二軸のピストン
「飛ぶように走る」この表現は適切である。地面を強く蹴って走る人、つまり、多くの日本人からみれば、黒人のトップアスリートは、飛んでいる。まず、第一の違いは、足が接地するときには、腰または、大転子が、踵の真上に位置している。まるで、膝を軽く曲げてフラミンゴのように片足で立っているようだ。踵から頭頂部に一本の軸線が作られる。これが連続して移動しているとは思えないほどである。
この接地する瞬間、例えば右足を接地するとき。右腕は、「小さく前にならえ」のように脇を締め、肘から先が地面と平行になっている。足裏で地面をずらし、つま先が地面を離れる瞬間に二の腕が、体軸に対し45度程度。手のひらはあごあたりまであがる。この腕振りで身体が少し持ち上がる。このタイミングで、左足膝が一番前に飛び出る。右足は、つま先が離れた時点で、脱力され、緩やかに流れる。地面をけり込む場合、大きく後方に跳ね上がる。
走る姿を前方から見れば、つま先は少しあがるため、靴裏がほんの少しめくれるように見えると思う。右軸、左軸と交互に地面においていくので少し頭が左右にぶれるのではないかと思う。歯を食いしばったりはしていないはずである。横から見た場合、頭の位置は上下動は少ない。、地面を強く蹴って飛び上がらない。猫が腕を伸ばし爪を引っかけるようなことだと思う。または、跳び箱に手をついて身体を送り出すような感覚に近いと思う。現在の陸上用走行路は、弾力があり、スパイクのピンが、かかりやすいのであろう。
ヒザ裏に力が入るようになり、ここで支えるようになって気がついたことがある。膝を少し、曲げて立つ。膝をロックしてまっすぐにはしない。そのため実際の身長より少し低くなる。平山選手が、ヘッドが強いのは、横に並ばれるとあんなにでかいとは感じさせないからではないか。DFは、平山が身長は高いことは理解していても、横に並ばれた瞬間は、自分と同じくらいの背丈であると無意識に判断するのではないかと思う。では、このような膝をゆるめて立つ感覚を理解する実験。膝をゆるめて地面をずらす感覚理解のために、板を一枚用意する。段ボールでも良い。板は少し自分より前方に置く。その上に足裏をフラットにおいて足裏で後方に投げるというかずらす。行ってみると理解できるであろう。膝は伸ばすより少したわめて足裏全体を密着させた方が効率はよい。足裏が離れた瞬間、足自他の力は抜ける。
つぎに、板を少し後方に置く。腿前に力を入れて、後方に蹴ってみる。踵が浮き上がり、母子球を意識した通常の走り方と同じ仕組みである。足を自分より前方に置こうとするのであれば、素早くおろそうとする。自分の身体より後方で地面を蹴ろうとすれば当然足は流れる。それだけのことである。これは、足のどの部分の筋肉を使って進もうとするかの意識の違いである。つまり、通常の立っているときの筋肉の使い方の違いが、このような動きとなって現れる。
同じ右足で板を後方にとばすだけである。地面を蹴るふつうの人、つまり、腿前緊張タイプ、少し前方に板をおいた場合。腰が前に進み足裏の上に位置する。そこから体重をかけてつま先部を主に使って身体を押し上げる。60kgならその全体重。頭は、上に動く。右足を使っているとすれば、左足には意識がない。無意識の動作で膝を持ち上げいる。ヒザ裏支持の場合、足を前に置いたとたん、その上に身体が位置する。そうしなければ安定しないからである。その瞬間左足の膝は、右足より前にある。



