『身から出た鯖1〜5』 中崎タツヤ 著  ヤングキングコミックス

これまたゴラムさんお薦めの本。中崎タツヤさんは『じみへん』でファンになって、へたうまな絵と下ネタともども大好きでして。実から出た錆ではなく、鯖。タイトルからしてもう、中崎ワールド全開。いや、全開と言ってもそんな力はいった前向きなものじゃなくて、どうしようもないどうでもいいようなネタが延々続く。
『じみへん』よりも下ネタがかなり増えていて、それも男子高校生の頃のしょむない感じの下ネタ。作者自身の周辺の友人達との会話とか、周辺の変った人たちとかが実際にモデルになってるのかもしれない。どこまでがネタかどこまでが実話かというのはどうでもいいのだけど、貧乏ネタなんかもしょっぱい笑いがあって;
やっぱいいよなーこの人は。。と思うのでした。

『天水 上・下』花輪和一 著 KCコミックス

ゴラムさんお薦めの花輪作品。母と生き別れ、たった一人でけなげに生きてる少女・棗が河童さんと出会い、一緒に暮らし始める。河童の頭の皿の部分には天水が入っていてそこはもののけの世界との境目でもあり、河童と出会った後度々怪異に巻き込まれる棗の窮地を救う役割も担う。
上巻は主に都に暮らす棗が出会う怪異、下巻は母が生きていることを知った棗が都を出て母を捜しまわる物語。奴隷のように奉公させられていた母を救い出した後も母と棗はさまざまな苦難に巻き込まれる。河童はその度に棗に力を貸し、二人は力を合わせて苦難を乗り切り最後ようやく母と娘は平和に暮らす。そして河童は憧れの河童における仙人のような方に見込まれて棗と別れて旅に出る。
中世の日本を舞台にしたファンタジーで、仏教説話的な雰囲気も漂わせる。花輪さんの非凡で濃密な画力が描ききった傑作。
連載途中で花輪さんが刑務所の中に入ってしまわれたので中断していたが、完全版として発行された本。

『刑務所の中』 花輪和一 著 青林工藝舎 発行

花輪さんが銃砲刀剣類等不法所持火薬類取締法違反で懲役3年の刑を受けたニュースを見た時はほんとに驚いた。でも、すっごくファンとかいうのでもなかったので詳しいことは知らないままだったのだ。この本が出たときも、話題本ながらやっぱり同じ理由で手が出なかった。が、今回ゴラムさんのお薦めで読めたんでした〜感謝感謝。

内容はそのまま、作者の留置場と刑務所の体験漫画なんですが、これがまあ花輪さんの筆致ですから細かくてびっしり描かれてるわけです。刑務所生活がツライとか厳しいとかそういう部分は表に出ず、淡々と日々の生活ぶりが書かれる。へえ、刑務所の中ってこんな感じなんだ、と本当にちょっとしたドキュメントの映像を見るようにページを繰る。特に食事についてのメモというか記録が細かくて、よくここまで、、とひたすら感心。漫画家さんて凄いとやっぱり思ってしまう。
銃刀法違反といっても、マニアが嵩じただけみたいな感じで、どうして実刑に??というのが若干見せしめ的な要素が強かったみたいな気配。その分読み手としてもちょびっと気楽でした;変な言い方だけども。被害者がいないって部分が読み手としても気が楽だったのかな。