麦草峠
仕事の合間を縫って、おのひろきさんが主催するMLでのオフラインミーティングとして麦草峠のヒルクライムに参加した。
同峠は標高2127m、自動車が通れる峠としては乗鞍に次いで2番目に高いところである。funride誌でも、カテゴリー超級の峠として紹介されたところである(ちなみに、野麦峠はカテゴリー1級と紹介されている)。私自身、決してクライマーではないが、「カテゴリー超級」と聞くと、うずうずしてくる。この峠に、ロードレーサーではなく、改装なったPACIFIC-18で挑戦したいという気持ちが抑えられず、参加をすることにした。
1泊の企画であったが、仕事の都合もあって、日帰りの参加となった。さらに、同行者として声を掛けた同じチームのA藤先生の都合もあって、当日午後5時まで愛知に帰還しなければならないというハードなスケジュールとなる。そのため、オフラインミーティングでありながら、A藤先生と2人でマイペースで麦草峠を目指し、直ちにピストンで戻ってくるという計画になった。
とはいえ、仕事のピークと重なり、前々日まで午前様が続く状態で、一時期、参加も危ぶまれる状態になった。何とか1日は空いたものの、前日帰宅したのも午後11時。それから準備に取りかかり、携行工具の準備、POLAR Xトレーナー用のセンサーの装着等で時間を費やし、肝心のウエアが一番最後になる。気温が低いということで、いつもの膝痛は気になり、冬用タイツで行くかどうかは迷ったが、結局、上はアンダーウエア2枚+ジャージ+アームウォーマー+ウインドブレーカー、下はレーパン+レッグウォーマーの組み合わせにした。時間との勝負になると考えて、装備をできるだけ軽くする方向で考えてしまった。この時点で、名古屋は翌日の天気は下り坂との予報であったが、自分で勝手に麦草付近は午前中は天気が持つのではないかという甘い考えであった。後に、そのことで痛い目に遭うことに。
就寝したのは午前2時。ここ2日間ばかり、4時間睡眠が続いている。明日も早いので若干心配。
当日は午前5時起床。さすがに眠い。朝食を済ませて春日井市内のA藤先生との待ち合わせ場所に。天気もまあまあである。午前6時30分に合流し、自転車を積み替えて、A藤先生の車で諏訪インターを目指す。約2時間の行程であったが、いろいろ話をしている間に到着。
諏訪インターを降りて、空き地を見つけて駐車。午前9時前。名古屋からはそれほどの距離ではない。標高約740m(POLARの高度計の表示上)。看板の表示と比べると、数10mくらいの誤差があるのはやむを得ないか。
現地の天気も良い。さっさと着替え、膝痛対策で膝には念入りにウォームアップオイルを塗り込む。走行中にいつでも装着できるように、アームウォーマーは手首のところで丸めておいた。背中のポケットにウインドブレーカー、エネルギーinゼリー、スポーツ飲料を押し込み、小型のウエストポーチにデジカメ(FinePix2700)やカロリーメイト、ハンガーノック対策のキャラメルを入れて、A藤先生と2人で待ち合わせ場所の茅野駅を目指す。途中、若干迷ったが、間もなく駅にたどり着く。丁度、輪行組のおのひろきさんたちが自転車を組み立てている最中であった。しばらくの間、作業を見守る。ここは5年前に始めて夏沢峠を目指したときに、駅前に寝袋を敷いてビバークしたところである。懐かしい。
現地に着いてから、ボトルを積み忘れてきたことに気付いたので、500mlのペットボトルを買った。カバーがないので、衝撃があった場合に飛び出しそうで不安であるが、ボトル無しでは辛いので我慢するしかない。
本日のメンバーは、おのひろきさん、いっとくさん、須藤さん、吉田さんそしてA藤先生と私である。BD-1系が4台、アマンダが2台という組み合わせ。組み立ての合間に、早速自転車談義が始まっている。
そして簡単な自己紹介を終えて、午前9時43分に、いよいよスタート。
スタート直後、国道299号線に出るまでの道は、狭い上に、交通量も多い。土曜日ということもあってか?トラックも多い。たまらずに歩道に逃げたところ、段差でペットボトルが飛び出してしまい、後続に迷惑を掛けることに。車道を走ればで、路肩との段差にタイヤを取られてヒヤッとする場面も。
ようやく交通量も減ってきて、国道299号線に合流した。こちらは、そこそこの交通量はあるが、道幅があることもあって、それほど怖い思いをすることはない。途中、ザックを背負って歩道を走っているMTBライダーを追い抜く。
最初のコンビニを見つけて補給。ゼリー等は十分なので、皮むきの甘栗を買った。待っているうちに空腹感を覚えて、カロリーメイト2ブロックと、甘栗を平らげてしまった。
再出発。前方にうっすらと山陰が見える。おのさんから麦草峠の位置を教わる。あそこまで登るのかと思うと、少々気が滅入る。
この辺りで、日帰り組のA藤先生と2人で先行させてもらうことにして、前に出る。まだまだ平坦な道路を、多少の先頭交代を交えながら、淡々と進む。交通量も減って、気持ち良く走れる。多少かすんでいる感じだが天気も良い。途中、視界が開けたところで記念撮影。
その後の平地も淡々とペダルを回す。やがて、少しずつ、断続的に、登りが現れてくる。ここまでずっとアウター(60T)で走ってきたが、この先は本格的な登りだと思い、インナー(49T)に落とす。この辺りまでは、49T×19Tでこなせるところである。フロントを2枚にしたおかげで、リアにクロス気味のギアを使えるようになり、こんな場面では楽である。
気が付くと、後にいたはずのA藤先生の姿が見えなくなっていた。どうせ登りで追い付かれるのだろうと思いつつ、マイペースで踏み続けることにした。
そして本格的な登りに差し掛かる。リアの24Tを使う場面が増える。汗がぽたぽたとフレーム上に落ち始める。フロントのジッパーを全開にするが、ほとんど効果はない。心拍も180台に上がる。
前方から、背中にザックを背負った、ロード乗りの人が軽快に下ってくる。軽く挨拶を交わす。今日目撃した2人目のサイクリストであるが、この後は見なかった。
まだまだ先は長い。何と言っても、標高2000mを超えるのだ。念のため、エネルギーinゼリーを補給することに。勾配が多少緩やかになったところを見計らって、背中のポケットからゼリー飲料を取り出す。こんなときの背中のポケットはとても便利であるが、変な姿勢で取り出そうとすると肩を攣りそうになる(^^;)。
後を振り返るが、誰の姿も見えない。1人黙々とヒルクライムを続ける。
先程まで日が射していた天気も、薄曇りになる。しかし、まだまだ暑い。フレーム上の汗の跡は数え切れないくらいだ。
きつい勾配も現れてきた。ついに28Tのローギアを使うようになる。インナー×ローでは、フロントディレーラーとチェーンが干渉して音が出てしまう状態である。SUPERBEPROのクランクと、SHIMANOのBBの相性の問題か、チェーンホイールが多少曲がっているようであり、音の出方も不均一である。それほどではないにしても、多少のロスであるし、精神衛生上も良くない。何とかしたいところ。
途中から、PACIFIC-18に元々つけていたSIGMAのメーターが動かなくなった。センサーとマグネットの位置の問題かと思って下車していじってみるが、全く動かない。コンビニを出てから最初の停車であった。ふと後方を見ると、いつの間にか、ヘルメットを外しているA藤先生が迫っていた。やはり逃げるのは無理だったか(^^;)。再スタートして後方に付く。
この辺りから足が重くなってきた。心拍がそれほど上がっていないのに、足が一杯になっている感じである。ここまでに比べると、気温も多少下がってきた。意識のしすぎか、膝に若干の違和感的なものも感じるようになる。無理をしないことにして、ややペースを落とす。28Tに入れる回数も増える。今回は、ヒルクライムということで、リアの11T-23Tのロー側2枚(21T、23T)を、24Tと28Tに交換してきたが、19Tと24Tの間のギャップが大きいのは失敗だった。ここは、フロントのインナーを44Tにし、リアのトップ11Tを外し、リアのローに26Tを組み込むのが正解だった気がする。後の祭りであるが。
高度計の表示と看板を比較。どうやら100mくらいずれがあるようである。
A藤先生との距離も徐々に開いていく。少し差が付いたところで、A藤先生のリアから異音。A藤先生もスピードを落とす。A藤先生に追い付いて、停車して様子を見る。一瞬、スポーク折れかと不安になったが、ブレーキ用のインナーワイヤーのエンド部分がスポークに当たっていただけであることが判明。安心して再出発。しかし、すぐに辛くなった。まだまだ先は長い。
その後はA藤先生に引き離される一方。ついにA藤先生の姿も見えなくなった。
ゲートの部分を通過。そろそろ冷え込んでくる。ジッパーを上まで閉める。アームウォーマーも手首のところに巻いた状態から、伸ばして装着した。登りの暑さと、冷え込みが相殺されている状態。汗が落ちるのが減ったのは助かった。それでもボトルの飲料が少なくなって来ている。
その後も淡々とペダルを回していると、何やら物音がするのに気付いた。意識を向けたところ、雨粒が葉っぱを叩く音であることが判明。ついに雨が降り始めた。最初のうちは、すぐに止むだろうと思っていたが、なかなか止む気配はない。空気も冷え込んできたのか、雨を吸ったアスファルトから湯気?が立ち上がっている。姿勢を低くして地面に近づけると、少々暖かい(気がする)。
だんだんと植生も変わってきた。背の高い木が見えなくなる。さすが2000m級の峠である。
高度計の表示が1900mを超えた辺りで、勾配が緩やかになる。スピードも上がる。いよいよ頂上か?麦草峠は、3年前に夏沢峠に行った際、帰りに車で通過した場所である。写真撮影もしたので、大体の雰囲気は分かっているつもりであるが、天気が異なるため、全く検討が付かない。やがて、再び勾配がきつくなる。ぬか喜びだったことに気づく。やはり淡々と上るしかないことを悟る。
雨がますます強くなる。体の冷えも強くなる。この時点で、下りの苦労が脳裏に浮かんだ。駐車場が見え始めて、頂上も近く感じるようになったところで、たまらずウインドブレーカーを装着した。しかし、走りを再会して1分少々で頂上に。雨具で全身を固めたA藤先生が待っていた。息を整えてから、お互いに記念撮影。
時間もあまりないので、ダウンヒルにかかる。が、予想どおり、辛い。登りより辛い。これまで雨中の下りは何度か経験があるが、ここまで辛かったのは初めてである。下半身の冷えを心配したが、上半身の冷えが身に堪える。指切りグローブの指先の感覚がなくなる。指先を交代で口の中に突っ込んで暖める。寒さが先立ち、スピードも上げられない。少しでも体を暖めるべく、ブレーキをかけながら、ペダルを回す。靴の中も水没状態。ここからの冷えが結構堪える。今回は自慢のゴアテックスのオーバーソックスを持って来るのを忘れてしまっていた。下りに入って、下りが苦手というA藤先生が一旦後方に下がるが、こちらのペースの遅さから、間もなく先行することになる。途中、サドル下に折り畳み式の泥よけを付けていたことを思い出して、開いた。タイヤが小さく、それだけタイヤと泥よけの距離があるミニベロでどこまで効果があるかは疑問だが、少しでも濡れる量を少なくしたいという思いは切実であった。
約400mくらい下ったところで、おのひろきさんらと合流。停止してしばらく話をしているうちに、体の冷えも回復してきた。
時間的余裕もないので、ここでおのひろきさんらと別れて、帰路を急ぐことに。相変わらずスピードは上がらず、A藤先生に先行してもらう。奥歯がずっとガタガタ言いっぱなしである。その振れが自転車のハンドルにまで伝わって、がたがたして、少々怖くなる。
この時点で、自販機を見つけて、暖かい飲み物を飲むことしか考えなくなる。ようやく最初の自販機を見つけるが、全部売り切れ中で、HOTな飲み物もない。また震えながらの下りになる。指先を暖めてもすぐに冷えてしまう。
おのひろきさんたちと別れて、約400m下り、ようやくちょっとしたマーケット前の自販機を見つけて、A藤先生とともに停車。ちゃんと暖かい飲み物もある。量の多さでミルクティーを選ぶ。一口飲んで生き返った気分になる。
A藤先生から、余っているウインドブレーカーをお借りすることに。さらに、靴下を脱いで、絞る。濡れた状態は変わらないが、多少はましになった。
A藤先生を先頭に、再び下り始める。生き返ったのもつかの間、またまた寒さに体の震えが始まる。ひたすら耐えるしかない。途中でA藤先生が止まる。先程の店の前に、ウエストポーチを忘れてしまったらしい。回収に戻るA藤先生と別れて、ひたすら下ることにした。
いつもならあっという間なのだろうが、コンディションがコンディションだけに、気が遠くなるような下りである。終わりはあるもので、ようやく傾斜が緩やかになってきた。平地に行けば天気が回復するのではという根拠のない期待も裏切られる。途中でもう1度缶コーヒーで暖を取る。それでも気温が多少暖かくなって助かった。あとは、とにかくデポ地を目指してひたすらクランクを回し続ける。昼間という時間帯もあってか、交通量も増えてきた。出発時に寄ったコンビニを過ぎて、市街地に。多少迷いそうになるが、駅を見つけて、位置を確認し、無事にデポ地に戻る。ようやく息を付く。スペアキーで着替えを取り出して着る。雨のことなど考えていなかったので、濡れたままのレーパンの上からジーンズをはいただけだが、それでも生き返った。まもなくA藤先生も戻ってきた。これで今回の麦草峠のヒルクライムも終わり。
諏訪インターで高速に乗ってから、諏訪湖SAにて、温泉を浴びて、さらに生き返る。昼食を食べて、おみやげを買って、後はひたすら愛知を目指すだけであった。
時間を気にしすぎるあまり、装備を削りすぎたことを深く反省するヒルクライムであった。
本日の心拍表示グラフ、そしてプロフィールマップ。
ツーリングの記録のページに戻る
|
趣味[自転車]のページに戻る
|
トップページに戻る
|
苦情・お問い合わせの部屋