PACIFIC-18のドロップハンドル化
仕様表:PACIFIC-18号ドロップハンドル版
2000/8/12のスタイル
ドロップハンドル化を決意するまで
きっかけ
PACIFIC-18のドロップハンドル化自体は,1999年7月にPACIFIC-18を購入する時点から考えていたことであった。私自身,MTBも所有していたが,この前年くらいからロードレーサーに乗る機会が格段に増え,ドロップハンドルに一番慣れていたし,長距離を走行する際のドロップハンドルの優位性も十分承知していたのだ。でも,一番の理由は,人とは違うPACIFIC-18にしたかったためかもしれない(笑)。
ただし,実際に購入後,ハンドルの取り付け位置等をロードレーサー等と比較検討し,ドロップハンドル化をするとハンドル位置が遠くなりすぎると思われたこと,シンプルが一番と思われたこのタイプの折り畳み自転車という性質から,フラットバーと比較して多少嵩張ることになるドロップハンドル化をすることへの疑問を感じ,これを断念。ハンドルをフラットバーのまま,軽量化を第一目標にしてパーツ交換を進めた(詳細)。もっとも,この間,1999年8月には,名古屋市内のショップの前で,下半分をカットしたドロップハンドルのPEUGEOT PACIFIC-18を目撃して心が揺れたこともあった。
改造後の1999年9月には,NIFTYの自転車フォーラム(FCYCLE)のオフラインミーティング(ランドナーオフin岐阜)に参加。自宅から約80kmの行程も難なくこなし,初めて使ったシフター(ラピッドファイアープラス)の快適さもあって,この時点ではフラットバーのままで十分かとも思ったのだった…。
迷い
その後,foldingbikeのMLにも参加。PAIFIC-18をドロップハンドル化した方の話を聞き,BD-1用のアジャスタブルステム(角度がBD-1C用と同じで,ハンドル位置を近めにできる)を用いれば,ハンドル位置を近めにできるという話を聞いて,気持ちが揺れる。
自転車通勤や街乗りという観点から,ハンドル幅を狭くできるドロップハンドル化にも興味が沸く。結局,ラピッドファイアープラスの利便性を捨てられず,この時点ではドロップハンドル化には踏み切れずに終わる(その代わり,PACIFIC-18のフラットハンドルの幅は最終的に46cmまで狭まった)。
迷いが高まったのは2000年3月にNIFTY SREVEの自転車フォーラム(FCYCLE)のローカル会議室のオフラインミーティング(名鉄電車でGO)に参加したとき。自宅から往復約60kmの行程で,前年に岐阜まで走ったときに比べて距離は短かったのだが,この日はポジション的に苦しさを感じた(寒さから来る膝痛もあったためか?)。長距離をのんびり走ることができる自転車として,PACIFIC-18のドロップハンドル化を強く意識した(私にとってロードレーサーはあくまでもレース用であったし,ドロップハンドル化したサスペンション付きMTBも,フロントシングルの街乗り専用車と化しており,その車重から膝への負担が心配されてツーリングにはあまり使う気にはなれなくなっていた)。
決断
2000年4月からロードレースのシーズンに入り,PACIFIC-18に乗る機会も減ってしまったので,迷いながらもドロップハンドルの決断は付かなかったものの,ついにドロップハンドル化を決意。いろいろ迷ってきたが,最終的な決断に際しては,2000年7月になって仕事が忙しくなって,ロードレーサーでの練習時間が減ったことが一番影響した,と思う。仕事が忙しくなって,自転車に乗る時間が減ると,自転車にお金をつぎ込みたくなるやっかいな性格である(笑)。
ドロップハンドル装着
パーツ調達
前振りが長かったが,これから先が本題。
ドロップハンドル化の上での最大のネックは,ハンドル固定位置とブレーキレバーとシフターであった。
ハンドル固定位置
PACIFIC-18の購入時はここで躓いた問題である。上記のとおりBD-1C用のハンドル位置に相当するアジャスタブルステムを使えば,ハンドル位置をもう少し手前にすることができて,さらにハンドルの高さも調整可能になることは分かった。ただ,昨年の時点より,ロードレーサーのハンドル位置が遠くなっていたこともあって,アジャスタブルステムだけだとハンドル位置が近すぎることになるのではないかという懸念もあった。アジャスタブルステムに普通?のアヘッドステムが付いたタイプ(アジャスタブルアヘッドステム?)にしようかとも迷う。近所のZ店に行って,展示品のBD-1Cのハンドル位置を計るなどして検討を加え,迷いながらも,普通?のアヘッドステムが付くことでの重量化を嫌ってアジャスタブルステムを発注。しかし,輸入元のミズタニにも在庫がないとのことで,入荷は9月以降になるとの話であり,結局,在庫があったアジャスタブルアヘッドステムにした。ハンドル位置は,家の不良在庫であった短めのアヘッド用ステムと交換することで,ハンドル位置を手前に調整することにした。これがかえって良かったかもしれない。アヘッド用ステム部分が付くだけで,普通の自転車らしく格好が良くなった(気がする)のは不思議である。
ブレーキレバー
私のPACIFIC-18には,購入後,MTB用のSHIMANO XTRのVブレーキ本体を装着していた。効き目及び重量的に申し分のない状態である。ドロップハンドル化にあたって,このブレーキ本体はいじりたくなかった。となると,問題はブレーキレバーの選択であるが,Vブレーキに,一般のブレーキ(カンチブレーキやサイドプルブレーキ)用のレバーを使うことはメーカー側が危険と訴えているところ。カスタム本によれば,一般のブレーキレバーのレバー比を変えて,Vブレーキで使用可能にするパーツもあるらしいが,あまり目にしない。私自身,以前に,フルサスMTBで,カンチブレーキ用のレバーでVブレーキを操作したことがあったので(但し,現在はVブレーキ用レバーに交換)操作だけなら何とかなるとは思ったが,調整がシビアなのも問題である。フラットバー用のブレーキレバーと違って,ドロップハンドル用のブレーキレバーにはレバー側のアジャスターがないのも問題。アジャスター付きのVブレーキ用バナナという商品を使えば,後側のブレーキは調整可能となるが,前は,ブレーキ本体に対するワイヤーの取り回しの問題で,アジャスター付きのVブレーキ用バナナは使うのが難しい。結局,ブレーキレバーには,DIA COMPEのVブレーキ対応のもの(287V)を使うことにした。近所のZ店に行ったところ,在庫があってすぐに購入することができた。実は,ここの店長も,このレバーを使って,BIKE FRIDAYのMETRO 7をドロップハンドル化していた。
シフター
ブレーキレバーを上記のとおり選択したため,SHIMANOのブレーキレバー一体型シフトレバーを使うという選択肢はなくなった。残る手段は3つ。
1 9S用ダブルレバーをハンドルバーへ装着。
2 コマンドシフターの9S化。
3 バーエンドコントローラーの装着。
1番目の方法はNEWモールトンでも採用されている方法で,京都の同姓のK氏が,ツーリング+シクロクロス用MTBで実現している。自宅に,通勤用ドロップハンドル付きMTBをフロントシングル化したときの,コマンドシフター用の台座も余っていたし,家に眠っていた8S用ダブルレバーを使って試してみようかとも思ったが,台座の工作が少々面倒そうな感じがしたので今回はパス。
2番目の方法は,現在,通勤用MTBに使っているコマンドシフターを取り外し,以前に自転車フォーラムで教わった9S化の改造を施して,用いる方法。丁度,先日,今となっては在庫を見つけるもの大変なコマンドシフターの補修部品用にSUNTOURの8S用のサムシフターを買ったばかりなので,コマンドシフター内部のインデックスを決める金属板も余りがあるので,これに加工すれば何とかなりそうであった。ただ,これも,この時点では,通勤用ドロップハンドル付きMTBのコマンドシフターを取り去ってしまうことについて躊躇したことから断念。
結局,最も無難(かつ,最も消極的?)な3番目の方法を採用することにした。
ドロップハンドル本体
当初,BD-1用のステムのハンドルをくわえる部分の径がMTBと同じ25.4mmだったので,家に転がっていた25.4mm径のNITTOのB105(420mm又は450mm)を使おうかとも思った。不要品のリサイクルにもなる。しかし,ここで軽量化を計りたいという悪い虫がうごめきだした(^^;)。B105は420mm幅のもので約300gという重量がある。ドロップハンドル化で重量増加は避けられないとしても,最低限に抑えたいところ。又,昨年秋以来,ロードレーサーで使ってみて,気に入っているアナトミック形状のドロップハンドルを使いたいとの思いもあった。実は最近,ロードレーサーのハンドルを変えたので,アナトミック形状のドロップハンドル(NITTO Neat 184 410mm)が余っていたが,この径は26.0mmなので,MTB用のステムで固定するには不安がある。実際,どんな具合になるか試してみたが,かなり隙間が目立つ気がしたので,安全性の面から却下。ここで,京都の同姓のK氏が,上記ドロップハンドル化したMTBで25.8mm径のドロップハンドルを採用していたことを思い出した。丁度,最近,軽量化(^^;)の観点から,ロードレーサーのハンドルに,25.8mm径で超軽量のPRIMA199 420mmを採用したばかりであったので,MTB用のステムでの固定具合を試してみた。わずか0.2mmの差であったが,見た感じではしっかり固定してくれている感じであった。軽量化の観点からも問題なし。結局,ロードレーサーと同じこのハンドルを採用することにした。通販で安い店を探して発注。
改造作業
パーツが揃えば,後は改造を一気に行うだけである。ロードレース参戦の合間を縫って改造を進める。
ヘッドパーツの下玉押しは,自分でやろうかとも思ったが,アジャスタブルアヘッドステムを購入したついでに,店長に頼んで装着してもらった。
アジャスタブルステムの高さを計り,不要部分はカットして軽量化を計るのはお約束どおり(^^;)。軽量化に必須の工具,パイプカッターが活躍する場面である。
一番難しかったのは,ワイヤーの長さの調整である。折り畳み自転車だけに,普通の自転車と同じような長さにしてしまうと,いざというときに折り畳めなくなる。昨年改造したときに,変速バナナを使ってシフトワイヤーを短めにしたところ,後部を折り畳めなくなって輪行しようとして慌てた覚えもある。アウターのワイヤーを長目にカットして,それを少しずつ様子を見ながら短くしていく方法で対応した。
バーエンドコントローラーを使うのは今回が初めてである。シフト用のアウターワイヤーを処理するため,通常と反対向きで,サドルに合わせた黄色のコルク製バーテープを巻いて対応した。
こうしてドロップハンドル化も無事完了。
ハンドル幅が狭くなったので,サイクルメーター他の付属品をつけるのも工夫がいる。いざとなったときにフロントバッグを装着できるように,フロントバッグ用アダプターのスペースの確保もしておいた。
とりあえず,人とは違うPACIFIC-18の完成。
ドロップハンドル化を実現して…
試乗してみての感想
改造が済めば早速試乗。とはいえ,レース目白押しのこの時期,なかなか長距離を走ることはできず,街乗り程度しか走っていないのだが…。
ドロップハンドル化によるマルチポジションの実現は成功という感じである。アジャスタブルステムで,ハンドル位置を上下に変えることができるのも良い。また,アヘッドステムにした最大のメリットは,ポジションの自由度がかなり上がったこと。気に入らなければ,アヘッドステム部分を交換できる(しかも交換がとても楽)。
ただ,初めてのバーエンドコントローラーは,まだまだ慣れが必要という感じである。昨年春にダブルレバーのロードレーサーを廃車にしてから,ドロップハンドル+コマンドシフターの組み合わせでしか使っていないので,減速時や加速時に,無意識に,右手親指が宙をさまようのはご愛敬(^^;)。ハンドルを握ったまま変速はできるが,コマンドシフターに比べて,いちいち持ち直さなければならないのも面倒である(ダブルレバーよりは安定性が高いと思われるが)。これまでがスムーズ過ぎるラピッドファイアープラスだったせいかもしれない。この辺りは慣れであろうか。
ブレーキレバーの引きももう少し軽くしたい。MTBと同じようにインナーワイヤーにグリスを塗って挿入したせいだろうか。テフロンオイルで試してみたい。
今後は,長距離を走って様子を見てみたい。
今後の改造計画
今後,バーエンドコントローラーに慣れることができるかどうかは1つの問題であるが,現在,コマンドシフターの9S化も検討中。転勤族にとって,自転車の台数9台は少々多すぎるので(2年前半に名古屋に引っ越してきた当時は5台だった),通勤用MTBもリストラ対象の1台になっている。コマンドシフターの9S化がうまく実現すれば,通勤用バイクのシフターをPACIFIC-18に移植するかもしれない。
もう一つの課題は,フロントダブル化である。シンプルが一番と思ってフロントはシングルのままで来たが(NEWモールトンがフロントシングルなのにも影響されているが),リアが11T-34Tでは間が開きすぎているのも事実。フロントを2枚にして,リアをもっとクロス(スプロケットの歯数の差をもっと狭める)にできれば,実際に走る際は細かな変速ができて非常に走りやすくなると思われる。ただ,問題は,フロントをダブル化するための台座の入手方法である。個人で改造して実現した人の話も聞くが,自作で,自分自身が満足できるような品質のものを作ることができるかどうか…。
もう一つの方法は,リアの最大34Tを維持しつつ,それ以外の歯をもう少し小さくするという方法。NEWモールトンがこの方法を採っているらしい。次善の策だが,今後,装着可能なギアを検討してみようかとも思う。
もう一つ,頭の中で検討しているのは,足周りの交換。BD-1用のNEWタイヤの安定性はすばらしいが,せっかくのフルサスバイクであり,もっと細めのタイヤを装着したいところ。18インチ用の細めのタイヤが出ることを期待したいところであるが,現状ではリムの交換自体から考えなければいけないのかもしれない。
そして,最大の課題は軽量化(笑)。今回のドロップハンドル化で約400gの重量増となった。もう10kg以下は難しいとしても,BBの交換,シートピラーの交換等も検討したい。
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