街道パノラマ写真実践編その1 2003.01.25、2004.01.31


■街道パノラマ

 他にやらなければならないことが山積み状態なのだが、ポカポカ陽気に誘われて、ついつい二週に渡ってちょっとした散歩をしてしまった。目的は、以前コラム120で書いた、「街道パノラマ」である。半分は冗談のつもりだったのだが、実践してみたらどうなるのか、ちょっと興味があった。
 通常の人にとっては、大きな(馬鹿な)チャレンジかもしれないが、歩き慣れた者にとっては、ちょっとした散歩気分である。

 とりあえず、午前中の用事を済ませると、日本橋に向けて出発した。いつもと違うのは、装備が軽いことである。地図などは不要な、慣れた道だし、たかが数キロの道のりに、重装備はいらない。違い言えば、デジタルカメラ用の予備電池とメモリカードを大量に持っていることぐらいだ。
 いつもなら、JRを用いて東京駅に向かうところだが、気分転換に地下鉄を利用してみた。武蔵小杉で東横線に乗り換えると、ちょうど特急が待っており、2駅目には中目黒に到着、するとホーム対面に日比谷線が待っており、渋谷で乗り換えるつもりだったのだが、急遽変更し飛び乗る。しばらく都内の地下を走ると、銀座駅にて銀座線に乗り換え。これも、通常運行のため1分は待たない。あっと言う間に日本橋三越前に到着した。本来ならば、近いのは日本橋駅なのかもしれないが、日本橋駅からだと、一旦、北に進んで日本橋に到着後、再び、来た道を戻ることになるので、何となく、先からスタートしようと思っただけである。

 三越前で地上に出ると、日曜の昼過ぎだけのことはあり、買い物客でごった返している。通りを横断し、東側に移った。計画では、東海道分間絵図もどきを作成するつもりのため、江戸が右側に来るような写真を撮るためである。陽が傾くと、西日に向かって写真を撮ることになるのだが、仕方がない。とりあえず、日本橋の起点に着く前に、コンビニがあったのでペットボトルのお茶だけ購入した。

■久しぶりの日本橋

 道路元標の記念碑が対面になるように写真を撮る。パノラマ写真を作成する際、できるだけ望遠側で撮影する方が繋がりがきれいに仕上がるのだが、いろいろな焦点距離で撮影してみたところ、とてもじゃないが望遠側では撮影枚数が多くなりすぎる。ここは我慢をして、最広角側で撮影することに決定した。
 画面左側に目標点を定め、街道を京に向かって歩き始める。一歩、二歩・・・最初は軽快に進む。目標物を通過したあたりで15歩。10mぐらいか。さらに進みながら、今度はカメラを構える。ファインダーの右側に目標物が見える限界まで進むと、約30歩であった。20m弱ということになり、最広角側の焦点距離における理論値と、ほぼ一致した。とりあえず、目標は30歩毎に1枚の撮影ということに決定である。
 とりあえずの試行であるから、あまり厳密に写真内容を確認せずに、30歩毎に一枚撮影する、という作業を繰り返しながら街道を進んでみた。

 ところが、いろいろな問題点が起きた。まずは横断歩道である。都内の東海道は、太い幹線通りであり、交差している通りも幹線が多い。どうしても幅20メートルを越える横断歩道が多々あるのだが、横断中に横を向いて写真を撮るのが非常に危険である。右折車両が突っ込んで来るため怖くて仕方がない。仕方がないので、歩数に関わらず、横断歩道手前で一旦撮影し、渡りきったところで次の写真を撮る、ということによって、道路を横断することにした。道幅によっては、数枚抜けることもあるだろうが、どうせその部分の写真は繋がりがきれいにできないので、あとは写真の合成時に距離を測ってつなぎ合わせることにしよう。
 次の問題は、交通量の多いことである。とにかく走行している自動車が邪魔で撮影がさえぎられることである。しばらく待つと、手前の信号により停車している隙に撮影することができる場合もあるのだが、渋滞してしまっている交差点手前などは、停車中の自動車が邪魔で、いくら待っていても解消しない。また、停車中の自動車なら、しばらく待てば、とりあえずは小さな車に置き換わるのだが、駐車中の大型車の場合、待っててもどいてくれない。手前側の車線の場合、多少、よこにずれて撮影も可能だったが、反対側の車線の駐車車両は、街道風景を遮断してしまい、どうしても邪魔である。まあ、こんなことに腹を立てていても仕方がない。どんどん進むことにした。

 銀座まで来ると、歩行者天国であることに気付いた。普段、日曜日に銀座に来ることなど無いから忘れていたが、これはラッキーである。歩行者ならば、さほど邪魔にはならない。また、歩行者天国中、駐車車両はいない。
 ところが、歩行者ばかりの場合も、多少困ったことがあった。同じ方向に進む人と、タイミングが一致してしまい、何度も何度も撮影範囲に入ってしまうのである。子連れの男性が範囲に入ったのを気にしてみてると、十数枚に渡って、フレームに入って来た。おそらく、あちらも不審に思っていることだろう。なぜ我々を撮影し続けるのかと。そんな気はないのだが、あまりにも失礼かと思い、しばらく休憩し、やり過ごすことにしたが、子連れの速度は遅く、すぐに追いついてしまった。

 歩行者天国区間が終わると、やがて新橋である。再び、自動車がうっとうしい状態で撮影を続ける。もうメモリが残り少ない。新橋駅を過ぎて、ガードをくぐる直前で、撮影可能枚数が0になった。さて、枚数も予定どおりであったが、せっかく調子良く作業をしてきたのでもう少し頑張ろうかという気になった。と言ってもメモリが無い。コンパクトフラッシュメモリもずいぶん安くなったから、とりあえずここで購入してもそれほど財布は傷まない。新橋駅前を探してみるが、なかなかカメラ屋が見当たらない。いまどき、小さなカメラ屋でも、スーパーでも、下手すりゃコンビニでも扱っているはずなのだが、なぜか見当たらない。こうなったら、ついでだから、有楽町のビックカメラにでも行こうかと、方向を定め歩き出した。
 さすがビックカメラは安く売っていたのだが、予定していた128MB品が、売り切れで、256MBの大容量の在庫があった。価格が予定外であったが、今後も使えることを考えると、特に無駄な出費ではないので、256MB品を購入した。
 これで、ずいぶん先まで進めることになってしまった。電池は、まだスタートから交換していない。連続撮影の場合、300枚以上も撮れることが判った。いままで、だいたい1日は持つが、1日で120枚ぐらいが限度で、夜には充電しないと翌日使えない状態であった。連続で使用すると、無駄な電源のオン・オフが無いので持ちがいいようだ。

■新橋再スタート

 さて、さきほど目印にしていた新橋ガード手前のコンビニに戻ると、念の為、そのポイントから写真を撮り始めた。新橋ガード下は、歩道が無く、すこし遠回りする迂回路で歩かなければならない。どうしても連続写真が撮れない場所である。工事中でガードマンが立っている状態のため、無理して車のいない隙に車道に出ることも不可能だった。

 ガードの反対側に戻ると、景色が一変する。そういえばスタート時点より道幅も広くなっている。対面までの距離が伸びるということは、撮影範囲が広くなっているということである。再度、目標物を定めて、歩数の確認をすると、現在は、約40歩まで歩けるようだ。いつから範囲が広くなったのかは、あとから写真を整理すれば判る話だ。移動距離を40歩に改めて再スタートした。パノラマ写真を作成するときに、サイズが違うことになるが、それは画像サイズの変更で対処できる。
 移動距離が40歩になったため、若干、作業が速くなったようだ。ずんずん進むとあっと言う間に、浜松町、田町、と過ぎ、木戸前まで来てしまった。さすが、大容量のメモリを購入しただけのことはある。1枚のメモリで、もう250枚以上も撮影していた。徐々に残り少なくなり、品川宿までが危ういと思っていたら、なんと、品川駅前で、撮影可能枚数9枚になっていた。ちょうど良いタイミングだ。とりあえず日本橋〜品川間、という目標には、若干足りなかったが、帰宅のことを考えると、ちょうど良い。また、そろそろ夕陽も傾いており、同一撮影条件ということからも、ずいぶん外れてきている。

 今回は、ここまでとしよう。



■日本橋ふたたび

 てなわけで、翌週の土曜日である。また今週も、多少の時間が空いた。実は、先週の写真を家でつないでみたのだが、単純作業で30歩撮影、30歩撮影、を繰り返していたため、多少、繋がりが無い写真ができてしまっていたのだ。ほんのわずかなずれ、あるいは、駐車車両などによる撮影不能箇所が原因となり、数メートルの空白ができてしまっている箇所が、数箇所発見された。これは不満なので、それを撮影しに出かけたのである。ポイントは印刷した写真にマークしてある。それを見ながら、再度、日本橋をスタートすることになった。まさか2週続けて、日本橋から品川まで歩く羽目になるとは思わなかった。今度は、撮影ポイントが数箇所なので、さくさくと進む。問題は、先週と違い、土曜日なので、銀座が歩行者天国でないことだった。車が邪魔である。

 あっと言う間に再撮影を済ませると、先週の終了地点である品川駅前に到着した。

 さて、この先、八つ山橋までは、ほとんど同じ条件で撮影ができるが、その先、品川宿に入ってからが問題である。道幅が極端に狭くなる。まあ、箱根、薩タ峠、宇津ノ谷などに比べれば広いのだが、それでも、日本橋からここまでの状況とは一変する。さてどうしたものか。

 八つ山橋でも問題があった、道が複雑に変更されており、以前通った時とは趣が違う。宿場への入り方が変更されていたので、撮影の方法で混乱してしまった。以前と違って、道路が横断できなくなっていたので、一度、八つ山橋の交差店まで戻って道路を横断し、何とか宿場に入った。
 目標を定めて写真撮影間隔を測り直すと、約10歩が限界のようだ。三分の一から四分の一の間隔で撮影せねばならない。これは大変だ。作業も手間取るが、メモリの容量の問題がある。ここまで、写真は、:2560×1920の最高画質モードで撮影していたのだが、これでは耐えられないため、1段階落として、1280×960のサイズに変更した。これでも充分な画質が得られると思う。これならメモリカード1枚あたり350枚は軽く撮影できるはずだ。
 
 品川宿では、今までと違う問題が発生した。

 被写体が近すぎるのだ。今までは、対面の店舗などは数十メートル先の話なので、誰も気にしていなかったであろうが、ここでは、ほんの5メートル先、目と鼻の先の対象物を、10歩ごとに撮影する必要がある。店番をしている人と目が合いながら、その店に対して2回も写真を撮ると、さすがに不審がられる。まだ店舗なら良いが、一般家庭の家を、何枚も撮影せねばならず、もし怪しい人の家だったら、と思うと不安にならざるを得ない。急いで作業を進める必要があった。また、道行く人も、すぐ間近を通るため、邪魔にならないよう待っていたりする必要もあった。狭い街道に違法駐車している車両もある。ほんの数メートルの車両であるが、これが思うように撮影できない。

 なんとか無難にメモリがいっぱいになるまで撮影を済ませると、ちょうど鮫洲の駅の裏手であった。なんとか品川宿は通過できたようだ。前回は、日本橋から品川駅まで進んだのに、今回は、品川駅から品川宿通過が精一杯ということになる。やはり、撮影間隔の短さが問題であった。時間も思った以上に消費しており、昼食を取らずに頑張ったものの、前回の終了とほぼ同じ時刻になりつつあった。鮫洲の駅に向かうと、マクドナルドがあったので、軽く昼食を取ることにした。
 すぐ横が駅の入り口であり、ここから京急に乗るのが手っ取り早いのだが、歩き足りない不満が残っているので、大井町駅まで歩くことにした。たぶん近いはずだ。地図は持っていないが何とかなるだろう、と思い、車道の青看板を頼りに駅方面を目指した。東急の大井町線、目黒線を乗り継いで武蔵小杉に戻ると、やはり、まだ歩き足りない。JRに乗り換えるのを止めて、小杉駅から自宅までの2キロを歩いて帰宅した。


 品川宿のみなさま、1月31日に写真を撮りまくっていたのは私です。決して悪用するつもりはありません。
 お騒がせいたしました。

 日本橋〜品川駅間のパノラマ写真は、公開するのに何ら問題があるとは思えないのだが、品川宿内はどうだろうか。もう少し考えてから公開することにしよう。


■とりあえず編集が終わったパノラマ写真

 さて、お待ちかねの写真であるが、実際には、上で述べたように最高画質モードで撮影しているのだが、このままだと、現在のところ全部で1GB弱になってしまう。こんな量を紹介するのは無理なので、画像サイズを縮小して、また圧縮率を高めに設定している。しかし、高さ400ドットぐらいまで落とすと、臨場感に欠けるので、ぎりぎりまで大きなサイズで紹介する。それでも数10MBになるので、期間限定となるかもしれない。また、もし興味がある方は、連絡いただければ、元データを何らかの形でお譲りすることも考えている。
 とりあえず、現在編集が終わった1km区間のみを公開する。起点は、本来、日本橋の中央にある道路元標が起点なのであろうが、あえて、記念碑のある地点を起点として、距離を記入している。

日本橋道路元標記念碑からまで(100m地点)
国分ビル前交差点から日本橋交差点伊予銀行前まで(200m地点)
日本橋交差点伊予銀行前から東京風月堂まで(300m地点)
東京風月堂から丸善前まで(400m地点)
丸善前からdomaniまで(500m地点)
domaniからツムラビル前(キリン)まで(600m地点)
ツムラビル前からりそな銀行前まで(700m地点)
りそな銀行前からメルシャン先まで(800m地点)
メルシャン先からみずほ銀行前まで(900m地点)
みずほ銀行前から京橋交差点まで(1000m地点)

■追加 (2004.02.09)

京橋交差点からBrother販売前まで(1100m地点)
Brother販売前から東京三菱銀行前まで(1200m地点)
東京三菱銀行前からみずほ銀行前まで(1300m地点)
東京三菱銀行前から明治屋前まで(1400m地点)