『シャルトル公爵の愉しみ』1〜7  名香智子著・小学館文庫

『プチフラワー』に連載されていた名香さんのゴージャスな連載。大きく話は連続はしているけれど読みきり形式になっていたため、コミックタイトルが付いていて、シリーズ1とか2とかがなかったので、全編を通しで読みたいなーとずっと思っていた。ちょこちょことコミックを集めたのだが、なんせずぼらなもので、何を買っていて何が抜けてるのか把握できず・・・で、先日文庫を全巻買えたので通しで読んだ〜。これはもしかして未収録がまだあるのかもしれないが;通しで読むと改めて面白い。

お金持ちの家の突き抜けた生活を描くことにかけてこの作家さんほど画力、物語ともに無理がない方はいないだろう。インテリア、ファッション、庭や館などすべてにおいて華やか。貴族達のぶっとんだ金銭感覚が物語のスケールを大きくしていて痛快だし、男嫌いのヴィスタリアの天然キャラぶりも大好きだ。夫に愛人を作られながらその美しい愛人と逆に仲良くなってしまったり。性に関してのモラルも貧乏くさい庶民とはちょっと違う。合理的でおおらかでどこか何かが外れてる人たちの駆け引きが物語を面白くする。作家さん本人のどこか漢らしいほど潔く気風の良い作家性が出ているのかもしれない。

『放浪息子』1〜8・続 志村貴子著・エンターブレイン

5巻まで読んで続刊を買ったまま積んでいたので読みました。今現在8巻が出たところ。主人公は別に男の人が好きなわけじゃなく、可愛いかっこがしたい修君。可愛い顔と体つきで女装してもまったく無理がない。好きになるのは女の子なので、単に自分が女の子のように可愛いかっこがしたいだけ。可愛い小物とかも好き。なるほど、ホモセクシャルと女装とはまったく別の嗜好なのだなというのを改めて知る。もう1人同じクラスに男の子のようなかっこをしたい高槻さんがいて二人はお互いの嗜好を認め合い共有して、二人でそれぞれ男装と女装をしてデートしたりする。秘密を共有しわくわくどきどきするような関係。

さらには美人で頭も良いが我儘でクラスで浮きがちの千葉さんという女子は可愛い修君に恋愛感情を抱く。なので、修君に好かれている高槻さんを嫌い。千葉さんの感情はまた複雑。そのほか修君と同じ嗜好のマコちゃん(男子)や、高槻さんがやれない男装(学ラン)を堂々と着てくる女子のちーちゃんなどいろいろなキャラがそれぞれの嗜好や性格の中でクラスの友人達との関係に悩んだり楽しんだりしながら成長していく様が細やかに丁寧に描かれている。この細やかな描写は本当に素晴らしい。絵も淡彩のカラーも柔らかくいい感じだし、悩める少年少女の成長をそっと応援したくなる気持ちになるシリーズ。