まえがき


 私はリプレイというものが好きではない。
 もちろん、初期の「ロードス島戦記」や、「D&Dのよくわかる本」に載っていたリプレイは、当時、非常に少なかったTRPGのブレイのしかたを学ぶ手段として重宝していた。
 しかし、恥ずかしながら10年以上もTRPGをしていると、教材としてのリプレイに新たな知識を得ることは少なくなってきた。
 もちろん、 TRPGの教材を狙いとして書かれたリプレイというものが減り、読み物としてストーリー性を求めたリプレイが増えてきたことも要因のひとつだろう。
 そうなってくると、私はとたんにリプレイというものに興味が無くなってきた。
 あのト書きの文章は非常に味気ないし、誰も彼もがリプレイを書くようになったせいか、質の悪いリプレイも多く現れた。これなら小説を呼んでいたほうがよほどマシというものである。
 そんなわけで、新作や未訳ゲームの紹介リプレイ以外は、まったくといって良いほど読まなくなっているのが現状だった。

 さて、そんな私がなぜいまさらパラノイアのリプレイを書くのか……
 このページにあるパラノイアリプレイにはTRPGの教材としての意味や、読み物としてのストーリー性といったものは皆無である。
 あるのは愚劣なまでに無意味なドタバタと、うんざりするぐらい繰り返されるお約束だけだ。
 しかし、私が出来るパライノアの紹介としては、このリプレイという形式が最良のものではないかと信じている。
 さきほど書いた、ドタバタとお約束がなぜパラノイアを楽しいものにしているのか?
 それを説明するには大変な労力と、それ以上に論理的思考と文章構成力が必要だ。正直、私にはそんな力は無い。
 しかし、リプレイならば100%はとても無理としても、比較的少ない労力と能力で、少しはパラノイアの魅力の一端を伝えることが出来るのではないかと期待している。

 結論を出そう。
 このリプレイは、TRPGの教材でも、読み物としても意味が薄い。
 また、ネット上で多く見掛けるプレイ報告というかゲーム日記といったタイプのリプレイでもない。
 これはパラノイアの紹介文、それだけの存在である。
 ただ、パラノイアの楽しさを紹介するには、普通の文章では困難である。それ故に、リプレイという形式をとっているのだ……と、考えてみて、なんだこれじゃあTRPGを紹介するのに、苦心の末リプレイ形式がとられた経緯と同じではないかと気付いた。
 なるほど、歴史は繰り返すというわけか。

 もっとも、いきなり世界説明の「せ」の字も無しでは、いくらなんでもわけがわからないと思われるので、ごくごく簡単であるが「パラノイア・ふたつの解説」という解説文と、パラノイアに関する有用な記事を掲載しているサイトを紹介している。
 あなたがもしパラノイアというものをまったく知らないというのならば、まずはこちらから読むと良いだろう。

 最後に、このリプレイでは意図的にルールに関る描写がされていない。
 なぜなら、私が使用しているルールには間違いが多々ある(市民、間違いは反逆です!)と予想されるので、間違った知識を広めてはまずいと考えたからである。
 あしからず。

内山靖二郎


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