胃潰瘍                             健康情報に戻る
 
胃潰瘍とは 胃潰瘍とは胃液や消化酵素による胃粘膜の局所的な組織欠損をいいます。近年その原因としてヘリコバクターピロリ菌(Helicobacter pylori)の感染が挙げられていますが、実際胃潰瘍患者の約90%がピロリ菌に感染しているといわれています。しかし日本人の中高年の70〜80%が感染していますが、そのうち慢性胃潰瘍になるのは2〜3%なので、ピロリ菌に感染したら必ず胃潰瘍になるというわけではありません。またその他の原因として非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)服薬によるものが多くみられます。さらに、喫煙・ストレス・刺激物の摂取で胃粘膜の血管が縮小し、血流が悪くなって胃酸処理が滞り、胃潰瘍の引き金になります。
主要な症状 上部腹痛、胸やけ、げっぷ、悪心、嘔吐、ひどい場合は吐血、下血。
一方で無症状の場合もあり、検診により発見されることもよくあります。
胃潰瘍の治療 2003年に入りEBMに基づく胃潰瘍治療のガイドラインが策定されました。なかでも、胃潰瘍治療では出血・NSAIDs・ピロリ菌の有無が重要視されており、特に慢性胃潰瘍の場合、ピロリ菌の除菌が治癒・再発の面からも非常に特効的であることが示されています。
*除菌に使われる薬物:
 プロトンポンプ阻害剤(PPI)+アモキシシリン+クラリスロマイシン(約90%の除  菌率) 再発率:除菌成功⇒1年後約10%
           除菌失敗⇒1ヶ月後約40%、6ヶ月後約60%
 一方で除菌以外の治療・維持療法としては、胃酸や消化酵素等の攻撃因子と粘液等の胃壁を保護する防御因子のバランスを取ることが重要とされています。
*治療・維持療法に使われる薬物:
 攻撃因子抑制剤:PPI(第一選択薬)・H2ブロッカー・選択的ムスカリン受容体拮抗薬。
 防御因子増強剤:スクラルファート・ミソプロストール・エンプロスチル
胃潰瘍と養生 治療中の人はもちろん、再発を繰り返す人、胃腸の弱い人は普段からの養生が大切です。治療中の食事内容は⇒『硬すぎないもの、辛すぎないもの、熱すぎないもの、冷たすぎないもの、塩っぱすぎないもの、酸っぱすぎないものを、ゆっくりよく噛んで、食後は安静にし、コーヒー・炭酸飲料・アルコール・タバコは我慢し、好きな物ばかり食べないで栄養バランスを考える』ことが基本です。
基本は、薄味の和食をイメージすることです。
*積極的に摂取した方がよい栄養素
 攻撃因子である胃酸の分泌を抑制する栄養素:カルシウム・マグネシウム・亜鉛
 防御因子を増強する栄養素(胃粘膜の保護・修復):ビタミンA・E・U
 これらの栄養素を取ろうとすると、乳製品、ナッツ類、魚介類、緑黄色野菜などを毎日摂取する必要があります。
*ピロリ菌除菌療法が保険適応を受けていますが、ピロリ菌を減少させることが認められた明治乳業のLG21乳酸菌を含むヨーグルトを摂取するのも良いでしょう。
*控えた方がよい食品
 塩分の多い漬物や香辛料の強い食品などです。
胃潰瘍では食事制限から栄養バランスが崩れることがあります。ご相談ください。