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6BM8三結PPアンプ

      回路定数一部変更(2006/5/7)

       NFB回路変更 (2007/12/29)

 

 「6BM8/ECL82」は昔のステレオに大変よく使われた球です。9ピンMT

管の中に電圧増幅用の三極管と出力用の五極管が入っています。

 今回は出力部のスクリーングリッドをプレートと結び三極管接続(三結)としま

した。三極管接続とする事で真空管から取り出しうる最大出力は半減するのですが、

内部抵抗が低くなりDFが向上する事や五極管接続に比べ、落ち着いた音質が見込

めます。

 初段部分は位相反転を兼ね、差動型のアンプとし、以前に「2A3シングルアン

プ」で使った手法、初段管のプレート電圧を出力管のアース電位と同じにする事で

プッシュプル(PP)の直結アンプとします。

回路方式は「6BM8三結PPで自己バイアス抵抗を持つ直結回路」という事に

なります。


回路図
 

 直結アンプの安定性は気に掛かるところですが、

初段の差動回路に流れる2管の合計電流は初段管のばらつきにはほとんど影響さ

れず、定電流回路の電流値によって決まります。

初段差動アンプの定電流回路を抵抗とすれば、この抵抗とマイナス電源の電圧に

よって差動アンプの電流が決まります。差動回路のプレート電源電圧とマイナス

電源の電圧を固定すれば球のバランスに注意する事で差動アンプ・プレート負荷

抵抗に安定した電圧降下が得られます。プレート電源電圧とマイナス側電源を

1W型のツェナーダイオードを複数個使って安定化させ、出力段は自己バイアス

抵抗を持たせることによって安定度を確保します。

 球のバランスに問題があるようなら電圧計を設け、バランス調整用のVRも

シャーシー上面から調整できるようにと思っていたのですが、調整途中の感触で

はそこまでの必要はなさそうです。

 回路定数一部変更(2006/5/7)

 高域補正コンデンサー 1PFに変更

 カソード・バイパスコンデンサーの値を22μFに変更

 ZD2にパラレルに47μFを追加

調整

 アンプの調整はPP出力管の自己バイアス抵抗680Ωの両端電圧が等しくな

るようにバランスVRを回します。この時の電圧が22Vになるように差動回路

の共通カソード抵抗(*)を調整します。

本機では片側chの電流が多く電圧が高くなりましたので、共通カソード抵抗

150KΩを100KΩ+47KΩとして調整しました。抵抗値が小さくなると

出力管のバイアスが深くなり出力管に流れる電流が減少します。

(真空管の交換などの時、調整し易いように始めから抵抗150KΩを

 「50KΩVR+抵抗120KΩ」としておく方法もあります)

 高域補正用の1PFのコンデンサーはデップドマイカコンデンサーが良いので

すが耐圧は500Vくらいの物が必要です。小容量コンデンサーの手持ちが無い為

ICのラッピング配線などに使われるワイアー「ジュンフロンETEF電線0.32」を

しっかりと捩り、これを1PFの代用としました。

 

測定

  

 1KHz方形波再生波形(右ch)  10KHz方形波再生波形(左ch、右ch)

 今回使用した出力トランスは高域に暴れがあり左右の高域特性に差が出ていま

す。NFBは回路図の定数で約9db掛かっています。

低域は直結アンプだけによく伸びていますが10Hz以下は手持ち測定器の関係で

測定不能です。

測定は真空管を無選別に差し込んだ状態で調整しました。歪率は球の選別や交流

バランスも考慮して調整する事でさらに低くする事が可能と思いますが、この程

度であれば十分低歪みだろうと思います。

4.5W出力時に入力は2.1Vほど必要です、若干感度の悪いアンプになっています。

出力は4.8W位から急激にクリップが始まります、最大出力は約5W、DFは約

6(8Ω/100Hz)、周波数特性は 10Hz(-1db)〜 34KHz(-3db)

という事になりました。


試聴

 出力トランスの高域特性の影響か高域にザラっとした感じがあるのですが、各

音の定位が良く(特に低域の)、、音が自然素材で出来ている、そんな感じがし

ます。

 

ベートーベン 「田園」

ORCHESTRE NATIONAL DE FRANCE

KURT MASUR

オーケストラの全合奏の醍醐味、よく表現します。音

の良いという録音ではないと思うのですが魅力的で新

鮮な演奏です。

   

ドビュッシー 「海」

シャルル・ミンシュ ボストン交響楽団

響きの少ない録音ですがオーケストラの細かな音の表

現、そしてオーケストラがフォルテになる快感がよみ

がえります。

 

CONCORDE 

THE MODERN JAZZ QUARTET

「むん、むん」といったベースの音、「もこもこ」

したピアノの音、太いという感じ、よい雰囲気です。

こういったエネルギー感をちゃんと出すのは意外と

難しいかもしれない、、と。しかし昔聴いていたレ

コードでは細身で高域の方に魅力があったような、、

CDを聴きながら音の連想から昔のJBL D130やD123

のスピーカーの事を考えていました。

 
真空管データ参考資料

全日本真空管マニュアル (1974年版) ラジオ技術社


2007/12/29    
NFBの掛け方を変更したアンプ


 先のアンプは出力トランス2次側からNFBをかけていました、NFBループ

内の高域時定数は3段になります。NFBの功罪は色々言われています。

人によってその感受性は大きく差があるようですが、NFBを掛けたアンプは

一部の人にとって問題を引き起こします、音がいいとか悪いとかの問題ではなく

聴いていられないという状態になる事もあります。

先のアンプの1pFなどという小容量の補正コンデンサはその対策でもあったの

ですが、、、。


 NFBループ内の高域時定数の段数が2段になるように出力管プレート、

出力トランス1次側からのNFBに変更します。

このように差動増幅回路に交差するように帰還する位相は通常の2段の時定数

よりもう少し遅れた特性になるようです。


 出力トランスも、より帯域の広いLUXのOY14-5に変更しました。

このOYシリーズのトランスは経年劣化で断線のリスクと隣あわせですが、

その音質は納得できるものです。

 負帰還回路に入るコンデンサーには耐圧450V以上のリーク電流の少ない

良質なコンデンサーが求められます、手持ちの古い日本製チューブラコンデン

サーでは出力管電流が安定しませんでした。

出力管のカソード抵抗は電流調整後、JPでショートします。

   

  100Hz        10KHz


 

 最大出力は大きな差は無く約5W、DFは2次側からの負帰還ではない為

半分以下の約2.4(8Ω/100Hz)、周波数特性は  〜 48KHz(-3db)

と、低域はさらによく伸びています。



 音は先のアンプとは違って聴こえます、出力トランスも違い、NFB回路

も違っていますから当然なのですが、大きく違う事は「音の出方」にあるよ

うに聴こえます、この違いは負帰還ループの時定数の段数によるものだろう

と感じられます。


ベスト・オブ・フランク・チャックスフィールド・

オーケストラ

引き潮、夕陽に赤い帆 など

 CDになって全く聴いていられない状態になったのが

このようなジャンルの曲でした。購入したCDプレヤー

をセットしてもレコードの時の印象とは、ほど遠い鳴り

方だったのです。

ようやく雰囲気を感じさせてくれる鳴り方になってきま

した。

   

SCREEN MUSIC FAVORIETS

COLLECTION (映画音楽)

エデンの東、ヴェニスの夏の日、裸足のボレロ、風と

共に去りぬ、第三の男、慕情、死刑台のエレベーター

                   など

 ホームセンターから購入したCDですが、古い映画音楽

というのもオーディオの中で強力な1ジャンルだという気

がします。映画音楽は古いアルテックやシーメンスでの鳴

り方は当然良いとしても、JBLスピーカーで音量を絞っ

て聴く映画館風の鳴り方とは違った余分な響きをそぎ落と

した鳴り方も、しみじみと魅力的です。

   

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