フロントW化




 PACIFIC-18のドロップハンドル化に続き,フロントにディレーラーをつけて,フロントチェーンリングをW(ダブル)化した。

 動機

 PACIFIC-18を購入以来,フロント56T,リア11T-34Tの組み合わせで走ってきた。当初からフロントチェーンリングのW化には興味はあったが,折り畳み自転車はシンプルが一番という思いがあったことや,NEWモールトンもフロントは1枚であるということ,そもそもフロントディレーラー(FD)の取り付けを個人で行うのは難しいという現実的問題もあって,結局,フロントはシングルのままで過ごすことになった。

 そうした中で,今回,ドロップハンドル化を果たした後,いただいたメールで,CYCLETECH-IKDさんでFD用台座を扱っているということを知り,フロントのW化のことを真剣に考えるようになった(以前から,CYCLETECH-IKDさんのところではフロントW化の改造を扱っていることは知っていたが,現物を持ち込まないと無理だろうと思い込んでいたので,パーツだけで売っているとは考えなかった)。

 今回,フロントをW化することを真剣に考えるようになったきっかけは2つ。

 1つは,ドロップハンドル化により,既にシンプルが一番というスタイルは崩れていたことであった。一時期,10.2kgまで軽くなった重量も,また少し増えてしまっていたし,今更もう少し複雑かつ重量化となっても構わないだろうという心境(まだまだ軽量化には興味はあるが)。

 フロントのW化を考えた一番の原因は,走行性能の向上のために,もっと幅のあるギアを使いたかったということである。
 以前から,PACIFIC-18にて平地で高速巡航する際,前56T-後13Tという組み合わせが多かった。11T-34Tのカセットスプロケットだと,13Tの上は11T,一段重くするだけでかなり重く感じてしまい,間の12Tが欲しいと感じた。また,平地でトップギア近くまで使ってしまっており,下り坂ではクランクが空回りしてしまう状態となっていた(そもそも下りで踏み込む自転車ではないのかもしれないが)。
 対策としては,フロントチェーンリングを56Tより大きくし,かつ,ロードレーサー用のもっとクロス(歯数の差が狭い)カセットスプロケットにするしかない。小径車用の58Tや60Tというチェーンリングも,手に入れようと思えば入手可能である。しかし,フロントチェーンリングを大きくすると,登坂性能が問題になる。これまでのフロント56T×34Tの組み合わせ(ギア比1.64)はとても軽く,普通の走りではほとんど出番はないが,以前に横浜の劇坂地帯を走ったときは34Tを使う羽目になったし,ロングライドの後で,足に疲れが来ているときは,「保険」として,軽いギアは欲しいところであった。もともと,私自身,トルクよりは回転で登るたちであった。特に,PACIFIC-18は,Wサスペンションモデルであり,ダンシングでの登りはロスが大きく,軽いギアを高回転で回していく必要も感じた。したがって,56T-34Tのギア比ほどでないにしても,登り用にそれに近いギアは欲しいところであった。
 こうなると,必然的に,フロントチェーンリングを60T+もう少し小さいチェーンリングの組み合わせというW化に至る訳である。

 改造

 まずは,メールで教わったCYCLETECH-IKDさんに早速メールを出してFD用台座について問い合わせ,通販にてこれを入手した。在庫が少なく,ぎりぎりだった。

 これと平行して,以前からチェックしていたLORO CYCLE WORKSさんにて,やはり通販で60Tのチェーンリングを購入。これにはシングルで使うときのための立派な(?)アルミ製のガードも付属していたが,今回はWで使うため,何だかもったいない気もするが,このガードはお蔵入り。

 FDは,以前,既に廃車にした街乗り用ロードレーサーに使っていたSHIMANOのRX100の直付けタイプのものが余っている。ロードレーサーに,新たに入手したSUPERBEPROのFDを使い,これまでロードレーサーに使っていたSHIMANOのURTEGLAをPACIFIC-18用に使おうかとも思ったが,交換が面倒だったことや,重量測定の結果,RX100の方が意外(?)に軽いので,これをこのまま使うことにした。

 カセットスプロケットは,トップ11Tは絶対に欠かせず,ロードレーサー用のスプロケットの中から選ぶと,11T-21Tか11T-23Tになる。ここは,軽量化を考えて,DURA ACE用の11T-23Tを選んだ。但し,23Tでは劇坂用のギアには小さいので,NEWモールトンを見習い,変速性能の若干の低下を無視して,ロー側だけをもっと大きいものに交換することにした(DURA ACEの11T-23Tは,ロー側2枚がTitan製なので,これもまた勿体ないことであるが)。ギア板は,9S用のスペーサーを用いることで,家にあるMTBの8S用のスプロケット用のをバラして調達しようと思っていたが,我が家のSHIMANOの8Sのスプロケットはバラせないタイプのものであることが分かったので,ギア板の厚みが気になったが,最初のMTBについていた7S用のスプロケットをバラして使うことにした。保険用のギアが欲しいので,少し間が飛ぶが,28Tと24Tを使うことにした。

 フロントのW化に伴い,BBの軸長も長くしなければいけなくなるため,以前に使っていた122mm長のものに交換することにした。

 アウターのチェーンリングは60Tを使うとして,問題はインナーのチェーンリング。我が家の不良在庫品には,SUPERBEPRO用の49Tと44Tがある。坂対策というフロントW化のそもそもの目的を考えると,インナーを44Tにして,リアに最大26T(ギア比1.69)のギアを持って来たい。49Tだと,リアに最大28T(ギア比1.75)くらいのギアが欲しくなる。

 ただ,実際にFD台座を取り付け,FDを仮留めしてみて,問題発生。アウター側では問題はないが,チェーンをインナーに落としたときに,リアがローのときに,チェーンがFDの内側の板に接触してしまうことが判明した。FDも,リア三角(?)のフレームにぶつかっていて,これ以上は内側に動かない。BBのチェーンリング側にスペーサーを入れて,チェーンリング全体を外側に出したが,それでも接触は直らない。FDの板を少し削れば何とかなりそうな気がする。電動工具に取り付ける,ステンレス用の軸付きトイシを購入し,FDを削って,何とか49Tでは音鳴りがしないようにした(44Tだと,まだ擦ってしまう)。

 シフターは,リアと同様,バーエンドコントローラーを用いることにした。


FD台座。よく見えないかな(^^;)。

 音鳴りを避けるために,FDの板がチェーンホイールと平行でないため,アウター×ロー時のFDの調整がやや面倒である。
 折り畳み時にどのような具合になるのかは,まだ試していない。走行性が向上したのは確かであろう。

 後日談

 音鳴り対策としては,フレームを若干削るのと,スペーサーで対応させることにした(その代わり,右クランクはかなり外側に出ることになった)。
 2001年1月に,ズボンのダブルの裾をFDに引っかけて台座を壊してしまった(ズボンバンドの結束が不十分だった)。幸い,CYCLETECH-IKDさんから,新たな台座(改良型?)を手に入れることができた。台座の形状から,SUPERBEPROもURTEGRA(旧)も装着できなかったのでしばらく据え置きになっていたが,RX100の在庫を見つけてこれを装着し,2001年4月,再度のフロントW化を果たした。

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