第6回 アメリカの家族 -その1

 今回、『アメリカの家族』という大きいテーマを掲げましたが、色々な国の人達が住んでいて、その人達が結婚をして子供を持つ。又、その子供達が違う国の人と結婚して家族を持つ。
余りにも多様でとても書き切れません。 いつか機会をみて、『アメリカの家族2』を書くとして、今回は、大きく日本と違うなあと思った部分を書いてみます。

1、弁護士を立てないと離婚も出来ない!

(いきなり、離婚の話ですいません。が、アメリカの離婚率はすごく高い。1度や2度の結婚では 本当に自分が愛する人には巡り会えないみたいな考えもある様なので。)
他の州では解りませんが、New York, New Jerseyでは、離婚をする際には、ケンカ別 れではなくてもすぐにお互いに弁護士を立てます。日本の様に区役所に個人的に届けを出せば終わりという訳にはいかないのです。
子供の親権、住んでいる家、財産分与等、全てが弁護士を通して行われます。 通常、着手金として$5000―くらいは取るそうです。(お金のない人はどうするのかね?)

 ちょっと話はそれるけど、 弁護士もピンキリで、屋台式に弁護士の看板を立てている人もいるし、(信用出来る?) 警察の記録を見てお金の無い軽犯罪者には(万引き等)格安で引き受けますよ!という 勧誘の手紙も来るそうです。(いかにもアメリカ的な話です。)
New Jerseyでは、妻が働いていると原因が夫の不倫や暴力でも離婚後の慰謝料は、一切ないそうです。財産は結婚の年数にもよるけれど、最高半分、半分だそうです。
(もちろん、暴力が裁判になったら又別の話です。夫の非が認められれば当然慰謝料はもらえます。)
一見女性には不利な様に見えるこのシステムですが、今のアメリカの女性達の多くが、経済的にゆとりがあっても自分のやりたい仕事についています。男性も女性も同等に見ると言う事なのでしょうか。子供の親権については面 倒らしく、親権を半々にすると両親は同じ州に住まないといけないのです。どちらかが、他州に引っ越しをしたくても駄 目だそうです。

 2、子供の教育は徹底している。

 友人の家に遊びに行き、(御主人はミュージシャン、奥さんはグラフィック・デザイナー) 共に仕事場は家です。さて、お昼においしいレストランに行く事になったのですが、午後1時頃に帰って来る息子を誰が待っているかでお互い譲らずなかなか決まりません。
というのも、こちらでは子供が12才になるまで、スクールバスで帰って来る子供を親かそれに準ずる保護者が家で待っていなければいけないという法律があります。 どうしても用事がある時等は、近所の友人の家にそこの子供と一緒にいて、親が帰ってきたら 子供を迎えに行く事もあるそうです。
結局この友人も3軒先の家に私達が食事から帰るまで子供を頼む事にして、学校に連絡。
(こういう事を気軽に学校に連絡出来るのも日本人から見ると、少しフシギ!)
最近は随分小さい子供もCell Phone(携帯電話)を持たせる様になっているみたいですが、 その家の方針で15才まではダメ、とかアメリカでは各家庭の方針は徹底している様です。
(よその子供がもっていてもガマン、ガマンだそうです)

息子が帰ってきてからは、お父さんはおもちゃ用のギターで遊んだり、コンピュターを教えたり。 彼が言うには、『アメリカ人は子供と過ごす時間をとても大切にしているよ。子供はその時間を通 して色々な事を身につけて行くんだ。僕の両親も僕が20才で離婚したけど、子供が少なくとも 一人で生活出来るまではと、離婚を延ばしていたらしいよ。僕は母と暮らしていたのだけど、 父とは今でも時々飲みに行くよ。今では尊敬出来る友達って感じかな?』
色々アメリカの家族模様を聞いてみると、子供は自立して1人生活ができる経済状態になれば、 家を出るのは当たり前だそうです。自分で社会の中で生きる力をつけると言う事とアメリカは徹底した個人主義だからだそうです。(この個人主義、アメリカで生活していると、いいも悪いも肌で理解出来る様になるのですが、言葉で説明するのはとても難しいのです。ああ、文章能力不足を感じます。)

確かに生活していると、ファースド・フード的な店には家族連れで来ますが、きちんとしたレストランには子供は連れて行きません。親が楽しむ為に行くのだからです。
初めてアメリカに住み始めた頃、日本なら100円ショップにも売っているカッターナイフがどこに行ってもない。(どうして〜!)子供にとって危険だと思われるものは、排除するのだそうです。 私は、遠くのHard Wareの店でやっと手に入れました。
私のアパートメントの2軒隣にあった、インターネット・カフェも住宅街で10代の若者が深夜までたむろするという事で営業停止。
(でもその隣のマクドナルドのパーキングでは、薬物の売買がされているという話だけど、 この取り締まりはどうなっているのでしょうね??)

 3、家族の絆の強さ

 離婚が多いアメリカですが、家族の絆が強いなあと感じます。うれしい事があれば親、兄弟の家族が集まりParty.、問題が起これば、意見を言い合うのが好きなアメリカ人、皆で問題を解決しようとします。
私の友人のArtistは、息子が19才、オヤジというより、友人の様に息子は父と色々な事を話し合う。日本の19才、20才あたりの男の子は、あんな風にガール・フレンドの事や自分のしたい事 等をフランクに話しているでしょうか? たぶん『オヤジには解らない』と切ってしまっているのでは? 日本のお父さんも『オレには解らない・・・』と。
NYの人達は皆、『I'm busy, I'm busy』忙しくて、忙しくて、と言っている人が多いのですが、仕事で忙しいのもさる事ながら、今日は1回目に結婚した娘と食事、将来の事をきいてあげなければいけないとか、明日は、現在の子供達と映画に行くとか、あさっては、2度目に結婚した時の息子が、ダウンタウンのライブハウスでコンサートをするので見に行かなければいけない等、プライベートで結構忙しい人が多い事も事実です。
(そうだよね。それぞれの結婚時の全ての子供達をフォローしようとしたら父親も母親も忙しいよね)
家族間の絆が強いけど、離婚も多く、でもそれぞれの子供達とは良い関係を保ちながら暮らしているアメリカ人。 日本の人達からみると矛盾が多いかもしれないですね。
でも、形は正常な家族に見えるけど、コミュニケーションも少なくなっている気がする日本の家族よりも、色々な人がいて、色々な考えがある事を体験できるアメリカの家族には、子供がやさしさや強さを覚えて行くには、何よりの体験なのかなとも思えます。
そうして、子供が大人になり結婚したり、又は突然ですがゲイになったり(NYはゲイがとても多いです。私の知っているゲイの人達は感性豊かで、やさしいし、いい奴でした。私はゲイの人を差別 する事には感心しないなあ。)
とにかく子供達がどんな形にせよ一人前になって父親、母親が自分達の楽しみを追える様になってしばらくすると彼等の両親が高齢になってきます。
ここから又色々な生活パターンや家族のあり方が少しずつ変化して行く様です。

『アメリカの家族2』では老後、とその家族について書ければと思っています。

PS
アメリカの矛盾のもう一つに、一方ではとても人の気持ちや人権を尊重する反面 、とにかく お金という所がとても強い。もちろん日本だって同じですが、大げさにいえばお金のある人は長生き出来るけどそうではない人はきちんとした医療も受けられないのが現実です

Yuriko Hirose


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