『大リーガー「新庄剛志」の育て方』

−子育ては“木育て”−

新庄英敏著






  大リーガー新庄選手のお父さんが本を出版しました。メジャーでは通用しまいと多
くの評論家に言われながら、高額の条件提示を蹴ってまで自分の夢を実現しようとし
た息子さんは、どんな親に育てられたのか知りたい、との声にこたえて出版、という
ことのようです。

 造園業経営の英敏さんは現在60歳。30年前、新庄選手が生まれた年に会社を設立し
たそうです。そして、男の子が生まれたらプロ野球選手にしようと最初から決めてい
た、というところから、話は始まります。サブタイトルにもあるように、水と肥料は
「木が本当に欲しがっているとき」にちょっとだけ与えるのがいい、というのが、お
父さんの子育て論。「父親がやるべき子育て5つの仕事」として、 (1)自分の人生に
夢を持つ (2)黙って見守る (3)自分の背中を見せる (4)ガミガミしからない (5)「生
きる知恵」を伝える、をあげ、これがそのままこの本の章立てになっています。

・落ち着きがないというのとはちょっと違うのですが、じっとしていない子でした。
・目を離すと、なにをやるかわからないところがありました。
・小学校時代には「もうすこしで命を落とすところだった」という交通事故に八回も
 遭っています。
・「豚も木に登る」じゃないですが、(略)剛志は、褒められ乗せられているうちに、
 野球がどんどん好きになっていったのです。
・野村克也さんに、「頭悪いから、一度に言わんでください」と言って周囲の度肝を
 抜きました(略)。

 などなどのエピソードの積み重ねのあいだに、「親の役割が終わっても、『壁』の
気概を持ち続ける」「つねに『子供が自分で決めたこと』にさせる」など、37の「子
育てのコツ」を紹介しています。

 こういう本のならいとして手前味噌なのはいたしかたなく、新庄選手が成功したか
らこその出版であり、こうしたお父さんとこうした息子の“書かれなかった物語”が
世の中にはじつはたくさんあることを忘れてはいけないけれど、それでも、父性の復
権などとしかつめらしく語る本より、よほど御利益があります。1時間もあれば読了
してしまう手軽さもいい。

◎ついで情報1
「新庄もSHINJOも私の息子」新庄文子, 「文藝春秋」2001年6月号. 

 新庄選手のお母さんの談話を編集部がまとめたもの。この記事を読んで新庄選手の
ファンになったという人もいます。新庄家の子育ては、どうやら褒めて褒めて伸ばす
子育てのようです。母親が語る新庄選手とは:

・褒めて褒めて伸びたようなものです。(略)小さなことでも嬉しそうに報告するか
 ら、「良かったね、頑張ったね」と皆で盛り上がるんです。
・食が細い子で、魚が嫌いで肉が好きでした。
・ものすごい負けず嫌いで(略)。
・あの子は記録がかかった時だけ本気で頑張るんです(笑)。
・とにかく、あの子が勉強ができなかったのは皆が知ってます(笑)。
・人懐っこいんですよ。
・すごく気のいいところがあって気になります。
・確かにすごく他人に気を遣う子なんです。
・あの子は一つのことにしか集中できないんです。頭の中に二つ、三つと入れておく
 ことができないし、雑念があるとダメ。
・あの子は駆け引きができないから(略)。
・気持ちの切替えは早いんです。
・子供の頃から時間だけは守れなかったですね。夫が木刀を持って家の前に待ってた
 ことがあったんですけど、全然直りませんでした(笑)。
・十カ月で歩きだして(略)。
・渡米してから、電話は(略)自分が威張れる時だけです(笑)。

◎ついで情報2
『ドリーミング ベイビー』新庄剛志著, 光文社, 2001年, 四六判,  211頁, \1143,
 ISBN4-334-97297-7. 


(Black Ice)
 『大リーガー「新庄剛志」の育て方』−子育ては“木育て”−    新庄英敏著, ゴマブックス, 2002年, 四六判, 191頁, \1200, ISBN4-901465    -32-5.







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