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二荒神と赤城神

 北関東には大型の火山が点在しますが、日光火山群と赤城山はその代表例です。火山活動と直接関係があるとは思えませんが、その二つの大きな山の神が起こした戦いの物語が伝えられています。


(あらすじ)

 昔、中禅寺湖の所有権をめぐって、下野国(栃木県)の二荒神と、上野国(群馬県)の赤城神が対立した。両者譲らず、ついに合戦となった。劣勢となった二荒神は、常陸国(茨城県)の鹿島の神に相談したところ、奥州の猿麻呂というものが二荒神の助けになると聞き、早速呼び寄せた。
 赤城の神はムカデとなり、二荒神は大蛇となり、互いに大群で戦った。猿麻呂は、ムカデの中でも頭の左右に角を生やした大ムカデが赤城神とわかり、弓を射た。矢は見事に左の目に的中し、ムカデは逃走をはかった。猿麻呂は一人でムカデを追ったが、ついには引き返した。このときの古戦場が戦場ヶ原である。

-その解釈-

 このスケールの大きな神戦物語は、二つの二荒神(男体山)と赤城神(赤城山)の戦いの物語です。十和田湖の例ではスケールの大きな神戦物語が火山活動と関係していたのですが、この例ではそうではないようです。男体山も赤城山も、かなり古い時代に火山活動をやめてしまった火山のようです。赤城山には火山活動の記録があるとも考えられているのですが、どうやらそれは山火事だろうというのが大方の見方です。火山活動は終わってしまいましたが、二つとも立派な山容を持つ火山で、上野と下野の両国の神にふさわしい山です。互いの地で様々な神事が残っており、ずいぶん具体性を持った伝説ですので、史実が基であるような気がします。おそらくは昔の国争いが基になっているのでしょう。


参考文献 ふるさと伝説の旅3関東−もののふの詩 (生方たつゑ他)

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