このページでは、毎月私が訪れた数百ヶ寺というお寺の中から素晴らしく私が感じた寺を、写真と供に一ヶ寺ずつ紹介していく予定です。日本の伝統文化であり、日本人の心を捉えて止まない神社仏閣、これを読んで頂いて、実際に足を運んでみたいなと思っていただければ幸いです。

多田寺源満仲墓
妙楽寺・・・ここは行基と空海ゆかりの古刹である。夏の光をも和らげる木立に囲まれた参道を少し歩くと、橋が見え、その橋を渡ると、木立がはれ、素晴らしい景色が目に飛び込んでくる。鎌倉時代の桧皮葺の本堂、地蔵堂、鐘楼、神社などの堂宇が建ち並ぶ。鐘楼で鐘を一突きすると、朝の日の光のさす寺域の静寂の中にまるで鐘の音が吸い込まれ、溶け込むように鳴り、その消え行く音ともに本堂に歩を進めた。本堂には千手十一面観音が祀られており、金箔もよく残る、美しいお姿であった。ここは秋田氏ゆかりの寺院であることからその尊像も祀られていた。地蔵堂には恵心僧都策と伝わる大きな地蔵菩薩があり、その大きさに驚かされる。小浜に来て一番感じたのは、お寺が自然と一体の姿で存在しており、仏像もまた本来あるべき、古いお堂の中に収められているということだ。当たり前のように感じるが、古いお堂に、古い仏像、そして自然、この本来あるべき寺院の姿を見ることは現在大変難しい。湖北のように国宝級の仏像は残っていても、それを見るのは宝物館や新しく建てられたお堂の中である。このように考えると、小浜では桧皮葺の本堂に国宝、重文級の仏像が安置されており、それを昔と変わらず拝観できることはとてもありがたいことなのである。そして、仏像もまた、お堂の中のほうが生き生きとして見えるような気がする。それが多く残る小浜は日本の宝であろう。
多田寺・・・日本三大薬師で有名な多田寺。本尊の薬師さん、脇侍の十一面観音、菩薩立像とも、大変素晴らしい仏像である。この本尊を納める厨子は川越藩主であった酒井家が小浜に移転の際に寄進したもので、薬師さんを入れるために何度も調整したといいます。お薬師さんを守るように両側には四天王を始め多くの神将が納められています。孝謙天皇が眼病になった際に信仰し、治ったことから眼病に霊験あらたかといわれます。ここは、豊臣秀吉が出世する機会をつかんだという出世の鐘の元祖の地で、さらに多田源氏の祖源満仲の墓もあり、古くからいろいろな人から信仰を集めていたことがわかります。現在、多田寺は本堂が古くなって、屋根瓦交換の時期にきていますが、国はまだ動きません。最近の文化庁のやり方では、本道を修復し、その本堂にまた、仏像を祀るのなら援助を遅らせ、新たに近くに宝物館を作るならすぐに取り掛かるといいます。確かに文化財を守るにはそれが一番いですし、後世に残せるかもしれないが、本来のお寺の姿を何とか残すようにするほうが大事なのではないだろうか。仏像とお堂は切っても切れない関係である。どちらかが、なおざりになれば、それに引きずられてしまうような気がしてなりません。
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