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大動脈弁形成術(2009.9.15)

  第6回手術手技研究会(ATCVS)が9月12日(土曜)に東京で開催されました。ブタの心臓を使って手術手技の勉強をする会ですが、冠動脈、不整脈、弁膜症、と3つの部門のすべてを1日で実習できるので、毎年全国から熱心な若手・中堅の心臓血管外科医が集まります。私が担当する弁膜症のセッションは、大動脈弁形成術をテーマにとりあげました。大動脈弁閉鎖不全症に対する手術といえば、弁形成が行われることはまれで、ほとんどの施設で人工弁置換が行われています。大動脈弁は僧帽弁と比べると、平坦で弁の組織にゆとりがなく、きわめて単純な構造であり、このことが弁形成を遠いものにしています。しかし、本来3枚のはっぱが2枚しかない二尖弁の場合、うまく行ってある程度長持ちする可能性があります。この大動脈弁二尖弁に対して独自の方法で数多くの弁形成術を行い、良い結果を出しておられる川副浩平先生(現聖路加国際病院ハートセンター長)に講演と丁寧な実技指導をしていただきました。人工腱索に用いられるのと同じ、ゴアテクスという素材のシートをひも状にして、弁輪という枠を縫い縮める全周性の弁輪形成術がポイントになります。要するに合わさり目の少ない大動脈弁のボトムの部分を確実に締めることで合わさり目を増やしてあげよう、という考え方ですが、うまくいって1年くらいたったエコーを見ると説得力があります。若年者の場合など、大動脈弁形成が成功した場合の術後のQOL(生活の質)は驚くほど良好ですが、うまくゆかないと人工弁のほうがよかったということになります。適応は慎重にすべきです。また形成が終わったあとエコーでもれが軽度(mild)以上あったら人工弁に変えなければなりません。が、手術の質と再現性を向上させることによって、特に若い患者さんの選択肢の一つになることが期待されます。


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半蔵門循環器クリニック