感染性心内膜炎に対する僧帽弁形成術の長期成績

Long‐term Outcome of Mitral Valve Repair for Infective Endocarditis.
Shimokawa,T, Kasegawa,H, et al. Ann Thorac Surg. 66(3):733-9

 僧帽弁の感染性心内膜炎では、破壊された僧帽弁に対する弁形成術はいまだに試みられている段階であり、手術後どのくらいもつかも知られていない。この論文では感染性心内膜炎による僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対して行われた弁形成術の長期 にわたる結果が評価された。
 1991年から2006年の間に榊原記念病院では、逸脱(腱索が伸びたり切れたりして弁がずれる)による高度の僧帽弁閉鎖不全633例に対して弁形成が行われたが、それを感染性心内膜炎の78例と、感染ではない(退行性変性)555例に分けて比較した。手術死亡は全体で1%と非常に良好で、感染群は0%、変性群は1.1%であった。手術後10年の生存率と再手術回避率は、91.1%と92.2%で2群の間で統計学的な差はなかった。手術後10年のMR(逆流)回避率も83.3%で2群の間で統計学的な差はなかった。前尖逸脱、心房細動、リングやバンドなどの弁輪形成がない、がMR(逆流)再発の発生率を高める因子であった。感染群では、MRが再発したものはほとんど弁の肥厚や硬化がその原因で、感染の再発は関与していなかった。
 (結論) 僧帽弁の感染性心内膜炎に対する弁形成術の成績は、手術死亡率や合併症発生率も低く、長期成績も非感染の変性群と同様に良好であった。







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