美味しいそばはそば粉が決めて?

 おいしいそばって?

 美味しいそばの条件などというのは人それぞれの方々による感性によるものですから本来固定的なものは無いのかもしれませんがここではあえて独断と偏見で私個人が美味しいと思うそばの条件を無理やり押し付けているページであることをご理解ください

2004年5月現在
 そば打ちをきっかけにそばに魅了されてはや4年目。 そばに対する考えも少しずつですが変化しているように思います。
 単身赴任という環境の変化要因もあるのかと思いますが打ち方や良い粉を求めて目いっぱい力んでいた頃と違い最近はそばを楽しむ領域に少しずつですが傾斜しているのかもしれません。
 最近はそばの美味しさの定義にはあまりこだわらなくなってきた・・・かな? 理屈でなくて自然にもう少し食べたいと思ったそばが美味しいそばで、もう一度この雰囲気の中でそばを食べたいなと思ったときが良い店なのだと思うようになりつつあります。

20002年にHPを立ち上げた頃の文です

 私は2000年10月からそばを打ち始めたばかり、経験もまだまだ浅く生意気な口をたたける身ではないのですが、最近私なりに感じている事はそばの美味しさを決定付けるのはそのほとんどがそば粉であるということです。
 私はそば打ち用の粉は主に地元の自家製粉の手打ちそば店で、たまにネットを通じての購入しております。美味しさを比べると今のところ前者が勝るように感じます。 特に外れが多いのは観光地で購入したそば粉です。 私がそば打ちをしていることを知っている方が時々お土産に買ってきていただいたりするのですが、残念ながら今まで一度も美味しいそば粉に出会った事はありません。 多分常温で長期間店頭に置かれている等の理由もあるのかもしれませんが、買ってきてくださった方には申し訳ないのですがあまり期待しないことにしています。(^^;スミマセン

自家製粉と製粉所
 さて、手打ちそば屋と製粉所の粉の比較ですが、なぜ手打ちそば屋の粉が美味しいと思うのか理由は色々考えられます。 先ず自家製粉の粉は碾きたてであることが理由の一つに上げられますが、最大の理由は製粉の方法、目的にあると考えられます。 粉製粉所では製粉するときに通常は打ち粉、更科粉、1番粉〜3番粉更にそれ以下の粉などに製粉段階で何種類にも分けて製品としており、そのようにして製粉した粉は再びブレンドして様々な用途のそば粉として販売しているようです。 対して自家製粉をしているそば屋さんはだいたい1回碾きか、1番粉〜2番粉までで、田舎そば用に3番粉を少々碾いているだけのようです。 製粉所のように細かい選別はせず(設備の関係で出来ない)石臼の目立てや回転数にこだわり碾いている様です。
 つまり製粉所では分別する事により商品として打ち粉、更科粉やブレンドした自社銘柄のそば粉を販売しているのですが、考えてみると打ち粉や更科粉を販売しているということは澱粉質である部分が相当量抜け落ちている事になる。 澱粉質の量が減った事によりどれだけそばの味に影響があるのかは解らないが、もしかしたら再びブレンドすることによりうまく調整しているのかもしれませんが澱粉質の部分が相当に抜け落ちたことは全体的なそばの美味しさに影響していると思うのです。 
更にそんな疑問を持っています。

 ちなみに同好会で玄そばを殻ごと石臼で碾いて50メッシュの篩いで振るった場合は歩留まり約50%程度でありさらにもう1度殻を引いた粉を加えて60%程度でした。 これをそばとして打った場合にはとても美味しく出来上がる。 石臼は目立や隙間の調整は全くしておらず玄そばの投入量だけの調整で碾いた粉なのだが味香りともに実に美味しいそばになることは何を意味しているのだろう。
私のほんのちょっとだけの経験でこんな事を書くのはとても乱暴なのですが個人的にはそのように思っています。

 手打ちそば屋さんと製粉所の粉を一様に比較する事自体あまり意味は無いのかもしれません。本当にそばの味を追求する手打ちそば屋さんの場合には多少のコスト高を無視しても美味しいそばを求めて全国各地の産地を自分の足で巡り良質の蕎麦を吟味して使用しているといいます。 一方製粉所は会社であるがために多種類の製品を安定して供給しながら一定した品質を保たねば成らない、更にコストの追求をしなけらばならないといった制約がありますからなかなか難しいと思います。


 そばの美味しさの定義は?

 わたしがそばを美味しいと感じるときのことを独断と偏見で分析すると
香り やはり香りがそばを楽しむ最大級の感覚、食欲が湧いてきます。
同じ蕎麦の香りでも優しいものもあれば力強いものきつい香りもありますね。 高山で採れた在来種の小粒の蕎麦が優しい香りがするのです。
甘味 何度かそしゃくした後に感じられるそば独特のほのかな甘味は格別です。
すすりこんだときの角の感じ くちびるそして舌で感じる角の感覚はしっかりと打たれたそばをきちんと茹でてさらに丁寧に水洗いをしているからかな?
こし よく茹であがっていながらも噛んだときにしっかりとした弾力がある
噛んだときの感触 噛んだときに歯にまとわりつかないそばが好き。
喉ごし 喉ごしはうどんにまかせましょう。そばの場合はあまり重要ではないと思っています

 美味しさを決定付ける要素は?

美味しいそばの三要素としてよく三立て(碾き立て、打ち立て、茹で立て)と言われるが他にも美味しさを決定付ける項目があると思っています。 (打ち立てに関しては異論が多いが)
玄そばの産地 そばはシンプルなだけに玄そばの良し悪しがほぼ全てを決定付ける。
そばの産地は気候風土が厳しいほうが良い??
国内、海外に問わず蕎麦の成長に環境が合っていてしかもきちんと管理して生産しているところが旨いはず。
鮮度 玄そばの管理と製粉後の管理。 一般には玄蕎麦を低温保存して毎日製粉している蕎麦屋が旨い
碾きかた 粗碾き、細碾きこれは好みの問題だがどちらも碾きかたと篩いで味が大きく左右される。
ブレンド 複数のそば粉を混ぜ合わせる場合と同じ玄そばの碾きかたを変えて混ぜ合わせる方法もある。 この方法はお薦め。
加水 そば粉に対する水の量はシビアである多すぎればズル玉で茹で上がった蕎麦にはこしがない、少なければ繋がらないし短い蕎麦になる。 蕎麦としての美味しさに大きく影響
切る太さ 目的に合った太さに切る。 そばの食感の要素は大きい、そばメニューにあった太さが良い
茹で 硬すぎず茹で過ぎず(茹でが足りない事を煮え前というがこれは最悪)
ズルだまの蕎麦または実の外周部の多い蕎麦をゆで加減を短くしてこしのようなものを出す店があるがこれは旨くない
水切り きちんと水が切られているか、汁のからみに影響する
繋ぎ(つなぎ) つなぎもそばのうちと言われるが、やはり上質というより蕎麦の香りや味に影響を与えない小麦粉を使うことがそばの味を落とさないようだ。
しかしあえて小麦粉の力で食感をコントロールしているのが二八蕎麦であることもお忘れなく。
これも意見のわかれるところ。 江戸風の辛い汁か田舎風のちょっと甘い汁が良いか、私の家庭でもカミさんと意見の分かれるところ。
でも良い醤油で作ったかえしと品質の良い厚保削りを使った白だしの汁はすぐに解る。


 玄そばの産地
 
玄そばにはたくさんの産地。 北海道から九州そして外国まで有名なそばの産地は無数にありますがどこの    そばが美味しいのか正直言って解らないのです。そば屋によっては誇らしげに北海道産のそば粉だけを使用   などと誇らしげに掲げているが値段だけが高いような気がする。うちは中国産のそばを 使っていると堂々と    言っているそば屋のほうがずっと美味かったりもする。 要はそばの美味さは産地だけでないことが解る

 鮮度
 昔は玄そばを貯蔵する技術がなかったために前年の秋に採れたそばは年を越して夏近くになると熱と湿気で   劣化の頂点に達し、香り味ともに不満足なものになる。 そのためにそば好きは香り味ともにすばらしい新そばの シーズンを待ちこがれた。 現在では冷凍の技術が進歩し相当良い状態で保存できるようになったが、それでも  秋新はそば好きにとっては待ちこがれるものなのだ。

 碾き方
 個人的にはそばの味に関連する最も重要な要素であると考える。 
 碾き方には石臼碾き、ロール碾きがあるが、美味いといわれるのは石臼碾きである。 理由は石臼碾きの場合  にはゆっくりと碾かれるためにそば粉に余計な熱が加わらないためだそうである。
 また、細かく碾くか荒く碾くかでも食感や香りが大きく違ってくる。

 ブレンド
 碾き方と並んで重要な要素、碾いた粉のどの部分を利用するかでそばの味は大きく左右される。 一番粉は   澱粉質が最も多く含まれるが香りは弱い。 二番粉は澱粉質にたんぱく質が含まれてくるそのためにそばに少し 粘りが出てくるが食感としては抜けが悪くなる。 三番粉はそばとしての香りは強い、そして甘味も持っているが  混ぜすぎると二番粉以上にたんぱく成分が多くにちゃにちゃしたそばになってしまうのだ。
 つまり粉の特徴をよく掴んでブレンドすればいろんなタイプのそばが作れるのだ。

加水
 そば打ちの良し悪しはこの「加水」で決まると言っても過言ではありません。 しかしこの「加水」はとても難しいの です。 いつも使っている粉でもそのときの気温や湿度で分量が微妙に違ってきます。 水が多ければずるだまと 言って打つのは簡単ですが茹で上がったそばは妙にひょろひょろでこしが弱い。 水が少なければなかなか    つながらずに延すのに一苦労します。 また水そのものでもそばの味を左右するのです。カルキの強い水道水は 持っての外ですが軟水、硬水でもそばの雰囲気が変わるとか(私はそこまで繊細ではないが・・・)
 ちなみに我が家では水道水を家庭用ろ過機で越したものを使っておりますが、静岡の水道の水はカルキが    少なくてそばの香りや味に与える影響はとても少ないのです。