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やっつけられっぱなしではいられない さいきんのはなし。 2003-12-06
僕は本は読みっぱなし、放りっぱなし、戸は開けっ放しで、片づけること、閉める ことをしないでいつも注意されっぱなしである。
「あんた!また戸を開けっ放しにして〜〜、それから、それも出しっぱなしじゃない!どうして、片づけることをしらないのぅ〜〜」 と言う少数派の批判者の罵声を浴びながら、世のため人のため奮闘しているのである。(そんなことイイから自分のしまつをしろ!って?)
細菌たち、彼らにはそれぞれ 役割があって存在しているの である。
そのことが体の健康を保つ基となるのだから、「悪い子」として働き、そして黙って死んでいった細菌さんの亡骸(なきがら)(排泄物)に感謝黙祷! またよそから掃除のお手伝いに来てくれた細菌、ウイルスさんの働きがみえただろうか。 またどちらも最初は汚物(ゴミ)から湧く(発生する)のだから、 ゴミこそが病原だと理解できるだろうか。
だから、
、
敵をやっつけることは味方も、それもずっとお世話になりっぱなしでいた、味方の細菌まで無差別の殺戮を行おうというのだから、いさましい。というか、あさましい無知などを通り越して、こりゃあ、バ○だね。いやバ○も通り越して超○カ。
より強力化した敵(病菌)のみ。
そして戦いは終わった。 人類は細菌との戦いに敗れたのである。 これを声を大にして言う人は少ない。
私の名は、「ばい菌」、そして「病原性ウイルス」
細菌の世界には「良い子」も「悪い子」も居ないことを。
だいぶこうふんして来たようだから、次へ行こう。
どうだろうか。 これでも菌を嫌い、菌をやっつけようとして、まだがんばるつもりだろうか。 なかば興奮状態も頂点に達してきたので、鼻息がおさまるのを待ってまたあらためて出直してくるつもりだが、最後にイタチの最後っぺ。 ここまで言ってもまだまだ攻撃の手を止めないのなら、もう勝手にどうぞ。やれるとこまでやってみろってね。(これ細菌さんやウイルスさんからの伝言。彼らは日本語話せないからねえ) つづき |
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黄色ブドウ球菌は、敵か味方か 1章でMRSA(メナシリン耐性黄色ブドウ球菌)が院内感染に猛威をふるっている実SA) はペニシリン系の.抗生物質で殺すことができるが、MRSAは死なない。この点が異なるだけで、MRSAの病原性はふつうの黄色ブドウ球菌とまったく同じなのである。 そこで問題になるのは、黄色ブドウ球菌の持つ毒性である。黄色ブドウ球菌は、細胞壁の外側に毒素を隠し持っている。この毒素で血液の赤血球を分解し、死滅させる。赤血球が死ねば、酸素が細胞に行き渡らなくなり、細胞そして組織の死を招いて、発症する。 こういうと、やっぱり黄色ブドウ球菌は恐ろしい細菌ではないか、という声が返ってきそうだが、その結論はしばし待っていただきたい。 むかしの人は、病気は自然のバランスが失われたときに発生すると考えていた。この考えはもちろん正しい。黄色ブドウ球菌は、どんなヒトやペットのからだにも住みついている、いわば、どこにでもいる細菌なのである。 たとえば、人の口や皮膚、鼻や腸の粘膜にはたくさんの黄色ブドウ球菌が住みついている。だが、白血球がじゅうぶんに働いている (免疫が正常に機能していること) 健常者には、何の悪さもしない。つまり、健常者は黄色ブドウ球菌で発症することはないのだ。 黄色ブドウ球菌は、人と争いながらも平和に暮らしている細菌で、人と黄色ブドウ球菌は共生し、両者の間には平衡が保たれている。免疫によって抑えつけられ、あまり増えることができないのだ。また、毒素を出すものの細菌の数が少ない分、毒素の量も少なく、免疫システムがじゅうぶんに処理できるから、健康にはまったくさしつかえないのである。 しかし、なんらかの理由で黄色ブドウ球菌の数があまりに増えると、免疫はもはや大量に放出された毒素を処理しきれなくなる。これが原因となって悪心、下痢、肝臓・腎臓障害、血小板減少などを引き起こし、死亡率も数%に達する。これを毒素症候群という。 前のページに戻る |
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人と大腸菌の平和共存が壊されるとき 人の細胞には無害で、細菌だけに毒性を発揮する抗生物質があるとしよう。だが、こんな「理想のクスリ」を用いても危険にさらされることがある。これがとりわけ強くあらわれるのは、広い範囲にわたる細菌を殺すことができる広域抗生物質を使用するときだ。 広域抗生物質が、標的とする病原体だけでなく、人と平和に共生している常在菌という細菌群も殺してしまうからだ。 さきほどみたように、彼らをただ無害な細菌群だと思ったら大きな誤りで、じつは、人の健康に大いに貢献しているのだ。乳一喝によって膣を酸性に保ち、カンジグの増殖を抑えて、カンジグ腔炎の発症を防いでいるのだ。 大腸菌もそうだ。大腸菌は、食物といっしょに大腸に入ってきた酸素を消費している。これにより、酸素に触れると死んだり、増殖できない腸内のビフィズス菌などの嫌気性菌が守られている。ビフィズス菌は食物の消化を助けるばかりか、腸内に場所を占めることで、有害な細菌が繁殖しないようにしているのだ。また、腸内から酸素を取り除くことで、酸素の好きな悪玉菌 (好気性菌) が繁殖するのを妨げている。 腸の粘膜には五〇〇種類もの細菌が張りつくように住んでいて腸の壁を覆っている。この様子は、「壁紙」が壁を守っているのに似ている。すなわち、無数の細菌は「壁紙」となって腸の粘膜を保護しているのだ。 さて、感染が起こり、悪玉菌を殺すために広域抗生物質が使用されたとする。このとき、それまで人と共生していた何億もの善玉菌も侵略者とともに死んでしまう。その結果、壁紙のはがれた壁が傷みやすいのと同様に、表面を覆う細菌を失った腸壁は傷つきやすくなってしまうのである。 また、腸の粘膜は抗生物質を毒物とみなしているから、できるだけ早く外に追い出そうとする。そのための手段が下痢である。抗生物質の副作用としてよく下痢を起こすのはこのためだ。 下痢によって、腸管から抗生物質という毒物、悪玉菌、善玉菌がいっしょくたになって放出され、腸内は一掃される。そのあとで、善玉菌がふたたび集まり、健康であったときと同じ腸内細菌群ができあがれば問題はない。これは、電卓を使って計算をしている途中でまちがいに気づき、「オールクリア」のボタンを押して計算を最初からやり直すのに似ている。 だが、腸内ではそうはいかない。それまで住んでいた細菌が急にいなくなったわけだから、腸内にあき家ができる。もちろん、このあき家に、以前からの住人が戻れば問題はない。だが、往々にして悪玉菌やその親戚がやってくるのである。 ここぞとばかりにやってくるのは、抗生物質の効かなくなった耐性菌、真菌などの面々である。彼らはあき家に入りこんで増殖をはじめ、コロニーをつくって腸管を占拠する。抗生物質の使用によって、細菌たちの共生関係がすっかり変わってしまったのだ。 また、広域抗生物質の使用により、ふだんは人と仲良く共生している細菌が急激に増殖陽性菌、口の中にはカンジグというカビがいる。どちらも、ふだんは「壁紙」の細菌に抑えられているため、少数派としておとなしく暮らしている。ところが、「壁紙」の細菌がいなくなるのをきっかけに、一気に増殖する。こうして、クロストリジウムは大腸炎、カンジグは口内炎を引き起こすのだ。 このように広域抗生物質を何度も使うことで、細菌の共生関係がくずれ、そのすきに、それまでは主流派でなかった細菌やカビがはびこることをスーパーインフエタンョンという。スーパーインフユタションによって、それまで無害であった細菌が増殖し、人に有害になることで多くの病気が発生する。 スーパーインフェクションに対しては、医師は、別のタイプの抗生物質を用いてもう一度治療をやり直すだろう。もし、スーパーインフェクションを正確に診断できたとして、これが抗生物質を選択できるような恵まれた国で起こったのであれば、二回目の治療では、以前より狭い範囲に効く抗生物質を選ぶだろう。たぶん、この治療は成功する。 ところが、安価な広域抗生物質しか庶民の手に入らないような貧しい国では、治療してもふたたび、スーパーインフユタションが起こり、このとき、赤痢、コレラ、チフスなど の病気が発生することになる。 前のページに戻る |
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人間が耐性菌をつくりだしている 耐性菌が生まれる速さと広がりは、人間が抗生物質をどのように利用するかによって決まってくる。ところが人間は抗生物質の使い方を誤ってきたし、その誤りはいまなおつづいている。その一つは、必要のない抗生物質が大量に処方されていることである。 たとえば、にきびや気管支炎から、コレラ、肺炎、チフスまで何にでもよく効くというので、テトラサイクリンという抗生物質が大量に処方されてきた。診断がわからないときにも、医師はテトラサイクリンを安易に処方してきた。 また、日本では医師が患者の治療にまったく必要のない抗生物質を処方している。この理由は、医師が金銭的な利益を得るためである。これでは医師が悪い人の集まりであるかのごとく聞こえるが、彼らにも同情の余地がすこしはある。 それは、日本の医療制度が医師の専門知識に対して正当な代金を支払わないシステムになっているからで、医師はその分を不必要なクスリを処方して儲けて帳尻を合わせているのである。これで金銭面での帳尻は合うかもしれないが、その結果、患者はクスリの副作用に見舞われ、耐性菌は大量に発生する。こうして日本国内で大量に発生した耐性菌は、それでも、先進国では抗生物質の処方にいくぶんの抑制がある。先進国ではクロラムフェニコールは腸チフスや脳炎の治療のために残されたものであり、ほかの抗生物質が効かないときの最後の切り札である。 ところが、途上国では、クロラムフフェコールが医師の管理下におかれず、ちょっと熱があるくらいでも患者が勝手に飲んでいる。こうして、クロラムフェニコールの耐性菌が急速に広まっている。 そこで、耐性菌の出現は途上国ではどのような状況かを尋ねてみたところ、アフリカのルワンダで医療活動をつづける医師ラーマンは現地の状況を説明してくれた。それを紹介してみよう。 (一)ルワンダにはもともと少数の医師しかいないが、その少数の医師にしても地域の大きな病院にしかいない。(二)抗生物質は不適当に、不充分に、そしてしばしば不必要に処方されている。(三)患者から採取した病麓にどの抗生物質が効いて、どれが効かないかを調べる感受性テストの設備が整っていない。 抗生物質による治療が不充分で、せっかくいいところまで病原性細菌を追いつめても、とどめを刺さずに中途半端な状態にしておくと、耐性菌に変身して逆襲してくる。これでは、細菌を変身させるためにトレーニングしているようなものである。また、感受性テストを実施する設備がないため、広域抗生物質に頼らざるをえない。これでは耐性菌が発生するのも当然といえる。このように、耐性菌の出現は先進国よりも途上国のほうがより深刻のようである。 抗生物質を大量に使ってきたのは、病院の医師ばかりではない。農業や畜産業者も大量に利用してきた。一九四八年にテトラサイクリンが発見されてから、わずか二年後に、ブタやトリのエサにテトラサイクリンを少し入れると、病気にかからないばかりか、成長が速くなることがわかった。この理由は、抗生物質は動物たちの腸壁に発生する炎症を抑え、栄養素が腸壁からより効率よく吸収されるため、成長が速いと考えられる。 一九五〇年代のはじめには、世界中で抗生物質が家畜のエサに混ぜられるようになった。いまでは、テトラサイクリンやペニシリンだけでなく、多くの抗生物質が加えられている。家畜の成長が速まれば、マーケットに早く出荷できる。エサ代を抑え、コストが下がる。こうして食肉製品は値下がりし、消費者は大喜びだった。 なにやら、いいことずくめのようだが、じつはある重大な問題が持ち上がっている。家畜の腸内に住むふつうの細菌(感受性菌)の活動を抑えると、その一方で、耐性菌が生き残って増殖するのだ。つまり、家畜の腸内は耐性菌でいっぱいになる。さらに、0ー157などの細菌は人間と家畜の両方に感染することから、家畜の腸内で生まれた耐性菌が、家畜の糞といっしょに放出され、土が汚染される。汚染された土で栽培された野菜や果物を食べた人にも耐性菌が広がる。 アメリカのマサチューセッツ州でリンゴサイダ1を飲んだ人から015ー7の感染者が発見された。原因を調査すると、果汁をつくる際に使われたリンゴに0ー157が付着していたことが判明した。 また、ウシを解体するときに腸管から漏れる汁が、食肉部分に触れることがある。これに0・157が含まれていれば、食肉は汚染される。これを材料にしてつくられたハンバーグやステーキにじゅうぶん火がとおっていなければ、それを食べた人に菌が感染する。 事実、農場で働く人の腸内細菌から、ふつうの人よりもはるかに多くの耐性菌が見つかつている。とりわけ、大腸菌とサルモネラ菌に耐性菌が増加しているのが目立つ。 大腸菌とサルモネラ菌はありふれた細菌であり、耐性遺伝子はプラスミドに乗っているから、耐性がほかの細菌に移動しやすいのである。 家畜の飼料に抗生物質を混入する危険性がわかって以来、デンマークでは一九九五年、ドイツでは九六年、日本では九七年から、バンコマイシンと化学構造が非常によく似た抗生物質アポパルシン(家畜専用)をニワトリの飼料添加物の指定からはずしている。 また、フィンランドは国をあげて「抗生物質減少」キャンペーンに取り組み、世界でも抗生物質の使用量を減らした国としていま、そのやり方が注目されている。 多くの専門家は人体用や飼料用に限らず、抗生物質の使用量を減らすのは緊急の義務であり、とくに抗生物質を使いすぎるアジア諸国は一刻も早く抗生物質の使用量減少に取りんでほしいと警告している。 前のページに戻る |
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| 最近の鯉がウイルスで大量死亡などは、きっとエサに抗生物質などの薬剤が含まれていたかも知れない。なにしろウイルスや細菌は薬がから湧くのだからね | 戻る | |
世界中に拡散する耐性菌 毎年のように日本各地に食中毒をもたらしてきた。なかでも九六年に大阪府堺市を中心に、かつてない規模の集団食中毒をもたらしたが、このときに、患者の治療薬として抗生物質を多用したことが原因で、抗生物質に耐性をもつ複数の大腸菌があらわれていることがわかっている。同様に、結核菌や赤痢菌など抗生物質に耐性を持つ病原性細菌は数え切れないほど生まれていることが、ある大学病院の調査・研究でも明らかにされている。結核菌でいえば、九七年十月、世界保健機構(WHO)とアメリカ疾病管理センター(CDC)が共同で、薬剤が効かない多剤耐性結核菌が急速に拡大しっつあることを発表し、結核対策を強化することを強調した。 報告書によれば、三五カ国、五万人の結核患者を調べたところ、多剤耐性結核菌が三分の一の国、一丁三カ国で見つかったという。インドでは患者の三%、ラトビアでは二二%の患者から多剤耐性結核菌が見つかった。この両国のほかロシア、ドミニカ、アルゼンチン、象牙海岸などで目立って多剤耐性結核菌を保有する患者がいた。 細菌は、抗生物質や薬剤に触れるとかならず耐性をつくるものである。 ある病原菌に対して効果のある薬剤を発見すると、またその薬剤に耐性を持つ菌があらわれるというくり返しを絶えず行なってきている。 このような重大な事態を迎えてか、最近になってやっとわが国も遅蒔きながら重い腰をあげた。厚生省は九六年十二月二十四日、「薬剤耐性菌対策に関する専門家会議」を発足させ、国をあげて感染症対策に取り組むことを表明。会議ではあらたな感染症の拡大を防ぐために、薬剤耐性菌への対策を練ることが中心になるという。さらに、九七年九月には、省内に薬剤耐性菌を監視するための研究班を設置し、総合的な対策に取り組んでいる。じっは、これには裏があって、九六年春の日米首脳会談における合意が、「外圧」として働いた結果だという。すなわち、このときに「地球的協力のための共通課題」として、テロ対策や民主化支援などとならんで、感染症対策がとりあげられたからだというのだ。海の向こうのアメリカでも、抗生物質の大量使用による耐性菌の増加に歯止めをかけるために、CDCは九七年十月から無駄な抗生物質の使用を減らす具体策づくりに乗り出している。CDCの調査によると、アメリカでは年間に一億五〇〇〇万件の抗生物質が処方されているが、その三分の這不必要と考えられている。まして、抗生物質が効かないウィルス性の病気やかぜの患者の五〇%から七〇%にも抗生物質を投与しているという。ある。かぜに使用されている抗生物質一八〇〇万件はまったく不要だと指摘している。 CDCは、医師用にかぜや鼻や耳の炎症、せきなどの症状に抗生物質を使うかどうかの注意点や、患者への説明手順を書いたパンフレットを配ったり、ふつうの人たちに対しては、かぜへの対処法や子供に対する無駄な抗生物質投与の危険性を解説したガイドブックとビデオを作成し、とりあえずいくつかの州政府と協力して対策に乗り出している。 ただ、アメリカの場合は、日本とちがって過去の体験をよりよい教訓として、心臓移植手術やエイズ治療など、特殊なケース以外は抗生物質を使わないことにしているので、現在ではMRSAによる院内感染は発症しにくい環境が生まれている。 ちなみに日本の抗生物質生産額は四五五〇億円(一九九五年度) で、医師の処方が必要な薬の七・三%にのぼっている。八八年の七〇二五億円という生産額からくらべると減少傾向にあるが、製薬メーカーがこぞって新しい抗生物質の開発にどんどんお金をつぎ込んで開発していったことと、医師のほうも利幅が大きいことを第一義的に考えて、プロパーが持ってきた抗生物質をよく吟味もせず多用してきたことが、院内感染や強い耐性を持つ病原性細菌を生んだことはまちがいない。それもこれも現代日本の健康保険制度と医療体制のひずみが生んだものといってよい。 前のページに戻る |
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細菌の逆襲にどう備えるか 前章までにみたように、人類は細菌に選択毒性を持つ化学物質(このなかには抗生物質も含まれる) によって感染症の治療を行なう化学療法の夢を実現させた。 その後も先進国では化学療法がますます発展すると同時に、公衆衛生の改善がすすみ、栄養のバランスのとれた食物を摂るようになった。このため、先進国では結核や肺炎などの感染症による死亡者は激減した。代わって登場したのが、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病などの生活習慣痛である。私たちの日は感染症から生活習慣病に移り、「結核なんて病気、まだあったの〜」などとのんきに思っていた。 虎視眈々と狙っていたのだ。世界には約二〇〇の国があるが、そのなかで先進国といえるのは二〇カ国くらいで、残りの一八〇カ国は開発途上国である。これら途上国での死亡原因は、いまだに、コレラ、ジフテリア、マラリア、結核、肺炎などむかしからあった感染症が上位を占めている。 先にも述べたように、ペニシリンにはじまった抗生物質は感染症を倒すエースとして活躍してきたが、ここ数年、抗生物質の攻撃にあっても、死なない細菌、増殖をやめない細菌、いわゆる耐性菌 (薬剤耐性菌) が増えてきている。しかも、耐性菌は一つの地域や国にとどまらず、世界中に広がりはじめている。 対抗策は二つ考えられる。 一つは、耐性菌に効く新しい抗生物質を発見・発明しつづけること。 もう一つは、耐性菌の発生をできるだけ抑えることである。 この二つの対抗策のうち一つを選択するというのではなく、人類が生き延びるには、どちらも必須なのである。 耐性菌の出現を防ぐには、耐性菌が発生する仕組みを理解し、その裏をかくのが最良の方法である。そのためにはまず耐性菌が発生するメカニズムを理解することが肝心だ。 前のページに戻る |
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抗生物質から菌がわくのだから、ひとつは永遠に無効だろうね。そしてもうひとつの耐性菌の発生を抑えるには、薬をやめることしかないだろう。(himaari) 耐性菌が発生する仕組み = 体内に入った薬という毒物を自然は掃除しようとして細菌やウイルスにその手助けの役目をさせる。 |
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あらたな感染症ウォーズのはじまり 耐性菌に悩まされているのは、なにも日本だけに限らない。日本の場合は、メナシリン耐性黄色ブドウ球菌による院内感染、結核、出血性大腸菌による食中毒症などが問題になっているが、ロシアではジフテリアが、アメリカでは結核、狂犬病、ペストなどが問題に いま私たちは、あらたな感染症の時代を迎えている。この事態を冷静に考えてみれば、人間の歴史は感染症との戦いの連続であり、感染症を克服するために人間が開発した抗感染性物質の投与により新しく生まれつづけている耐性菌と人間との知恵くらべの連続であるといっていい。 (中略) 「薬で感染症は防ぐことかできる」と短絡的に考えた。この背後にあるのは、科学と医療技術の進歩による医学関係者の思い上がりであり、ひいてはそれが、抗生物質や薬剤に耐性のある病原性細菌を生みだす悲劇を招く一因にもなったのである。 それは一方では、医学の分野における感染症の研究に歯止めをかけることにもなった。基礎医学や臨床医学の領域では、がん遺伝子やヒト遺伝子の情報解析、分子免疫学といった、きわめて今日的な課題に取り組むものが続出する反面、感染症は抗生物質などの抗感染性物質を投与しさえすれば大丈夫だということで、興味を持つ医学研究者は極端に減少していったのである。この傾向はアメリカでもまったくかわらないが、日本のほうがはるかに事態は深刻である。 事実、生体と微生物との複雑かつ微妙な関係の中で感染症を研究している学者はほとんどいないし、何よりも、大学医学部で細菌学者がいるところは半数以下というのが、日本のお寒い実態なのである。これでは、さまざまな手段を使って耐性菌を生み出し、私たちの日常生活のあらゆる場面に登場するようになった病原性微生物に備えることなど、夢のまた夢である。 とはいえ、私たちは微生物たちから逃れることはできない。好むと好まざるとにかかわらず、「人類が制覇したはずの細菌が再武装してまた刃向かってきた」(一九九六年七月の日米医学協力会議でのある研究者の発言)状況のなかで、復活あるいは新興の病原性細菌やウイルスと真正面から取り組んでいかなければならないのだ。 その間いをいま、私は「あらたな感染症ウォーズ」のはじまりと位置づけようと思う。そして、どう彼らとつきあっていったらいいかを考えていきたいと思う。 |
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| それはそうでしょうね。彼らはそれが役目なのですから。 役目= 体内の汚物毒素を掃除する 汚物毒素 = 薬を主とした毒物や異物 (himaari) 前のページに戻る |
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抗生物質神話の崩壊 いささか旧聞に属する話で恐縮だが、一九九四年三月二十八日号の「ニューズウィーク」誌に、医療関係者にはかなり衝撃的だと思われる記事が掲載された。 「抗生物質−奇跡の薬はもはや終わりなのか〜」と題した特集記事で、感染症でかつぎ込まれた五七歳の患者の治療にあたった医師が、体内に宿っている耐性菌のためにどんな抗生物質や薬剤を投与してもまったく効果がなく、もう病気が治る見込みがない患者に貴終通告ともいえる治療終結宣言をしたときの様子が、つぎのように語られている。ちなみに、その医師は患者に対して九〇日間、あらゆる試みを行なったあと、決断した。「ついにある日、担当の医者は勇気をふりしぼって五七歳の患者にこう言った。『二〇世紀の奇跡の薬といわれた抗生物質をあらゆる限りあなた(患者)に使ってみましたが、いずれもまったく効果がありません。もう治療薬がありません』。その患者は、医師にそう言われたあと、数日を経ずして息を引き取った」 「魔法の弾丸・奇跡の薬・夢の薬」などさまざまにいわれた抗生物質が、病原性微生物に完全にやられてしまった瞬間である。物質や治療薬がまったく効かない耐性菌に侵された感染症の患者が目立っている。 そのなかでも、抗生物質がまったく効かない細菌「メチンリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA)」が、ここ数年来、「院内感染」を全国各地の病院内で引き起こして深刻な問題になっていることは、何度もマスコミで報道されているからご存じの方も多いだろう。 MRSAは健康な人にはあまり影響はないが、免疫力の弱っている老人や免疫力の備わっていない幼児、あるいは手術直後の感染防止のために抗生物質を使ったときなどに、生命に関わる重大な事態を引き起こしやすい。 かつて、かぜが新生児室で流行したり、アメリカやイギリスだけでな〈、日本でもレジオネラ症が病院で蔓延したこともあるが、病気を治すはずの病院で新たに病気に感染する「院内感染」が問題になるというのも恐ろしいことである。これについては、1章で見たとおりだ。 院内感染を起こす病原性細菌やウイルスは、入院患者が持っているもののほかに、医師や看護婦などの病院関係者、病室の空調設備や水、医療機器、輸血用血液、薬剤、昆虫やペット、見舞客など、ありとあらゆる経路で持ち込まれるから、感染源を特定するのは困難である。ただ、なかにはスリッパの消毒、医師や看護婦の手や指の徹底した洗浄・消毒、病室やカテーテルなどの器具を徹底洗浄・消毒することによって院内感染の発症を防ぐ努力を行なっている病院も出てきてはいる。 前のページに戻る |
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| 上記 引用文献 感染症が危ない 初版1 1997年12月25日 著 者 生田 哲 発 行 者 光文社 |
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