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スリランカ南部のウェリガマは伝統的なスティルト・フィッシングで有名です。
海岸線の海中からポールが何本も突き出ており、何人もの漁師が突き出た棒に掴まりそこを足場にして釣り糸をたらす、のどかな伝統漁の写真がガイドブックに載っていました。これは一見の価値があると見に行きました。
早朝、現場に着くと確かに海中から何本ものポールが突き出ていました。が、そのポールに漁師が掴まっている姿は見られません。少し海が荒れているからかなとも思い、しばらく様子を見ていました。すると遠くから3人の漁師らしき人が竿を持って歩いてきました。
「これから漁が始まるのかな」と思っていると、海ではなくこちらの方に近づいてきました。「お前は日本人か。スティルト・フィッシングを見に来たのだろう。」と聞いてきました。
「そうだけど、今日は漁はないのかい?」と聞くと、
「それなら、今から漁を始めてやるから、カメラを用意しな。そうだな、××ルピーでいいから。」
と服を脱ぎ始めました。どうやら本当の漁だけでは食っていけないらしく、この漁も今や観光用になっていて、観光客に見せて収入を得ているようです。仕方がないので、お金を払って写真だけ撮って帰る事にしました。
漁師たちは海が遠浅なので、脱いで小さく畳んだ服を頭に載せ、岸よりポールまで歩いて行きました。
それらしく竿を海にたらし、もっともらしいポーズを取り「早く写真を撮れ」と合図しました。こちらがらOKの合図をするとそそくさと戻ってきました。
「いい写真は撮れたか」と聞く彼らにお金を払い、腰に掛けている籐の籠を見せてもらうと小さな小さな魚が1匹だけ入っており、「今日の収穫はこれだけ?」と聞くと「そうだ」と答えました。そして彼らの釣り竿を見て、なるほどなと思いました。
釣り糸の先には餌はおろか釣り針がついていませんでした。
伝統文化が観光化するというのはこういうことを言うのでしょうね。
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