| 人力車の走る町 |
去年十一月、宮島に演奏会で行った際、観光協会の浜田さんから、人力車の大橋さんを紹介いただき、演奏会場まで、人力車で運んでもらいました。以来、私は人力車が気に入り、演奏会の時は必ず会場まで大橋さんの人力車に乗って向かいます。私はそれまで、人力車に乗ったことがなかったのですが、とても乗り心地が良く、ゆったりしていて、何より揺れが心地よい乗り物だと感じました。とくに、法衣という着物での移動で、初めて人力車に乗ったとき、本当に着物で乗り降りがしやすく、驚きました。明治時代、日本人がほとんどの着物の時代、人力車が流行したのもよくわかりました。車よりも乗り降りが楽で、着崩れしない。確かに、理にかなっていると思います。
もともと、宮島には人力車はなかったものの、大橋さんが以前人力車をしていた飛騨高山から独立され、各地を歩かれて、ご自分が人力車をしたい場所と選ばれたのが宮島でした。大橋さんの話しを聞くと、宮島には人力車の乗り心地が分かる、舗装されていない道も多く、観光地の距離もさほどに遠くなく、車も多くない、宮島は人力車の似合う町だそうです。事実、舗装されていない砂利道を走ると、本当に良い揺れ心地です。ただ、大事なのは人力車全部が同じというわけではないということです。大橋さんの人力車だからこそ、この味が出せるのです。同じように学生が学生ベンチャーとして起業し、人力車をしていますが、やはり大橋さんと同じ味は出せません。大橋さんの経験と、気配り、気遣いが生み出すのが、大橋さんの人力車のとても気持ちの良い、味のある揺れだからです。
そして、揺れだけでなく、大橋さんは雰囲気を大切にされます。今、確かに各地で人力車を目にするのは多くなりましたが、引き手は若い、バイト感覚の人が多く、主観ですみませんが、ポリシーや魂をもっている人は少ないのではないかと思います。大橋さんはちょんまげ姿、しかも自分の髪でされ、髪油もぬって、本格的な姿です。明治からタイムスリップしたような雰囲気を出されます。案内も乗降時の気遣いも本当に素晴らしく、是非宮島で大橋さんの人力車に乗って欲しいと思います。始めは、人力車に乗るのは恥ずかしいと思います。目立ちますし、人が注目します。しかしながら、恥ずかしいのは最初だけで、なれれば、これほど良い乗り物はありません。先ほどもいいましたが、揺れ心地、細やかな気遣い、そして何より、視点が高くなることによって、歩いているときには見えなかった景色が目に入り、景観も違ったものになり、新たな感動があります。料金も高くなく、交渉にだって乗ってくれます。宮島に何度も来たことがある人でも、また違った感動や発見が、大橋さんの人力車に乗ればあるはずです。
是非、1ランク上の宮島観光に、大橋さんの人力車に乗ってみてください。乗り心地は私が保証します。大橋さんは船で宮島桟橋を降りたところにいます。ちょんまげ姿の人力車の人は一人しかいませんから、必ずわかるはずです。このホームページを見たといえば、また話しも弾むと思います。
| 夢俥 髷一代 料金表 (御二人様料金) ほっと旅 3,000円 ゆったり旅 5,000円 まんぷく旅 10,000円 |
平成十七年六月一日
荒尾 努
神を斎祀る島 宮島特集