君が望む永遠 レビュー (2)



2.各キャラエンディング(各論)

ここからはエンディングも激しくネタバレ。キャラごとのシナリオ感想。
長文につき注意のこと。ちなみに一度書き直したVer.2のモノです。

●涼宮 遙 〜悲劇のヒロイン 

ヒロイン。名実ともに第一部ヒロイン。
個人的には第二部でもヒロイン。何故なら遙萌えだから(ぉぃ
そしてこれ以上ない、悲劇のヒロイン。

遙トゥルーエンドでは水月が引いて(孝之を諦めて)孝之と遙が結ばれるわけだが、
素直にゲームをプレイすればこの結論に達すると思われる。
理由は後述するプレイヤーとの感覚の違いもあるのだが、常識的に考えれば

水月…孝之を取られたくない
遙……孝之以外に頼れる人が居ない

と言う事実に気付けば、例え遙と付き合う気がないにしても水月と付き合い続けるというのはどうかと。
いや、孝之に「遙と付き合う気が無い」わけはない。
何故ならほぼ全てのシナリオにおいて、孝之が積極的に遙に別れを持ち掛けることはないから。
必然的に遙を選ぶしか道は無いのだ。
それなのにああだのこうだのと悩む孝之。もうダメぽ。
実際、それらしいことは茜の口から出ている。
しかし孝之は「そんなこと分かってるよ」か「聞いても右から左」。
なーんも分かってないっての…。

そもそも遙にしてみれば、事故にあって目が覚めてみたら3年。
それまでの恋人は親友と付き合っている。
普通、そんな状態になったら生きる気力なんて到底持てるとは思えませんが。
それでなお、遙以外を選ぼうとする孝之の神経は疑うばかり。
そんなわけで「水月が素直に引けばいーんだよ」と個人的には思ってたので、
遙トゥルーエンドがベストだと思っております。
水月派には「遙が目覚めなければ」とか言われそうだが(水月シナリオで遙自身が言ってる)

いくらなんでも酷と言うもの……。

それにしても遙の健気さに比べると水月のなんと弱いことか。
いつまで経っても「わたしを見て」と言い続け、関係を修復できないままにフェードアウトするか、
ぶっ壊れるか(もしくは結ばれるか、だが)と言う状態。
しまいには、慎二に抱かれる選択すらしてしまう。
遙の気持ちを立たせつつ、それでもなお孝之に尽くそうとする水月との関係も切れないで居ると、
水月がぶっ壊れて、水月妊娠ルート直行。
もしプレイヤーが介入する余地なく孝之が物事を判断していったらこの結末を迎える気がする。
水月シナリオも主役は遙のように見えて仕方ないし(後述)どう考えても遙>水月なんですってば(強引にまとめ)
したがって、遙エンドでもさっさと別れて欲しかったです、と言ってみるテスト。

「夜空に星がまたたくように…」をはじめとする第一部からの伏線も好評価の一因です。


●速瀬 水月 〜ほんとうのエンディング

と言うことで、邪魔者 水月トゥルーエンド。

孝之が水月と付き合うことを(水月との約束通りに)遙に話すシナリオ。
しかし、しかしだ。
このことを遙に話す、と言うことは「遙と分かれて水月と付き合う」ことを認めたも同然。
なのに孝之はこの期に及んで「事実を述べただけで遙か水月か決めたわけではない」などとのたまう。
オマエ、3年前から進歩してねーだろと。

孝之の優柔不断ぶりが発揮されるのはどのシナリオでもほぼ共通なのでこれ以上突っ込むのはやめる。
ゲーム的にはどう考えてもこのエンディングが頭一つ抜きんでてる感じがする。
遙の本当の気持ちも、茜の隠された想いも、もちろん水月のことも全て晒されるからだ。

もう一つ、孝之と水月を最大限に気遣う(なんとも健気な)遙。
それに対してマジギレする水月。
「3年間、孝之がどれだけ苦しんだか分かってて言ってるの?」
と水月。
知るわけないじゃん。遙は3年間(望んでも居ないのに)眠り続けていたんだから。
結局水月は自分の思い通りにコトを進めたいだけなんちゃうかと。
ここでの遙の剣幕は凄いです。水月も凄いけど好きじゃないからいいや(ぉぃ
結局のところ、この水月シナリオにおいても遙の強さがクローズアップされるだけのような気もしなくもない。
水月バッドエンドでは半狂乱になったり、妊娠して喜んだりと、
本当に水月がおかしくなってしまうのでなおさら遙の強さが引き立つ結果になる。

それはともかく話を進める。
水月シナリオでは水月が水泳を辞めた理由について、

○水月自身が事故の責任を感じてタイムが伸びなくなった。

と言うことになっている。
そしてそれに気付いていなかったのは孝之だけ(実は第二部茜登場シーンで茜が言うのだが、
それは“客観的な事象”として流されている。それどころか「オマエに何が分かるんだよ?
だからガキなんだよ。わかった風なこと言いやがって」と脳内逆ギレ)。
なんつー幸せモノなんだオマエは。
で、茜シナリオではそこまで明らかにならず、

○水月は孝之のために水泳を辞めて孝之とくっついた。

ことになった。
このゲームに関してはパラレルな関係は成立し得ないと思うので、各キャラでシナリオごとに
表現が変わったと考えたい。
水月シナリオにおいては確かに水月がタイムが伸びず水泳を辞めて…と言うことになるが、
その影には当然(廃人同然の)孝之の存在があったはず。
本当の理由を話せば孝之はますます責任を感じてしまう。
そうさせないために、それと同時に孝之を癒すために(悪い言い方をすれば傷の舐めあい)
孝之と一緒になる道を選んだ…と。
逆に茜シナリオでは水月をクローズアップする必要が無いため「水月自身」がどうなろうと関係なく、
シナリオの表面には出てこなかった、と考えたい。
やや外れるが、水月シナリオにおけるこのシーン「水月は孝之とくっつくために本当のことを伏せた」
ことについて、慎二と孝之自身はこれを強く否定している。
が、それに対する根拠は全く無い。水月を信じているからこそ、と言う考えも出来るが、
本当のところは分からない。このシーンの段階で水月に入れ込んでいる孝之と最初から肩を持っている慎二の
判断、正しいのかどうかはやや疑問が残らないわけでもない。

ともあれ、遙、そして茜に想いをぶつけられながらそれでもなお水月を選んだ孝之は(選んだ、というか
選ばされた、のように思うのは気のせいだろうか)、とうとう水月とゴールインすることになる。
そして数年(推定5年)後、茜はオリンピック出場を果たす。
水月の果たせなかったことを茜は見事に果たしているわけだ。
そして遙もまた「ほんとうのたからもの」なる絵本を出版している。
「ほんとうのたからもの」作者の「むらかみはるか」が涼宮遙であることにほぼ疑いは無いが、
この「むらかみ」とはなんなのか。
遙にとって新しい大切な人が見つかった、と考えることも出来るがやはりペンネームだと思う。
そうでなければ「ほんとうのたからもの」なんて作品を語る意味は無い。
エンディングを見る限り孝之も水月もそれなりに幸せに暮らしているようだが、
自分の夢をかなえた遙&茜に比べてこの二人はどうなんだろうか…。
孝之が居ないとダメだった水月。
本当に孝之を必要としていたのは遙だったはず。水月はそれを承知で遙には譲らなかった。
遙も茜も強い。そして水月は弱い。

孝之を手に入れた水月、夢を叶えた遙と茜。
一見みな幸せに見えるが全員が何かしらを失っていることを考えると、
やはり万事解決ハッピーエンド、とはならないようだ。


●涼宮 茜 〜逃げることの許されない立場

「遙の妹にして量産型水月」と孝之に命名される。
まぁ、なんと言うかこのキャラについては想像以上の出来でした。
シナリオ的にもキャラ設定的にも。

第一部であれだけなついていながら第二部での登場シーンは

「姉さんが眠っていた間に、随分と楽しい生活をされてたようですね、鳴海さん。
 どうもお久しぶりです」
「今じゃ、あの人なしの生活なんて考えられませんか?
「本当のことを姉さんが知ったら、どう思うでしょうね。
 私だったら流れた月日よりも変わってしまったあなたの気持ちに愕然としますけど。

と。
それに対する孝之の感想は前に述べた通り。
客観的な事象だけを捉えればどっちが悪いのかは明白。
「俺には水月が必要だ――」

そんなこと知るかっての。
孝之の脳内妄想で色々考えが出てくるが終局的な結論としてあるのは

「 遙 の 代 わ り 」

に過ぎないと思うのだが…

エンディングはしかるべき流れに沿ってるように見えるが、
結局のところ孝之にとっての茜ってのはなんなのか。
単に水月から乗り換えただけではないのか? 遙への裏切りであることにはなんの違いもない。
それどころか遙の妹であるぶん、かえってタチが悪い。
そして(茜が望んだこととは言え)孝之が思い通りに弄んでるだけのようにも見えるのは気のせいか。

対水月で見た場合。
ご存知のとおり、第一部では孝之&水月にしつこいくらいに惚れ込んでいた茜は第二部で態度が一変。
そりゃ、尊敬に値していた二人が遙を捨てて付き合い出したら心中穏やかでは居られまい。
ましてや茜の中には「親友だから遙に遠慮していた」水月と同じ想い、
すなわち「妹だから姉の遙に遠慮していた」と言う面がある。
そのサイドから見ても“水泳を辞めて孝之に逃げた”水月は憎んでも憎みきれない思いがあったのではないか。
結局のところ、茜も思い悩み(体調不良もあったとは言え)水泳大会では記録を残せず、
(最終的には)孝之に助けを求めるというほとんど水月と同じ道を歩んでしまう。
量産型水月とはいえ、こんなところまで似なくとも…と思うのだが。

対遙で見た場合。
水月との決定的な違いは「妹」である点。
その気になれば縁を切ることの可能な親友とそれの出来ない血縁の違いは大きい。
茜がゲーム中の何処から孝之を好きになったのかは不明だが(水月と違って茜は孝之の初対面から描かれている)
ひとつの鍵が「お兄ちゃん」にあるような気がする。
「鳴海さん」は茜と孝之を直接に繋ぐが、「お兄ちゃん」はあくまで遙を通しての関係になる。
そうして一歩引いたものだと言うことだ(水月シナリオで明らかになる+遙シナリオでも想いは同じはず)。

そうして考えてみても、孝之が茜と一緒になる道を選ぶのは不可解でならない。
水月と別れる流れになるのは、遙が目覚めた段階で(個人的には)決定的だと思っている。
あんな状態になればお互いの関係を続けることは出来ない。
そして当然に遙と結ばれるのが自然の流れだ。
何故茜なのか。それはゲーム中にも述べられてはいるのだが、茜は水月とは違い一時的に孝之との縁を切っている。
「遙が眠っていた3年間」に培ってきたものは何も無い。
自分の想いを押し殺してまで遙の看病、自身の水泳に打ち込んできた茜。
そこに手を差し伸べるのは本人も言っているように迷惑以外の何者でもないのではなかろうか…。

ともあれ、茜エンディングに入るわけだが、
ゲーム選択肢上ある意味ではもっとも辛い選択を強いるシーンがある(ネタバレ全開)

お見舞いで遙と別れることを決意した孝之、病室を出ようとすると
「私をひとりにしないで」と遙に懇願される。
ひたすら懇願する遙を振り切ると茜エンドに入る訳だが、この選択もまた酷だ。
常人だったらここで遙を見捨ててまで茜に走るだろうか……。
ちなみにここで振り向いてしまうと遙隠し妻エンドと言うとんでもない結末を迎える。
遠からずこの事実がバレるとき、孝之はどんな道を取るのだろう。両親にどう顔向けするのだろう。
茜のもう一つのバッドエンド、妊娠エンドはもっと重大な事態だ。
目を覚まさないままの遙の前で会話を続ける茜は聞いてるだけで鬱になる。
当然両親も遙の子供であること、そして孝之と茜の関係は分かっているだろうし、一体両親はどんな心持ちなのか。
いくら寛大な両親でも孝之を許すとは到底思えないのだが……。

もう一つ、茜昏睡エンドと言うものもある。
大雨の日に遙の見舞いに行かないと起こる結果だが「鳴海孝之」と言う悪評高い男への天罰覿面と言ったところか。
正規のシナリオではない(バッドエンド扱い)ので細かい評価は省略するが、
姉妹の立場を逆転させるこんな微妙な仕掛けのあるシナリオが入っている辺りも面白い。

話がそれたが、茜トゥルーエンドでもそれは変わらない。
まさか両親とて孝之と茜が結ばれることを歓迎したりはしないだろう(あの両親のこと、承諾はすると思う)。
まして、水月が納得するとも思えないし慎二もそれは同じ。
なのに何故最後に遙と茜は仲良しちゃんになってるのだろうか。

個人的には茜シナリオでの最大の見せ場はトゥルーエンドではなく、遙妊娠ルートにあると思う。
茜が選んだ花束、水月を誘わずに直接渡そうとした結果にとんでもないことになり、
遙が再び昏睡状態になったまま、孝之と茜は決意をする…と言うもの。
孝之の(人として笑える範囲を超越した)ダメぶりが最大限に発揮され、
同時に茜の健気さ(実の姉があんなことになって、孝之は殺されたっておかしくない)もうかがえる。
その事態の深刻さから来るこのゲーム特有の鬱さ加減からみても最強レベルだろう。

それにしても茜は強いなと思う。
遙にしてもそれは言えるのだが、茜はどのシナリオにおいても激しく取り乱したりすることはない。
水月がどのルートでも半ばおかしくなるのとは対照的だ(遙が混乱するのは仕方ないとして…)。
このあたりも茜の魅力の一つなのか…。


●鳴海孝之 〜物語の一登場人物

このゲームはプレイヤーに遙か水月かを選択させるのはまさに究極の選択になるわけだが、
この選択にはやはりプレイヤー自身と「鳴海孝之」という登場人物のギャップがどうしても辛い。
どうやらこのゲームの感想でも多くがそうらしいが、
プレイヤーが鳴海孝之に感情移入できない(自己投影できない)ようだ。

その原因は大きく分けて二つ。

○鳴海孝之のダメ人間ぶり(果てしない優柔不断)=こんなキャラに感情移入出来るか。
○ゲーム中では第二部開始の段階で「水月>遙」と言うかたちが出来てしまっている。
 にも関わらずプレイヤーには水月との思い出はほとんど投影されず、第一部の遙と想い出だけが圧倒的に強い。

この二つが見事に絡み合い、第二部全編(各キャラへのルート確定まで…最悪の場合確定後も)での
プレイヤーに言い様の無いジレンマを与えてしまう。
もう少し、プレイヤーに選択の余地を与えても良かったと思うが……。
そして優柔不断なだけならまだしも、これが独占欲の塊と言う厄介さ。
遙に対してはいささか自意識過剰な面もあるようで、遙に別れを告げられたときは相当ショックを受けている。
そのわりに水月との別れはあっさりしたものが多く(水月以外のシナリオでは全て別れるのに)
オマエは本当にどっちを取りたいんだと。

他のキャラのところでも孝之の批判は充分しているのでこれくらいにするが、
結局のところ、この鳴海孝之と言う人物自体が疫病神と考えても良いのではないだろうか?
何故こんな奴がモテるのかと言う根本的な部分から疑問に感じてしまう…。

では最後に彼の本性を。
遙エンドルートの最終分岐直後、

水月「…結局孝之は、遙のことが好きなんだよね…
孝之「!?
この期に及んで「!?」じゃねーよ…。


●平 慎二 〜中立に見せかけた水月贔屓

孝之の親友。
彼なくしてやはりこの物語は語れない。基本的には他人第一、孝之の一番の理解者。
第一部では孝之と遙のことを心配し、第二部では孝之と水月の関係を修復しようと必死になる。
と、終始孝之の味方であるようにも思えるのだが実はそんなことはない。

確かに孝之の味方であることに違いはないが、ことは遙シナリオで明らかになる。
こともあろうか、彼は不安定になった水月を抱く。
第一部の段階から水月に恋心を抱いてたというトンデモ設定がされている。

孝之と同じように本編(遙エンド)より抜粋。

「速瀬が、オレになんて言ったと思う? 助けてくれって…そう言ったんだぞ?

遙は言いたくても言える相手が居ませんが何か。

「孝之、オマエ速瀬をなんだと思ってるんだよ? 何様だよ!?

遙の代わりでしょ?
オマエはもういいから速瀬とくっつけよ。それで万事解決だよこの偽善者。

しかし友人第一の彼のこと、水月は孝之に譲り二人の幸せをひたすらに願う…なんだ、やっぱイイ奴じゃん。
水月を抱いたのも彼女を救わんとするため、独占欲の塊とも言える孝之よりよほどマシ。
唯一、水月シナリオでの茜の告白のシーンでは中立ではなかったことを白状するが、
全編通してそれは変わらないだろう。


○エンディング評価

このゲーム、個人的に良かれと思いその結果がベストとはなりえない、
必ず何処かで犠牲が出てしまうシナリオになっている(約一名全部が犠牲になるが)
この構成自体に文句をつける気は無いしむしろ面白いと思う。

主人公の立場に立ったとき(鳴海孝之の立場、ではない)、
個人的に優先順位は「遙>茜>水月>(越えられない壁)>その他」になるが、
単純にベストと思われるシナリオは

水月トゥルーエンド>遙トゥルーエンド>茜トゥルーエンド>茜(遙)妊娠エンド>その他

全2者は既に述べたとおり。妊娠エンドはどうみてもバッドだが、茜シナリオの中では
トゥルー以上のインパクトがあったので敢えて挙げてみた。むしろ茜トゥルーは消化不良な感すらある。
以下はどうでもいい、と言った感じ。
遙、水月の二人、そして密接な関わりのある茜以外に流れるなんざありえないぞ、と。


●その他

ゲーム中にもしっかり「その他」と言う扱いがされているが、その他だ。
その他のキャラではラストに到達したところで正規のエンディングテーマすら流れない。
個人的にも上記見解の通り、他のキャラクターを選ぶ鳴海孝之の神経は疑わざるを得ない。
機械的にシナリオを進めていた感じだ。

○天川 蛍

微妙。決して悪いシナリオではない…ハズ。
途中の蛍と孝之の手紙のやり取りは結構グっとくるものがあったし、
エンディングで孝之が今後の進路を明確に考えてるってのもプラス。
ってか、孝之(と遙)がその後どうしてるかを描いてるのは正当系の水月シナリオを別にすると
その点だけは評価に値するかな?と思う反面、この時点で遙と仲良くしてるってことは…

でも実際、疾患抱えながら病院の激務を死の直前まで耐えられるかどうかは甚だ疑問。

以下サブキャラクター全てに言えることですが、普通あんな状況下に置かれたら(遙の異常事態)
他の女には手は出せないでしょう。何を考えてるのやら。
ここでも鳴海孝之≠主人公、と言うことが証明されました。

○穂村 愛美

ちとココは素モード入りつつ。
なんでこのゲームにこんなシナリオがあるんですかね。
鳴海孝之の浮気性は他のシナリオで立証されてるわけだし、
前半の「わたしは貴方の全てを受け入れる」は水月と思い切り被ってるわけで。
ゲームとして伝えたいことがあるのなら水月でも出来たはず。

前半は所詮前フリなんでまぁ良いとして。
やっぱりこのキャラクターのポイントは後半の狂気、ストーカーぶり。
なんつーか…普通に引きました。
この手のゲーム(業界?)をやる人にはこーゆー話が大好きな人が居るんだろうなぁ…
とは思いつつもシナリオを続けるのがちと苦痛ですらありました。
そもそもメガネ+脱いだら凄いんですって奴には全く魅力を感じない属性なモンで。
それに加えてストーカー+変態属性つき。引くっての。

しっかしこの「鳴海孝之」ってキャラクターはどうにかなりませんかね。
ダメ人間って設定なのはいいけど優柔不断もいいトコ。
プレイヤーに全く拒否権が無いってのはねぇ…。そんなことしたらシナリオ不成立なワケなんだけど。
だいたい、水月と慎二が来てくれたところで
「……」
はないだろ。なんか言えよアフォ。
お前らも孝之の異常に少しは気付け。
てゆうか脱出したなら警察行けよ。
逃げ出す脳みそがあって言い訳したり警察行ったりすることが考えられないってことはないだろ。
それで愛美と生活始めてるんだから…常人には出来んわ。
どんどん壊れていく鳴海孝之をみているのはある意味滑稽。
ストーカーに愛された挙句、逆に愛しあっちゃうなんて常人には理解不能なわけで。
プレイヤーの分身としてではなく、一人の登場人物としてならこんな結末があってもいいだろ、と。
実際問題、シナリオを進めるのが苦痛。ゲーム史上に名を残す最低最悪シナリオ&キャラクター。

○あゆ+まゆ

看護婦に欲情する鳴海孝之の気持ちは理解できないが、
現実のなかで「遙を意識しなくて住む場所」であるバイト先に逃げ場所を求めるのは
まぁ考えられないことも無い。そんなわけで名前からしてフザけてるあゆまゆコンビについて。 まずは大空寺あゆ。 このテの業界にはありがちなブッ飛びキャラ。 本気で遙や水月のことを考えてる時にこんな奴が出てくると正直ウザイ。 とは言え、あゆシナリオにおけるあゆの水月たちに対する態度は 孝之の優柔不断無能ぶりからすると非常にスッキリしてて気分がいい。 シナリオ自体はたいしたことはない。 「すかいてんぷる」の日本語訳が「空寺」=大空寺に関係?ってすぐ気付くのは伏線としては甘いような。
あと、あゆと言えば「うぐぅ」でしょう。それに対する挑戦とはいい度胸です。

玉野まゆのほうは比較的シンプルなシナリオ。
そういえば聞こえはいいがゲーム中の位置付けがそれだけ低いと言うか…
まゆの裏設定は3年前の事故で兄を含む家族を失ったと言うもの。
そこに遙&孝之との対比を見出せるわけだがいかんせん中途半端。
あゆ&まゆと言うぶっとんだキャラにシナリオがついてこれない(本編の方が断然いいし)。
妹キャラとしては既に茜が居るし、事故の話も詳細は曖昧なまま。
どうせなら3年前の事故を遙と絡ませれば良かったのに…

すかいてんぷるにおけるやり取りは病院とは一転したものだし、
あゆ&まゆ+健さんと言うキャラクター自体はいい味出してます。
個人的にはあゆ&まゆのお祭りイベントはまずまずの出来かと。それだけだけど。



執筆時点(02年7月)でコンシューマ機(PS2/DC)への移植が予定されているようだが、
18禁シーンがシナリオに深く絡むことが多いのでどう処理されるのかも見モノ。


最後に劇中(水月シナリオ)より香月先生のコメントを抜粋。

「私たちはゲームの登場人物じゃない。
 たった一度の人生しか歩むことを許されない人間だものね…」

だ、そうですよ。




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