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俳句作品近作20首抄

 
 
 

挿木して父のことばを待つてゐる

三月の影を鯨と思ひけり

春の荷の皿一枚が割れてをり

 東京・赤坂 齋成堂 崔鴻銓先生
先生の強き腕も花の頃

人間に目鼻あること夏兆す

博士ふたり目の前にゐる薄暑かな

軒下に父の自転車花蜜柑

 韓医師・崔鴻銓先生と赤坂・しる芳にて昼食
先生と天丼を食ふ梅雨の晴れ

六月の空の真下の団地群

枇杷の実を数へて去りし男どち

夏の牛そこにはゐないやうな顔

八月の起重機音を食うてゐる

老人に草の匂ひや夏の駅

たくさんの草八月の公園に

ほつこりと栗焼酎でありにけり

王のごと男立つたる油照り

八月の甘々棒は雨の日に

べたべたと日差しありけり秋の家

レポートの溜まる九月の必死かな

いつぱいの悲しき顔や吾亦紅
 

ああ、そうなんだ、と思います。私はあまり季語を知らない。そのことを思います。三月、六月、八月、九月。俳句をはじめたころから変わらず、こうした季語を使っています。春、夏、秋。こんな単純な季語が好きなのだとも思います。おそらく、それでいいのだ、と思っているのです。俳句は、そんな単純な詩型なのだと思います。単純。この意味が深くある。俳句はそんな詩型なのだと思います。

(2008.4.26)

短歌作品:近作20首  短歌作品:季節別作品

俳句作品:近作20句  俳句作品:季節別作品

 

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© Hiroyuki YOSHINO  http://homepage3.nifty.com/hiro1961/
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