静内の津波
静内町を流れる静内川には津波にまつわる伝説があります。この伝説と直接関係があるかどうか分かりませんが、1640年に道南〜道央の太平洋岸をおそった大津波がありました。
伝説のあらすじ
河口から4kmほど上流にサッウンコタンという村があった。ある晴れた朝に急に塩辛い雨が降ってきて、川の流れが止まり、海の方に黒雲がたって、波浪が激しく泡だって津波が押し寄せてきた。津波の嫌いだという酒粕を村の周囲にまいて神に祈ると、津波はこのコタンを避けて30kmも奥のイタホラキというところまで弁財船を押し上げた。
地震によって津波が引き起こされることはよく知られたことです。最近では北海道南西での地震により奥尻島が津波に襲われました。北海道周辺は地震も多く、それによる津波も発生します。しかし、北海道の歴史の中では地震以外の原因による大津波が発生しています。それは、1640年の渡島駒ヶ岳の大噴火による津波です。この噴火では山体の北東が失われ、噴出物が海に流れ込み、津波が発生して北海道南部沿岸を襲いました。この時死者数百人の被害がありましたが、それは当時の人口を考えると、沿岸の村々はほとんど壊滅状態であったと考えられます。
世界の火山噴火災害で、最も死者を多く出しているのは噴火に伴う津波の災害です。日本でも、雲仙眉山の崩壊による津波は、「島原大変肥後迷惑」で知られるように、対岸で大きな被害をもたらしています。
参考文献 日本の伝説17 北海道の伝説 更科源蔵・安藤美紀夫