本書は、世界市場競争の視点から、化学産業の歴史的発展について考察したものである。そのような経営史研究としては、個々の企業を具体的な対象とする個別経営史が経営史研究の基礎にあるといえるので、個々の企業の国際化を軸に世界市場競争について考察する「国際経営史」研究が考える。おそらく、これがオーソドックスな方法であろう。企業は競争のなかで発展するので、経営史研究は自ずから競争の分析へと進むことになる。いわば「企業→競争」という方法である。しかし、私は、競争の視点からの経営史研究を重視する立場から、いわば「競争→企業」という方法から、「国際産業経営史」研究を進めてきた。(略)
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