鍼のおはなし


鍼の種類

毫鍼(現在一般に使用されている鍼)と三稜鍼。それから特殊鍼としての皮内鍼、円皮鍼、小児鍼など。


鍼の太さと長さ
太さは直径0.14mmから0.34mmまでの11サイズで、針体の長さは30mmから100mmくらいまで5種類です。この他にも、特別の太さや長さのものがある。鍼の刺す部位や病状や患者さんの体質等により使い分けます。実際に治療によく使われている針の太さは、だいたい私たちの髪の毛と同じぐらいです。長さも40 mmぐらいのものがよく使われています。


鍼の材質

現在使用されている鍼の材質としては、金、銀、ステンレス、サンプラなどがあります。実際によく使われているのは銀鍼とステンレス鍼です。


鍼具の消毒

一般的には、オートグレープ(高圧蒸気滅菌器)あるいはグルタールアルデヒド2%による滅菌が行われています。使い捨て鍼やパレットはエチレンオキサイドガス滅菌済です。


鍼灸治療の長所

なんといっても身体にほとんど損傷を与えずに、どのような身体の組織にでも直接自由に刺激を与えることができます。また鍼が細いから痛みが少なく、むしろ病変のあるところに気持ちのよい刺激を与えることができます。
どんな病気であろうと、病気になれば身体のどこかに違和感が生じます。違和感のある場所を選んで深いところであろうと浅いところであろうと直接刺激ができることは、鍼治療以外には考えられない方法です。


鍼施術の治療的作用

鍼治療によって、生体の組織、器官の機能の異常を調節し、本来の生理的な状態を回復させます。疾病の状態と治療目的により、次の作用に分けられます。
@調整作用
疼痛や痙攣のように異常に機能が亢進している疾患に対して、鎮静させる鎮静作用と、知覚の鈍麻、消失あるいは運動麻痺のような神経機能の減弱および内臓諸器官の機能減退に対して、興奮させる興奮作用。
A誘導作用
患部に刺鍼して、健康部から血流を誘導し、血量を調整する患部誘導法。もう一つは、遠隔部に刺鍼し、健康部へ血流を誘導する健部誘導法。
B反射作用
生体の反射機転を介して、組織・器官の機能を亢進あるいは抑制する作用
C転調作用
自律神経失調症やアレルギー体質を改善して、体質を強壮にする作用。
D消炎作用
E防衛作用


鍼治療の適応となる疾患(41疾患)

鍼治療の効果はWHOにも認められ、以下の41疾患が適応疾患です。
呼吸器疾患:急性気管支炎、気管支喘息
眼の疾患:急性結膜炎、中心性網膜炎、近視(小児)、白内障(合併症のないもの)
口腔疾患:歯痛、抜歯後疼痛、歯肉炎、咽頭炎
胃腸疾患:食道噴門痙攣、しゃっくり、胃下垂、急性・慢性胃炎、胃酸過多症、慢性十二指腸潰瘍(除痛)、急性十二指腸潰瘍(合併証のないもの)、急性・慢性腸炎、急性細菌性下痢、便秘、下痢、麻痺性レイウス
神経学的および筋・骨格系疾患:頭痛、片頭痛、三叉神経痛、顔面神経麻痺、脳卒中による麻痺、末梢神経疾患、ポリオの後遺症、メニエル氏病、神経性膀胱障害、夜尿症、肋間神経痛、頚腕症候群(五十肩、テニス肘)、坐骨神経痛、腰痛、関節炎


鍼のひびき

鍼を病人に刺した時に生ずる特有の感覚を、鍼のひびきといい、経絡現象として体験されるものです。例えば、ズシンとした感じ、棒で押すような感じ、熱感、清涼感など様々です。とくに病変のあるところは心地よく感じるようです。 ひびきは普通鍼をしているところの周囲に感じることが多いのですが、ときにはとんでもない遠いところにひびいてゆくこともあります。例えば後頭部にある風池に刺鍼すると眼の奥の方に感じたり、足の内果の後にある太けいにした鍼がお腹に感じたりすることは珍しいことではありません。鍼をするたびにひびきがあるとはいえませんが、刺鍼の目安の一つとしてひびきは非常に大切です。

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