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米塚山と糠塚山

 山形県最上地方に伝わる山にまつわる物語です。米塚山と糠塚山は、最上町の宮城県との県境に近い場所にあります。


(あらすじ)
 大昔、二つの小山が語りごっこを始めた。「隣の米塚やあ」「なんだ、糠塚やあ」
二つの山は一晩のうちにどっちが背が高くなるか、おがり(成長)くらべをしようといった。
話が決まると、二つの小山は肩をゆすりながら背伸びを始めた。米塚は高くなると我が重みで崩れ崩れする。糠塚山は、背が高くなるのだが、我が吐息や鼻息で崩れ崩れする。
 やがて一番鶏の鳴くころ、おがりくらべを見下ろしていた神様は、「山のくせにおがりくらべとはもってのほかだ」と怒り、足蹴にされたため、少し高い糠塚の頭がふっとんだ。それでおがりくらべはやめになった。それで米塚は鍋を伏せたように丸い形に、糠塚は頂きが崩れて平らになっている.

-その解釈-

 いかにも火山現象の描写と思える山の背競べの物語です。でも実際にこれら山は火山ではないようです。昔の人は、どこか他の地の火山現象をよく知っていて、わがふるさとの山もそうしてできたのだろうと考えたのではないでしょうか。
 この物語のように急激に火山が成長することは良くあります。たとえば、昭和新山や平成新山(雲仙)。雲仙の平成新山のドームが成長する時には、この話のように重みで崩れ崩れしてました。崩れたときに、火砕流が発生したのです。雲仙のような溶岩ドームの成長の他に、火砕丘と呼ばれるものも、急激に成長するものです。50年近く前に、メキシコで平地に突如としてこの火砕丘が形成しました。パリクティン火山と呼ばれています。これは、火山弾や火山灰などが火口から吹き上げ、火口の周りにどんどん降り積もって高く成長したものです。火砕丘のばあいでも、溶岩ドームの場合でも、成長の途中や最終段階で山が崩壊することがあります。あるいは、最終段階で爆発して、山体の一部が吹き飛ぶこともあってもおかしくありません。蹴とばして、山頂が吹き飛ぶというのも、いかにも火山現象の描写のようですね.


参考文献 日本の伝説4 出羽の伝説 須藤克三・野村純一・佐藤義則 角川書店

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