| 子ども達もそれぞれに成長し、個室を欲しがるようになりましたので増改築をしたいと思い、比加利先生にご相談する事にしました。
先生から始める時機をご指示いただきましたので、早速設計にとりかかると、はじめは、二階だけをやる予定だったのですが、設計士の方と打合せをしているうちに、だんだんと夢が膨らんでゆき、折角やるのだったらと主人とも相談し、一階の台所の部分も広くする事にしたのです。
ところが、私が台所の部分の見取図をああだこうだと書き始めますと、どうしても頭が痛くなってしまい、考えるのが嫌になってしまうのです。それでも何度か書き直して先生に見て頂きましたところ、
「二階はやってもいいと云いましたが、一階の部分は直していいとは云っていませんよ」と叱られてしまいました。
台所の部分を計ったり、図を書いたりすると頭が痛くなってしまったのは、きっと今回はやってはいけないというサインだったのだろうと思いました。その後、二階の部分につきましても数回、先生に手直して頂き、やっと設計図が出来上がりました。
先生のご指示通りに大工さんに始めて頂きました。大工さん親子は技術だけで無く、お人柄もとてもいい方達で、素人の私の注文にも快く応じて下さり、例えば、「二階の廊下に電話を置きたいのだけど、電話台を置くと邪魔だし、何かいい方法はないでしょうか」と相談すると、すぐに、廊下の壁の部分を40センチ四方ぐらいくり抜き、壁掛用の電話が掛けられるように加工して、メモ用紙と筆記用具が置けるようにもしてくれました。邪魔にならない上に、体裁もとても良いのです。また、以前使っていたサッシの窓枠や戸等も出来るだけ利用してくれました。その上、工事に伴って来てくれる左官屋さん、ペンキ屋さん、水道屋さん、電気屋さん等、皆様本当に親切な方ばかりで、きっと大工さんのお人柄によるものと思います。
そうして、三ヶ月程できれいに増改築が完成したのですが、不思議なことに、私が二階に上がってゆきますと、何ともいえず、さわやかな、いい気分になるのです。先生は、
「神様のご指示通りに建てた家だからですよ」とおっしゃって下さいました。
私の家の前の奥様が、毎日のように工事の進み具合をご覧になっておりましたので、「大工さんも工事の方々もとてもいい方ばかりなんですよ」とお話しすると、急きょ増改築を思い立たれたようで、その大工さんをご紹介しましたところ、すぐにお話がまとまり、後日、そのお宅もきれいになりました。
いまだに、大工さんは勿論のこと、その時の水道屋さんや電気屋さんも、用事をお願いすると飛んで来て下さいます。
今は、子ども達もそれぞれ社会人になり、家には居りませんが、二階の心地良さはずっと変わりません。
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