?」という。そこは親切な日本人、困ったときはお互い様といっしょに捜してあげました。その店はすぐに見つかり、「お礼に一杯 !」ということになり・・・。ここからはお決まりのパターン。席に着いたらホステスが隣りに座り、気がつけば先程のスイス人は姿を消しており・・・。請求書を見て覚悟を決め"No money"と開き直りました。向こうも慣れたものでお金を隠しているであろう胸や腰回りをチェックしました。たまたまお金もパスポートもホテルに置いていたので被害は最小限で済みましたが一発二発殴られるのは覚悟しました。でも向こうも事件沙汰にしたくない様子で無事解放。詐欺の手口は年々巧妙になっています。




成田の別室

 初めての異国の旅は一年と少しでお金がなくなり帰ってきました。帰国前バンコクでこぎれいな服や靴を買って、それまではいていたボロボロの服や靴を処分して、自分では完璧、「これなら税関もノーチェックだ。」と思いながら帰国しました。税関では「どれぐらい行って来ましたか?」「一年間です。」「どの辺りを旅しましたか?」「中国・ヨーロッパ・中近東・アフリカ・タイです。」「ややこしいところに行って来ましたネ?変な物は持って帰ってませんネ?」「はい勿論です。」「それでは少し荷物を見せてもらいます。かばんを開けて下さい。」とこの時点でハタと気がつきました。アテネで買ったエッチなトランプを処分するのを忘れていたことを!!それを見逃してくれるほど税関の係員は優しくも理解もなく「困りましたね、こういう物は日本では持ち込み禁止なんですヨ。後ろもつかえてますのであちらへ行ってもらえませんか?」とあくまでも丁重に別室に連れていってくれました。

 別室には4〜5人の係員がやってきました。責任者らしき係員に事情聴取されて、その間私のリュックは丸裸にされ一つ一つ調べられていました。事情聴取では「ここは日本ですのであなたが外国でしてきたことに対しては法律は及びませんので正直に言って下さい。あなたは外国で麻薬等に手を出しましたか?」「いいえ、私はそんなことはしていません。」その間、頭の中は他にやばい物は持って帰ってないかと色々思い出そうと必死でした。

 その時「×××さん、こんなものが・・・。」と荷物を調べていた係員がなにやら葉っぱのかすみたいな物を持ってきました。「コレは何でしょう」「さぁ」「もしこれがマリファナとかだと困ったことですネ。」「さぁ」「もう一度聞きます。外国でのことは日本では裁けないので正直に言って下さい。外国で麻薬等に手を出しましたか?」「いいえ」「それでは調べさせてもらいます。」と何かの試薬の入った試験管を持ってき「もしこれがマリファナだと液がピンク色に変わります。コレをいれてもいいですか?」「はい」目の前で振られる試験管を眺めながらこの時ばかりは神に祈りました。結果、色は変わらずホッと一息。

 少し残念そうな係員が今度は「女性の係員には席を外してもらいますので、遠慮なく服を脱いで下さい。」と。パンツも脱いで前を手で隠していると「はい、手をどけて、はい、後ろを向いて足をひろげて・・・」まるでヌード女優の気分でした。結局エッチトランプ以外にまずい物は出てこず一筆書くだけですみましたが冷や汗物でした。あとで冷静になって考えるとこういう場合、もし何も出てこなければ名誉毀損・慰謝料として3万円だか5万円だかもらえると言う話を思い出し、聞いてみれば良かったと後悔しました。本当のところはどうなんでしょう?知っている方教えて下さい。


バザールでのスリ

ローマの暴力バー

成田の別室

タンジェの嵐

パムッカレの温泉

好き嫌い

エッチなトランプ



タンジェの嵐

 スペインのアルヘシラスからジブラルタル海峡をフェリーで渡ったモロッコの玄関口がタンジェです。モロッコのイミグレーションで入国審査を終え入国ゲートを出ると正装したモロッコ人男性がやってきて、胸にキラッときらめくバッジを見せながら「私は政府観光局の役人です。ここタンジェには悪質なガイドがたくさんいて、観光客とのトラブルが続出しているのでモロッコ政府としてもイメージアップのために私のような者を派遣しているのです。あなた達(フェリーで知り合ったメキシコ人のルイス・エドアルトと一緒だった)だけでここを出るとガイド達に取り囲まれて大変だから私が一緒に行ってあげましょう。勿論私は政府役人なのでお金の心配はいりません。」と言ってきました。

 ヨーロッパを旅していた私は少し足を延ばせばアフリカ大陸(モロッコ)を踏みしめる事ができると知り、またイスラム圏にも入れるということで4〜5日モロッコを旅することにしました。でもタンジェのガイドはしつこいから注意しろと教えて貰いました。少し不安でしたがフェリーで知り合ったルイスも同じ気持ちだったようで一緒に旅することにしました。

 さて政府ガイドに連れられターミナルを出るとワッとガイドらしき人々が取り囲んできましたが政府ガイドがシッシッと追い払うとすぐに違う観光客に群がっていきました。さすが政府ガイドと思って感心していましたが、「もうこれから二人で大丈夫だから」とお礼を言おうとすると政府ガイドは「いやいやタンジェは危険な町だから案内してあげよう」と帰ろうとしません。この時点で少し変だなと思ったのですが、好意をむげに断るのもいかがなものかなとしばらく付いて貰うことにしました。

 連れて行かれたのは絨毯屋などの土産物屋ばかりで政府ガイドの肩書きをとるとそこら辺にいるガイドと変わりありません。だんだん政府ガイドと一緒にいることがうっとうしくなってきて、同行のルイスも同様で、「そろそろ二人で行動するからありがとう」と別れようとするとなんだかんだと言って別れてくれません。挙げ句の果て「あと二件いい店があるから行ってくれ」となり「旅で荷物になるから土産物は買わないよ。」と言っても解放してくれません。

 そして連れていった店で「荷物になるなら送ればいい」とか「キャッシュがなければカードでOKだ」とか言いだす始末で「最初の話と話が違うじゃないか」と文句を言いました。すると「俺は君たちをガイドしてチャイや食事(お金は払うと言っても、いいからいいからと払ってくれた)までおごってやったのだから何か買え。」と本性を現してきました。

 「あなたは最初お金の心配はしなくていいと言ったじゃないか。モロッコでは政府の人間が土産物を押し売りするのか。チャイ代と食事代は払うから、もうつきまとうのは止めてくれ。」と言うと「お前ら、このままですむと思っているのか。」と言いました。私もルイスも完全に切れて「勝手にしろ、もう帰る」と店を飛び出しました。

 こちらはもう無視することにしていましたが、政府ガイドはしつこく付いてきてああだこうだ言ってきました。政府ガイドを振り切るべくレストランに入りましたがそこにも付いてきて隣りに座りました。無視していると注文の品がやってきました。そして政府ガイドは言いました。「これは俺が注文してやったのだからガイド料をくれ。」一瞬何のことか分かりませんでしたが「お前は頭がおかしいんじゃないか?」と言ってやりました。

 どれぐらい付いてきたのでしょう。こちらも無言で歩き政府ガイドもさすがに無言で付いてきました。結局ルイスと相談して「お前はいくら欲しいんだ?」と聞くといくらかの金額を言いました。腹は立ちましたが少し身の危険も感じていたので言い値の半額位を渡すことでやっと解放されました。

 私もルイスもいきなりモロッコの洗礼を受けたのでした。モロッコ人はインド人よりしつこいという話をこのタンジェで嫌というほど思い知らされました。後に行ったインド人の愛嬌みたいなものもありませんでした。アラブ商人恐るべし。

 あれだけしつこく我々を監視していた政府ガイドもお祈りの時間だけは「少し待ってくれ」とお祈りをしていました。しかしあの政府ガイドは本当に政府の役人だったのでしょうか。私はモロッコの他の町(マラケシュは面白かった)にはまた行きたいですが、タンジェにだけは二度と行きたくありません。


バザールでのスリ

ローマの暴力バー

成田の別室

タンジェの嵐

パムッカレの温泉

好き嫌い

エッチなトランプ



パムッカレの温泉

 トルコにパムッカレという観光名所があります。温泉が湧き出て、温泉の石灰分で4キロメートルも続く段々畑のような石灰棚が有名です。

 この石灰棚はわずかにお湯をたくわえていますが浸かれる程深くなく、別のホテルの温泉(露天)で旅の疲れをとりました。温泉というより温水プールといった感じで、日本のようにすっぽんぽんというわけにはいかず海パンで入りました。脱衣所は個室になっており鍵を渡され、着替えた後鍵を海パンの後ろポケットにいれ温泉に入りました。湯温はぬるめで泳げるだけの広さがあり小一時間遊んでいました。

 夕方日も暮れかかってきた頃、温泉から上がり脱衣所に行きました。そこで鍵を落としたことに気が付きました。泳いでいるときにポケットから落ちたのでしょう。事情をフロントに説明し合い鍵を貰おうとすると「この中に入っているから探してくれ」と何の印もない何百もある鍵の箱を無造作に渡されました。当然すぐに貰えると思っていた合い鍵ですが、私の考えは甘かったです。従業員は手伝ってくれず、一人で鍵の箱をもって脱衣所のドアの前に座り、一つづつ鍵を差し込んでいきました。12月のトルコは寒くバスタオルにくるまっての作業は凍えながら孤独で情けない辛いものでした。鍵の箱も空になりかけた時にやっとドアが開きました。

 外国では合い鍵はいつでもあるとは限りませんし、それにつけ込まれることもあるでしょう。鍵はなくさないように注意しましょう。




好き嫌い

 「好き嫌いはいけない」と偉そうに子供に言っている私ですが、どちらかというと私は好き嫌いの多い方です。だからそんな親の言うことに耳を傾けない子供を強く責めることはできないでいます。

 さて、子供の好きな食べ物の一つにソーセージがあります。私も昔はよく食べていたのですが、旅の途中のある出来事で嫌いになってしまいました。

 ギリシャのアテネからトルコのイスタンプールへのバスでのこと。私は吐き気と下痢でひたすら苦しみました。出発前に食べたホットドッグがいけなかったのでしょう。ホットドッグを口にしたときは少し生っぽく変な味がしましたが、貧乏旅行者の性か「捨てるのはもったいない」と全て食べてしまいました。そのせこい考えがいけませんでした。休憩の度にトイレにかけ込み、バスの中ではひたすら次の休憩がくるのを待ちました。長距離バスでの下痢は何度かありましたが、吐き気とのダブルパンチはもうこりごりです。食あたりの吐き気はとても辛く長距離バスでは逃げ場がありません。あの時以来ソーセージは嫌いな食べ物の一つになってしまいました。

 最近食べ物に毒を盛るといった物騒な事件が多発しています。いくらお腹が空いていてもおかしいなと思ったら口にしない勇気は必要です。


バザールでのスリ

ローマの暴力バー

成田の別室

タンジェの嵐

パムッカレの温泉

好き嫌い

エッチなトランプ



エッチなトランプ

 治安の不安定な国を旅する場合、しばしば警官や役人から賄賂を要求されることがあります。特に陸路の国境越えや未開放地区(旅行許可証が必要)に入る場合など、チェックポストのあるところでは、ちょっとした賄賂でスムーズに事が運びます。
 「これから東に向かうのならそういったことがあるかも知れないから注意した方がいいよ。」そんな話を聞いたのはギリシャ・アテネのことでした。

 私は基本的に権力を利用した賄賂などは不快で嫌なのですが、身の危険やトラブルを避けるという意味では避けて通れないかとも思っています。
 ちょうどこれからイスラム圏に入るつもりだったので、少し不安な気持ちでした。なぜなら私は一度モロッコでアラブ人に痛い目にあっていたからです。

 さて、アテネの町を歩いているとフリーマーケットが開催されていました。
 冷やかしで覗いていると、一軒の店の兄さんに「君は中国人かい?」と声を掛けられました。
 「いいや、日本人だけど」と言うと、少しがっかりした様子で「中国人だったら、喜ぶんだけどな」とトランプを出してきました。見るとノーカットの白人女性のヌード・トランプでした。
 「ヌードは中国では厳しいから、中国人はよく買ってくれるんだけどな」という兄さんは「日本じゃ、こんなの珍しくないんだろ?」とたずねました。
 「こや、ここまでのは、普通には買えないよ」と言うと、少し目を輝かせて「それなら、買わないか」と言ってきました。
 「いや、僕はあんまり興味ないから」
 「白人は嫌いか?」
 「そんなことはないよ」
 「それならホモか?」
 「違う違う」
 「じゃあどうして? 」
 「・・・」要らないものは要らないのですが、なかなか兄さんも引き下がりません。
 そして兄さんは言いました。「君はこれからどこに行くんだい?」
 「トルコからイラン・パキスタン方面だ」「それなら、これを持っていた方がいい。絶対役に立つから」「どうして?」「だってイスラムの国に行くんだろ?」という兄さんはニヤッと笑いました。
 彼の言いたいことが分かった私は「それもそうだな、じゃあ買うよ」とそのトランプを買うことにしました。「あいつら女に飢えているからな」と言う兄さんはアラブ人に良い印象を持っていないようでした。

 そうして私のバックパックはトランプの分だけ重くなりました。
 旅の行き先を中近東からアフリカに方向転換してからも、いずれこのトランプが役に立つときが来るだろうと思っていたのですが、結局そういう場面には出くわしませんでした。
 そして、使わないままバックの下の方へと埋もれていったのです、記憶と共に。
 結局、そのトランプの存在を嫌と言うほど思い出さされたのが、帰国時の税関で荷物検査でバックを開けたとき(その顛末は旅の雑談その1「成田の別室」に書きました)でした。
 日本の税関の係員は「エッチなトランプ」で買収できるほど甘くはなく、見逃してくれるほど甘くもなく、そして洒落をわかってくれるだけのユーモアも持ち合わせていませんでした。

バザールでのスリ

ローマの暴力バー

成田の別室

タンジェの嵐

パムッカレの温泉

好き嫌い

エッチなトランプ



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