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99/8/31公開

旅の雑談その24


日本人宿考

ミスター・サマータイム

ナポリのサッカー観戦

インド映画フリーク

バクシーシー

Your English is very good.




日本人宿考

 多くの日本人の旅行者が訪れる都市には日本人専用(専用ではないのでしょうが、日本人ばかりで西洋人ツーリストは避けている)の宿・ホテルがあったりします。
 私が泊まった有名なところではイスタンプールのホテル・モラ、ナイロビのリバーハウス、バンコクのジュライホテルなどがあり、情報交換や物々交換(ガイドブック・本・食料品他)、久しぶりの日本語など楽しませてもらいました。

 私は日本人宿をよく利用したほうですが、なかには「日本人宿には絶対に泊まらない」という日本人もたくさんいました。「せっかく外国にまで来ているのに何を好き好んで日本人同士かたまらなければならないのか」といったこともあるようです。考え方や旅のスタイルの違いなので、どちらが正しいとかいうことはありません。
 私も妻と二人で旅していたときは日本人宿というのは避けていましたし、わざわざ日本人宿に泊まるメリットもあまりありませんでした。そう考えると一人旅の寂しさを埋めるために日本人宿を利用していたのかも知れません。

 日本人宿のメリットは、日本食が食べられる宿もある、日本語で情報(日本のニュースはもちろん、現地情報も日本語なので比較的正確)が入る、日本の本が読める、日本語が話せる等々です。
 逆にデメリットは日本人ばかりで日本にいるのと変わらない、長期滞在者が集団で固まっていたりして新参者には取っ付きにくい、自分も日本人宿にたむろする一人に見られる、変な規則(インド・バラナシのクミコハウスは門限がある!ので有名)があったりする等々です。また、日本人宿として有名になると黙っていても日本人がたくさん来るので、施設が老朽化してきてもそのままとか狭い部屋にすし詰めというケースもあります。
 ドラッグや買売春にはまるきっかけが現地の裏事情に精通した日本人宿の長期滞在者の手引き、というこもよくあります。ドラッグや女にはまっていて誘ってくる長期滞在者はたくさんいますし、逆に一人でそれらに手を出すには度胸と危険が伴いますので彼らの情報は有効です。

 日本人宿は普通の宿に比べてメリットもデメリットもクローズアップされますが、それだけ利用価値があるということなので、必要なときに泊まって不必要なときには泊まらないという、自然体が良いと思います。それが自由な旅の特権だからです。
 あなたは日本人宿に泊まりますか?それとも避けますか?

日本人宿考/ミスター・サマータイム/ナポリのサッカー観戦
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ミスター・サマータイム

 最近日本でサマータイム導入論議が盛んになっていますが、どうなるのでしょうか。1時間早く起きなければならなくなると夜型人間にとっては辛いことでしょう。
 メリットとしてあげられている省エネの効果があるのかどうかは賛否両論あるようですが、少なくとも「省エネを考える」機会としてのメリットはありそうです。私個人のひねくれた考えとしては省エネを考えるのならもっと他にするべき事がたくさんあるのに、そこに手を付けようとしないのは根本的な問題から目をそらせようとする力が働いているのではないかとも思います。対処療法で延命治療をしているようなもので、あまり意味のないような気もします。

 さて、中国のシルクロードを旅していたときのこと。私が旅した7月はサマータイムとの切り替えの時期でした。新彊ウイグル自治区(シルクロード)は中国の西の端のため、中国の標準時間の北京時間から新彊(しんじゃん)時間は数時間の時差がありました。そしてサマータイムの切り替え時期で時計をどれに合わせればいいのか迷いました。
 特に長距離バスでは困りました。トルファンという街からカシュガルという街まで3泊4日のバスは途中のオアシスの街で泊まることになります。その際バスの運転手に翌日の出発時間を聞かなければならないのですが、腕時計を見せながら「明日の出発は何時だ?それは北京時間か北京時間のサマータイムか 新彊時間か新彊時間のサマータイムかどの時間だ?」としつこく確認し、嫌な顔をされました。お互い言葉も通じず、腕時計の盤を指さして出発時間はかろうじて理解できたのですが、どの時間かは分かりませんでした。
 だから朝起きたらバスが出発した後だったということがないように、一番早い北京時間のサマータイムに合わせて起き、何時間も出発を待ったのでした。早起きのかいあってか寝不足気味で、そのおかげでバスの長旅もすぐに眠りにつけて苦痛ではありませんでした。

 慣れない異国の地を旅する人にとってサマータイムの1時間の時差は混乱の元です。

日本人宿考/ミスター・サマータイム/ナポリのサッカー観戦
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ナポリのサッカー観戦

 聞いた話ですが、イタリア・ナポリは泥棒の多い街です。そしてサッカーも熱狂的です。この二つを組み合わせると・・・。

 泥棒の多いナポリではサッカー場へ車で乗り入れるのはお勧めできません。なぜなら、試合の最中に駐車している車からカーステレオなどを盗まれてしまうからです。試合で負けて、車に戻ってきたらカーステレオが無くなっている、そんなことにならないようにカーステレオを取り外してスタジアムに持ち込んで観戦するそうです。
 でも、試合に熱中している間に足元に置いてあるカーステレオを盗まれたり、熱狂のあまり興奮してカーステレオを放り投げて壊してしまったり・・・。とにかく、ろくなことがありません。

 ローマで何度か危ない目にあっていた私はその話を聞いてナポリに足を延ばすのを止めました。でもミラノのスタジアムで負けたチームのサポーターが投げ込む発煙筒とそれを鎮めようとする機動隊の発砲を見て、ナポリのスタジアムで派手にカーステレオが飛び交うシーンを見てみたかったなと少し後悔しました。

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インド映画フリーク

 ネパールやインドのバスなどの車中で流れている音楽はほとんどインド映画からきているものです。すし詰めの車内にやかましい音楽。運転手の気分次第で大音量で流すインド音楽はうっとうしい、うるさい以外の何物でもありませんでした、最初の頃は。
 たぶん多くの旅行者がそう感じているのではないかと思います。でも、これが聞き慣れてくるととても好きになってくるのが不思議です。

 突然俳優が踊りだすインド映画もバラナシで見たときは最後まで見るに耐えませんでした。言葉も分からず、ただスクリーンを見るだけで、眠気に襲われ蒸し暑い館内で最後までいる気にはなりませんでした。だからインド映画は一度きり、ほんの数十分見ただけで、二度と見ることはないと思っていました。
 最近インド映画が日本で少しブームになり、私も「ボンベイ」「ムトゥ・踊るマハラジャ」などレンタルビデオを借りて見ました。字幕スーパーでストーリーも理解でき、インド音楽にはまりかけの私には以前のような拒否感を感じることなく見れました。単純明快、突然踊りだすインド映画はミュージカルのような感じがします。アメリカ映画とは全く違います。
 厳しい環境で暮らすインド人にとって映画は最大の娯楽です。そして、映画をみている2時間3時間が全てを忘れて没頭できる幸せな時間(私も映画に没頭している時間は何も考えずにすむので一番幸せな時間です。)なのでしょう。だから陰気な暗い映画は必要ないのでしょう。
 でもあのインド映画独特の音楽が家から流れてくると引いてしまうひとは多いのでしょうね。インド映画フリークは一種のオタクなのでしょうか。

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バクシーシー

 インドを旅された方でしたら「バクシーシー」と手をのばされたことは何度かあることでしょう。バクシーシーとは寄進・施しというところでしょうか。お金持ちや旅行者が貧しい人にお金や物を恵むことです。「富める者が貧しい者に分け与える」ことはインドやイスラム諸国ではごく当たり前の事なのですが、日本から来た私には強い抵抗がありました。

 インドのカースト制の社会では乞食(職業)の子供に生まれると一生乞食として生きなければならず、「乞食として生きていくには目に見える障害があった方がいい」と生まれたときに腕や足を切り落とされる子供がたくさんいるようです。そのほうが同情を誘いバクシーシーを貰いやすいからです。
 でも私は基本的にバクシーシーはしないようにしていました。「一人にあげると、それを見た乞食が何十人と群がってくる」という話を聞いていて、そういう恐怖に似た気持ちもありました。それにわずかなお金をあげたところで、その場その日限りの糧に使われるだけで社会の根本の問題の解決には何の役にも立たないでしょう。その場限りの援助は何も生み出さないし、逆に援助を求めるほうは卑屈になってしまうでしょう。
 「富める者が貧しい者に分け与える」時点で両者の関係は対等ではなくなると思うのです。人間皆平等なんて理想論にすぎません。「恵んでやっている」と思ってしまう自分も嫌です。「バクシーシー」とチップ(チップは感謝の気持ちですがバクシーシーは違います。)は根本的に違います。

 インドを旅していると「バクシーシー」や乞食に物乞いされることがよくありますが、その対応については人それぞれ色々な感じ方・考え方があり、どれが正しいのか分かりませんし、正しい答えなど存在しないでしょう。正しい答えは分かりませんが、心の葛藤は相当なものです。そういった日常では考えることもない問題を考える機会を持てることはインドの旅の魅力の一つでしょう。

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Your English is very good.

 以前にも少し書きましたが、私の英語力はボディランゲージ(私の場合、手足を動かさないで英語を喋ることは出来ません。だから電話をしているときも手足をバタバタ動かしているようです。)をとると小学生レベルでしょう。発音もカタカナ英語ですし、単語もあまり知りません。
 どう考えても低レベルの英会話なのですが、よく"Your English is very good."と言われることがあります。どうしてか聞くと「君は日本人のくせに外国人を避けたり逃げたりせず、きちんと喋ろうとする」からのようです。もちろんほとんど社交辞令のようなものでしょうが。
 旅行中の会話など「いくら?」とか「どこから来たの?」とか「出身は?」とか「どこのレストランが美味しい?」とか決まった簡単な会話がほとんどです。だいたい決まった会話なので単語さえ知っていればなんとかなります。
 でも、多くの日本人が「自分は英語が喋れないから」といって避けてしまうので、積極的に喋ろうとする日本人が珍しい?のでしょう。逆に言えば「どうして日本人は英語が喋れないといって避けていくんだ?」という思いがあるのかも知れません。

 私はもともと外向的というのには程遠い性格でした。だから初対面の人と喋るなんて大の苦手でした。それが少しづつ解消されていったのは旅を始めたからでしょう。一人旅をしていると会う人会う人初対面ですから自然と慣れてきますし、旅先のことだから少々の失敗や恥ずかしいことは気になりません。旅では自然と開放的になりますし、一人殻に閉じこもって旅をするのも変ですし。
 そして、大きく変わったのが北海道の2年間です。北海道を旅していたときの私はお金がないためヒッチハイクを移動手段にしていました。どんな車が停まってくれるかも分からず、またどんな運転手か分からないヒッチハイクは私を鍛えてくれました。30分や1時間長ければ丸一日見ず知らずの人に乗せてもらうヒッチハイクではずっと無言(ヒッチハイクで無言の車内ほどつらいものはありません)というわけにもいかず、だから積極的に話さなければなりません。怖そうな兄さん(あくまで第一印象)のときもありましたし、おばさんやおじいさんなど普段接することのない年代の人にも乗せてもらいました。そんなヒッチハイクの車内での時間は私に自信を与えてくれました。こっちが心を開けば相手も温かく迎えてくれる、と。

 また、牧場や昆布漁(番屋という漁師小屋での共同生活)など住み込みのアルバイトも経験した(全く見ず知らずの人との共同生活)ので初対面の人に接することにほとんど抵抗はなくなりました。そういった経験からついた変な度胸のおかげで、低レベルの英語力にも関わらず外国人に接することが抵抗なくできるようになったのでしょう。
 外国人とのファーストコンタクトに必要なのは語学力よりほんの少しの度胸とほんの少しの好奇心(海外での子供達を見ていると感じます)かも知れませんね。もちろん、深く付き合っていこうと思えばそれなりの語学力が必要になってきますが。

日本人宿考/ミスター・サマータイム/ナポリのサッカー観戦
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