醒ヶ井から柏原(2002.10.12)

 柏原宿に入ったが、見回したところ手頃な食事の場所が無さそうである。ほんの少し道を逸れればJRの東海道線駅があるので駅前に出てみることにした。駅前商店街があった記憶は無いが、それでもこの街道沿いよりはましであろう。
 一旦街道を外れて駅に向かうと、意外なほど車と人の波がある。何事かと思ったら、駅前に「醒井水の宿駅(えき)」という施設ができていた。醒ヶ井の湧き水を使用した宿場料理、豆腐造り、そば打ちの体験ができる施設らしい。駅前という立地条件ながら、自動車客を相手にしているようで、国道21号線沿いに比較的広い駐車場が完備していた。
 高速道路のパーキングエリアのような雰囲気で、多くの観光客を集めているようだ。我々のような大きな荷物を担いでいるほうが少数で、場違いな感じすらする。とりあえず、食事にはありつけそうだ。今回の旅では比較的順調に昼食が取れている。

 醒ヶ井と言えば養鱒場が有名で、大垣に暮らしていた頃、そんなに多くはないが、何度か訪れたことがある。ここでは鱒料理を食することにしよう。確か、今、街道から折れて来た通りを反対方向に向かった所に養鱒場があったはずだ。
 鱒料理づくしの定食があったのでそれを注文する。
 
 鱒料理の定食
 
 食事を終えて施設を見て回るが、特に興味をそそるような展示がしてあるわけではなかった。当然だが一般観光人向けであった。唯一おもしろい物と言えば、廊下に各種絵図のレプリカが展示してあった。常設か期間限定かは不明である。表に出てトイレ等の支度を済ますと、さっそく街道に戻ることにした。
 少し進むと石の道標があり、「中山道醒井宿 柏原へ一里半」と書かれている。また次も近い。1時間半ほどの行程である。
 西行法師が見付けたという西行水、菅原道真が祀られている神社の岩から水が湧き出るという天神水、を過ぎると、醒ヶ井宿資料館がある(上のタイトルの写真)。この資料館は、問屋場跡で、さらには郵便局跡である。ここも時間が無いので通り過ぎることにした。その先に居醒の清水と言う、醒ヶ井の地名の由来となった清水の説明の看板がある。
「景行天皇の時代に伊吹山に大蛇が住みついて旅する人々を困らせておりました。そこで天皇は日本武尊にこの大蛇を退治するよう命ぜられました。尊は剣を抜いて大蛇を切り伏せ多くの人々の心配をのぞかれましたが、この時大蛇の猛毒が尊を苦しめました。やっとのことで醒井の地にたどり着かれ体や足をこの清水で冷やされますと、不思議に高熱の苦しみもとれ、体の調子もさわやかになられました。それでこの水を名づけて「居醒の清水」と言うようになりました」と書かれている。歴史が思いっきり古い。天皇、日本武尊ということから説明の文章が敬語になっているのが面白い。この説明の看板の後ろに、確かに日本武尊らしき銅像が建っている。

  
 日本武尊像? だよね
 

 街道右手に流れていた清流も、居醒の清水を最後に無くなり、徐々に国道に接近する。一旦国道に接するが、再び裏道に進む。八幡神社の向かいに一色の一里塚。(但し、この時点では設置されていなかった。距離の計算からこの辺りと目星を付けていたのだが発見できず、後、2003年頃通過した方から設置されていることを教えていただいた。その後見に行くと、間違いなく、このときに探していた神社の前であった)
 国道沿いの大きなパチンコ屋が見えてきたところで国道に合流し、歩道を歩くことになる。
左手にコンビニエンスストア、ホテル街になったあたりで米原町から山東町に入る(2005年現在では同じ米原市)。ラブホテルの裏側に細い路地があり、こちらが旧道に近いと思われる。国道は交通量が多いので、適当に車が途切れたところで横断し、裏に回ってみる。ちょっと気まずい点もあるが、裏はちゃんとした道路で繋がっていた。予想外に旧道の雰囲気を残した落ち着いた道である。

 

 やがて国道の側道のような感じで接近すると、何故か突然バス停が現れる。梓河内という名前の停留所である。明らかに、こちらの側道がわに面している。この細い道がバス通りなのか。字が擦れて良く読めないのだが、○関所跡という看板がある。○が読めない。
 道は再び国道から離れ始め、急激に森の中に入って行く。民家が現れて来ると、小川関跡の碑が建っている。これは「おがわ」ではなく「こかわ」と読む。古川、粉川とも書き、中世の関所跡だといわれている。古代東山道の横川駅があったという説もある。この石碑の脇にある未舗装の道路が、本当の旧道であるらしい。
 柏原学区史跡保存会による街道並び松という記念植樹行われていた。まだまだ若い松であるが、あと100年もすれば立派な松になることだろう。一旦、開けた地域になって再び松並木が見えてくるとそろそろ柏原宿である。
 
 足元には小さな石碑 左 中・仙 道 と書かれている
 
  
 街道は急に山道の雰囲気を帯びる
 
 
 
 


番場から醒ヶ井 柏原から今須

2005.03.07 第一版