岩手山と姫神山
岩手山はご存知岩手県の活火山です. そのすぐ東に,姫神山があります. 姫神山は花崗岩からなる山で,北上山地西縁に位置しています. 盛岡あたりからは,両方の山を望むことができます. この民話は, 岩手山の噴火を表したものだと思われます.宮澤賢治はこの民話を原型にしたと思われる, 地質学的解釈をいれた童話を書いています(楢の木大学士の野宿).
(あらすじ)
岩手山と姫神山はもと夫婦でした. しかし,美しくない姫神山にいやけがさした岩手山は,「俺の目の届かないところへ行ってしまえ」といい,オクリセンという家来をつけ, 「もし明日の朝,あいつが俺の見えるところにいたら, おまえの首はないと思え」と命令した.
ところが翌朝,東に悠然とそびえる姫神山を見た岩手山は,火を吹いて怒り狂い,オクリセンの首を落とした. 岩手山と姫神山の間にある送瀬山の頭が欠けて見えるのはそのためである.また, 五百森は,姫が形見にと脱疸を撒き散らした斧と言われている.
-その解釈-
これはもう何も解釈はいらないでしょう.火を吹いて怒り狂ったのは岩手山の噴火でしょう.岩手山は有史時代に何度も噴火していますから.五百森というのは,ものすごくたくさんの小山の集まりです. 高いところから見ると,本当にいぼいぼの病気のようです.これは,流れ山と言って,昔,岩手山が大崩壊したときに,その崩壊堆積物が山麓にたまったときにできた小山の群れです. 火山はときどき大崩壊を起こします. 最近起きた火山の大崩壊で有名なのは,1980年のセントへレンズ火山の大崩壊です.日本では,明治21年の磐梯山の大崩壊が有名です. これらの火山の崩壊でもそのような流れ山ができています. 磐梯山でいえば,裏磐梯の五色沼のあたりですね. 私の郷里の家は,鳥海山の流れ山の上に立ってました.
参考文献 岩手昔ばなし 支倉出版