●青春18きっぷ


青春18きっぷとは何か。
夏休み・冬休み・春休みにJRグループが出している割引切符である。
しかし、これが普通の割引ではない。

「5回分・11500円・JR全線の普通列車乗り放題」
なのだ。
5回分だから1人で5回乗ろうが、5人で使おうが自由。
1回分あたり2300円になる。

2300円でJRを移動するとどうなるか・・・
運賃のみの場合、だいたい140キロ以上で2300円を突破する。
では140キロとはどれくらいか。

東京から・・・東海道線:吉原(富士の手前)
上野から・・・東北線:片岡(宇都宮の先)
札幌から・・・千歳・室蘭線:崎守(東室蘭の先)
名古屋から・・・東海道線:掛川(静岡と浜松の間)、大津(滋賀県・京都の手前)
大阪から・・・山陽線:三石(姫路と岡山の間)
博多から・・・山陽線:下関〜小郡の間(山口県)

と言った具合。
かなりマニアックな地名かもしれないが、ある程度掴めるのではないかと思う。
これ以上の距離を乗ってしまえば、青春18きっぷの元が取れてしまう。
しかも、日帰りならば往復だからさらに半分の距離で元が取れる。
例えば、東京から宇都宮を往復すればもう元が取れてしまう。
青春18きっぷ1回使って、宇都宮に日帰りで餃子を食べに・・・とか、
名古屋から大阪まで日帰りで・・・と言ったことも充分可能なのだ。

さて、注意するべきは「普通列車しか乗れない」と言うこと。
特急、急行、新幹線に乗ってしまった場合、特急料金だけでなく運賃も払わなければならない。
あくまで「普通列車専用」の切符なのだ。
慣れないとややこしいが「快速」は乗車できる。料金不要なので広い意味では普通列車なのだ。

この切符の有効期限は「1日」(もちろん連続利用可)。
と言うことは、朝早く出かけて夜遅くまで目一杯に使うことが出来る。
もう一歩進めて、日が変わった直後から使い始めることも出来たりする。
都市部での終電はたいてい0時を回る。そこから乗り始めることが出来るのだ。

もっとも、都市部の電車に乗ったところで長距離移動は出来ない。
そこで登場するのが、いまは影が薄い夜行列車だ。
代表的なのが東京と岐阜・大垣を結ぶ「快速 ムーンライトながら」と、
新宿と新潟を結ぶ「快速 ムーンライトえちご」だ。
いずれも優に140キロ以上を走り、楽々元を取ってしまう。
終着駅に着くのは朝なので、そこからさらに遠くに行くことも出来る。
しかもいずれも専用車輌を使い、座席はリクライニングシート。

影が薄い、と言ったが実はこれらの列車は「青春18きっぷ」のシーズンに指定券を確保するのは難しい。
安く移動できる、と言う噂が広がりあっと言う間に指定券は売切れてしまう。
それだけこの切符のメリットは大きいのだが・・・

具体例として、東京と大阪を移動する場合を挙げてみたい。
まず「ムーンライトながら」を使った場合。

東京 23:43(午後11:43)発
横浜 00:11 発 ・・・ここで日付けが変わるので車掌さんに印を押してもらう。ここまでは別料金で。
名古屋 6:05
大垣 6:56 終着

ここで乗換えとなる。

大垣 7:01 網干行き
米原 7:37 着

網干とは大垣以上にマニアックな地名だが、大阪・姫路よりもさらに先にある駅。
大阪くらいならこのまま乗ってしまってもいい。京都から先は快速運転になるので結構速い。
京都に8:55、大阪には9:35に到着する。
しかし、米原からさらに速い「新快速」と言う電車がある。

米原 7:53 新快速姫路行き
京都 8:45
大阪 9:15

この通り、大阪に9時過ぎに着いてしまう(ちなみに朝一の新幹線だと東京6:00−新大阪8:30)。
これで2300円と指定券だけ。シーズンに満席になるのも分かると思う。
ちなみに姫路には10:13着。
ここからさらに西に下っていくと、広島・博多を越えてなんと熊本まで到達してしまう。
瀬戸大橋を渡って四国に行くことも出来る。
これだけ乗ってもやっぱり2300円で済んでしまう。移動ばかりであまりお勧めはしないが・・・。

整理すると
東京 23:43 −大垣 6:56「ムーンライトながら」
大垣 7:01 −米原 7:37
米原 7:53 −京都 8:45 −大阪 9:15 −姫路 10:13

もちろん逆ルートもある。

姫路 20:02−大阪 21:00−京都 21:29−米原 22:20
米原 22:25−大垣 22:57
大垣 23:09−東京 4:47 「ムーンライトながら」

この場合、前の日が長いので2日分使ってしまうことと、
東京到着が早すぎることが難点か。安いので文句は言えないが・・・

「ムーンライトながら」は18きっぷユーザーには有名になりすぎてしまい、
さきほど言ったようにシーズンにはプレミアチケットと化し、
しかも多くがこの行程で動くため、非常に混雑したりする。
しかし、この安さはそれを補って余りある。
そこで利用にあたって注意点をいくつか。

1.予定はお早めに。
だいたい18きっぷの発売時期は決まっている。
JRの発表があったらすみやかに予定を立て、指定券発売と同時に確保してしまいたい。
なお、指定券は一ヶ月前の10時発売。場所によっては予約も受け付けている。

2.指定区間に注意
「ムーンライトながら」は全席指定なのだが、少々ややこしい。
シーズンによって若干違うが、

1〜3号車 東京−名古屋間指定席、名古屋−大垣間自由席
4〜6号車 東京−小田原間指定席、小田原−大垣間自由席
7〜9号車 東京−小田原間指定席、小田原−名古屋間自由席・名古屋止まり

となる。
何故小田原と言う中途半端なところで指定が解除されてしまうのか謎だが、
東京からずっと座っていれば大丈夫。
「自由席だからどけ」と言うようなことは言われない。
たいていの駅員ならムーンライトながらの発券ルールは分かっていると思うが、
第一候補「東京−名古屋」、第二候補「東京−小田原」でお願いするといい。
さらに注意すべきは7〜9号車になった場合、名古屋で切り離されてしまう。
こうなれば仕方ないので、名古屋で前の車輌に移ろう。

さらに指定券が確保できなかった場合。
前述の通り、小田原から自由席になるので乗ることは出来る。
が、座ることは諦めた方がいい。運がよければ空席にありつけるがほぼ絶望的。
また、ピーク時には品川から臨時列車も出る。

3.乗車時の注意点。
○ムーンライトながらはデッキがない。
 したがって、夜は結構冷え込む。防寒対策はしっかりと。
○防犯対策上、減光しない。アイマスクや空気枕があるといい。
○それでもスリの被害があるらしいので貴重品は放さず。
○途中駅で長時間停車がある。浜松・豊橋ではコンビニに買出しに出る人も。
○豊橋から始発列車になる。一般の利用者でさらに混雑することも。
○自由席が解除される小田原駅、深夜にもかかわらず大量乗車。
○大垣駅では階段を使う乗換えのため、混雑。

・・・こんな感じ。それなりにリスクを背負って、と言うことだ。
もちろん18きっぷ外にも運転しているので、体験してみるのもいいかもしれない。
18きっぷ外は空いている。
なお、これらは下り列車(大垣行き)の場合。上り列車(東京行き)は時刻表等で確認を。

ムーンライトながらの説明になってしまったが、
青春18きっぷとこの列車は切っても切り離せないような関係にあると理解していただければと思う。

話を戻そう。

東海道はご存知の通り、交通の大動脈。
新幹線の移動が一般的だが、実は在来線でも移動は出来たりする。
「交通の大動脈」ゆえに快速電車の運転もあり、意外と速いのだ。

東京−横浜−熱海 快速「アクティ」
豊橋−名古屋−大垣 新快速(快速、特別快速もある)
米原−大阪−姫路 新快速

新快速、と言うのは関東圏では聞き慣れないと思うが、
快速より速い快速のこと。
座席も進行方向向きの2人がけ、最高速度も120〜130キロで快適、青春18きっぷ移動に最適だ。

昼移動のケースを挙げておくと、
東京9:20の快速に乗った場合、東海道線を乗り継いで、
静岡12:18、名古屋15:08、京都17:15、大阪17:44。
大阪からは9:00ちょうどの新快速に乗って、
京都9:29、名古屋10:33、静岡13:19、東京16:24。
いずれも快速(新快速含む)を使った場合。これで2300円なら一日潰す価値はなかろうか。
もちろん、浮いたお金で存分に観光するのもありだろう。

東京と大阪の例ばかり上げてしまったが、青春18きっぷは全国で利用できる。
「ムーンライトえちご」を使って北上を続ければ北海道にだって到達出来るのだ。
ローカル列車などは通勤電車と同じ椅子だったりするケースもあるかもしれないが、
なんと言っても安く移動できるのがメリット。

是非一度、飛行機や新幹線には無いローカルな移動を味わってみてはいかがだろう。


○時刻表データ参照 2001年12月号
○相談・質問は受け付けますが、あまりマニアックなのは勘弁^^;




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